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【映像】元神戸製鋼 山岸さんのインタビュー映像の公開

西淀川公害訴訟の被告企業のひとつである神戸製鋼の元法務室室長で、訴訟の担当者だった山岸さん。
裁判当時の企業の取り組みや、訴訟担当者として、また今となって感じる想いを語ったインタビュー映像をyoutubeで公開しました。

【山岸 公夫さん】 1943年生まれ。西淀川公害訴訟の被告企業のひとつである神戸製鋼の元法務室室長で、訴訟の担当者だった。現在はあおぞら財団の理事を務める。

映像協力 岸本景子
解説出典:「記録で見る大気汚染と裁判」独立行政法人環境再生保全機構
制作・著作 公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
※この動画は地球環境基金の助成を受けて作成しています。


●インタビューの全容(テキスト)は下記のサイトからダウンロードして読むことができます。

▼外部サイト(ストアーズ)
オーラルヒストリー「企業の側からみた西淀川公害」山岸 公夫さん(元神戸製鋼)

環境省職員環境問題史現地研修(5/30-31)

あおぞら財団では、毎年、環境省職員の「環境問題史現地研修」の受け入れをしています。
昨年度と同じく、一週間前にオンラインによる事前説明会うを行った後、、5/30から5/31に西淀川に来ていただきました。

今年の参加者は33名(引率2名)と過去最多です。

あおぞら財団の設立経緯、活動内容を紹介

一日目の最初は、オリエンテーションとして、プログラム概要説明と自己紹介などを行いました。その後、昔の西淀川の大気汚染に関する写真に基づいて、フォトランゲージがされました。フォトランゲージとは写真を言語化するワークで、各自が昔の大気汚染の実情を想像しながらタイトルを付けます。

フォトランゲージの様子

その後、グループごとにロールプレイを行いました。公害が起きた町を設定し、その町の市役所職員、住んでいる一般住民(公害患者の親)、医者、企業、従業員といった役割を演じてもらいました。実際にその立場で考えてみたら、どの役割でも難しさがあること、特に公害患者が少数になりがちになり意見が言いにくくなり、公害患者に寄り添う難しさを感じてもらいました。

各自の役割の立場で考えて、やりとりをしている様子

アイスブレイクや背景知識の学習が終わりましたら、公害患者の語り部の岡崎久女さんと西淀川公害患者と家族の会の事務局長、上田敏幸さんの話を聞きました。実際に公害被害を経験した患者さんの生の声を聴いて、より確実に公害がもたらした不幸を実感できたのではないでしょうか。

公害患者会の岡崎さんと上田さんに話を伺っている様子

その後、あおぞら財団理事長であり、西淀川大気汚染訴訟弁護団の一員であった村松昭夫弁護士の話を聞きました。公害訴訟に工場や阪神高速道路公団など被告の選定、疾病と公害の因果関係の証明、共同不法行為の証明など色々苦労したことを伺いました。

村松先生が公害訴訟について話している様子

いくつかの講義を経た後、あおぞら財団理事である高田研先生が「紙芝居プレゼンテーション法(KP法)」を紹介しました。各自が紙に「今日の学び・印象に残ったこと」と「もう少し深めたいこと・考えたいこと」などキーワードを書いてもらって、グループ内に共有して、プレゼンテーションをしてもらいました。最後に、全体の共有を行い、一日目の研修は終了しました。

KP法を活用し、グループワークしている様子

研修終了後には、あおぞら財団スタッフや患者会が各グループに入って、交流会が開催されました。

 

二日目は、講義形式ではなく、「公害のデパート」とよばれていた西淀川で実際に歩いて、貸し切りバスで回って、この辺りの実態を知ってもらいます。大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、 悪臭が典型7公害と言われていますが、西淀川にはこの7つの公害により汚染されていました。

あおぞらビル屋上から交通量の多さを確認する

公害資料館「エコミューズ」で過去の公害に関する資料を見る

介護施設「あおぞら苑」の前で公害の碑と集合写真

幹線道路には大型車が多い

国土交通省大阪国道事務所から大気汚染・騒音対策を紹介

堤防から民家が川より低い様子を確認

小降りの中、大野川緑陰道路を歩く

その後、あおぞら財団理事、元神戸製鋼所訴訟担当の山岸公夫さんが、企業側の目線から、西淀川大気汚染公害訴訟をどう見ていたのかという話がされました。本件訴訟をふりかえって、企業側としては不法行為をしていないにも関わらず、公害患者という被害者がいる中で、うまい落としどころが見つかれば…という思いがあったそうです。山岸さんは 時代の屈折点における軋みと捉えていて、トラブル処理の基本となる法律の整備が時代の変化に対応していってほしいと語っていました。

山岸さんによる企業側からみた公害訴訟についてのお話

最後に、この二日間の学びをグループで共有し、プレゼンテーションを目指してワークショップを行いました。

積極的にワークショップをしている様子

その後、「KP法」でプレゼンテーションをしてもらいます。6つのグループがそれぞれの着目点がありますが、全員が「コミュニケーション」の大事さについて言及しました。
公害の和解は、ステークホルダーのコミュニケーションが欠かせません。現在または将来の環境問題に、より広範囲のコミュニケーションこそが解決の糸口ではないかと考えられます。

各自が好きな観点に「いいね」を押している様子

あおぞら財団メンバーがプレゼンテーションにコメントしている様子

【参加者の感想(抜粋)】

  • 今回、岡崎さんが私たちに向き合い、他人に決して知られたくない辛い決断を含めて勇気を振り絞って言葉にしてくださったことで、公害により耐え難い苦しみを味わった方が目の前の一人の人間であること、普通の生活をただ当たり前に送りたかった普通の人であったこと、そしてその苦しみが現在でも続いているということを痛感しました。
  • ロールプレイを通じて、公害が複雑になるのは様々な立場・思いがありそのどれも完全悪ではないこと、また、安易な折衷策は裏目に出る可能性が高いということをよく理解できた。
  • 行政の立場では、法律などの規則を制定し、その範囲内でできることを模索することになるが、当然、地域や個人ごとに事情は異なるため、その中で落としどころを見つける難しさがあると感じた。だからといって、静観するのは間違っており、こと国の行政官として何ができるのかについては真剣に考えなければならないと思った。

(記:あおぞら財団アルバイト王子常)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年7月12日4:40 PM

関大社会安全学部 越山ゼミ フィールドワーク(6/15)

6月15日(土)に、関西大学社会安全学部越山ゼミのみなさんが西淀川区でフィールドワークを行いました。今回のフィールドワークのテーマは「防災」です。越山ゼミは、フィールドワークだけでなく卒業研究やクラフト防災パークへの出展など継続して西淀川に関わってくれています。

最初はタンデム自転車でフィールドワークを行いました。防災の目線から西淀川の街を回ります。

大野川緑陰道路を終端である淀川堤防まで行き、その後西島川を北上し、工業専用地域の西島へ。出来島から大和田へ抜け再び大野川緑陰道路へ。

かつて排水路だった中島大水道と大野川を埋め立てて整備された大野川緑陰道路

大野川緑陰道路にある水防碑

淀川は明治時代の治水工事により今の流れに。対岸はスーパー堤防が整備されています

タンデム自転車で工業地域を抜けていきます

災害の記念碑や堤防、海抜0m地帯、大気汚染公害、大阪マスジドなど西淀川の特色を確認しながらまわりました。

フィールドワークの後は、水防団の一員であり大阪防災企画を主宰する多田さんから西淀川区における西淀川の災害の現状や防災啓発活動、水防団の活動内容についてお話を聞きました。

越水対策について、図を描いて説明

西淀川を水害から守る防潮鉄扉を説明

防災リーダーと水防団について解説

次いで、西淀川区役所の防災担当・足立さんから西淀川区の災害対策について、また、1月に発生した能登半島地震の支援のために派遣された経験についてもお話ししてもらいました。参加した学生さんの中に、お父さんが東日本大震災に公務員として派遣された方がいて、被災地支援についても話が盛り上がりました。

区役所の足立さんから西淀川の防災対策についてのお話

西淀川区対策本部組織図

次に、第二室戸台風や西日本豪雨の体験談を読んでもらった後、今後、どのような立場の人がより困難な状況になるのか、防災に対してどのようなことが必要かを考えてもらい、全体で共有しました。

共有内容は多田さんがグラフィックレコーディングでまとめました。避難するときに、支援が必要な人には声掛けをして一緒に逃げるということ、普段からハザードマップを見ておく、外国人や若者等多様な主体が地域コミュニティに参画するといった視点が出されました。

グラフィックレコーディングでのまとめ

最後に、フィールドワークで見た光景やその後のお話を参考にして、西淀川区の防災に関して何に興味を持ったのか、提案づくりに向けて何を行いたいかなど、グループで議論が行われました。若者の参画、啓発手段の多様化、避難行動の多様化、ハード面の整備といった点に関して提案がなされました。越山先生からは提案を考える際には、他の分野での視点や考えを入れ込むことで、新しいものが生み出されるというコメントがありました。

西淀川の防災に対する提案

今後、ゼミでは防災に関する研究を重ねていくと思います。今日のフィールドワークで学んだことが役立つよう期待しています。

(谷内)

——

あおぞら財団では、公害だけでなく、防災、まちづくり等様々なテーマに合わせた学びの場を提供しています。

ゼミや授業、研修など、オーダーメイドの研修プログラムを行いますので、ぜひお気軽にご相談くだい。

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年7月11日11:54 AM

大阪医科薬科大学 公衆衛生学実習(6/11-12)

2024年6月11日(火)、6月12日(水)の2日間にわたり、大阪医科薬科大学の講義「公衆衛生学実習」の実習があおぞら財団にて行われました。参加されたのは、同大医学部の4年生13名と引率の先生1名です。

【1日目】

1日目は、タンデム自転車でのフィールドワークの他、公害患者さん、被告企業の元訴訟担当者のお話です。

タンデム自転車でのフィールドワークでは、地下水のくみ上げのため地盤沈下して海抜0メートル地帯となっていたり、工場と住宅地が隣接していたり、環境ロードプライシングや国道43号の道路沿道の環境対策について現場で確認しました。

大野川緑陰道路からタンデム自転車で出発

あおぞら苑の前にある公害の石碑の説明の様子

あおぞら苑前の石碑「公害と闘い環境再生の夢を」

午後からは西淀川公害について概要をお話した後、公害患者の岡崎さんのお話を聞いてもらいました。就職・結婚のため空気のよい高知県から西淀川に移って来られ、重度の気管支ぜん息を発症します。ご自身だけでなく1歳の息子も気管支ぜん息を発症し、未来を悲観し、親子心中を考えるほどでした。岡崎さんは重積発作により救急搬送され、仮死状態に陥ったこともあります。今も症状に苦しんでいますが、西淀川公害を伝える語り部として活動しています。

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西淀川公害患者と家族の会の岡崎さんと上田さんのお話

続いて、西淀川公害訴訟の被告企業である神戸製鋼の元訴訟担当者の山岸さんからお話を聞いてもらいました。山岸さんからは神戸製鋼の法務担当として西淀川公害に関わりました。本件訴訟をふりかえって、時代の屈折点であり、トラブル処理の基本となる法律が時代の変化に対応していなかったということ、西淀川公害の和解は難しい事態の解決に和解という一定のスタイルを作り出したこと、単なる賠償金獲得ではなく青空を取り戻し時代に手渡すというスローガンを作ったことが和解に導いたということを語ってくれました。

【2日目】

2日目は、1日を通して7つのプログラムが行われました。

まず初めに、西淀川公害訴訟の弁護団の一員であった村松昭夫氏より、 弁護士の立場から見た西淀川公害訴訟についての講義が行われました。
西淀川公害訴訟の成果と意義や、公害被害者たちの思いや訴えについて、弁護士として共に闘って来られた実体験をお話ししていただきました。西淀川公害訴訟の和解解決は健康被害の補償だけでなく、地域再生(あおぞら財団の設立)という新しい解決の方向性が示された点についても詳しく解説していただきました。

弁護士としての経験をお話ししていただきました

弁護士としての経験をお話ししていただきました

講義の後は、「フォトランゲージ・西淀川大気汚染公害」と「ロールプレイ・あなたのまちで公害が起きたら」の2つのワークショップに挑戦しました。
フォトランゲージを通して公害発生当時の状況を学んだあと、様々な立場になりきってロールプレイを行い、公害発生時の解決策を探りました。

写真から読み取れる状況を考察します

写真から読み取れる状況を考察します

どの立場の人も納得する解決策をつくることの難しさを体験しました

どの立場の人も納得する解決策をつくることの難しさを体験しました

次は、西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)を見学しました。
裁判で証拠として使われた資料や、公害病と闘ってこられた患者さんの手記、当時の小学生が書いた公害に関する文集など、様々な資料から当時の状況に思いを馳せました。

裁判で使われた資料などを見学しました

裁判で使われた資料などを見学しました

お昼休憩の後、西淀川で多くのぜん息患者を診てきた医師の大島民旗氏より、医師から見た西淀川公害についての講義が行われました。
医学的視点からのぜん息の解説や、若くして亡くなられた公害患者さんを何人も診てきた体験などをお話ししていただき、医師を目指して学んでいる学生さんたちに熱いメッセージを送っていただきました。

お仕事の合間を縫ってオンラインで講義をしてくださりました

お仕事の合間を縫ってオンラインで講義をしてくださりました

講義の後、ワークショップ「気候変動と公害」を行いました。
初めに公害運動と環境基準についての解説が行われ、現在の環境基準は公害運動によって市民が獲得してきたものであることを学びました。未来の持続可能な環境を考えるため、気候変動対策に必要なことをグループで議論し、特に必要だと思う対策ベスト3を決めて発表しました。

交通に関連する対策が多くあげられました

交通に関連する対策が多くあげられました

 

最後に、2日間の学びを振り返るワークショップが行われました。
2日間を通して学んだこと、印象に残ったこと、これから取り組みたいことなどを付箋に書き出し、グループで意見を共有しました。近い意見をグルーピングし、2日間の学びのまとめを発表してもらいました。

書き出して共有すると、学びが頭の中で整理されます

書き出して共有すると、学びが頭の中で整理されます

この日のたくさんのプログラムの中で特に印象的だったのは、医師の大島民旗氏から医師を目指す学生さんたちに向けたメッセージの中にあった「医師は医学の知識だけでなく、社会にも目を向ける必要がある」という言葉でした。西淀川大気汚染公害の経験から学んだように、環境汚染や気候変動などに注目することも、公衆衛生に通ずるものがあると感じました。
この2日間のフィールドワークでは、実際にまちを見て回り、公害被害の当事者から実体験を聞き、これらの学びをチームで共有することができました。このフィールドワークをきっかけに、訪れる、尋ねる、話し合うなど、自身の経験を通じた学びを深めていっていただければと嬉しいです。

 

(谷内、あおぞら財団アルバイト・小松)

 


関連教材・動画(外部のサイトに移動します)
〇【テキスト】学生が聞く西淀川大気汚染公害:岡崎久女さん
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9ad13a30c0900352f14df
〇【動画】【学生が聞く 西淀川大気汚染公害】岡崎久女さんインタビュー「青空は当たり前ではないことを伝えたい」
https://www.youtube.com/watch?v=EvMEVKtfdw0
〇【テキスト】「企業の側からみた西淀川公害」山岸 公夫さん(元神戸製鋼)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9db389b4c19002be14da5
〇【動画】元神戸製鋼山岸 公夫さんインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=bqy7RBZjGYQ

〇【テキスト】「弁護士として大気汚染公害に関わって(道路和解を中心に)」村松昭夫さん(弁護士)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9dcaf3cc5520032ab670b
〇【テキスト】「医師として大気汚染公害に関わって」金谷 邦夫さん(医師)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9dd163cc552002fab6a64
〇【教材】フォトランゲージ「西淀川公害」
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/photolanguage/
〇【教材】ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/kougai_roleplay/
※【教材】「気候変動と公害」(「気候変動×防災×公害ハンドブック」より)https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/climatechagehandbook/


あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?
あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちら↓をご覧ください。
研修・教育(「あおぞら財団の研修・教育」のページに移動します)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年6月25日6:26 PM

関西環境教育学会 研修受入れ(6/1)

2024年6月1日、関西環境教育学会の会員8名が研修に来られました。

あおぞら財団が作成したハンドブック「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」の解説とアクティビティの体験、後半はエコミューズの見学が行われました。

 

 

まずはじめにあおぞら財団の概要や、このハンドブックの制作経緯や知識編の解説を行いました。その後、ハンドブックに掲載されているアクティビティを体験していただきました。

あおぞら財団の概要について説明

あおぞら財団の概要について説明

今回体験していただいたのは、アクティビティ①「気候変動・防災に向けて何してる?」です。

ワークシートに記載されている9つの気候変動対策を、「やっている項目」「できそうな項目」「やってみたい項目」「難しいと思った項目」の4つに分類します。

それぞれの分類結果を4人ずつのグループで共有してもらい、最後に全体で共有しました。

各々が行っている気候変動対策を書き出します

各々が行っている気候変動対策を書き出します

他の人が取り組んでいる項目について情報交換をしたり、今まで意識できていなかった対策が見えたり、色々な発見が生まれました。

結果を共有し、意見交換を行います

結果を共有し、意見交換を行います

 

次に、アクティビティ⑤「気候変動と公害―『現在』をつくった公害運動、『未来』をつくる気候変動運動」を行いました。PM2.5の測定や環境基準の設定は、公害被害者からの声を受けて実施されるようになったことを受け、気候変動対策の提案を考えるというアクティビティです。

ハンドブックに記載されている項目を参考に、今後特に必要となると思われる対策を付箋に書き出してもらい、グループごとにベスト3を決めていただきました。交通・エネルギー・消費行動など、あらゆる分野から気候変動対策を考えることができます。

とても盛り上がりました

議論はとても盛り上がりました

多くの意見が交わされ、議論はとても盛り上がりました。アクティビティを通して、「個人で考えているときは難しかったですが、周りからアイデアが出始めるとどんどん楽しくなっていきました」「意見共有時、人それぞれに生活環境が違い、意見も変わってくることが印象的でした」といった感想をいただきました。

 

研修後半は、エコミューズの展示資料を見学していただきました。

エコミューズには、公害患者さんの手記や西淀川大気汚染公害裁判の記録など、当時の資料がたくさん保管されています。

裁判で使われた、当時の空の写真

裁判で使われた、当時の空の写真

壁に掲示されている公害裁判の流れを説明したパネルを用いた解説も行われました。

西淀川区以外にも大阪府全体にたくさんの公害患者さんがおられたことや、被告(企業や道路管理者)との「和解」から地域再生の取組みに広がっていったことなど、質疑応答も盛り上がりました。

パネルを用いた解説も行われました

パネルを用いた解説の様子

「西淀川公害のことは本で知っていたが、現場で学ぶことによってよりリアルに伝わってきました」「10年以上ぶりにエコミューズに来たが、非常にわかりやすいパネル展示だった」などの感想をいただきました。

 

研修の最後には、今後のハンドブックの活用方法について意見交換をしました。

このたびは研修にお越しいただきありがとうございました。

 (あおぞら財団アルバイト・小松)


「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」の概要については、こちらをご覧ください。公害・環境教育、防災教育にご活用していただけます。無料でダウンロードできますので、是非ご活用ください。

https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/climatechagehandbook/

ダウンロードはこちらから

https://aozora.or.jp/kougai_lecture/form/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年6月7日2:31 PM
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