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ブログカテゴリー » 環境学習

築港中学校にて「大阪の大気汚染公害の歴史と空気測定」の授業実施(10/24)

大阪市環境局の主催事業として、港区の築港中学校にて、大阪の大気汚染についての講義と空気調べの授業を実施しました。
10/24(土)に、築港中学校独自の「海遊館部」の活動として、1年~3年生まで、12人の参加でした。
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授業に先立ち、生徒の皆さんは、天谷式NO2簡易測定カプセルを一人2~3個ずつ、自宅や学校の周辺などに設置。24時間後に回収したカプセルは約40個でした。

授業当日は、まず生徒のみなさんが自分の担当したカプセルにザルツマン試薬を入れるところからはじめました。反応を測るには、15分以上放置する必要があります。
IMG_20201024_100501

その時間を利用して、栗本から「大阪汚染公害の歴史と空気測定の意義」と題して小講義をしました。西淀川公害裁判の資料の中から、築港中学校付近の上空から撮影した1961年の大阪の空の写真を示し、西淀川だけでなく港区も大気汚染のひどい地域であったことなどを紹介しました。
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その後、エコアナライザーを使って各カプセルの測定を谷内を中心に進めました。生徒は交替で各自の設置したカプセルの測定結果を記録し、地図に汚染濃度がわかるように色シールを貼っていきます。
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すべての地点が環境基準値の0.04ppmを下回りましたが、築港中学校の周辺の道路は、トラックの交通量の多い道路もあり、0.02ppmを上回る地点は複数ありました。
全員がシールを貼り終えたところで、地図をみながら結果を確認。公園に設置していても、交通量の多い道路の近いところでは少し高い数値が出ていることなどの気づきがありました。

最後に、谷内から「大阪の大気汚染の現状と課題」として講義。大阪の大気汚染の変化をグラフを示して説明した他、地球温暖化と大気汚染のかかわりや、大気汚染を防止するためになにができるかをお話し、授業は終わりました。
IMG_20201024_114145

授業後のアンケートで生徒のみなさんからは、
「けっこう近い存在なのに気にしてなかった大気のことについて、汚れていたことや改善点など、いろんなことを知れてよかった」「今、地球が抱えている問題を、もう一度勉強し、大気汚染の理解を深めることができた」「いままでどれだけ大気が汚染されていたのか、歴史を知れた」といった感想をいただきました。

環境の変化を自分たちで測定して把握する大切さを理解してもらえればうれしいです。

築港中学校のブログはコチラ
なにわエコスタイル(発信責任者:大阪市環境局)の報告記事はコチラ

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 2020年10月29日5:56 PM

語り部講話、フィールドワーク再開(10/20司法修習生研修)

10月20日、司法修習生研修を実施しました。参加者は10人でした。

地域再生マップとまちづくりの要求について説明する森脇さん、上田さん、藤江事務局長

地域再生マップとまちづくりの要求について説明する森脇さん、上田さん、藤江事務局長

毎年実施している研修ですが、新型コロナウィルス感染症対策として、原則、マスク着用の上、講義会場では密を避けて座れるようにして、実施しました。
フィールドワークでは、阪神出来島駅に集合した後、国道43号線の沿道対策の説明をはじめ、公害に関わるポイントを中心に、西淀川区内を歩きました。

国道43号線にて環境対策を栗本・谷内から説明

国道43号線にて環境対策を栗本・谷内から説明


千北診療所前で、公害病についてと現在の呼吸ケア・リハビリの取り組みなどを紹介

千北診療所前で、公害病についてと現在の呼吸ケア・リハビリの取り組みなどを紹介


地盤の低い西淀川で取り組む防災活動を紹介

地盤の低い西淀川で取り組む防災活動を紹介


大野川緑陰道路を歩く頃には暑さを感じるほどの好天でした

大野川緑陰道路を歩く頃には暑さを感じるほどの好天でした

あおぞらビルに到着後、まず資料館を見学しました。午前中に、村松弁護士から西淀川公害訴訟に関する講義を受けた直後だけあって、みなさん、熱心に裁判資料をご覧になっていました。

実際の裁判資料に見入る参加者のみなさん

実際の裁判資料に見入る参加者のみなさん

その後、公害患者の語り部として、池永末子さんのお話を聞いていただきました。

密を避けてスペースを確保して着席

密を避けてスペースを確保して着席


池永さんのお話にたくさんの質問が出されました

池永さんのお話にたくさんの質問が出されました


池永さんのお子さんが公害患者で、学校で運動部の活動を休みがちだったため、周囲から誤解を受けたといった話に対し、参加者からは「子どもさんだけでなく世間一般でも、公害病への理解を得ることは難しかったのでしょうか」「他に知り合いでも公害病の方はおられましたか?」といった質問が出ました。
池永さんからは、「娘はぜん息と知られないよう、隠すことが多かったよう」「もう80年代に入っていた頃で、公害病というと特別な病気みたいで、隠す人も多かったと思う」「私は患者会に入って、同じ苦しみを持つ者同士で『こういうときは、こうしたらいいいよ』と話ができてとてもありがたかった」といった応答がありました。
西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田敏幸さんから補足説明として、池永さんの娘さんが公害病に認定された頃、西淀川区の人口約9万人のうち、20人に一人の割合で公害患者だったこと、そういう状況を明らかにしたのは弁護士による調査。裁判を起こす前にアンケートが実施してくれたが、当時の弁護士はそれほどの関わりをしてくれていた、といったエピソードが紹介されました。

その後は、藤江事務局長による、あおぞら財団の地域づくりの活動と大気汚染の現状に関する講義です。

西淀川の現状をデータを示して説明

西淀川の現状をデータを示して説明


参加者からは「大気汚染物質の排出源はすべてディーゼル車なのか?」「道路連絡会の役割についてもう少し詳しく知りたい」といった質問が出ました。
藤江からは、「季節や場所によって、中国などから流れてきているものもあるが、日本の排出源は主にディーゼル車。いずれにせよ、もともとは人工物。対策については研究が続けられている」「道路連絡会で毎年、議論を重ねてきている。20年以上経って、2019年度にようやく西淀川区内の測定局全てでPM2.5の環境基準値を下回ったというのが現状」という説明がありました。

最後に、西淀川公害患者の会会長で西淀川公害裁判弁護団長の森脇君雄さんと、上田さんから、西淀川公害裁判に取り組んだ当事者の立場からお話がありました。

冒頭、コロナ禍の中オンラインで行われた環境大臣交渉の様子を紹介される森脇さん

冒頭、コロナ禍の中オンラインで行われた環境大臣交渉の様子を紹介される森脇さん


質疑応答では、参加者から「そもそも裁判をしようとした思い、そして20年を経て和解にいたった思いを聞かせてほしい」「和解をすると決まったとき、反対をする原告はいなかったのですか」といった質問がありました。
森脇さんは、「西淀川の患者は団結していたので、反対派一切なかった。一番重症の患者が、一番先頭に立つので、その姿をみたら一緒にやらざるを得ないというのがうちのいいところ。それと、よく動くのは女の人。被害の訴えをしたり、ビラを配ったりしながら、患者は経験的に学んでいく。今の役員会でも新しい人が入っても一年経てばすごく成長している。裁判当時に活躍した3人の女性がいたけど、彼女たちは患者会の役員だけでなく、地域振興会や町会の役員もしていた。裁判の署名活動では、西淀川区住民の8割は署名をしてくれたと思う。一時はすごかった。それを大阪中に広げたのは、上田さん」と応答がありました。
それを受けて上田さんからも「女性は物おじしない。署名を広げるために様々な集会に行ったが、被害を訴えるときに聴衆が1000人、2000人いても、女性はさっと話し始めたものだ。粘り強さも含めて、桁が違うとでもいうような」「大気汚染公害の認定患者は現在、約3万1000人。そのうち大阪市には1万人いる。今も患者は忙しい。アスベストや福島の裁判の傍聴にも行っている。大阪地裁の近くで患者をみかけたら、ぜひ声をかけてほしい」といったお話がありました。
活発な質問に応答いただき時間が足りませんでした

活発な質問に応答いただき時間が足りませんでした

幸いお天気にも恵まれ、充実した研修となりました。
参加者の感想をいくつかご紹介いたします。

・西淀川公害については全く知識がなかったため、詳しいお話を聞くことができ、また実際の訴訟資料も見ることができ、とても勉強になった。法律家は、社会の中で苦しんでいる人、弱い立場の人に目を向け、一緒に戦うことができる仕事であることを忘れないようにしたい。
・患者の方々、原告団だった方々が、想像以上にパワフルでした。全体として一致団結して、和解にあたって反対がなかったというのが、とても印象に残りました。法律家として、何より現地を知ること、依頼者をよく知ることを大切にしたいと思いました。
・お話がとてもわかりやすく、面白かった。とても苦労をされたと思うが、それを感じさせず、笑いに変えてお話されるところが、大阪人の心意気だなぁと思い、尊敬した。患者会内の班活動がどのようなものか、もう少し知りたかった。
・苦しむ原告も命をかけて闘うのだから、法律家として、他人事とは思わず自分事として行動したい。今後、未認定の患者さんのためにできることも考えたいと思う。

オンライン講座 「石炭火力発電の何が問題なの?~大気汚染と気候変動から~」

あおぞら財団では、神戸の石炭火力発電を考える会、地球環境市民会議(CASA)、気候ネットワークとの共催で、下記のとおりオンライン講座を開催いたします。参加費は無料です。
地球温暖化対策として注目されている石炭火力発電脱却をめぐる問題について考えます。ぜひご視聴ください。

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オンライン講座

「石炭火力発電の何が問題なの?~大気汚染と気候変動から~」
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近年の相次ぐ豪雨、猛暑、大型台風により各地で大きな被害が出ています。その背景に、地球温暖化の深刻化が指摘されており、影響が長期にわたる可能性があります。温暖化のない地球を取り戻すには、今後10年間の取り組みが重要です。今、世界の流れは、化石燃料の中で、最も多くのCO2を排出する石炭火力を廃止する、脱石炭・脱炭素化社会に向けた政策が進められています。近隣の住民への大気汚染物質による健康影響も懸念されるなか、日本で新たな石炭火力発電の建設計画が進められているのは、なぜなのでしょうか。今回の講座では、京阪神における公害問題から、石炭火力問題を解決するために、私たちに何ができるかについて学び、考えていきます。

石炭火力発電オンライン講座チラシ

<第1回 10月19日(月)18:30-20:00>
テーマ:石炭火力発電から何が出てくる
石炭火力発電は、どんな環境への影響をもたらすのでしょうか。
これまでの公害問題を見てきた専門家からの話を受けて、
地球環境、地域にどのような影響があるのかについて考えます。
神戸石炭火力発電所訴訟の争点についても考えます。

キーワード:大気汚染公害、エネルギー基本計画、地球温暖化

講師:西川榮一(神戸商船大学名誉教授)、島村健(神戸大学教授)

申込先
<https://us02web.zoom.us/webinar/register/2116023177524/WN_C7pzFqCnTnC0C_NdDPdGHQ>
<第2回 10月26日(月) 18:30-20:00>
テーマ:石炭火力は「安い」?そして本当に減るの?
政府は、7月に石炭火力発電の縮小について発表しました。
海外から「石炭中毒」と批判される日本の石炭依存は変わるのでしょうか。
本当に石炭火力は安いのか、減るのか。
日本のエネルギー政策は脱炭素に向かうのでしょうか。
エネルギー政策の専門家からの報告を受けて考えます。

キーワード:石炭火力のコスト、脱石炭・原発政策、容量市場

話題提供:山本元(気候ネットワーク)
講師:大島堅一(龍谷大学教授)

申込先
<https://us02web.zoom.us/webinar/register/8016023184834/WN_AZp5w-TJTp-2ySo6Pd5KdQ>

<第3回 企画調整中>
テーマ:石炭火力発電をなくすには?

参加費:無料
開催方法:Zoomを用いたオンラインセミナー方式(定員500名・先着順)
申込方法:申込フォームより、お申込みください。その際、入力いただいたメールアドレスに自動でアクセス先が届きます。また、zoomに関する技術的なサポートは行っておりませんので、各自でご準備いただきますようお願い申し上げます。

主催:神戸の石炭火力発電を考える会、あおぞら財団、
地球環境市民会議(CASA)気候ネットワーク
お問い合わせ
神戸の石炭火力発電を考える会
メール<kobesekitan@gmail.com>
TEL:080-2349-0490

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,イベント案内,全体,環境再生・まちづくり,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2020年10月12日9:58 AM

オンラインでフードマイレージ買い物ゲームを実施(9/12)

静岡市が主催する「静岡市環境大学2020」の1コマとして、フードマイレージ買い物ゲームを実施しました。
新型コロナウィルス感染拡大防止のために、教材を静岡にお送りし、講演部分はオンラインで行う形で実施しました。
事前にスタッフの方と段取りの打ち合わせを重ねた結果、当日の進行もスムーズに行われました。

講義の進行にあわせて、静岡市職員の方が会場でワークを進行

講義の進行にあわせて、静岡市職員の方が会場でワークを進行

献立に使う食材を選びます

献立に使う食材を選びます

考えた献立をイラストに

考えた献立をイラストに

使った食材と夕食を発表

使った食材と夕食を発表

育ち盛りの子のいる設定だと献立のボリュームが気になります

育ち盛りの子のいる設定だと献立のボリュームが気になります

各グループほぼ予算ぴったりでした

各グループほぼ予算ぴったりでした

個人で記入したふりかえりシートをもとに話し合いの時間は短縮

個人で記入したふりかえりシートをもとに話し合いの時間は短縮

感染症対策のために、グループワーク実施の際には様々な配慮が必要ですが、工夫次第で可能性は広げられると実感した講座でした。

最後に、参加者の感想をいくつか紹介します。

・買い物からエコと心がけていましたが、まだまだ甘いなと思いました。静岡の自給率の低さに驚きました。自分の行動が社会全体、地球全体に及ぼす影響も考えたいです。大変勉強になりました。
・普段の生活の中でフードマイレージなど気にしていたことは無かったので、今日の買い物ゲームをさせていただき、産地や輸送方法など考え、また自動車を使用するのではなく、できる限り徒歩や自転車で買い物をしたいと思いました。
・買い物をするときの考え方が変わりました。特に地産地消のことを深く理解することができました。様々な面(鮮度、味、フードマイレージなど)を知ることができました。
・便利ばかりを追求したライフスタイルになっていました。食べることは健康にもつながるので、“旬”にこだわった生活をしていきたい。
・街中に住めば、徒歩や自転車で買い物はできるが家庭菜園などができなく、田舎に住めば自分で畑はできても買い物が必要になったら車ででかけるしかないので、どちらがいいのかというのは難しい選択だと思います。
・「食品ロス」ではなく、「食材そのものから考える」という点で、今回は深い学びとなりました。何を選ぶのか、そこから考えていくきっかけとなりました。
・買い物や移動の「社会的責任」を見直すきっかけになりました。
・昔と今を比較して考えることがなかったが、今さらながら豊かさに安住していることを痛感した。少しでもフードマイレージが減少するようこころがけたい。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,フードマイレージ,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2020年10月5日5:18 PM

【年内中止】矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会のお知らせ

2017年度から、春・秋・冬と、年に3回の開催としてきた「矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会」。
今年は、春は悪天候のため、秋は新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、止む無く中止の判断をいたしました。

次回は、下記のとおり、2021年2月27日(土)を予定しています。
この夏の猛暑など、気候の変化は鳥たちにも影響を与えていると思われます。
2月の探鳥会では、どんな影響が表れているのか、考える機会にしたいと考えています。ぜひご予定ください。

 

ホシハジロ・ヒドリガモ(2019.2.3撮影)

ホシハジロ・ヒドリガモ(2019.2.3撮影)


カルガモ(2019.2.3撮影)

カルガモ(2019.2.3撮影)


ヒドリガモ、オカヨシガモ、オナガガモ群(2019.2.3撮影)

ヒドリガモ、オカヨシガモ、オナガガモ群(2019.2.3撮影)

【次回案内】
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■矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会■
~西淀川区で野鳥観察~
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西淀川区は、海や川、干潟や緑地、変化に富んだ土地があるため、様々な野鳥が集まります。
初めての方はなかなか鳥をみつけることが難しいのですが、日本野鳥の会大阪支部のリーダーが、その豊富な知識で解説してくださいます。
さわやかな朝のひとときを一緒に過ごしましょう。

■日時:2021年2月27日(土)午前9時30分~12時30分
*雨天・雷注意報発令時中止(Facebook等で告知します)
■集合:阪神なんば線福駅集合(9:30)
■解散:矢倉緑地公園(12:30)
■参加方法 当日、集合場所へお集まり下さい。
■参加費(保険代) 200円
■持物・格好 水筒、双眼鏡(あれば)、筆記用具
■当日の流れ:
阪神福駅に集合し、野鳥を見ながら歩いて矢倉海岸まで向かいます。
約3.5km歩きます。
*お弁当を持参し、終了後、矢倉緑地公園でお昼を食べるのも良いですね。

■あおぞら財団のこれまでの探鳥会の紹介はコチラ

矢倉海岸定例探鳥会


■日本野鳥の会大阪支部の矢倉海岸探鳥会の記録はコチラ
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■主催(問合先)
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号あおぞらビル4階
(Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885 https://aozora.or.jp/

■協力
日本野鳥の会 大阪支部
〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6-16
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