5月31日(日)、連続講座『人にやさしい公共交通』の第2回目を開催しました。
テーマ:子育てと移動環境 ベビーカーと交通安全
講師:西本由紀子さん(神戸女子大学家政学部助手)
谷内久美子さん(日本学術振興会特別研究員/大阪大学)
日時:2014年5月31日(土) 10:00~12:00
場所:あおぞらビル3階会議室
参加者:17人
*第8期環境フロンティア講座、第10期道路環境市民塾として開催しています。(企画運営:道路環境市民塾)
*この事業は土木学会市民普請支援事業の助成をうけて運営しています。
西本先生からは「車に頼らない乳幼児連れの移動~公共交通におけるベビーカー利用」。公共交通の中でもベビーカーを使いやすくするために国交省が作成した「ベビーカーマーク(今年3月発表)」ができた経緯や、ベビーカーを電車で利用することについて他の利用者がどう感じているか等のアンケートを基にお話を頂きました。マナーは、明文化できない問題だけに難しい問題ですね。
実際に子育て中のお母さんがベビーカーのたたみ方も実演。子どもや荷物をかかえての折りたたみは、確かにとても大変です。
西本先生の資料はコチラでご覧いただけます。
続いて谷内先生からは「子供の安全からみたまちの環境」というテーマで、お話頂きました。移動は子どもたちにとり、社会にふれる機会であり、発見・成長の場。母親として子どもの成長に対する願いや地域への思いも伝わった熱のこもった講演でした。
谷内先生の資料はコチラでご覧いただけます。
また、実際に子育て中の田中さんから子どもを連れての移動についてお話をして頂きました。子育ての大変さは当事者でないとわからない問題です。聞いている人の心を大きく打つお話でした。
講演の後は、参加者同士グループに分かれて意見交換。
意見交換の後はグループごとに発表です。社会で子育てをしていくことの大切さや、公共交通は誰のためにあるのかを考えると「迷惑」と思うことに対しての警鐘をならすことが必要なのではという問題提起など、様々な意見が出ました。
受講された皆さんからは、下記のような感想が寄せられました。
・知っているようで知らないことが多いベビーカーについて大変勉強になりました。馴れていけば、自然に解決できることも多いのではないでしょうか。
・障害を持っていらっしゃる方から「周囲に迷惑をかけないか気を付けないとダメなのか」という意見が出ていました。ベビーカーを含めて、出かける自由について貴重な意見が聞けたと思います。
・ハンディのある方への支援は当たり前であるとの社会啓発が日本ではまだまだ遅れていると思いました。
・公共交通は社会の縮図だと改めて思いました。
・実際に子育てをされていた先生方お二人、現在妊娠中のお母様の意見が聞くことができて良かったです。
参加した実際に子育て中の方が、子育て中の仲間同士では移動の大変さなどの話はすることはあっても、周りの人にすることはなかったという感想を良せてくださいましたが、当事者の課題を社会全体で共有していくことの大切さを改めて認識した次第です。
さて次回(6/14)第3回は、北川博巳さん(社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団福祉のまちづくり研究所主任研究員兼研究第一グループ長)を講師にお招きし、「元気でいきいき 高齢者の足 ~免許返還後の交通施策~」をテーマに開催予定です。
*詳しくはコチラ
まだ席に余裕があります。皆さまふるってご参加下さい。お待ちしています。
(小平)