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楽らく呼吸会「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」を開催(11/15)

11月15日(金)に、楽らく呼吸会を開催しました。
今回のテーマは、「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」。
西淀病院の作業療法士・穴見真也さん、理学療法士・木下優さんを講師にお迎えし、呼吸リハビリや日常生活でできる運動について学びました。参加者は講師とスタッフを含めて10人でした。
呼吸リハビリについては、環境再生保全機構の呼吸リハビリテーションマニュアルをもとに正しい呼吸法や簡単にできる運動を教えていただきました。

呼吸リハビリについて学びました

体力測定では、以下の項目を実施しました:

  • 握力測定:全身の筋肉量の目安を確認。
  • 30秒間の立ち座り回数:歩行能力の評価に使用。

測定は和気あいあいと進み、みなさん自分の体力を数字で確認し安心されていました。例えば、ケガをされた方が予想以上の数値を記録したり、90歳の方が昨年よりも握力が上がったりと、前向きな結果が多く見られました。

握力がある人は、全身の筋肉量もしっかりあるということ

体力測定の後、みんなで呼吸筋ストレッチ体操を行いました。

肺は胸郭という肋骨で覆われた部屋に取り囲まれていて、この胸郭が広がることで空気が入り、胸郭が狭くなることで空気が出ていきます。 肺を鍛えることはできませんが、呼吸筋はストレッチ体操で鍛えることができます。呼吸筋を鍛えることは、深い呼吸を可能にし、日常的な息切れを減らしたり、日々の生活を快適にすることに繋がります。

普段の日常生活の中で、呼吸筋を伸ばす動きをなかなかしないので、体操を終えるとみなさんすっきりした表情をされていました。

呼吸筋ストレッチ体操をして、すっきり!

最後に質問タイムです。

参加者から日常生活の相談が寄せられました。
「お風呂で体を温めたいけど、息切れが気になりゆっくり浸かれない」との質問に対し、講師からは「お湯を少なめにすると良い」とのアドバイスがありました。さらに参加者から「肩が寒いときはタオルをかけると良い」との実体験が共有され、会場全体で生活の知恵を共有する場となりました。

参考:独立行政法人環境再生保全機構 呼吸リハビリテーションマニュアル
—–

次回のご案内

次回の楽らく呼吸会は、2025年1月24日(水)に開催します!
テーマは、「FeNO測定、呼吸筋ストレッチ体操」です。FeNO測定は環境再生保全機構の協力を得て、初めて試みます。

「FeNO測定」とは、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測ることで、気道の炎症状態を評価する方法です。喘息の診断にも使われています。呼吸器の不調や息切れが気になる方もお気軽にご参加ください!

詳しくはこちら→ https://aozora.or.jp/archives/41859
皆さまのご参加をお待ちしています!
Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2024年11月19日10:01 AM

日本弁護士連合会 公害環境委員会 現地研修の受入れ(10/12)

10月12日(土)、日本弁護士連合会公害環境委員会の主催で「西淀川大気汚染公害被害地域現地研修」を受け入れました。法科大学院生や若手弁護士が参加し、「西淀川の過去の公害の痕跡と公害対策をめぐる」をテーマにフィールドワークを行いました。参加者5人、引率3人の計8人でした

午前中は、大阪弁護士会館にて村松昭夫弁護士(あおぞら財団理事長)の「公害・環境訴訟を闘って」という講義が行われました。

講義で、西淀川公害訴訟について理解を深めた後、実際に西淀川へ移動し、阪神出来島駅からあおぞら財団までの間、公害にまつわる各所をまわり、街の様子を肌で感じていただきました。

<フィールドワーク>

●国道43号沿道

土曜日ながらも大型車が多い国道43号。交通量の多さや騒音、騒音壁やPM2.5の測定、阪神高速湾岸線への誘導策(環境ロードプライシング)といた環境対策を確認しました。

国道43号の出来島小学校前

●淀中学校

1966年に一般環境大気測定局が設置され、二酸化窒素や一酸化窒素などの大気汚染物質が常時測定されていましたが、2000年の校舎建て替えに伴い撤去されました。その後も再設置されていません。

参考|記録で見る大気汚染と裁判「淀中学校の取組み」

4年前まで一般環境大気測定局があった淀中学校

●千北診療所(公害患者さんの組織化の原点)

かつて西淀川公害患者会の事務局があった千北診療所

●あおぞら苑

デイサービスセンター。公害患者の高齢化に伴う日々の生活の援助を目的として、西淀川公害裁判の和解金を活用して、2006年にオープンしました。施設前には大気汚染公害を伝える石碑が立てられています。

デイサービスセンターあおぞら苑

「公害と闘い環境再生の夢を」

●大阪マスジド

高度経済成長期には全国から「金の卵」と呼ばれた若年労働者が集まり、多くの人が公害病になりました。現在は海外から多くの人が働きに来ていて、地域コミュニティとの共生、災害時の対応など様々な課題もあります。

西日本最大級のモスク「大阪マスジド」

●大野川緑陰道路

1960年代にはドブ川であった大野川を埋め立てて自動車道になる計画がありましたが、住民の反対運動により緑の道に生まれ変わりました。

かつてドブ川、今は緑生い茂る歩行車自転車専用道路

<あおぞら財団の紹介、公害語り部>

フィールドワーク後、あおぞら財団に戻り、西淀川公害の歴史や財団についての説明を谷内より行いました。

続いて、公害患者の岡崎久女さんが体験談を語ってくださいました。

岡崎さんは、ご自身だけでなく、息子さんも公害患者でした。今では医学が進歩して薬で公害病とうまく病状と付き合うことができていますが、当時は、あまりにも苦しかった病状のせいで、息子と無理心中をしようとしたことや、出産を諦めたことなど辛い体験を語ってくれました。

西淀川裁判に原告のひとりとして参加したことについて、こんな境遇にさせられたことに対して企業や道路管理者にとにかく謝って欲しかったという岡崎さんの強い想いを話していただきました。

西淀川公害およびあおぞら財団の紹介:谷内

公害患者のお話:岡崎久女さん、上田敏幸さん(西淀川公害患者と家族の会)

真剣に話を聞く参加者たち

西淀川・公害と環境資料館 エコミューズも見学しました。

エコミューズには、公害裁判資料や公害反対運動等に関する資料が6万点以上あります。

裁判資料を見る参加者たち

法律家の仕事は条文や判例など文字でのやり取りが多いと思います。公害の被害を受けた頃から終わることなく、ずっと続いている日々の想いを患者さんの口から伝えていただいたことは、すごく貴重な体験になったのではないでしょうか?

また、参加者の中には、これから法律家を目指す法科大学院生の方もおられました。このフィールドワークでの経験を活かして、当事者に寄り添う法律家になっていただけることを祈っています。

<参加者のみなさんの感想>

・岡崎さんの「とにかく謝って欲しかった。」という発言を聞いて、原告当事者の一貫した思いを受け止めることは大事にしたいと思った。

・公害被害者の方も高齢になられたり、亡くなったりと、次の世代に伝承していくことが急務だと思った。

・現場を見る事、当事者の話を聴くことが弁護活動の出発点と、再認識した。

・和解的解決の重要性を学んだ。PM2.5の測定を和解条項に盛り込み、それがその後の環境基準の制定につながるなど、西淀川訴訟はその後の環境政策に大きな影響を与えたことを改めて学びました。

(アルバイト 岸本景子、スタッフ 谷内久美子)

龍大清水ゼミ  公害患者の家族の方へのインタビュー映像撮影(2024/10/18)

2022年から龍谷大学政策学部清水ゼミの2年生が公害患者さんのお話を聞き、映像やテキストで残す活動をおこなっています。
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/oral_history/#gakusei

今年の2年生は、すでに2回あおぞら財団を訪れ、様々な学びをおこなっています。
https://aozora.or.jp/archives/41661
https://aozora.or.jp/archives/41549

2024年10月18日は、3つの班に分かれ
そのうちの1班が、映像の撮影を行いました。

西淀川在住の映画監督・岸本景子さんはじめ、音響の平川さん、脚本の堤さんの指導のもと
午前中は、機材の使い方や撮影の基本、インタビューについて学んでいました。

音声担当の役割を教えてもらっています

音声担当の役割を教えてもらっています

画角などカメラの扱い方を教えてもらっています

午後からは、他の班の学生の協力も得て
西淀川公害患者と家族の会の山下晴美さんのお話を撮影しました。
最初はぎこちなく撮影していましたが、徐々にチームで連携しながら取り組んでいきます。

インタビュアーの学生さんは、お話を聞く難しさを感じながらも
岸本監督からの「相手の答えにさらにもう一言返す」というお題に応えるようとがんばっていました。

インタビューの撮影

山下さんのお話は、公害の話はもちろんありましたが、その中からあふれてくる家族への愛を非常に感じた話でした。

この後、学生さんたちは1つの映像作品をつくっていきます。
話を伺う、それを形にしていくなかで、わからないことなどに直面して、さらなる学びにつながっていくのだと思います。

こうした取り組みを始め、学びの場を作る上では、丁寧に関係をつくりながら行っていかなければならないと思っています。
公害患者さんはじめ、さまざまな方のお話を伺うこと、それを残すことの意味や、取り組みについて、今後も一緒に考えていけたらと思いました。

山下さんを囲んで記念撮影

(補助スタッフ 白神加奈子)

 

※この動画作成の取組みは、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年10月28日4:36 PM

西淀川公害=資料の紹介(8)大野川緑陰道路の建設へ

※機関誌りべらで連載をしている所蔵資料紹介コーナーの転載記事です(りべら166号より転載)。

– – – – –

大野川緑陰道路の建設へ―憩いと落ち着きを求める住民運動の高揚―

人びとに憩いと落ち着きを与え、現在西淀川区民の誇りともなっている「大野川緑陰道路」。この広大な緑地帯の建設は、1970年(昭和45)10月13日大阪市が「阪北水路、歌島運河、中島水道、大野川を埋めて全面緑地帯とする」との意向を「緑地化推進委員会」に明らかにしたときほぼ確定した。

「緑陰道路」建設の運動は、1969年5月の「緑地化推進委員会」設立とともにあった。同会は、5月9日の第1回打ち合わせ会で「協力して運動をやろう」との趣旨のもと、当時の社会・公明・民社そして共産党の思想や政策上の違いを乗り越えて設立されたと言われている。彼らは最終的には2万人を超す署名を集め、それを基盤に、一丸となって大阪市に働きかけていった。代表の喜多幡龍次郎の周りには日赤奉仕団・工場経営者・主婦・総評西淀地区協議会・大阪市教職員組合西大阪支部・市労連西淀川地区協議会など、労組をはじめ多様な人びとが住民として集まった。かれらが運動を始めたきっかけは原料や製品の運搬手段としても、稲作の用悪水路としても用をなさなくなり、どぶとなって悪臭と不快の発生源と化していた水路の跡地が自動車道路になることを聞き出したことであった。彼らは、それは悪化した区内の自然環境をさらに悪化させるもので、住民にはそれを耐え忍ぶ義務はないとして、その計画を拒否した。そして、区内のすべての地域において人間らしさを取り返す可能性をもつ緑道建設を求めたのである。「全面緑地帯とする」との市の言明までは、運動を始めて1年半ほど。市政も市民の気持ちを無視できなくなっていた時代であった。

写真は1971年7月、九分通り全面的な緑地化が実現することが見えてきたときに発行されたビラである。そこには「全長6.2キロの河を埋め立て、幅20メートル~50メートルの緑地帯をつくる」と誇らし気に書かれ、「自分たち(住民)こそが市政の主人公である」との自信にみちた文字が記されている。

10月13日など、緑陰道路にちなむ日にはそこに出て、この時の住民意識・運動に思いを馳せてみてはいいかがであろうか。

緑地化ニュース

喜多幡龍次郎氏資料 NO.343-10

エコミューズ館長 小田康徳

【タンデム】10/20 淀川河川敷フェスティバルに出店

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。
第23回淀川河川敷フェスティバルに出店しました。今年は68人の方に体験していただきました。

 

  

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。

タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車 — aozorafoundation 公開日 2024年10月22日3:54 PM
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