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中国環境NGO研修2016:趙亮氏の報告書

昨年の12月に中国環境NGO研修に参加された趙亮氏(北京市朝陽区環友科学技術研究センター 経理)が、雑誌「中華環境」へ寄稿された研修レポートを送っていただきましたのご紹介します。

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空気侠の活動を紹介される趙亮氏

 

レポートでは、研修を通して学んだ日本の公害の歴史、西淀川公害について紹介し、自らの活動を通して実感した中国の環境問題を取り巻く現状と比較されています。また、公害環境資料館を訪問した際の感想や、日中環境問題サロンの様子について書かれています。

 

文中で趙氏は、西淀川公害やその資料から多くの事を学んだと仰っていました。
以下は、報告書から抜粋した感想です。

●この事例は空気侠(趙氏が所属する環境NGO)を大いに啓発してくれた。
1つは、大気汚染問題を解決するには長い年月がかかる事、そして解決に向けて民間の協力が欠かせないと言う事
2つに、環境学者や医療関係者に加えて、異なる分野の専門家からも協力を得て問題解決の方策を考えていく必要がある事
3つに、政府機関との連携と問題解決に向けた対話を築いていく事

●インターネットの発達は、環境NGOの活動の便宜性を向上させてくれたが、かえってインターネットの情報に頼りすぎてしまうようになった。それに対して、公害環境資料館に展示されている当時の写真は、現実味があり臨場感を感じさせてくれる。

 

報告書の最後に趙氏は、「大阪の青空にせよ、中国の青空にせよ、いずれもアジアの青空だ。きれいな空気を目指して、共に頑張ろう!」と締めくくっていました。

今回の報告書を読んで、中国の環境NGOの方がどのように日本の公害について捉えているのか、また自国の問題を考えているのか知る事ができました。

 

中国語が出来る方は是非、原文をご一読ください!↓

大阪蓝对中国民间抗霾的启示

今後、中国の環境NGO関係のホームページやWeibo、WeChatにも掲載されるそうです。

————————————————————————–
中国環境NGO研修受入(2016)の記事はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/27811
https://aozora.or.jp/archives/27817
第四回日中環境サロン2016の記事はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/27785

記:當間美波(神戸市外国語大学 中国学科4年)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年7月6日8:48 PM

中国青空新聞vol.4を発行しました

中国青空新聞vol.4を発行しました。

今回は昨年12月6日に開催しました、日中環境問題サロン2016(第四回)「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」をまとめました。

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興味のある方、ご一読いただけると幸いです。
次号もご期待ください。
感想や執筆希望者もお待ちしております。
↓PDF版

中国青空新聞vol.4

↓あおぞら財団の国際交流のページ
https://aozora.or.jp/katsudou/tsunagaru

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年6月28日2:12 PM

日中環境問題サロン2017:「中国の環境問題を考えるー日中環境交流の現場からー」(2017/06/26)を開催しました

2017年度第一回目の日中環境問題サロンは、中国環境問題の現状やあおぞら財団と中国の環境NGOの活動をより多くの学生に知ってもらいたいと言う思いから、初めて神戸市外国語大学にて開催しました。

今回のサロンでは、学生向けに、環境問題の概要やこれまでの日中環境NGO交流、交流を続けていく意義について報告が有りました。

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■日 時:2017年6月26日(月)16:05~17:40
■場 所:神戸市外国語大学 図書館 ラーニングコモンズ
■主 催:あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)、神戸市外国語大学 櫻井ゼミ
■講演者:
櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)
藤江徹(あおぞら財団)
■参加者数:大学生・大学院生14名、学外1名
■プログラム:
①「これまでの日中環境NGO交流」(藤江徹)
②「日中の環境問題と民間交流」(櫻井次郎)
③質疑応答・意見交換

 

 

【講演者・内容】
①「これまでの日中環境NGO交流」(藤江徹)
初めに藤江氏からは、あおぞら財団の成り立ちや、これまであおぞら財団が行ってきた交流事業、中国環境NGOの活動等について報告が有りました。

初めに大気汚染の写真を見せ撮影地を学生に問いかけると、声を揃えて「北京」と答えていましたが、西淀川の様子を写したものだと知ると、学生たちは驚きを隠せないようすでした。

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学生が特に関心を寄せていたのが、これまであおぞら財団が行ってきた国際交流事業についてでした。そもそも中国に活動している環境NGOがいる事、そして、日本の団体が中国の環境問題解決のために協力している事を初めて知った人が多く、メモを取りながら聞く学生の姿が目立ちました。

最後に公害地域の再生方法と今後の日中交流の展望を報告し、「日中関係は度々難しい局面を迎えているが、政府間だけでなく、民間レベルでの協力を今後も続けていきたい」という言葉で講演が締めくくられました。

 

②「日中の環境問題と民間交流」(櫻井次郎)

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まず初めに、中国の環境問題の現状について、大気汚染と水質・土壌汚染の2種類の問題について説明が有りました。
大気汚染については、2011年に北京の米国大使館が報告した大気汚染のレベルと政府が発表した者との数値が明らかに異なった事から、大気汚染問題改善に向けた取り組みが進んだと、大気汚染改善のきっかけを説明されました。
水質・土壌汚染については、広東省や湖北省の実例を交えながら、政府レベルの取り組みにも言及しました。

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次に、社会的背景から見る日中の相違点、中国の環境NGOを取り巻く問題点や新しい取り組みについて紹介しました。
中国では裁判は社会の安定を目的としているため、例え環境汚染で被害者が出ても救済が難しい事、また制約のある状況下でも、最近ではNGOが汚染企業のモニタリングという新たな活動を行う団体があることを説明されました。
最後に櫻井氏は、
「環境問題から多角的に中国の問題について考える事ができる。また、中国のNGOとの交流を通して、日本や留学だけでは見えてこない中国の実情が見えてくる。皆さんにも是非そういう体験をして欲しい。」と学生に対してメッセージを送られていました。

 

③意見交換

意見交換では公立鳥取大学准教授 相川氏、神戸市外国語大学の櫻井ゼミの学生からコメントを頂きました。

相川氏:中国のNGOは最近になってやっと出てきたわけでなく、四半世紀前から活動しているNGOもおり、日中交流も行われてきた。

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学生:ゼミ合宿でインタビューした環境問題に関わる中国人学生と、留学で出会った中国の方とでは大気汚染等、環境問題に対する意識の差を感じた。市民の環境意識をより高めるのが重要だと思った。

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④アンケート
また、サロン後のアンケートでは以下のような感想をいただきました。一部抜粋して紹介します。

1.本日のサロンの感想をお聞かせ下さい

1) どのお話もとても面白かったのですが、その中でも印象に残っているのはNGOの役割についてです。環境問題についてのサロンなのに、そこかいっ!って思われるかもしれませんが、環境問題を解決するためには、行政、企業、住民が連携して取り組む必要があって、諸機関をつなげるのがNGOの重要な役割の1つなんだな、と実感しました。私自身NGOで働いたことも、ボランティア経験が豊富でないので、えらそうなことはいえないのですが、いかにたくさんの人を巻き込んで、環境問題に対するawarenessを高められるのはNGOしかないのかなと思いました。

2) まず日本でも昔、あそこまで大気汚染がひどかったということを認識していませんでした。中国の環境問題を学習する前に自国の問題について勉強するべきということが印象的でした。

3) 環境NGOについて、環境問題について中国が動き始めたのはかなり最近のことだと思っていましたが、行政レベルやNGO自体の動きは20年以上前からあったという事を知って驚いた。

 

2.聞きたかったけれど聞けなかったことはありますか?

わかりやすい「公害」が発生すれば、訴えることもできますが、その可能性や明らかな環境破壊が行われようとしている段階で、何かしようとする活動についてはどうでしょうか?
「問題」の認識や回復も重要ですが、予防はもっと重要になってくるのではないでしょうか?
保存資料などをかつようして、そういう方向の議論も深められたらと思います。

—————————————————

今回、初めて神戸市外国語大学で日中環境問題サロンを開催しましたが、環境問題や日中交流に関心を持っている学生が多くいる事を実感できました。
今後も学生や専門家に限らず、日中環境問題サロンの開催を通して多くの人が交流し、議論できる場を提供できたらと思います。

記・當間美波(神戸市外国語大学 中国学科4年)

 

■日中環境問題サロン
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関する研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境問題サロンを2009年から開催しています。
本年度(2017年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しており、興味を持って頂ける方々に、ご参加いただければと思います。
•よびかけ人:櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)、知足章宏(フェリス女学院大学国際交流学部准教授)

 

次回は、8月末頃の開催を予定しています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年6月27日7:30 PM

6/26(月)「日中環境問題サロン~中国の環境問題を考えるー日中環境交流の現場からー 」を開催します。

日中環境問題サロン2017
第一回「中国の環境問題を考えるー日中環境交流の現場からー」

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■日 時:2017年6月26日(月)16:05~17:40
■場 所:神戸市外国語大学 図書館 ラーニングコモンズ(図書館入ってすぐ)
※お越しの際には、入り口のインターホンでイベント参加の旨をお伝え下さい。
(アクセス:http://www.kobe-cufs.ac.jp/access.html)
■参加費:無料
■主 催:あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)、神戸市外国語大学 櫻井ゼミ

■プログラム
・「これまでの日中環境NGO交流」(藤江徹:あおぞら財団)
・「日中の環境問題と民間交流」(櫻井次郎:神戸市外国語大学)

■申込
氏名、電話番号、所属を6月20日(火)までにあおぞら財団までお知らせください。
(定員20名)
※いただいた個人情報は本事業の目的以外には使用しません。

■問い合わせ・申込先
公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0033 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL 06-6475-8885 FAX 06-6478-5885
e-mail webmaster@aozora.or.jp
HP http://www.aozora.or.jp/

■日中環境問題サロン
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関する研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境問題サロンを2009年から開催しています。
本年度(2016年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しており、興味を持って頂ける方々に、ご参加いただければと思います。
•よびかけ人:櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)、知足章宏(フェリス女学院大学国際交流学部准教授)

↓2016年度・第四回(12/21)のサロン
https://aozora.or.jp/archives/27785

Filed under: イベント案内,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年6月16日2:50 PM

日中環境問題サロン2016(第四回)「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」(12/21)を開催しました

日中環境問題サロン2016(第四回):「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」(2016/12/21)を開催しました。

日時=2016年12月21日(水)18:00~20:30
場所=グランフロント大阪 ナレッジキャピタル アクティブスタジオ
主催=あおぞら財団
協力=一般社団法人ナレッジキャピタル

今回の日中環境サロンでは、中国の各地で環境保護に尽力されている4名の環境NGOメンバーから、中国での公害・環境問題に対するNGO活動についてお話を伺いました。

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写真:会場の様子

【講演者・内容】

① 李力氏(北京市朝陽区環友科学技術研究センター 主任)
■環境教育、気候変動問題、企業と連携した問題解決等の活動

李力氏は北京市朝陽区環友科学技術研究センター(環友科技)の主任として勤めており、長年環境保護事業に尽力している人物です。「2014-2015年SOHU公益先峰人物」(中国のポータルサイト「SOHU」が選ぶ各分野の先駆者。李氏は公益部門で受賞された。)の一人として選ばれ、最近、1元(約16円)の年給で、湖北楚源高新科技集団株式会社の副総経理も務められています。わずかな給料にもかかわらず、楚源集団の環境管理面で監督、指導及び審査等の権利を持ち、一票拒否権を持っています。この行動はメディアにも報道されていました。

今回の講義においては、李力氏は環境活動友科学技術研究センターのプロジェクトを紹介しながら、長年の環境保護経験について報告いただきました。

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② 趙亮氏(好空気保衛侠)
■大気汚染改善を目的に2014年に設立。

趙亮氏は大卒後に就職せず、多くの若いメンバーを集め、「天津緑领」(2010年に創立された民間環境保護公益機関)を創設し、今、理事の一人として勤められています。SNSなどを駆使して企業活動を監視し行政の監督を促がしている。
今回のサロンでは、主に、2014年に発足した「好空気保衛侠」というプロジェクトについて紹介され、プロジェクトの運営、実績及び直面している課題等について説明していただきました。

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③ 徐華氏(昆山市鹿城環保ボランティアサービス社)
■上海市北部の昆山市で排油再利用やごみ分別などの啓蒙活動を行っています。

徐華氏は「電子城」(電化製品の製造で有名な都市)である昆山市から来られ、主に廃油の再利用やゴミ分類などの啓蒙活動を行っています。朝食店から廃油を回収し、それを原料とし石鹸を作られています。そして、このような活動を通して、地域の民衆の環境保護意識を高めています。活動について紹介した後、実際に廃油で作った石鹸も見せてくださいました。ピンクの包装はリサイクルしたウェディングドレスで作られました

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④ 宋克明氏(長垣県緑色未来環境保護協会)
■野雁の保護、生息地の保全。河南省の東部にある長垣県で2002年から活動

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写真:鳥(特にノガン-中国国家一級重要保護鳥類)の保護活動について紹介する宗氏

宋克明氏は河南省に位置している長垣県から来られ、20年以上も、野生動物、特にノガンの保護に力を尽力している人物です。ノガンは世界最大の飛翔する鳥類の一つであり、東欧諸国に生息するノガンはすでに絶滅しました。現在東アジア系は800羽に満たず、個体数は年々減少し絶滅に瀕しています。長垣県黄河河畔の湿地帯には、日中及び中豪間に結ばれた渡り鳥保護協定の保護対象鳥類が109種、国家重点保護鳥類が36種生息しています。そこはノガンの主な越冬地であり、東アジアのノガンの2分の1(300羽あまり)に相当する数がここで冬を越しています。夜にノガンを狩猟する方が多いため、宋氏らの活動も夜で行うことが多いそうです。

 

質疑応答・意見交換の時間には様々な質問が出ました。NGOと企業や政府との関係性や取り組み、中国国民の環境意識の変化について質問があがると、宗氏は「政府のトップ層が環境対策を重視し出した結果、民間レベルでも環境意識が高まってきているが、人口大国である中国にとって環境保護の道のりはまだまだ遠い」とおっしゃっていました。

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サロン終了後の集合写真

 

 

記・張茜樺(大阪大学 国際公共政策研究 M1・未来共生イノベーター博士課程プログラム4期生)

<日中環境問題サロン>
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関する研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境問題サロンを2009年から開催しています。本年度(2016年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しています。
【第一回】どうなる?中国の大気汚染(6月10日(水)) 終了
【第二回】「中国における環境訴訟の現状と今後の展望」(8月5日(金))終了
【第三回】「重金属汚染とその被害―現地視察報告を中心に」(10月7日(金)) 終了

本事業は平成28年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2017年1月25日8:44 PM
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