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5/19『西淀川公害の40年』お披露目会

2013年5月19日 11:00-13:00
西淀川公害患者と読む『西淀川公害の40年』があおぞらビル3階にて開催されました。
参加者は38名です。
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執筆者の5人の先生に本の内容を解説してもらいました。
一部をご紹介します。

除本理史先生 編者・第1章 公害反対運動から「環境再生のまちづくり」へ
                   ――大阪・西淀川からうまれた現代都市政策の理念
○本書編集の意図: 単に歴史を振り返るのではなく、幅ひろい読者にたいし、「将来に向けたメッセージ」をしめす。当事者(公害患者、支援者など)でない人々にとっての意義を語る。
 →第II部で、行政や被告企業の関係者の証言も収録(公害訴訟和解後のパートナーシップの取り組みがあったからこそ)
 →医療(第2章)、教育(第3章)、消費者(第5章)など多分野の人々と協働
○西淀川における「環境再生」の取り組みの重要性: 最先端の都市政策上の課題を、非常に早い時期から提示してきた
 →第5章で西淀川の先駆的取り組みの経緯を
○「環境再生」以前から、取り組まれてきた「まちづくり」の意義: 患者自身の救済のとどまらない「公共性」
 →第1章(1977~78年の工業専用地域指定反対運動)
 →第4章(1985年~、フェニックス計画反対運動)
○東日本大震災の被災地に向けてのメッセージ

尾崎寛直先生 第2章 地域医療から捉える西淀川公害
                ――「医療の社会化」運動から公害問題へ
○本章で明らかにしようとしたこと
 1950年代後半~60年代,西淀川の公害が深刻になったにもかかわらず,公害問題の解決に向けて行動する住民組織は必ずしも十分に育っていなかった。この課題に本格的に立ち向かう運動は,救済法(1969年)制定に前後して表舞台に登場してきた公害患者らによって担われた。
ただし,西淀川の特殊な「もらい公害」の状況下で,住民が被害を「可視化」して告発することは,医療者の協力なしには難しかったといえる。
なぜ,地元の医療者が医師会をあげて公害問題に対処しようとしたのか。その背景には,一般大衆に医療を普及させる「医療の社会化」運動の伝統や,大阪・西淀川を中心に発展した住民の自主的な助け合い組織の活動の蓄積が,地域医療のあり方を規定づけたと考えられる。
○西淀川の先駆性
 ・労働組合と医療者の連携による「労働者の病院」=西淀病院 の設立(1947年)
    >>全国にこうした病院が展開
 ・全国初の住民自らが健康を守る自助組織=「柏花健康を守る会」 の結成(1949年)
    >>以後,生健会が多数結成。さらにこの組織を母体にした診療所・病院の設立
 ・地元医師会が率先して大気汚染健康調査に取り組み,被害者救済に尽力
    >>患者の掘りおこしが進み,強力な患者団体ができて全国の運動を引っ張る
○西淀川の経験の普遍性
 ・患者の生活と密着した医療の重要性 (←→専門分化した臨床医学「臓器を見て人を見ず」)
 ・「お任せ」主義ではなく,住民自身が地域医療の「当事者」として参加することの重要性

林 美帆 第3章 西淀川の公害教育
            ――都市型複合大気汚染と公害認識
○本章で明らかにしようとしたこと
・西淀川の公害教育の実態  教職員組合以外の活動内容を明らかにする。
  →地域で公害反対運動に取り組むことが出来た背景
○西淀川の特徴
・公害を自覚しない児童・生徒、公害に気が付く教師
  ①現場の教員の努力によって西淀川区の全小学校での疫学調査を実施
  ②教育委員会による公害対策研究指定校の実践で、公害教育の実践を積み上げる。
   しかし、道路公害の資料が手に入らず、公害の授業の組み立てに悩む。
  ③西淀川公害は工業の問題としてではなく、都市問題(まちづくり)の一つとして教育に取り上げられる。
・全国的な公害教育との違い
  教職員組合と教育委員会の対立はなく、教育委員会の活動を引き継ぐ形で公害教育を継続
・あおぞら財団の公害教育
  教職員組合やほかの教員と連携して実践している。
  また、公害スタディツアーを通じて、被告企業と共同する可能性を示した。
→西淀川の公害教育は、公害反対運動を支援する街の雰囲気を形成するために大きな役割を果たしたのではないだろうか。

松岡弘之先生 第4章 臨海部開発と地域社会
                ――フェニックス事業をめぐって
4章の課題:フェニックス事業に対する反対運動で患者会の果たした役割について
・廃棄物沖合埋め立て処分事業…1985/3フェニックス計画公表~1992中島1丁目に搬出基地設置
・争点:廃棄物処分の広域行政化・事業の趣旨(土地造成?廃棄物処理?)・複合的な環境破壊・事業への住民参加のあり方
・患者会は問題を地域全体の課題と位置づけ、「区民ぐるみ」の反対運動の中核を担う
→1985/7/25 整備センターとの「覚書」 8/9 中島基地設置反対西淀川連絡会
but監視料提供という地元対策→反対運動の押さえ込み
・患者会のネットワークづくりと、廃棄物問題に対する市民の関心高まり
→「環境再生のまちづくり」へ

入江智恵子先生 第5章 大気汚染公害反対運動と消費者運動の合流
――「環境再生のまちづくり」を支える運動ネットワークの形成

○本章で明らかにしようとしたこと
・公害反対運動「冬の時代」の中で、西淀川患者会がどのように支援者・協力者を開拓して運動を展開していったのか。
 →「西淀川公害裁判早期結審・勝利判決をめざす3・18府民大集会」(1988年)を画期として、他の社会運動団体との関係づくりを積極的に行っていった時期を分析
・西淀川裁判の支援を目的に作られた3つの重層的なネットワークが、西淀川患者会の運動が大きく広がっていく土台となった。
「西淀川公害裁判支援区民連絡会」
「大気汚染公害をなくし、被害者の早期・完全救済をめざす大阪府民連絡会」
「地球環境と大気汚染公害を考える全国市民会議:CASA」
○西淀川の特徴(先駆性)
・「全大阪消費者団体連絡会」などの消費者運動団体と協働しCASAを結成したことは、日本の環境運動史上、大きな意義がある。
  ①地球環境問題と地域の公害問題との結合
    1992年、「環境と開発に関する国連会議」(地球サミット)でのアピール
  ②公害患者と(消費者運動に関わる)市民との協働
    NO2簡易測定運動 ~1991年、第一次訴訟第一審判決日「なのはな行動」

患者さんとの質疑応答ののち、5階の西淀川・公害と環境資料館と資料庫を閲覧してもらいました。
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『西淀川公害の40年』で使用した資料を展示ました。
資料を整理してきたからこそ、本を書いてもらえたことを自覚してもらえたようです。
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資料館の棚に並べられている、患者さんの証言ビデオには懐かしい顔があるので、
みんなで「懐かしいなぁ」と言いながら、棚の前でワーワー言ってました。

最後には、みんなで楽しく懇親会を開催しました。
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患者さんに本の内容を理解してもらい、「これからもがんばる!」って元気になってもらえました。
とても、楽しいひと時でした。先生方ありがとうございました。
(林)

本の購入はこちらです。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年5月21日4:46 PM

福漁港から漁業を体験しました

2013年4月22日

晴天のなか、西淀川でどの様に漁業を行われているのかを体験してきました。
あおぞらいこば福でみせで漁師さんのお話を聞かせていただいたことをきっかけにして、
一度漁を体験させていただきたいということから実現に至りました。
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川から見る風景はいつも見ている淀川でも表情が違って見えました。
西淀川の中に、大自然があることを実感しました。
漁はチヌとボラがたくさんとれました。
淀川の中に、たくさん魚がいるのだと実感できて、感動です。

大学生にも体験してもらい、感想を書いてもらいました。
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漁業や船の運転など普通では簡単にできないことを体験できてとてもよかったです。
授業を休んででもきてよかったです。
地上ではなく川から大阪市を見るのは貴重だったと思います。魚もたくさん採ることができて市内にも自然がいっぱいあるように感じました。
次は採った魚をその場でみんなで料理して食べてみたいなと思いました。
また、今回とは違う漁法でいろんな種類の魚も採ってみたり、船からもっと本格的な釣りもしてみたいと思いました。

初めは北風が吹き魚が獲れないと北村さんがおっしゃっていたので、とても残念に思っていたのですが結果的にチヌとボラが持ち帰らせていただけるほどたくさん獲れ、網をあげている間魚を網から外すのが難しかったり、ボラが暴れたりしてなかなか忙しく、貴重な体験をさせてもらいました。
チヌもボラも名前などは知っていたのですが、実際手にとって見たり触ったりしたことがなかったので今回たくさんみれて良かったです。
あとはスズキも獲れるとの事でしたが今回はかからなくて少し残念でした。
家に持ち帰ったチヌは煮付けで、ボラは刺身とムニエルで頂きました。初めボラは臭そうで食べようと思わなかったのですが、いざ食べて見るととても美味しくびっくりしました。
______________________

この取り組みには、西村仁志先生、清水万由子先生が協力して下さいました。
西淀川で、漁師さんの経験を伝えるためにできることはなんだろうかと、考えていきたいと考えています。
(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月29日3:54 PM

都市型インタープリテーション講座5月25日、26日 7月13日、14日

【日 程】2013年5月25日、26日  2013年7月13日、14日 合計4日間
【時 間】10:00-17:00
【講 師】西村仁志(広島修道大学准教授) 村上紗央里 「ハレうさぎ自然美術社」主宰
【定 員】15名
【会 場】あおぞら財団
【資料代】1500円
【主 催】公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
【目 的】
地域には、歴史や文化、自然などのさまざまな資源があります。
こうした資源の価値を伝え、その大切さをわかちあう手法が「インタープリテーション」です。
自然観察会、まちあるきの案内、展示解説などさまざまな場面でこの手法が活用できます。
この講座でインタープリテーションを学んで、楽しい学びの場を作れる人になりませんか?

【スケジュール】
5月25日(土) ガイダンス、アイスブレイク、プログラム実演・体験、講義
5月26日(日) コミュニケーション実習、解説素材探し、自分たちでアクティビティづくり
7月13日(土) 自分たちが作ったアクティビティを実演、フィードバック
7月14日(日) アクティビティの作り直し、発表

申し込みはあおぞら財団まで
都市型インタープリター
地球環境基金助成事業

Filed under: イベント案内,環境学習,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月26日4:48 PM

JICA研修 モザンビーク 「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」

2013年4月22日(月)にJICAを通じてモザンビークの中央政府と州政府職員、14名の研修を実施しました。研修内容は標記のとおり「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」です。

報告内容
1.「日本の大気汚染公害の歴史 あおぞら財団活動紹介」
0
林美帆(あおぞら財団研究員)

2.「約束 きれいな空気と青い空を子どもたちに手渡すため
2 3
森脇君雄(公害患者会会長・あおぞら財団名誉理事長) 永野千代子(公害患者会副会長)

■質疑・応答
0-1
・私たちは日本政府の支援を得て経済発展のプロジェクトを実施しています。自分たちの国の発展をさせていきたいが、経済発展の被害者の部分も知っておかなければならないと思いここに来ました。私たちモザンビークだけではなく、南半球の多くの国が感じていることで「先進国から環境対策を求められるが、(本音のところは)途上国には発展してほしくないのではないか」というのが今までの印象でした。今日のように貴重な体験を伝えていただけると、自分たちが気をつけなければならないことを初めて実感しました。なにも考えないで経済発展だけを求めると、どんな問題があるのかが分かりました。
日本に来て、トンネルも見たし何層にも重なっている道路も見ました。自分たちも日本の国のようにしたいと思いますが、継続できる安全な発展をするためにはどのような問題があるかを教えていただいて、貴重な体験でした。
今日の経験を行政内部や国に伝えることは難しくはないのですが、一般の市民にもう少し環境について考えてもらうことが今後の大きな課題です。それは環境だけではなくて社会全体の問題でもあります。モザンビークが現在抱えている最大の問題は食糧の問題です。

4
・モザンビークの環境省の経験では「一つの事業で、この地域では条件が良くないので、違う場所へ移動させようとすると、あなた達は国の経済発展に反対なのか」と言われ、また反対に「ある調査結果でプロジェクトを進めても良いと判断すると、環境省は何もしないで許可だけ出している」といわれて、何を言っても叩かれる状況もあります。

・お話に出た「エコドライブ」に興味があります。もうすこし詳しく話してください。
林  1.ゆっくりアクセルを操作し、ゆっくり止まってゆっくり発進する。2.いらないものを車に積まない。3.冷房と暖房を弱めの設定をする。4.法定速度を守る。などを気をつけて運転することです。
あおぞら財団のエコドライブの取り組みはコチラ

・日本の場合は環境基準があり、その数値のモニタリングは国がしていると思いますが、あおぞら財団でもしているのですか、さらに他の地域でもその様にしているのか?
林  国のモニタリングのデーターを私達も活用していますが、5年に一回患者会では二酸化窒素の「カプセル測定」を全国で行い、国のデータとつき合わしています。
森脇 大阪で言えば大阪全体を一辺1キロメートルのメッシュを設定して測定し、国のデーターと付き合わせることもしています。自分の家の前にカプセルをつける人もあり、環境教育の側面もあります。調べるための薬剤や濃度を比べる用紙があれば簡単に測定できます。

・あおぞら財団のとりくみは全国でのことですか、それとも地方限定ですか?
林  他の地域の問題として三重県の四日市、岡山県の水島の裁判資料の整理を行っており、尼崎と名古屋と水島にはあおぞら財団と同じような財団があります。

・国との間の交渉はどのぐらい出来ていますか
森脇 国交省とは年に一回です。そのための予備的な話し合いは度々しています。環境省とは何かあるごとに、話し合いが出来ています。
1
本日はありがとうございました。人生の大先輩としても教えを頂くことができましたと感想がありました

郷土料理の箱ずし食べませんか? 5/27あおぞらイコバ佃でみせ

西淀川は各地域ごとにいろいろな顔があります。
そして、農漁村から現在の様な住工混在の街に変化したのは
ほんの50~60年間の間です。
地域の方々から昔の様子を聞いて、
地域の良さや、面白い所を、いろんな人と共有していきたいと思います。
共有した情報を公開していく事も目指します。
今回は、昔から食べられていたという箱ずし付き。
ぜひぜひご参加ください。
hakozusi
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あおぞらイコバ・佃でみせ
ちょっと前の佃のむかし どんなところ?
聞いて食べてしゃべって
:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:
日 時:2013年5月27日(月)18:30~20:30
場 所:佃会館 http://bit.ly/WPqhl1
定 員:25名
軽食代:500円(はこずし)

あおぞらイコバ 佃でみせ
大阪西淀川の佃地域の昔についてお話を聞いて、
西淀川地域でよく食べていたという「はこずし」を頂きながら、
世代を超えて楽しくおしゃべりしましょう。
当日伺ったお話しや情報は、
ホームページやパンフレットにまとめて、
西淀川の多くの人に知ってもらえるようにします。
協 力:佃史探求 風とみどりの会
主 催:あおぞら財団
申 込:あおぞら財団までご連絡下さい
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL:06-6475-8885  FAX:06-6478-5885
webmaster@aozora.or.jp

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前回の様子はこちら

あおぞらイコバ 佃でみせ

企画運営委員(敬称略)
小田康徳(大阪電気通信大学)
高田研(都留文科大学)
西村仁志(広島修道大学)
清水万由子(龍谷大学)

Filed under: あおぞらイコバ,イベント案内,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月23日4:48 PM
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