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灘高校でワークショップを実施しました(7/10)

7月10日、灘高校3年生を対象に、ワークショップを実施しました。参加者は42人でした。

2017年に西淀川へフィールドワークにお越しいただいてから、毎年、6月頃に授業を担当させていただいています。今年は新型コロナウイルス感染予防の観点からフィールドワークは中止し、学校でワークショップ形式での授業のみを行いました。

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担当の池田先生が事前学習として、公害に関する講義と、灘高校から3キロ圏内の神戸製鋼石炭火力発電所増設に関する問題も取り上げられました。生徒の感想の中には「ずっと西淀川区在住だが公害問題が地元に存在していたことを初めて知った。母も知らないそうなので、祖母に聞いてみたい」といったものもみられました。

その一週間後、2コマの時間をいただき、ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」と講義を行いました。
感染予防のため、テーブルの間にビニールシートの仕切りをつけた状態でしたが、生徒のみなさんは、身を乗り出してロールプレイに取り組んでくれました。

地域の工場から出た大気汚染物質で健康被害が出ているのではないか?という問題が起きた地域で、健康を害した住民、工場経営者、役所の担当者、医者などの役割に分かれて、問題をどう解決するかを話し合うロールプレイです。

今回、印象的だったのは、ロールプレイの中で「休業補償」という言葉が出てきたことです。
公害の発生源ではないかと疑われている工場の操業を止めて、調査を行う場合、操業を止めている間の減収をどうするのかという議論の中で、「行政が休業補償をすべきではないか」という意見がありました。新型コロナウィルス対策の経験が社会全体で共有されたことで、こうした考え方が一般に浸透ようです。

また、演技をすることに照れた学生さんが、カタコトでしか日本語を話せないというキャラクター設定で演じたグループがありました。そのグループでは、意見交換がうまくいかなかったのですが、ふりかえりの際に、現実に地域課題について話し合いを行う際に、日本語話者でない住民と参加することは充分にあり得ること、そのとき「話が通じないから」と言って話し合いから排除してしまうことは問題だということを確認しました。

ロールプレイのまとめとして、
公害を住民と工場という私人間の対立の問題という観点だけで捉えていると、解決が難しいこと、
環境は公共財であり、課題解決のためには背景にある社会構造を踏まえて、
立場の異なるステークホルダーが協働できる解決策を探る必要があることを伝えました。

その後の講義では、西淀川公害の事例を中心に日本の公害対策の歴史を概説し、
現在の課題であるSDGsの達成のために公害の教訓から学ぶことがあるのではないかと問いかけました。

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以下、「ふりかえりシート」に寄せられた感想をご紹介します。

・対立する二者が心から向かいたいと思うスローガンを打ち立てて解決に結びつけたという西淀川の事例はすごいと思いました。SDGsについても学んでみたいと思いました。社会で生きていく中で、そのように様々な背景を持つ人と付き合っていくかということを真剣に考えなければならないと思いました。
・病気の人はみんなの目が向かない夜に苦しんでいるというのは、自分も実感があるので共感した。公害を「経済や従業員の権利」と「環境や住民の権利」の対立としか捉えられていなかったが、地域内での対立が後々残ることをロールプレイで感じ、問題の深刻さが感じられた。
・今回のロールプレイで象徴的に感じたのは、住民Aのように本当に苦しんでいる人が、社会の中で弱い立場に置かれてしまう(被害者が引っ越しを迫られるなど)ということが往々にしてあり、難しい問題だということです。
・「悪徳企業」対「善良な市民」や、「平和に暮らすみんな」対「ヒステリックな一部の人」みたいに捉えていると、極端で和解の見込みのない対立の構造に陥ってしまうことが、ロールプレイを通してステレオタイプ(な演技)を考えることで、多くの生徒が理解できたと思う。なので、こういった構造に陥るのを避けることが、問題解決につながると考えた。これは国内だけでなく、発展途上国に環境問題への意識を呼び掛けるときにも大切だと思う。
・根本的に類似の対立をなくすためには、個人的な問題というより、社会的・歴史的(どうしてその人はそう考えているのか)な問題として捉えるとよいかとも思いました。
・公害問題解決への道のりの長さを実感した。四大公害裁判の頃から科学技術は進展したはずなのに、未だに解決に長期間を要することをもどかしく思う。

(栗本)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 2020年7月22日1:16 PM

楽らく呼吸会「自己管理」を行いました(7/10)

7月10日(金)に、楽らく呼吸会を行いました。参加者は13名(スタッフ含む)。今回のテーマは「自己管理」です。西淀病院の理学療法士の田中さん、岩﨑さんに教えていただきました。今回はコロナ禍の影響もあり、2月依頼およそ5ヶ月ぶりの開催となりました。初めて来られた方も2人おられ、改めて新鮮な気持ちで呼吸ケア・リハビリについて、学びました。

楽らく呼吸会「自己管理」

「自己管理」について学びました

〇呼吸器系の病気は自己管理が大事

COPDやぜん息などの呼吸器疾患は、自己管理をして上手に向き合うのが大事です。

新型コロナ感染症の流行時には、呼吸器疾患の患者さんは、感染した時に重篤化するリスクが高いため、感染予防が大事となります。しかし、感染予防のために自宅で過ごすて活動量が減ると、全体の筋力や呼吸の際に必要な筋力が細くなってしまい、息切れがしやすくなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

口すぼめ呼吸や腹式呼吸で上手な呼吸な仕方をできるようにし、運動や体操を増やして活動量を増やし、筋力を増やすと、食欲も増し、息切れもしにくくなります。吸入薬を吸入する際にも握力が結構大事になるので、普段から鍛えることが大事です。

〇高たんぱくな食事をこころがける

肺が悪い人は、高タンパク、低カロリーの食事を心がけましょう。呼吸の回数が増えると体力を使い、呼吸数が多い人はそれだけで痩せてしまう可能性が高い。例えば、ささみ、牛肉、カツオやアジ、エビといったものをたくさん摂るようにしましょう。

〇アクションプランの用意を!

症状が悪化した時に備えて、アクションプランを作っておきましょう。(こちらのp35にアクションプランの例が載っています)
連絡先や体調が良い時、悪い時の症状、のんでいるお薬、体調が悪化した時にどのような行動をとるのかといったことを記入します。かかりつけのお医者さんとあらかじめ相談して、アクションプランを作りましょう。

〇上手に痰を出すには

呼吸器系の病気になると、痰がのどにからみがりになります。痰は色で健康状態がわかりますので、普段の痰の色をよく覚えておき、緑黄色の痰や血痰が出た時には、すぐに受診しましょう。

また、上手に痰を出すときの方法も習いました。まずはうがいをして線毛運動を起こりやすくします。それでも出ないときには、楽な姿勢になって、深呼吸→「ハーッ! ハーッ!」と口から息を吐く→大きく息を吸って「ゴホン!」と咳を出して、痰を出します。(詳しくはこちら

〇普段から鍛えて、筋力を増やす

自己管理について学んだあと、呼吸筋ストレッチ体操を行いました。呼吸に必要な筋肉をストレッチすることで、呼吸がしやすくなります。激しく動いたりしないので、いつでもどこでも取り組むことができます。

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シェーのポーズで、側胸部から脇腹をストレッチ

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足の筋力を鍛える体操もしました

また、今回は、中国の環境NGO(北京市朝日区環友科学技術研究センター)の張頔氏からいただたマスクを患者さんや講師のお二人にもつけてもらいました。このマスクはマスクが不足していた4月にあおぞら財団に届いたものです。

今回は久しぶりの楽らく呼吸会でした。除菌や検温、マスク着用など、感染症対策をしながらの開催となりましたが、初めて参加された方からは「COPDや呼吸リハビリの重要性についてよく理解できました」との感想をいただき、開催できてよかったと思いました。

〇次回予定~問い合わせはあおぞら財団まで~

楽らく呼吸会は、患者さん同士、日頃の病気の悩みを交流したり、時には勉強会なども開催しながら、病気と向き合っていこう、またお互いが支えあっていこうという会です。

小児ぜんそくの保護者の方も大歓迎です。楽らく呼吸会で参加されている方の中には、ご家族がぜん息患者さんという方が何人もおられます。少しでも興味があれば是非、楽らく呼吸会にご参加ください!

・9月17日(木)13:30~15:00(みんなで歩こう 矢倉公園)あおぞらビル1階集合

過去の楽らく呼吸会の取り組みについてはこちらをご覧下さい。

お問い合わせはこちら→ TEL.06-6475-8885(あおぞら財団 谷内・鎗山)
(谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2020年7月20日3:32 PM

「NONちゃん倶楽部」さんが、自転車活用推進功績者に選ばれました

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。

愛媛県でタンデム自転車を通じて障害者支援などに取り組むNPO法人「NONちゃん倶楽部」さんが、国土交通省の自転車活用推進功績者に選ばれました。
おめでとうございます!

https://www.news24.jp/nnn/news87813614.html

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。
タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster@aozora.or.jp

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車 — aozorafoundation 公開日 3:05 PM

三重県でタンデム自転車が8/1から公道走行解禁です!

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。

三重県でタンデム自転車が8/1から公道走行解禁です!
これで、全国32道府県でOKです。

https://www.isenp.co.jp/2020/07/18/47736/
「タンデム自転車、来月から解禁 三重県警、2人乗りが可能に」
(2020年7月18日伊勢新聞)

1960年~:長野
2008年~:兵庫
2009年~:山形
2010年~:愛媛、広島、宮崎
2013年~:佐賀
2014年~:新潟
2015年~:愛知、群馬、京都
2016年~:富山、大阪、静岡
2017年~:大分、島根
2018年~:千葉、滋賀、山梨、山口、高知、福岡、鹿児島
2019年~:茨城、福島、熊本、青森、栃木
2020年~:北海道、奈良、岡山、三重

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。
タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster@aozora.or.jp

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車 — aozorafoundation 公開日 3:04 PM

2020年6月の二酸化窒素の自主測定結果の報告です

2020年度の西淀川区内の二酸化窒素の自主測定結果の報告です。

あおぞら財団では、年に2回、西淀川区内で二酸化窒素(NO2)の自主測定をしています。この自主測定は、大阪から公害をなくす会が主体として大阪府下で行っている調査に協力する形で行っています。

今回はコロナ禍の影響もあり、参加する団体が少ない中での測定になりました。二酸化窒素は燃料を高温で燃やすことで、空気中の窒素と酸素が結びついて発生します。発生源は、工場や火力発電所、自動車、家庭などです。二酸化窒素は、のど、気管、肺などの呼吸器に悪影響を与えるので、排出量を減らしていかなければなりません。

■測定概要

測定方法:大気中のNO2濃度を測定できる「天谷式カプセル」を用います。24時間暴露したカプセルにザルツマン試薬を入れ、NO2を化学反応、発色させ比色分析により濃度を測ります。
測定場所:西淀川区内 5か所
測定日:

2018年度 6月7日(木)17時~8日(金)17時
12月6日(木)18時~7日(金)18時
2019年度 6月6日(木)17時~7日(金)17時
12月5日(木)17時~6日(金)18時
2020年度 6月4日(木)17時~5日(金)17時

 

■測定結果

2018年6月 2018年12月 2019年6月 2019年12月 2020年6月
1 出来島小学校(国道43号)  43 ppb  40 ppb 53 ppb 21 ppb 36 ppb
2 大和田交差点(国道43号)  56 ppb  50 ppb 66 ppb 29 ppb 35 ppb
3 歌島橋交差点(国道2号)  49 ppb  34 ppb 50 ppb 21 ppb 30 ppb
4 あおぞらビル前(国道2号)  40 ppb  31 ppb 46 ppb 17 ppb 30 ppb
5 緑陰道路(エルモ前)  31 ppb  21 ppb 30 ppb 9 ppb 12 ppb

全体的に、2019年12月と比較すると、二酸化窒素の濃度が高くなっています。例年12月より6月の方が濃度が高い傾向にあり、2018年6月、2019年6月よりも濃度が下がっています。

今回は、コロナ禍の影響が見て取れるかどうかわからない結果になりましたが、12月も測定し、今後も大気の状況を継続してみていきたいと思います。

※二酸化窒素に係る環境基準:1時間値の1日平均値が40ppbから60ppbまでのゾーン内又はそれ以下であること。

参考:大阪から公害をなくす会「ソラダス・NO2測定運動」

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2020年7月1日5:44 PM
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