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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

エコミューズ所蔵資料の勉強会(5/23)

先月、5/23に月に一回行なっている所蔵資料の勉強会を開催しました。

この日は千北診療所の検査技師であった田中千代恵氏の資料を取り上げました。
その中からは、西淀川公害患者と家族の会が発足(1972年10月29日)した際の議案書の草稿らしきメモ(手書き)が出てきました。
当時の状況や公害問題解決を目指して真摯に取り組む様子を、一次資料から追体験する事が出来ました。

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エコミューズの活動は、みなさんから頂戴するご寄附を財源にしています。

いただいた寄附をしっかりと役立てられるよう活動をしていきたいと思います。

また、今後もぜひとも活動を支えていただきたく、寄附を募っております。
どうぞご協力をよろしくお願いいたします。

あおぞら財団への寄附についてはこちら。
https://aozora.or.jp/aboutkifu

あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)
http://www.aozora.or.jp/ecomuse/

利用時間:月および金 曜日 10:00-17:00
※事前にあおぞら財団まで電話連絡をお願いします。

追手門学院大学社会学部 藤吉ゼミ 西淀川フィールドワーク(5/14)

2022年5月14日(土)、追手門学院大学社会学部3年生14人とゼミ担当の藤吉圭二先生が西淀川を訪れました。
藤吉ゼミは以前にも来られていますが、コロナの影響により、ここ数年はフィールドワークが実施できませんでした。
今回、参加した学生さんは入学以来、オンラインの授業ばかりで、最近になりようやく対面授業やこうしたフィールドワークに参加できるようになったそうです。

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阪神「出来島」駅に集合し、国道43号や出来島小学校前の大気汚染測定器や汚染対策の見学をしました。その後、デイサービス施設「あおぞら苑」、イスラム教のモスク建物内の雑貨店でお買い物、大野川緑陰道路の散策、などを経て、あおぞら財団に到着。

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西淀川公害やまちづくり活動の説明をおこない、資料館(エコミューズ)を見学後、「ワークショップ フォトランゲージ」を行いました。公害がひどかった当時に撮影された写真を見て、どういった内容をその写真が語っているのかを話し合うワークショップです。

次に、西淀川公害患者と家族の会の山下晴美さんから、公害病によって苦しんでいるご主人の様子やご自分の生活のことが語られました。

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最後に学生たちから感想が述べられました。一部紹介します。

・四日市ぜんそくぐらいしか知らなかった。大阪でも大変だったとわかった。
・今でも、大阪と地方を比べたら、大阪のほうが空気が悪いと感じる。医療が発達したとはいえ、身近な問題だと思う。
・教科書で勉強するよりも、お話を聞くことで、より深く知り、実感できた。

藤吉ゼミでは、アーカイブズ(過去と現在)をテーマにしているそうです。
また、今後とも、西淀川にお越しいただければ幸いです。

(記:スタッフ 鎗山)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川公害授業,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年5月20日8:35 PM

西淀川公害=資料の紹介(3) 大野からみた福駅方面の写真 

※機関誌りべらで連載をしている所蔵資料紹介コーナーの転載記事です。
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写真は、大野の集落から今は緑陰道路と呼ばれる大野川をはさんで東の方向を見た1956年頃の風景である。写真には大野川を隔てて阪神電鉄福駅や、その右側には当時伊藤と呼ばれた日本化学の工場が増設のためか、足場を組んでいるのが写り、右端には大阪製鉄(後の合同製鐵)の木造2階建て社宅も大きく写っている。日本化学については「煙がすごかった」との注釈が写真裏面に記されている。当時小学校高学年でときどきこの地を訪問していた女性の記憶によれば、川は灰色で、何がいるのかわからなかったとのこと。一方、大野の集落側の川沿いは小さな船着き場だったのか、大人が子供たちと並んで、季節の陽気を楽しんでいるようにも見える。右側の男性は船の中か。当時草むらの中には野生のアヒルが卵を生み、それを探す人もいたという。くつ・ぞうり・はだしといった子どもたちの足回りにも注意してほしい。

農漁村の面影を多分に残しながら、大阪市の北西~西部地域では戦後朝鮮戦争の影響下急速に工業生産力を伸ばしていた。そこでは、無計画に立地した中小の工場を中心に、労働者の住宅・商店などが密集し、地域の姿も農漁村から工業地域へと急速に変貌しはじめていた。行政が空気や水への環境汚染を放置し、都市の公共的な生活基盤への投資をないがしろにしていた歴史を物語る写真と言っていい。西淀川公害の歴史的背景でもある。

エコミューズ館長 小田康徳
3 大野からみた福駅方面 1956年ごろ

塚口アキエ氏資料No.3

りべらVol.158(2022年4月発行)より抜粋

エコミューズ所蔵資料の勉強会開催中。資料集作成をめざして(3/24、4/19)

あおぞら財団附属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の所蔵資料をもちいて、西淀川公害のことがわかる資料集を作成しようと、昨年度(2021年度)よりそのための勉強会や委員会を開始しました。
3月24日は、喜多幡龍次郎氏の大野川緑陰道路に関する資料や、井上善雄弁護士の西淀川公害訴訟前の検討資料などを見ました。

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喜多幡氏の資料のいくつかは、4/22からはじまった図書館での展示にも活用しています。
詳しくはこちら→ https://aozora.or.jp/archives/37701

また、4月19日は、資料館長でもある小田康徳氏からの寄贈資料や大阪から公害をなくす会からの寄贈資料について確認しました。小田康徳氏の資料の中には、「西淀川聞き取り調査(姫島)」と題した、1980年作成の聞き取り調査の書き起こし資料がありました。地域の変化、生活の変化、その中での公害問題について、語られています。

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エコミューズの活動は、みなさんから頂戴するご寄附を財源にしています。

いただいた寄附をしっかりと役立てられるよう活動をしていきたいと思います。

また、今後もぜひとも活動を支えていただきたく、寄附を募っております。
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あおぞら財団への寄附についてはこちら。
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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)
利用時間:月および金 曜日 10:00-17:00
※事前にあおぞら財団まで電話連絡をお願いします。

 

現地を歩き公害を学ぶ 司法修習生見学(3/11)

3月11日(金)午後1時に、近畿弁護士連合の司法修習生5名、引率者1名(コロナの関係でネット参加者5名)、あおぞら財団スタッフ2名が、集合場所出来島駅から、西南方向に歩いて街を見学しました。国道43号で折り返し、出来島・大和田地域を歩き、緑陰道路で歴史の解説を開いてあおぞらビルに到着しました。
まずは西淀川大気汚染の原因の一つとなった大型車が多く走る国道43号沿道に行きました。途中で西淀川区の電信柱でよく見られる海抜標高0mの表示を見ながら、あおぞら財団の藤江さんが海抜が低い西淀川区での堤防や防災施設の重要性を解説してくれました。国道43号近くに大気質測定装置が設置されています。近年、流入車規制の施行や5号湾岸線の開設・誘導によって、大型車走行量は減ってきており、居住地付近のPM2.5濃度も減少する傾向が見られます。さらに防音壁や空気を浄化する光触媒塗装が設置されています。排気ガスに苦しめられた公害訴訟当時と比べると、現在我々が生きている環境ははるかに良くなっているが、歴史の教訓は忘れるべからず、環境の大切さは常に頭に入れるべきではないかと思います。

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次に、地域すべての住民がより良く暮らせるよう旨とする高齢者介護施設あおぞら苑が紹介された後、神崎川の様子を見に行きました。昔神崎川沿岸に工場がたくさん稼働していた、そのため水質汚染も深刻でした。今は表面の汚染はなくなりましたが、川底に沈殿した汚染物質を浄化するまで、まだ課題はたくさんあります。

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そしてドブ川から再生してきた大野川緑陰道路に足を踏み入れました。地域の舟運や治水に利用された大野川は、工場排水によって河川の汚濁が目立つようになり、環境改善として1970年代頭くらいに埋め立てられました。埋め立て前に大阪市は跡地に高架道路を建設する計画を発表しましたが、公害に苦しめられた西淀川区民に反対され、最終緑陰道路が造られたと藤江さんが紹介してくれました。

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「なんかちょっと実感ないですね」、「50年くらい前の話ですからね」、「だから実際のところを見て回ることは大事ですね」などと修習生が感嘆しました。
しばらく歩いてあおぞらビルにつきました。5階の資料館で、休憩しながら公害訴訟の記録資料とあおぞら財団設立経緯をビデオで見ました。

そして、3階のグリーンルームで公害被害者岩本さん自身の公害病の話を聞きました。ぜん息が起こった夜の咳き込み、続発症である中耳炎による聴覚障害、大気公害の公害者はずっとこのような病魔と闘って続いているほか、公害患者に対する世間の偏見は、知らず知らずのうちに彼らの心にもより孤独の色をかけてしまいました。

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心を打たれる修習生たちから、被害の現場・被害者の立場から物事を考えることが大事だ、などの感想が寄せられました。それに対して、岩本さんが「是非、良い法律家になってください」と励ましの言葉をかけました。
人間社会の発展とともに公害はだんだん減っていくかも知れないが、新たな課題や紛争は現れ続けています。現場・被害者の状況を十分考える上で、自分の心にある天秤に従い判断を下すのは、「良い法律家」の基本じゃないかと思います。

王 子常(あおぞら財団アルバイト)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年4月8日5:42 PM
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