あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

大阪産業大学 西淀川大気汚染公害についての研修受け入れをしました!(5/14)

5月14日に大阪産業大学の3回生15名の研修受け入れをしました。

 

西淀川・公害と環境資料館の見学では、学生さんを2グループに分けて5階の資料館と6階の資料庫の見学を行いました。

6階の資料庫の中ではどのような資料を保存しているのか、どのぐらい前からの資料があるかなどの説明を行っていました。
本来はあおぞらビルの屋上から西淀川の地形や道路について説明をする予定でしたが、残念ながら雨ということで今回はなしということになりました。
5階の資料館では、資料館にかけられているパネルを利用して西淀川公害の概要について説明を行いました。

6階の資料庫で説明を受けています。

6階の資料庫で説明を受けています。

5階ではパネルで西淀川公害について説明を受けています。

5階ではパネルで西淀川公害について説明を受けています。

 

 

2グループが交代をして資料館と資料庫の説明を受けると、次は歌島橋交差点にて大気汚染対策などについての話をしました。
国土交通省が歌島橋交差点の対策として行った話にあたりを見渡し、確認をしながら聞き入っているようでした。

 

歌島橋交差点にて大気汚染対策などの解説を行っています。

歌島橋交差点にて大気汚染対策などの解説を行っています。

 

 

淀川通りを歩いて、エルモ西淀川へ公害患者さんのお話を聞きに行きました。
淀川通りを歩くことで西淀川に中小工場が多く、住工混在の状態であると実感してもらえたと思います。

エルモ西淀川では公害患者の永野千代子さんから、ご自身が体験をされた公害病での体験や公害反対運動の大変さ、裁判や運動でずっと闘ってきたお話などをしていただきました。

今回お話をしていただいた永野千代子さん(画像手前側の方です)

今回お話をしていただいた永野千代子さん(画像手前側の方です)

話を伺った上で3人1グループを組み、お互いに感想や質問を共有しました。

Q:人生の半分以上の時間を、国と闘っているのはすごいことだと思います。永野さんが西淀川に引っ越してきた当時、西淀川の大気の環境が悪いことは知っていましたか?

A:国と長い時間闘ってきたのは、仲間がいたから出来たことだと思います。
もしも一人だった場合は闘えなかったと思います。
西淀川に引っ越してきた当時は空気が悪いことは知りませんでした。
此花区に引っ越す前に住んでいましたが、その時は家の裏に工場がありました。
ですから、空気が汚れているのも家の裏にある工場のせいだと思っていました。
ですが、実家の鹿児島に帰省する時に飛行機に乗ったら大阪の空気の汚さに気付き、大変驚きました。
けれど実際に住んでいる人は空気の汚さには気付かないのだと思います。

Q:汚かった西淀川の空気が「きれいになったな」と思ったことはありますか?

A:その引っ越してきたばかりの当時を思うと、今は空も見えるからきれいになったなと思います。
PM2.5は中国のせいだと言われていますが、実際には日本の排出量は昔と比べても減っていません。
また、二酸化炭素は減ってきてはいますが、未だに環境基準値はクリアしていません。
まだまだ空気をきれいにしてもらわなければならないと思っています。

Q:43号線にはいろいろな対策がされていますが、実際に変化を感じますか?また、43号線の車は減ったと思いますか?

A:43号線には光触媒ハンノウコートやピュア・プランターなどいろいろな対策が43号線では取られています。
国土交通省の方では効果があると言っていますが、実際に効果が本当に出ているかどうかはあまり分かりません。
ですが、交通量に関しては湾岸線が出来ました。
湾岸線はETCを付けることで利用している大型車が目立ち、車の量は減ったのではないかと思っています。

永野さんのお話を聞き入っている学生さんたち。

永野さんのお話を聞き入っている学生さんたち。

最後に学生さんから「最近は問題が起こると苦情を言うことはありますが、実際に行動を起こすことはしていません。公害病で苦しい生活の中で問題を解決するために自分たちで行動を起こしてきたという話を聞き、若い人たちは永野さんや公害患者さん達を見習う必要があるなと思いました。」と感想をいただきました。

永野さんは「今回は反対運動や裁判の話が中心となってしまい、公害患者さんの症状や苦しみの話を出来なかったので理解してもらえているのかがとても不安を感じています。ですが若い人たちが公害に関心をもってもらい、ありがたいと思っています。」とお言葉をいただきました。

 

公害や公害資料館について学んでくれる若い人たちがいることは、次世代にも残していくためにはとても大切なことだと私も思います。
あおぞら財団も関心を持つキッカケの一つになれたらいいなぁと思います。
 

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2015年5月15日4:42 PM

どう教えてる?「西淀川公害」授業実践報告会(05/10)

5月10日(日)にあおぞらビル3階にて、「西淀川区の公害」の授業を実践した、永井健太さんをお招きして報告会を開催しました。
今までの学校で行われていた公害授業とは違う、新しい視点からどういう公害の授業が出来るかを永井さんのお話から聞くことが出来ました。

IMG_4779

永井健太さんによる報告です。

永井さんは大阪市立磯路小学校に勤務されており、平成26年度社会科の授業で全5時間かけて西淀川の公害の授業を行ってくれました。
きっかけは5年生の社会科「国土と環境を守る」の授業で、琵琶湖の水質汚染より子どもたちにもっと身近なものを取り上げようと思い、西淀川公害を授業の中に取り込んでくれたそうです。
西淀川公害について調べる中で、あおぞら財団のHPにたどりつき、授業でもあおぞら財団にある資料を使っていただけました。

IMG_4782

授業の板書と共に説明をしてくれました。

IMG_4785

永井さんの説明に真剣に聞き入る参加者の方々。

永井さんは子どもたちに自分たちで調べ、自分たちで考える、学ぶ意欲を引き出す授業を目指しているそうです。
子どもたち自身が関心を持つ事がとても大切だと何度も言われました。
実際の授業でも、写真を最初に見せることで子どもたちの関心が向くとのことです。
写真を元に、感想や調べたことをノートに書いていくという手法で行われていました。
授業中に自分で調べるという時間があることで、家に帰ってからインターネットで西淀川公害について調べて、授業で使う資料として持ってきている子もいたそうです。
細かな工夫で授業中の子どもたちの様子が変わってくるというのは驚きでした

参加者からは「西淀川公害について”なぜ?””どうして?”と先生ご自身が思われ、調べていって授業を組み立てたことが良かったのだと思う」と言った感想や、「小学生から答えられない質問はあったのか?」と多くの意見や質問、感想が出てきました。
実際に教育現場にいる参加者からもたくさんの意見が出され、盛り上がった報告会となりました。

また、西淀川区内の姫里小学校などで長年教鞭を取られ、現在も西淀川区内の小学校で公害の授業を行っている天野憲一郎さんからもお話を聞くことが出来ました。
あおぞら財団が作成したパネルや視聴覚教材を利用して西淀川公害についての授業を行っています。
(教材についてはコチラをご覧ください。)
小学校5年生の社会科の授業の一環として行われており、その時の様子の話もしていただけました。

IMG_4803

天野さんによる公害授業の説明の様子。

IMG_4777

質疑応答や意見の共有もしました。

現在は小学校の授業で公害が取り上げられることが減り、四大公害の名前だけを覚えるような教育となりつつあります。
その中で永井先生や天野先生のように、公害の授業が行われていることはとても大事なことだと思います。
また、その中で子どもたちが自分から興味を持って調べるということが自然と出来るようになるのは、なかなか簡単なことではありません。
あおぞら財団(西淀川・公害と環境資料館)の資料が調べ学習のお役にたてたことがとてもうれしかったです。

市民活動団体への助成環境_バナー(150px-60px)

(松ヶ平)

おもろいわ西淀川アワード2014展 開催中

2014年におもろいわ西淀川のFacebookページで、「いいね!」の数が多かった6つの記事と写真を西淀川図書館に展示をしています。
P1090841

記事にはスタッフのコメントと、読者の方のコメントも読めるようになっています。
Facebookではコメントに返信を返したり、時々話が弾んだりしています。
写真は複数アップされた中でも、一番反響が良かったものを中心に選びました。
P1090847

西淀川を歩いていて見たことがあるものが展示されているかもしれませんね。
意外と見落としていた、楽しい西淀川の風景を楽しめると思います。
P1090848
ぜひ図書館で「おもろいわ西淀川アワード2014」を見てきてくださいね。

また、おもろいわ西淀川では引き続き、ちょっと変わった、ちょっと笑ってしまった、ちょっとビックリした西淀川の風景をアップしています。
おもしろいなと思っていただけたら、ぜひ「いいね!」してみてくださいね。

【展示情報】おもろいわ西淀川アワード2014展
展示場所:西淀川図書館
展示期間:4月16日~7月16日
開館日:火曜日~金曜日 午前10時~午後7時
土曜日・日曜日・祝・休日 午前10時~午後5時
休館日:月曜日・第3木曜日・蔵書点検期間・年末年始
西淀川図書館URL:http://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=149

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,おもろいわ西淀川,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2015年4月21日1:47 PM

環境省現地研修受入、二日目(2/20)

2月19日に続き、2月20日も環境省職員の方の現地研修受入でした。

二日目は12名の方の参加でした。
(一日目の様子はこちらのブログからどうぞ。)

朝一番は村松昭夫弁護士からの公害裁判の話でした。
西淀川公害裁判の話だけではなく現在村松弁護士の関わっているアスベストについても話はおよびました。
公害裁判の立証の難しさや、公害裁判を通して考えた産業発展について話して下さり、環境省の方々もメモを取りながらも真剣な様子で聞き入っていました。
現在起こっている裁判なのも大きな理由になったと思います。

弁護士の村松昭夫先生です。

弁護士の村松昭夫先生です。

皆さん必死にメモを取っていました。

皆さん必死にメモを取っていました。

 

その後はバスに乗って43号線を通り、尼崎や西淀川の工業地帯の見学を行いました。
淀川通には大型トラックが何台も並んでいる様子にバスの中で驚いた様子を受けました。
43号線はこの日はあまり車の量は多くはありませんでしたが、それでも工業地帯などを見て回っている時はバスの外を真剣に見ている様子がうかがえました。
バスは一度淀川沿いで止まると遠くに見える風景を眺め、43号線緩和のために作られた湾岸線について話を聞きました。
この日は天気も悪くはなく、よく見えていたと思います。

バスの中から見える工業地帯に視線が自ずと向いてしまいます。

バスの中から見える工業地帯に視線が自ずと向いてしまいます。

淀川沿いから湾岸線の説明を受けています。

淀川沿いから湾岸線の説明を受けています。

向こう側にはユニバーサルスタジオジャパンも見えます。

向こう側にはユニバーサルスタジオジャパンも見えます。

 

お昼は大阪ハラールレストランにていただきました。
ビッフェ形式で皆さん好き好き取っていました。
意外とカレーが辛くない!とおかわりをしている人もいました。

その後デイサービスセンター あおぞら苑の見学を行いました。
通っている方も昔から住んでいる方や移り住んできた方もおり、参加者の皆さんはそれぞれ話しをしていました。
最初は戸惑う様子も見受けられましたが、見学が終わる頃には通っている方に手を撫でられている姿がありました。
皆さんとても盛り上がっていました。
最後にあおぞら苑代表の辰巳到さんから話をいただきました。
たまに冗談を盛り込みながらも熱くあおぞら苑のあり方について話をしてもらい、環境省の方々へ語りかけていました。

あおぞら苑の前にて。

あおぞら苑の前にて。

あおぞら苑に通っている方々と西淀川の話などをしています。

あおぞら苑に通っている方々と西淀川の話などをしています。

あおぞら苑代表の辰巳到さん。

あおぞら苑代表の辰巳到さん。

 

そこから大野川緑陰道路を歩き、あおぞら財団へと帰ってきました。

大野川緑陰道路の説明も受けました。

大野川緑陰道路の説明も受けました。

 

戻ってきてから3グループに分かれてワークショップを行いました。
まずは感想を書いてグループの中で共有をしてもらいました。
皆さん色々感想があったようで、感想が書かれた青のポストイットが班ごとに渡された模造紙にたくさん貼られていました。

P1080672P1080676

次に班に配られた模造紙には西淀川への提案を書いていただきました。
ピンクのポストイットに書いてもらいましたが色々悩みながらも書いていただき、班ごとに共有をしていきました。

P1080695

それを森脇さんや上田さん、財団の職員の前で発表をしました。
どのグループも統一してあるのが43号線の混雑緩和と湾岸線の利用についての発言がありました。
また公害への教育や独居老人のことにも話が及びました。
どのグループも1日半の短い研修の中でしたが、その中で沢山学んでくれたのだと思います。

P1080709P1080720P1080730

今回西淀川でのフィールドワークを経て、考えたことや思ったこと、学んだことを環境省に持って帰るだけではなく少しでも周りの人と共有して欲しいと思います。
普段どうしてもお互いの運動や仕事の枠の中で相手を見てしまいがちですが、こうして話をする機会を得ると違う見方も見えてきます。
このような機会が今後増えていくことも必要だろうなと思っています。

最後は全員で記念撮影も行いました。

最後は全員で記念撮影も行いました。

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2015年4月1日10:11 AM

環境省現地研修受入、一日目(2/19)

2月19日~20日にかけて環境省職員の現地研修受け入れが行われました。
参加者は環境省職員の方々13名で、西淀川のフィールドワークや公害患者さんとの話などが2日間に分けて研修が行われました。

2月19日(木)一日目
午後から研修の受け入れが始まりました。
職員の林さんからまず、あおぞら財団や西淀川の公害についての話がありました。
昔の西淀川の風景などのスライドや公害裁判についての話をしました。

西淀川という地域や西淀川公害について話をしている林さん。

西淀川という地域や西淀川公害について話をしている林さん。

 

その後、歌島橋交差点にて大阪国道事務所の方からどのような対策を行われてきたかという話をしていただきました。
交通の円滑化をどのようにしてきたか、道路の構造の対策など43号線などで行われてきた対策を中心に話してもらいました。
行われてきた対策だけではなく、国土交通省が行っている「えんどう(沿道)まめくん」と環境省が行っている「そらまめくん」の違いについて環境省の方から質問が出る場面もありました。
歌島橋交差点は五叉路なので対策をしても車の量は多く、車道へと視線を向けている方がとても多かったです。

歌島橋交差点で対策について説明を受けている。

歌島橋交差点で対策について説明を受けている。

大阪国道事務所大田隆英さんが説明をしてくださいました。

大阪国道事務所大田さんが説明をしてくださいました。

 

財団へと戻ると公害患者さんでもある永野さんと岡崎さんを迎え、全体で大きな輪になって病気の苦しみや公害反対運動、また昔の西淀川についても話をしていただきました。
普段輪になって直接話しを伺う機会が少ないらしく、お二人の話を食い入るように聞いていました。
仕事も発作などの症状が酷く、パートでしか働けなかったとのお話もありました。
途中で上田敏幸事務局長を迎え、上田さんは年金がもらえない人もいると言う現状も教えて下さいました。
仕事の対応や会議などで公害患者さんと話をする機会はありますが、お互いが普段の立場とは少し異なった形で話を出来たためか色々考えているような複雑そうな表情が見えました。
上田さんがおっしゃった「公害は地元を丸めて問題になっている。」と言う言葉がとても耳に残りました。

永野さんと岡崎さんの話を聞き入っている環境省の皆さん。

永野さんと岡崎さんの話を聞き入っている環境省の皆さん。

言葉を聞き逃さないように耳を傾けて聞き入っていました。

言葉を聞き逃さないように耳を傾けていました。

 

その後は患者会の会長である森脇君雄さんを迎えて、公害反対運動や環境省とどのように関わってきたのかと言う話をしていただきました。
環境省との関係や企業との和解についての話が多く、特に和解については普段聞けないような話も多かったようです。
感想や質問の場面でも積極的な姿勢で質問が行われていました。

>環境省職員の質問。
「工場で働いていて認定患者さんはいましたか?」

>森脇さんの回答。
「実際に患者さんはいましたが、皆地元の病院で認定されているので大きな工場の近くにある病院では認定患者さんの数は少なかったらしいです。全ての病院に公害病についての知識があるわけではないから。」

>環境省職員の質問。
「患者会が連帯するのはすごいことだと思いますが、割れそうになったことはありませんか?」

>森脇さんの回答。
「目の前にあることを一つ一つやってきました。全患者を連れていって運動を行ったりし続けていたために、割れるよりも団結していきました。けれど裁判をしている最中にやめていった人も多くいました。子どもの切り捨てで辞めていく人も多くいました。」

>環境省職員の感想。
「知らないということだけで通していてはいけないなと思いました。しっかり話を聞いて対応していますが、事務的な対応ばかりではいけないなと思いました。」

森脇さんが運動の中であった話を沢山してくださいました。

森脇さんが運動の中であった話を沢山してくださいました。

真剣にメモを取っている職員の方々が見受けられます。

真剣にメモを取っている職員の方々が見受けられます。

 

一日目は財団を中心で話を聞く形の研修が中心となって進みました。
二日目は西淀川を中心としたフィールドワークを行いました。
二日目のブログはコチラから見てみてください。

« 次のページ前のページ »