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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

資料館10周年企画の研究会を行いました(8/1)

あおぞら財団付属の西淀川・公害と環境資料館エコミューズが10周年を迎えました!

10周年を記念した研究会をあおぞら財団職員やスタッフ、大阪市立大学の除本ゼミのみなさんで行っております。
8月1日(月)は第2回目の研究会を行いました。

前回は6月27日に西淀川公害患者と家族の会会長であり、西淀川公害裁判原告団長である森脇君雄さんから聞き取り調査をしました。
その時の話から今回はどのような話を聞こうか、またどんな話を聞いていきたいかなどを相談しました。
いろいろと相談をした後、今回も前回に続き森脇君雄さんからヒアリングを行いました。
資料館に保管されている資料を出してきつつ、森脇さんを囲んで1時間近く質問をしながら話を進めました。

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当時の話をしてくれている森脇君雄さん(写真右)

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みなさんリラックスした様子で聴き取りが始まりました。

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森脇さんの話では多くの財団にある資料を見つつの研究会となりました。

この研究会は今後も森脇さんに昔の話や裁判当時の話を聞いたりしながら、月に1回程度のペースで進めて行く予定です。
今まで聞いたことがなかったことや、当時の時代背景についてなどのいろいろな質問が出来る良い機会となりました。
次はどんな話を森脇さんから聞けるか、今からとても楽しみです。

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2016年8月3日9:56 AM

大阪市立大学の医学生さん来館

先日、大阪市立大学医学部の学生さんを対象とした西淀川公害についての研修を、西淀川区保健福祉センターからのご依頼で開催しました。

日時:2016年7月12日(火)14時30分~17時00分
場所:あおぞら財団5F「西淀川・公害と環境資料館 エコミューズ」
参加人数: 医学生3人 西淀川区保健福祉センターの方々2人 スタッフ4人

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西淀川で起きた公害についてパワーポイントを用いながら説明している様子です

まず、現在の大気汚染について中国の空やPM2.5の問題も含めて、あおぞら財団の藤江からお話しがありました。

 

図1

1960年代の西淀川の空

 

河北省石家荘市の上空から撮影(2016.3.14)

河北省石家荘市の上空から撮影(2016.3.14)

近年、PM2.5という有害物質が問題になっていますが、このPM2.5は全てが中国から発生したのではなく日本の車からの排ガスなども要因の一つであるというお話でした。
また実際に、中国に訪問した時の様子や町の様子についてもお話がありました。さらに、1960年代西淀川の空と近年の中国の空を比較し、西淀川の住民の方、患者さん、医者、弁護士などあらゆる人々が公害地域再生のために力を合わせて活動したのだというお話も聞けました。
市大の医学生の人たちもとても真剣に聞いてくださっている様子でした。
この話を聞き、公害は他人ごとではなく、自分たち一人一人がしっかり考える必要があると感じました。皆さんにもこの1960年代の西淀川の空と近年の中国の空の2つを見て何か感じ考えてもらいたいです。

次に、大阪西淀川大気汚染裁判についてのビデオを見て、資料館の展示パネル「公害みんなで力を合わせて」を使って栗本から説明がありました。

IMG_6517

資料館の展示パネルを使って説明

 

また、この当時西淀川で暮らしていた南竹照代さんという患者さんの人生をまとめたプリントを読んで公害病について学びました。
南竹さんについては「記録で見る大気汚染と裁判」のページでも紹介されています。

私は、南竹さんの人生をまとめたプリントを読んで、
「発作が起こると緊張して体がカチカチになるので、背中をさすり、肩を揉んでやります。汗びしょびしょにかくのに、着替えをさせることができないのでタオルを背中や胸に差し込んでやります。失禁をするので、下着を替えてやります。嘔吐のためにパジャマやタオルを何枚も汚しますので大量の洗濯物が大変でした」という照代さんの母親の言葉がすごく印象的でした。
ぜんそくと言われても私自身あまりピンとこず、そこまで大変なものなのかと思っていましたが、南竹照代さんという人の過去を知りその大変さと深刻さを知りました。
西淀川公害について、解決のため必死に努力した多くの人達については、あおぞら財団ホームページの大気汚染公害の歴史Q&Aにも載っているので是非見てください。

その後、現在あおぞら財団で患者さん達に実際にしている環境保健の取組みについて鎗山から報告がありました。その中でも、実際に肺年齢の測定を参加者全員で行いました。

実際に肺年齢の測定をしている様子

実際に肺年齢の測定をしている様子

肺年齢の測定とは…年齢、身長、性別を機械に入力し、息を6秒間吹き込み自分の肺の年齢をチェックするというものです。

肺チェッカーという機械を使います

肺チェッカーという機械を使います

それから実際どのような変化があって現在の西淀川があるのかについて、皆で西淀川を歩きながら、共有しました。

財団の屋上から見える何本もの高速道路を見ています

財団の屋上から見える何本もの高速道路を見ています

測定器値の説明をしています

測定器値の説明をしています

最後に、参加者の人達の感想を聞きました。
・患者さんにもそれぞれ生活があってバックグラウンドがあるということを知った。自分たちが医者になったとき、ただ診察をするのでなく、「どの辺りにお住まいですか」の一言が言えるようになりたいと思った。
・今もまだ公害で苦しんでいる人達がたくさんいるということを知った。個人的に何かできることがあるのではと思った。
・公害やその歴史について、詳しく知ることができて良かった。もっとたくさん本などをよんで様々なことを知る努力をしていきたい。

最後に参加者の人達が今日の研修を通して感じたことを発表してくれている様子です

最後に参加者の人達が今日の研修を通して感じたことを発表してくれている様子です

今回の研修では参加者の方もたくさん質問や感想を言ってくださり、とても内容が濃く良い研修だったと思います。
私は今まで「公害」という言葉を聞いても人ごとのような感覚を持っていました。小学校や中学校の社会の授業でおおまかに公害について習いました。しかし、教科書から学んだだけで、実際は何も学べていませんでした。公害について用語は知っていてもそこにある時代背景や、人々について何も知らないし、知ろうともしませんでした。しかし、大学生になって様々なことを学ぶにつれて知らないことは罪だと思いました。
この公害についても同じです。自分の身の回りでは起きていなく、過去のことであり、自分とはあまり関係ないものと勝手に思っていました。でも、少しずつ公害という悲惨な出来事について知っていくうちにたくさんのことを感じるようになりました。過去の話だけではありません。現在もです。公害は現在もあります。もし、自分の家族や友達がそのような目にあっていると考えてください。凄くつらいです。考えるだけでも、しんどくなります。でも誰か一人が悪いというわけではないのです。人間達によりそのような事が引き起こされてしまっています。普通に考えておかしいと思います。私がまだまだ公害について深く知らないせいかもしれません。でも、やはり防げることはあると思います。「しかたがない」「運命だ」なんて言えません。
私は公害について学んでいく中で、たとえ公害について知っても自分に何ができるのか分かりません。誰に対してなにをすればいいか分かりません。でも一つ強く思ったことは、環境についてもう一度「大切にするもの」という心を持とうと思いました。子どもの時に母親から教えてもらったように、花も草も海も川も地球も皆命があります。また、節水の意識を持つ。節電の意識。車には乗らず、できる限り自転車に乗る。「地球という一つの命をきれいにする」という概念を常に持とうと思います。
一人一人がその意識を持って課題を共有すれば、公害のないきれいな環境で暮らすことは実現すると思います。

インターン生 太田 美帆

鳥取県湯梨浜町内の中学生の皆さんの研修を受け入れました(7/29)

7月29日(金)に中学生と教員の方の研修受け入れを行いました。
鳥取県湯梨浜町内の中学校から、中学生6名、教員4名の方があおぞら財団へと来てくれました。2日間の大阪での人権研修の一環で、西淀川の公害や公害反対運動についての研修を行いました。

栗本からあおぞら財団についての簡単な説明を行った後、西淀川公害裁判についての短いビデオを見てもらいました。朝早くからの研修でしたが、中学生のみなさんは食い入るように見ていました。その後、エコミューズに展示してあるパネルを使って、補足の説明をしました。その最中にも中学生のみなさんは必死にメモを取っている姿がうかがえました。

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西淀川についてのDVDを食い入るように見てるみなさん。


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栗本がパネルを利用して西淀川公害について説明。

次に、公害患者である岡崎久女さんから当時の話や症状について、また裁判についての話をしてもらいました。昔初めて大阪に来た時の印象や、症状が一番辛かった頃の話をしてくれたのですが、時々ユーモアを交えて学生のみなさんを和ませながら話をしてくれました。中学生のみなさんもそんな雰囲気の中で真剣な様子で話を聞いていました。

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今回話をしてくれた岡崎久女さん(写真右)


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住民でつくった地域再生プランを示し、企業と和解したことを説明。


話を聞き終わったあとに、岡崎さんの話を聞いた感想や印象を共有しました。
・公害のことについては教科書の中でしか知らなかった。
・自分が好きで公害病になったわけじゃないから裁判をしたという所が心に残った。
・自分も辛いのに子どもの世話もしていてすごいと思う。
・あきらめずに裁判をしたからこそ今があるというのが印象的だった。
などのいろいろな感想や心に残ったことを岡崎さんと一緒に共有しました。

今回は人権研修ということで、公害と人権の関係について、子どもの権利条約について書かれたシートを配り、考えました。西淀川公害が起きたことで、どんな権利が守られてなかったのだろうかという話をしました。2人1組になって話し合いをしてもらった後に発表をしてもらいました。
1つだけではなく2つ上げる班もあり、しっかり話し合いをしている姿がとても印象的でした。

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子どもの権利条約について真剣に考える学生のみなさん。

最後に岡崎さんを中心に記念撮影をしました。

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岡崎さんと学生のみなさんで最後に記念撮影!

プログラム終了後、自由に資料館のパネルや本を見てまわっている時は、みんな楽しそうに話しており、記録スタッフとして入っていた私にも積極的に話しかけてきてくれました。やはりお話を聞いている最中は緊張していたけれど、普段はきっともっと賑やかなんだろうなぁとついつい笑みがこぼれました。
こうして大阪に来て、学んだ大気汚染公害やそれにまつわる患者さんの症状、社会の流れ、人権の問題などが少しでも今後の学習のきっかけのひとつになれば嬉しいなと思いました。

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2016年7月29日5:51 PM

ポール・ジョバン氏再訪

2016年6月27日28日 台湾からポール・ジョパン氏が西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)に来所してくださいました。当日は、大阪市立大学の除本理史先生とゼミ生と共に森脇君雄さんのヒアリング調査をしていたので、除本先生とも久々の再開となったようです。

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前回は、アスベスト問題の訪問でしたが、今回は台湾で行われている大気汚染裁判に参考になるものがないかという目的のための訪問でした。

前回の訪問はいつだったかなと調べると、なんと2009年!エコミューズも開館して10年もたつと、いろんなことがありますね。

http://www.aozora.or.jp/ecomuse/archives/682

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2016年7月1日3:44 PM

ユネスコスクールのみなさんが資料館を訪問しました(6/25)

6月25日(土)にユネスコスクールに参加している高校生4名と、教員2名、計6名の方がエコミューズに訪問しました。

ユネスコスクールに参加している高校生の方々は、今度日中韓3カ国で行われる国際会議で発表があるそうです。大阪の高校生のみなさんは『スカイ(大気)』を議題にスピーチとディスカッションがあり、どのような大気汚染が大阪にあったかを学習するためにエコミューズへ来て下さいました。

いろいろな立場の方がいたことを知ってもらおうと、展示パネルを見ていただきました。みなさん、真剣な様子で展示パネルを見ていました。展示パネルはいろいろな立場の人の思いや行動などが記載されています。納得をした表情を浮かべて眺めたり、引率の教員の方と話し合う姿が目に付きました。また、ぜん息患者の軌道組織の変化を手で触って分かる展示物には驚いていました。喘息発作状態は触るととてもかたく、どれほど呼吸がしにくかったか分かりやすかったと思います。
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その後、エコミューズ所蔵のDVDを見ました。西淀川大気汚染では工場からの煙だけではなく、車からの排気ガスも大きな論点となりました。今回、日中韓での国際会議では車からの排気ガスも論点になりそうとのことで、複合大気汚染についてのDVDを見ました。患者さんの生活や言葉一つ一つに高校生の皆さんは思うこともあったようで、その後ユネスコスクールの皆さんで話し合っている時にDVDを見れて良かったとの言葉もありました。

今回は短いパネル展示の閲覧と、DVDの閲覧のみとなりました。そのため、7月にもう一度あおぞら財団へ来てフィールドワークなど、もっと詳しい研修を行う予定となっております。

国際会議で話をする時に、少しでも西淀川公害の話をきっかけに中国や韓国の学生さんとディスカッションを行い、その時のお話を聞かせてもらえたら嬉しいなと思いました。

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川区地域の話題,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2016年6月29日5:39 PM
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