2013年7月21日(日)、のざと診療所3階にて、医療従事者向け ぜん息・COPD患者の呼吸リハビリテーション講習会を開催しました(主催(公財)公害地域再生センター(あおぞら財団))。
参加者は医師、理学療法士、作業療法士、看護師、栄養士、薬剤師などスタッフも合わせて約30名でした。
また、今回は特別サポートとして長崎大学の髻谷先生にきていただきました。
(前々回(1/22)の講習会のブログはコチラ、前回(2/17)の講習会のブログはコチラ)
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■[講座]COPDの病態と呼吸リハビリテーションの効果(福島啓氏)
・肺機能検査と閉塞性換気障害
・COPDの病態と治療
・呼吸リハビリテーションの効果
・症例紹介
閉塞性換気障害とは息を吐くときに気道が狭くなり、上手く吐きだせないという病気です。診断するために「スパイロメトリー」を使います。これは肺の中にどのくらい空気が取り込めるか、吐く力がどのくらいあるのかを検査します。
COPDは慢性閉塞性肺疾患といいますが、息を吐き出すことが上手くできない状態が慢性的に続く病気です。タバコ煙を主とする有害物質の吸入が原因となる肺の炎症性疾患です。
現在COPDの有病率は10%前後と報告されています。日本の疫学調査では有病率は8.6%と報告されています。これは100人に10人はCOPDを持っているという事です。
また、日本での死因の第9位、世界では死因の第4位ですが、実際に受診して診断されている人はごく一部だそうです。
患者さんの数は多いですね。
みなさんの身近な方にも病院には行ってないけど、実はと言う方がいらっしゃるかもしれません。
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■[実技]在宅でもできる視診・触診(田中大樹氏・廣野克俊氏)
観察ポイントを学び、実際にやってみました。
健常者で左右差や肺の動きを各グループに分かれて見ていきました。
髻谷先生にも協力頂きました。
また、ストローを使って患者さんがどのくらい呼吸がしにくいのかを体験したり、実技で行った視診の仕方を実際の患者さんの動画をみて実践してみました。
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最後の質疑応答では
「患者さん自身で自主トレはできないのか?」
→慢性化してしまうとなかなか難しいとのことでした。やはり、軽度の状態のときに早期発見し、早期治療を行うことが大切だとのことです。
その他にも薬剤師さんから
「なかなか患者さんに触る機会がないが、もっと知って、経験していきたいと思った。」という感想もいただきました。
終了後のアンケートでは
「簡単な実技で分かりやすい。身体を使うことで理解を深めることができたと思います。」
「普段COPDの方の栄養管理をするときに視診、聴診などすることなく、また、呼吸評価をするやり方など無知でしたので、大変勉強になります。」といった感想も頂きました。
つづいて第2回も開催予定です!
詳細・応募方法は後日ブログにもアップする予定ですので、少しでも興味があれば是非参加して見てください。
本事業は独立行政法人環境再生保全機構の公害健康被害予防事業の一環として実施しています。
ぜん息・COPD予防等情報発信事業に係る「COPD患者等のQOLの向上のための呼吸リハビリテーションの普及及び地域ネットワークの構築事業(大阪ブロック)」
眞鍋