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ブログカテゴリー » 防災教育・にしよど親子防災部

1/17堺市宮山台校区にて避難訓練を行いました。

1/17堺市宮山台校区にて避難訓練を行いました。

日時:2013年1月17日(木) 9:00~12:30
場所:宮山台地域会館
参加人数:約100名
主催:あおぞら財団
協力:宮山台校区自治会連合会、堺市

1月17日に宮山台地域会館にて、「災害時要援護者の避難を一緒に考えよう!堺市宮山台校区避難訓練」を開催しました。この地域では毎年避難訓練が行われており、そこに今回要援護者支援の避難訓練を合わせて行いました。

セミナー全体

■各自、地域会館に避難
■講演「地域みんなが助かるために」 講師:栂紀久代氏
■2グループに分かれて避難時の体験と学習(避難所体験、要援護者の搬送体験)
■訓練の振り返りとまとめ

■各自、地域会館に避難。
「1月17日午前7時30分、南海トラフ巨大地震発生(マグニチュード9.0)」という想定のもと、宮山台地域会館へ避難しました。はじめに堺市危機管理室の山本さん、宮山台校区自治会連合会の花房会長から挨拶がありました。続いて同じく堺市危機管理室の田中さんより、堺市の防災の取り組みや災害時要援護者対策の説明がありました。

■講演「地域みんなが助かるために」 講師:栂紀久代氏
栂さんからは、要援護者とは誰か、自助・共助・公助の割合と内容、ユニバーサルデザインの7原則、各障害者の介助方法の説明や防災グッズの紹介がありました。

栂さん講演

■2グループに分かれて避難時の体験と学習(避難所体験、要援護者の搬送体験)
避難所体験では別室に防災グッズが展示されており、栂さんや財団職員が説明をしました。
参加者は実際に即席のベッドに寝転んでみたり、簡易トイレに座ってみたりし、ベッドの感触やトイレの頑丈さを確かめていました。長期保存できる食品や非常時用のライトなどの防災グッズについては、「どこで売っているか」「値段は」と質問が出て、実際に購入を考えている様子が伺えました。要援護者の搬送体験では、毛布を使った搬送や布製担架での搬送、JINRIKI(※株式会社JINRIKIさんの商品。下記写真参照)を使った車イスの搬送も行いました。

搬送

人力搬送
こちらがJINRIKIです。車イスに取り付ける人力車の“取っ手”のようなもので、車イスを軽々と引くことができます。

避難所体験

s-P1260415

■訓練の振り返りとまとめ
振り返りでは、参加者から「貴重な体験だった」「人ごとじゃないと思った。できることからやっていきたい」など、多くの感想が寄せられました。花房会長は、「地域でもっと要援護者や、新しく住みだした住民の把握が必要」と話していました。

■訓練後の感想
当日は気温1ケタという寒さでしたが、約100名の地域の方が参加しました。
訓練後のアンケートからは、搬送・避難所体験においては「弱者を助ける方法が手近の物で簡単に出来るのに感心しました」、「何もなくても家にあるものでできるのがよくわかった」など、実際体験をして実感できたことがあったようでした。
また全体の感想としては「ご近所づきあいの大切さをあらためて感じました。自分に出来ること、支援出来ることを心がけていきたいと思います」「もっとたくさんの色々な世代の方々が参加できるよう避難訓練が浸透していったらいいなと思います」といった感想がありました。

本事業は、「独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業」を受けています。

フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。

平田

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2013年2月5日4:56 PM

12/2 明石市魚住地区避難訓練を行いました。

日時:2012年12月2日(日) 9:00~11:45
場所:明石工業高等専門学校
参加人数:約350名
主催:あおぞら財団
協力:錦浦校区5自治会(防災対策実行委員会)・明石高専建築学科大塚研究室・地区在宅ゾーンサービス協議会・明石市
後援:兵庫県

12月2日に明石工業高等専門学校(明石高専)にて、「災害時要援護者の避難を一緒に考えよう!魚住地区避難訓練」を開催しました。
この避難訓練は錦浦校区5自治会の初の合同避難訓練で、当初250名程度の参加者を想定していましたが、実際は約350名が参加しました。そのうち要援護者は37名でした。

全体4

■各自治会で避難訓練放送→避難開始→明石高専へ
■訓練趣旨説明と防災講話
■各ブースに分かれて避難時の体験と学習(応急手当、避難所体験、負傷者搬送方法)
■訓練の講評とまとめ
■訓練終了・解散

■各自治会で避難訓練放送→避難開始→明石高専へ
「12月2日午前9時、南海トラフ巨大地震発生(マグニチュード9.0、魚住地区震度6.0)」という想定のもと、2次避難所である明石高専へ避難しました。各自治会にて自治会館などに集合したあと、自治会リーダーなどの指示に従って列をなして歩きます。避難経路においての参加者の感想では、車イスの要援護者を押したり、健常者による車イス疑似体験をしたことによって、「段差があった」「道路の凸凹が気になった」といった気付きがありました。また幹線道路の側道など車の交通量が多い場所を通る地域もあり、車の多さを心配する声も多々ありました。

避難4

避難8

健康コーナー1

■各ブースに分かれて避難時の体験と学習(応急手当、避難所体験、負傷者搬送方法)
訓練趣旨説明と防災講話の後、体育館と図書館に分かれて、各コーナーを体験します。応急手当コーナーでは消防署の職員や保健士の方が、三角巾を使った被覆、固定などを教えてくれました。避難所体験では防災・避難所グッズの展示、避難所体験(ダンボールで作った寝床や簡易トイレ)、福祉避難所について考えるコーナーになっており、参加者に具体的に避難生活について考えてもらいました。搬送方法では、竹と毛布で作った担架で自動車まで乗せる搬送方法などの体験をしました。

搬送3

避難所体験

福祉避難室

グッズ見学

■訓練後の感想
参加者のアンケートからは、「周りの人との助け合いがとても大切。小さい子どもがいるので、自分たちだけで精一杯かもしれない」、「近所で要援護者となる方がわかっていれば、何かできることをお手伝いできるかもしれない。しかし、近所の様子がわからないので、わかる機会があれば良いと思いました」など、実際避難訓練をしたからこそ実感できたことがあったようでした。他には、「災害対策を何もしていないことに気が付きました」「最低限、自分など自宅でできることは準備する」と日頃の防災対策不足を反省する感想も見受けられました。
今後の要望としては「電柱に標識・海抜何mかをもっと貼って欲しい」「今後適度に(避難訓練を)開催してほしい」などがありました。

■終わりに
当日は体育館ということもあり、とても寒い1日となりましたが、予想を大きく上回る参加人数で、地域の災害に対する関心の高さと熱意が感じられました。しかしこうした訓練は1度だけではなかなか身につきません。参加者の感想にもあったように、定期的に回を重ねることによってはじめて日常に活かされると思っています。今後も地域でこうした避難訓練の定期開催が根付いてくれることを願っています。

本事業は、「独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業」を受けています。
フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。

平田

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2012年12月21日2:01 PM

11/17「第14回 みんなの広場」にて、防災訓練報告、アンケート報告、地域劇の発表を聞いてきました。

11月17日(土)に明石市・花園小学校にて開催された第14回みんなの広場に参加してきました。当日はどしゃぶりの雨で校庭の土もぬかるんでいましたが、100人近くの地域の方が参加されていました。

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■第14回 みんなの広場
■日時 2012年 11月17日(土) 13:30~15:30
■場所 花園小学校体育館(明石市)
■主催 望海地区在宅サービスゾーン協議会・明石市地域福祉推進市民会議

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<プログラム>
・三校区要援護者防災訓練報告
・災害時 もしもうごかなければ ~地域防災アンケート報告~
・地域劇 ~「なんかあったら助けてや」と言える町に~
・作業所作品展示・販売、「まちの保健室」開催

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まちの保健室の様子

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無農薬野菜などの販売

三校区要援護者防災訓練報告では、これまであおぞら財団も関わらせていただいた藤江・花園・貴崎の三校区でのセミナーや避難訓練の報告がされました。

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続いて、地域防災アンケート結果についての報告もありました。どの地域も津波に対する意識の低さが目立ちました。また「避難場所に安全に避難することができますか?」の問いに対して、36.6%の方が「いいえ」と答えています。理由として「足が不自由」「家に障害のあるものがいて難しい」などがありました。

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また地域の防災訓練に参加していないと答えた方が半数以上を占めていたこともわかりました。周囲、近隣に気になる人がいると答えた方が半数以上いることからみても、要援護者の避難は今後ますます取り組んでいく必要性があると感じられました。

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地域劇では、とある地域の日常~防災訓練~火事~その後が演じられていました。全国のどの地域も抱える悩み(高齢化、建物の老朽化、住民の移り変わりによる地域社会の断絶など)が、災害に直面した際にどのような被害を引き起こすか、小さなお子さんでもわかる内容になっていました。

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場面①古いアパートに住む一人暮らしの高齢者や認知症のおばあさん、車イスの姉を持つ妹、ぜん息で運動のできない男の子、耳の聞こえない女の子などさまざまな住民が登場します。

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場面②地域の防災訓練には、消防団と地域の取り組みに熱心な一部の住民しか参加しません。

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場面③そんなある日、町で火事が起きます。アパートにも火が移りました。

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場面④高齢者の住民は逃げまどい、障害者は諦めて逃げません。

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場面⑤しかし、耳の聞こえない女の子は笛を鳴らし、自分の存在を知らせます。また別の住民は「たすけてや~」と大声を出します。地域の方に助けもあり、なんとか全員無事に助かりました。

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場面⑥その後まちでは火事をきっかけに、若い住民を中心に「なんかあったらたすけてや」委員会が立ち上がりました。いざという時のために「支えあいマップ」や「SOSカード」、高齢者や障害者が地域の行事に参加しやすいよう「お誘いカード」も作られました。どれも子どもや若い人たちのアイデアによるものです。

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場面⑦今日は花園地区の西明石祭り。高齢者も障害者もみんなお誘いカードで誘われて祭りにやってきます。子どもたちは精いっぱいの踊りで祭りを盛り上げます。

<感想>
日本全国を見ても、世代を超えた交流、障害者・健常者相互の交流が活発な地域はそれほど多くないと思います。住民の移り変わりや個人情報保護法が壁になっているのでしょうか。ただ火事や津波といった災害時のことを考えると、悠長なことは言ってられません。

地域劇では最後に「支えあいマップ」や「SOSカード」が作られていました。若いPTAの女性や子どもたちが、地域の高齢者や障害者のためにアイデアを出して取り組んでいきます。こうした取り組みは「まちづくり」全体を考えることにもつながっています。この劇や数々の報告をみんなで共有することで、自分達の防災、地域のまちづくりにつながっていくのだと私自身も実感しました。

フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。

■あおぞら財団のこれまでの取り組み
あおぞら財団HP>ブログ>災害時の援護者教育プログラム

平田

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2012年11月26日2:21 PM

11/4西淀川区佃地区避難訓練を行いました。

■災害時要援護者の避難を一緒に考えよう!佃地区避難訓練
■日時 2012年 11月4日(日) 9:00~12:00
■場所 新佃公園・佃西小学校(大阪市西淀川区)

11月4日に新佃公園、佃西公園にて、「災害時要援護者の避難を一緒に考えよう! 佃地区避難訓練」を開催しました。
この避難訓練は、佃地区防災訓練に合わせて実施されました。佃地区防災訓練は、地域の方、防災リーダー、中学生、水防や消防署の方、約400名が参加する大規模なものです。

要援護者支援訓練の参加者は、一般参加者27人、財団スタッフ5人、合計32人でした。要援護者として、西淀川区在住の視覚障害者2人、車いす利用者5人に参加していただきました。

■自宅から新佃公園に避難
「11月某日、午前9:00に大規模地震が発生。津波被害が120分後に到着する」という想定で、自宅から新佃公園まで避難してもらいました。
参加者からは、避難経路について、「駐輪している自転車や段差、地震発生時の上からの落下物の危険性を改めて見ることができた」「大きな地震で高架が落ちてしまったら避難所まで行くことができない」といった意見がありました。

■要援護者搬送訓練
佃地区では、地域独自で「津波避難ビル」を確保しています。その避難ビルのひとつの佃スカイハイツにて、布製担架を使って上下搬送訓練を行いました。
佃地区の地元の方が見守る中、要援護者の方に実際に担架にのってもらって、地域の方が担架を担いでビルの階段を上り下りしました。

上下搬送訓練

上下搬送訓練2

■佃西小学校までの避難
次に、新佃公園から収容避難所に指定されている佃西小学校まで移動しました。
この移動の際には、参加者の明石高専生が怪我をしたという設定で、布製担架にのってもらい、移動しました。普段であれば10分もかからずにいける距離ですが、担架での搬送には20分弱かかりました。

佃地区から小学校へ移動

また、視覚障害者の方と一緒にタンデム自転車で避難しました。タンデム自転車は、視覚障害者や脚力の弱い方であっても乗れる自転車です。避難の際にタンデム自転車が使えれば迅速に移動できます。

タンデム自転車

■佃西小学校の講堂での体験

佃西小学校では、講堂をお借りして、福祉避難室、搬送法の体験を行いました。

■福祉避難室、避難所体験コーナー
講堂に、佃西小学校に備蓄されている災害備蓄用品や、防災グッズなどを体験してもらいました。
佃西小学校には、救助用担架、ワンタッチパーテーション、簡易ベッド、簡易トイレなどが備蓄されています。

簡易ベッド

視覚障がい者の歩行誘導ができる“歩導くん”も体験してもらいました。視覚障害者の方は、避難所内の通路がわからずに困るという話を聞きました。また、白杖が他の避難している方に当たって、トラブルが起きたという話も聞きます。この歩導くんを敷設することができると、視覚障害者の方でも避難所内の通路を認識できるようになります。

歩道くん

他に、自宅で準備できる防災グッズとして、簡易トイレ湯わかしBOX、ライト、既存の帽子にはめこめる簡易ヘルメットなどを見てもらいました。

防災グッズ

また、この福祉避難室にどのようなものが必要なのかを、参加者の方々と考えました。
参加者からは「自閉症の子どもは、パニックで大声を出してしまうおそれがある」、「胃ろうから栄養をとっているため、流動食じゃないと食べられない」「痰の吸入器を使っているが、避難時には持ちだせないかもしれない」といった不安の声が出ました。こうした不安に対して、「一般の方々と支援が必要な方々とは別に『福祉避難室』を設けると安心できるのではないか」、「重度障害者だけでなく高齢者でも流動食は必要な人は多いので、流動食を備えてほしい」、「注射器とチューブで痰の吸入器は代替できるのではないか」といった意見が出てきました。

■搬送法

搬送用担架だけでなく、おんぶひもを使った訓練をしました。このおんぶひもを使えば、要援護者を背負いながらも両手を使うことができます。

おんぶ紐

これらの福祉避難室コーナー、搬送法の訓練は、佃地区避難訓練の参加者の方々にもみていただきました。みなさん関心が高く、熱心に見学されていました。

佃地区の方の見学

■訓練後の感想

最後に、参加者にアンケートを書いてもらいました。参加者からは、「初めての体験で少し緊張していましたが、運んで頂いた人達のおかげでマンションの2Fに着いた時にはリラックスしていました。普段出来ない経験をさせて頂きました」、「もっと多くこのような機会を通じてコミュニケーションの輪を広めていけたらうれしいです」といった感想をいただきました。

今まで、障害者の方が避難訓練に参加するということが行なわれていませんでした。障害当事者や介助者は、災害が起こったら自分たちは生きていけるのだろうか?という不安を抱えています。こういった障害当事者や介助者の切実な意見は、障害当事者や介助者から出されることもあまりありませんでした。

訓練だけで終わらせず、「みんなで助かる!みんなで助ける!」を実現するために、今回の避難訓練で得たことをきちんと行政や自治会、地域の方々にフィードバックしていきたいと考えています。

■おわりに
今回の西淀川区での防災セミナー、及び、避難訓練の実施にあたっては、佃地区の方々をはじめ、区民の方、事業所、区役所、消防署、明石高専、そして要援護者・支援者の方々の協力を得て実現することができました。誠に、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

参考)
↓ 淀川右岸・水防事務組合のHP
http://www.suibo-osaka.or.jp/yodogawa_r/news/news_000276.html

↓ とがきくよさんのブログ
津波防災訓練

本事業は、「独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業」を受けています。

フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。

谷内

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2012年11月7日2:49 PM

「西淀川区 第2回 災害時要援護者支援セミナー」を開催しました

■みんなで守る!みんなで助かる! 災害時要援護者の避難を一緒に考えよう! 第2回セミナー
■日時:10月22日(月) 18:30~20:30
■場所:西淀川区役所5階会議室
■主催:あおぞら財団
■後援:大阪市西淀川区役所

10月22日に「災害時要援護者の避難を一緒に考えよう!西淀川区 第2回セミナー」を開催しました。
参加者数は、一般参加者21名、区役所職員7名、講師3名、スタッフ6名の合計37名でした。

■「小さな子供とお母さんお父さんの避難について」 原博美氏(NPO法人にしよどにこネット

にしよどがわにこネットは、西淀川区で子育て支援を行っているNPO法人です。西淀川区役所1Fでは「みんなで子育て!に~よんステーション」を開設しています。

にこネット代表の原さんから、小さなお子さんをお持ちのお父さんお母さんは災害に対してきちんと備えをしなければならないと思っていてもなかなかできておらず、地域の避難訓練にもなかなか参加できていない現状についてお話がありました。また、実際に被災された方が紙おむつやミルクなどをどうしたのかといった経験談を聞きたいという要望があるとのことでした。こうした子どもをお持ちの方には、にこネットのような子育て支援の団体からも防災についてアプローチすることが大事だと思い、防災も活動方針の一つとしたいと考えているとのことでした。

1にこネット原さん

■ワークショップ:災害情報の見える化

最初に、宮脇淳さん(NPO法人アシスト)、栂紀久代さん(ユニバーサルデザイン社会)からワークショップについて説明があった後、中学校区ごとに4つのグループにわかれて、「要援護者の視点になって考えてみよう」というテーマで話し合いました。

ワークショップでは、赤ちゃん、視覚障害者、車いす利用者、聴覚障害者、高齢者の5つの要援護者の視点から、①家から避難する時、②避難場所、③トイレ、④備蓄、⑤普段から準備することについて、それぞれ意見を出し合いました。

意見を出し合った結果、車いす利用者や視覚障害者などの要援護者の避難は誰がどのように支援すればよいのか不明確であり、避難所やトイレ、備蓄もまだまだ不十分なのではないかという課題をみんなで共有することができたのではないかと思います。また、日頃から、防災に関心を持つこと、近所の方々とコミュニケーションを密にとることが大事なのではないかという意見も出ました。

2宮脇さんの説明

3ワークショップ

■布製担架、おんぶひもを使った避難支援体験

布製担架を使って要援護者の避難支援体験を行いました。この布製担架は、西淀川区の各避難所に備蓄されているもので、棒担架と異なり細い通路や階段などでも扱いやすいという特徴があります。担架が備蓄されていても使ったことがないと、いざという時に使うことができず宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。

担架は3~5人で一人の要援護者を運びますが、要援護者の状況や支援者の体力などに合わせて、人数を調整することが必要です。

4担架

こちらのおんぶひもは、背中におぶさった人は支援者に腕を回さなくてもよいこと、支援者自身が両手を背中の人を腕で支えなくてもという特徴があります。ですので、腕に力のない要援護者もおんぶできますし、支援者自身も両手を自由に使うことができます。

5おんぶひも

重度の障害があるお子さんをお持ちの参加者の方からは、一人で子どもを抱えることができるものがほしいという声がありました。お子さんは首を持ち上げることが難しいため、おんぶひもを使うことが困難であるそうです。そこで、布製担架を開発された栂さんから、布製担架を使って抱っこの状態で抱える方法を教えてもらいました。

6担架(一人で支援)

■防災グッズや避難所備品等の紹介

西淀川区社会福祉協議会の阪本さんから、社会福祉協議会で備えている備品の紹介がありました。社会福祉協議会では、折りたたみリヤカーや救命胴衣、カセットコンロで動く発動機など多様な備品を少しずつ備えているそうです。災害用のためだけでは、しまいこまれてしまい、いざという時に使うことができないことから、普段の活動でもできるだけ活用するようにしているそうです。

7防災グッズ(社協)

栂さんからは、個人で備えることができる災害グッズについて紹介がありました。個人で備える災害グッズは、高いものではなく、安いものやアウトドアグッズなどで災害時にも役立ちそうなものを工夫しながら備えるのがよいというアドバイスがありました。

8防災グッズ(栂さん)

■セミナー後の感想

今回のセミナーは、ワークショップや担架による避難支援体験等、参加者の方が積極的に参加してくださることにより、災害時要援護者支援の重要さ、訓練や備えの大事さについて、みんなで共有できる機会になったと思います。

セミナー後のアンケートからは、「ワークショップにていろいろな視点や考え方を確認できたことが良かった」「普段からどうやって避難させようかと考えていましたが、具体的に避難のイメージ(仕方・方法)を持つことができました」という意見がありました。また、「中間施設コーディネート大切!! 保健士さんたちや学校の先生方も同席してほしい。 海抜表示、ぜひあちこちにつけてほしい」「思いやり、助け合いが一番大切ですが、リーダーや地域の組織的な動きが大切とも気付きました」など、防災に対する取り組みを組織的に行うことの重要性についても意見が見られました。

■今後について

避難訓練(11月4日)では、1回目と2回目のセミナーの内容をふまえて、車いす利用者や視覚障害者などの要援護者の方に参加していただき避難訓練を行う予定です。まだ定員に余裕がありますので、セミナーに参加されていない方でも興味のある方はぜひご参加ください。

避難訓練の申込はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/12102

本事業は、「独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業」を受けています。

フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。

谷内

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2012年10月25日11:56 AM
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