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ブログカテゴリー » 環境学習

【動画】環境省のyoutubeで公害患者のインタビューを公開

公害・環境問題では聴く姿勢が問われています。

この度、公害健康被害補償法被認定者のインタビューが環境省のyoutubeで公開されました。

3人の大気汚染公害被害者から、どのような被害を受けたのかについて語ってもらっています。

見えにくい汚染と言われる大気汚染、その被害が今も続いているということを知ってください。

公害・環境学習にもご活用いただけます。

是非ご覧ください。

 

■公害健康被害補償法被認定者40代女性へのインタビュー

公健法の指定地域の1つである吹田市南部で生まれ育ちます。
バブル時代ともいわれる1980~1990年代に公害病の気管支ぜん息に苦しみ、周囲の理解も得られない中、我慢するのが当たり前の子ども時代を送りました。今もぜん息の症状が出ていますが、新たな薬を服用するようになり症状が改善してきています。ぜん息の子ども達、患者たちが我慢しなくてよい社会を願っています。

youtu.be/4AY5SFm45kM

公害健康被害補償法被認定者インタビュー

「幼いころから公害病と向き合い続ける」

■公害健康被害補償法被認定者60代男性へのインタビュー

大阪市在住。24歳で気管支ぜん息の診断を受けます。鋼材販売業に従事していましたが、健康被害により思うように働くことができませんでした。さらに、気管支ぜんそくの続発症として難聴になり、聴力まで奪われます。現在は、公害を伝える語り部活動をしています。

youtu.be/9uGfck6bPUQ

youtube画像「公害病に聴力まで奪われて」

「公害病に聴力まで奪われて」

■公害健康被害補償法被認定者70代男性へのインタビュー

子どもの頃はガキ大将で健康そのもの。中学卒業後「金の卵」として九州から大阪に働きに来ましたが、大気汚染により気管支ぜん息になってしまいます。仕事は建築現場の重機のオペレーター。公害病による被害は仕事や人間関係、家族にも及びました。

youtu.be/VPPNXZ4sKIw

youtube画像「公害と闘いながら、高度成長期を生き抜いてきた」

「公害と闘いながら、高度成長期を生き抜いてきた」

 

●公害健康被害補償法被認定者インタビュー  再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PL9Gx55DGS7x5002CyJj8gRCyYj-JUuiLS

 

●公害健康被害補償法被認定者インタビュー  オーラルヒストリー

 

3人のインタビューのテキストは、承諾を得て、下記のページからダウンロードできます。是非お読みください。

「幼いころから公害病と向き合い続ける」40代女性

https://aozorazaidan.stores.jp/items/663b317585f934002d820d5f

「公害病に聴力まで奪われて」60代男性

https://aozorazaidan.stores.jp/items/663c5629c362b303bc41c0ff

「人間を潰さない『柔らかい成長を』」70代男性

https://aozorazaidan.stores.jp/items/663c57bc1ef4300418a31dd5

●映像クレジット

制作:あおぞら財団
企画・製作:環境省
撮影・動画編集:岸本景子(映画監督 プロフィール
写真:あおぞら財団付属西淀川・公害と環境資料館エコミューズ
映像協力:環境再生保全機構ERCA(エルカ)「くすの木百年物語—大気汚染とその歴史—」(https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/kusunoki/all.html)を加工して作成

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,動画,環境保健,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年6月14日11:33 AM

関西環境教育学会 研修受入れ(6/1)

2024年6月1日、関西環境教育学会の会員8名が研修に来られました。

あおぞら財団が作成したハンドブック「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」の解説とアクティビティの体験、後半はエコミューズの見学が行われました。

 

 

まずはじめにあおぞら財団の概要や、このハンドブックの制作経緯や知識編の解説を行いました。その後、ハンドブックに掲載されているアクティビティを体験していただきました。

あおぞら財団の概要について説明

あおぞら財団の概要について説明

今回体験していただいたのは、アクティビティ①「気候変動・防災に向けて何してる?」です。

ワークシートに記載されている9つの気候変動対策を、「やっている項目」「できそうな項目」「やってみたい項目」「難しいと思った項目」の4つに分類します。

それぞれの分類結果を4人ずつのグループで共有してもらい、最後に全体で共有しました。

各々が行っている気候変動対策を書き出します

各々が行っている気候変動対策を書き出します

他の人が取り組んでいる項目について情報交換をしたり、今まで意識できていなかった対策が見えたり、色々な発見が生まれました。

結果を共有し、意見交換を行います

結果を共有し、意見交換を行います

 

次に、アクティビティ⑤「気候変動と公害―『現在』をつくった公害運動、『未来』をつくる気候変動運動」を行いました。PM2.5の測定や環境基準の設定は、公害被害者からの声を受けて実施されるようになったことを受け、気候変動対策の提案を考えるというアクティビティです。

ハンドブックに記載されている項目を参考に、今後特に必要となると思われる対策を付箋に書き出してもらい、グループごとにベスト3を決めていただきました。交通・エネルギー・消費行動など、あらゆる分野から気候変動対策を考えることができます。

とても盛り上がりました

議論はとても盛り上がりました

多くの意見が交わされ、議論はとても盛り上がりました。アクティビティを通して、「個人で考えているときは難しかったですが、周りからアイデアが出始めるとどんどん楽しくなっていきました」「意見共有時、人それぞれに生活環境が違い、意見も変わってくることが印象的でした」といった感想をいただきました。

 

研修後半は、エコミューズの展示資料を見学していただきました。

エコミューズには、公害患者さんの手記や西淀川大気汚染公害裁判の記録など、当時の資料がたくさん保管されています。

裁判で使われた、当時の空の写真

裁判で使われた、当時の空の写真

壁に掲示されている公害裁判の流れを説明したパネルを用いた解説も行われました。

西淀川区以外にも大阪府全体にたくさんの公害患者さんがおられたことや、被告(企業や道路管理者)との「和解」から地域再生の取組みに広がっていったことなど、質疑応答も盛り上がりました。

パネルを用いた解説も行われました

パネルを用いた解説の様子

「西淀川公害のことは本で知っていたが、現場で学ぶことによってよりリアルに伝わってきました」「10年以上ぶりにエコミューズに来たが、非常にわかりやすいパネル展示だった」などの感想をいただきました。

 

研修の最後には、今後のハンドブックの活用方法について意見交換をしました。

このたびは研修にお越しいただきありがとうございました。

 (あおぞら財団アルバイト・小松)


「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」の概要については、こちらをご覧ください。公害・環境教育、防災教育にご活用していただけます。無料でダウンロードできますので、是非ご活用ください。

https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/climatechagehandbook/

ダウンロードはこちらから

https://aozora.or.jp/kougai_lecture/form/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年6月7日2:31 PM

大阪から公害をなくす会フィールドワーク(5/11)

5/11に大阪から公害をなくす会の第33回環境学校「西淀川公害を知る 西淀川公害から学ぶ 〜大阪の大気汚染の歴史 フィールドワークと講演〜」の受入れをしました。
大阪から公害をなくす会は、50年以上にわたり、公害による健康被害、生活被害をなくすために活動している団体です。
今回は、学童保育の子どもたち約20人もフィールドワークのみ参加してくれました。
フィールドワークでは、公害道路と呼ばれた国道43号、西淀川大気汚染訴訟の和解金の一部を用いて創設されたあおぞら苑、西日本最大級のモスクである大阪マスジド、公害で汚染された川を埋め立てて作られた大野川緑陰道路をまわりました。
フィールドワークの最後に、学童保育の子どもたちに「西淀川のことがよくわかった?」「今日は楽しかった?」と聞いたら、みんな手を挙げてくれました。

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公害道路と呼ばれた国道43号の公害対策の説明

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あおぞら苑の前には公害の石碑があります

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汚染された大野川を埋め立てた緑陰道路

多数の子どもたちにこの地域の公害・環境について現場をみながら一緒に学んでもらえ、とてもよい機会になりました。
子どもたちと別れた後、あおぞらビルにてスタッフからの解説と公害患者の岩本さんのお話。岩本さんは60代の患者さんで、喘息の続発症の中耳炎で難聴になり、重い症状のために家業の鋼材販売業に思うように従事することができなくなり、生活の中心が公害病になってしまいました。

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公害認定患者の岩本さんにお話をききました

公害資料館エコミューズにて、西淀川公害に関する資料も見学してもらいました。
最後に、みんなで感想を共有しました。
・道路の遮音壁など、環境対策が多数なされているのを知った。
・大気汚染の公害認定患者は65歳未満の方が半数以上で、若い患者さんが多いのに驚いた。健康被害は埋もれている人も多そう。
・大阪の公害対策は、黒田知事による革新府政による厳しい環境規制など、政治の力が大きい。個人の役割、企業・行政の責任の重さについて考えた。
・大気汚染が世界の課題となっている。子どもたちがどう生きていくのか。
・まだ終わっていない公害を子ども達にどう伝えていくかも大事。
公害について長く活動されているみなさんに今の西淀川から新たな気づきを得てもらえ、また、こちらとしても様々な参考になる意見をいただくことができました。


あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?

あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちら↓をご覧ください。

研修・教育(「あおぞら財団の研修・教育」のページに飛びます)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年5月16日4:59 PM

薬害肝炎訴訟 大阪原告・弁護団 研修受入れ(4/13)

薬害肝炎訴訟の大阪原告・弁護団の研修受入れを2024年4月13日におこないました。薬害資料館づくりを目標にされており、その参考にするため、ということで、18名のメンバーがあおぞら財団及び、付属の西淀川・公害と環境資料館に来られました。中には、四国から来られた人もおられました。

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西淀川公害を概説したビデオ視聴、あおぞら財団の活動紹介のあと、あおぞらビルの周辺のフィールドワークを行いました。まずは、ビルの屋上から周辺を眺めたあと、大野川緑陰道路、淀川線通り、歌島橋交差点へと順に歩きました。かつての水路が、どぶ川になり、今の大野川緑陰道路があること、淀川通のトラック通行量の多さ、歌島橋交差点での大気汚染測定局などを見学しました。

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ビルに戻ってきてからは、西淀川公害患者と家族の会の須恵佐輿子さんからはご自身が受けてきた公害の被害やその時の生活、お話を聞きました。同会事務局長の上田敏幸さんからは公害運動をいかにみんなで進めてきたかの話がありました。須恵さんの年齢が、上田さんから明かされたときには、会場全体からどよめきがおこりました。(須恵さんの年齢は感想のところに記載あり)

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その後、西淀川・公害と環境資料館の見学をおこない、最後に感想や意見交換などおこないました。

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資料館づくりをめざされているとあって、資料館の運営の具体的な質問などがありました。

みなさんからの感想の一部を紹介します。

———————-

・公害被害が地域の成り立ちの中で起こり、解決される問題であることが実感できました。

・ビデオと比較して、全く違う街になっていたと思いました。こうなるまでの経緯には患者さん達の闘いが大きく影響しているのだろうと思いました。

・(患者さんのお話は)最高でした。前向きな姿勢こそ、困難な状況を切り開き、困難な裁判を勝ち抜いたエネルギーを感じました。勝ち取った成果を誇りにしておられることに感激しました。

・お若く見えて、とても90才とは思えないマダムの体験談。大気汚染による公害認定も、日々の生活が「咳」に苦しまれて、苦労された体験談に頭が下がります。

・(資料館は)民間でここまでしっかり収集しているのはすばらしい。

・被害者を知り、歴史を理解し、常駐される職員さんがおられることはとても大事なことだと思いました。資料館や被害を伝えるということは人で成り立つものですね。

・患者の方が高齢化している中、これを引き継いでいくために財団をつくったり、資料館をつくることが、肝炎の場合でも必要だと感じました。

———————-
薬害肝炎全国原告団
https://www.yakugai-hcv.jp/

薬害肝炎全国弁護団
http://www.hcv.jp/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年5月14日4:13 PM

大阪公立大学「都市基盤計画特論」発表会(3/29)

大阪公立大学大学院の講義「都市基盤計画特論」では、12月~1月にわたって西淀川で授業が行われ、その成果の発表会が3月29日にあおぞら財団にて行われました。

参加者はあおぞら財団職員の他、西淀川公害患者と家族の会事務局の上田さん、西淀川区役所政策共創課課長の西尾さんです。

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発表の様子

 

発表では、「西淀川区緑陰道路に係る提案」と題して、防災対策と住民間交流をはぐくむ空間とイベントの提案がありました。

イベントの概要は、防災対策として「B級グルメ炊き出し防災フェス」、「防災設備整備」、住民間交流として「ウォーキングイベント」、「健康イベント」。「オープンファクトリー」、「教育イベント」、緑陰道路拡張として「滞留空間整備」の具体的な内容が検討されていました。

西淀川区民の宝である「大野川緑陰道路」を軸として、様々なイベントや整備によって、防災地策と住民間交流をはぐくむ空間として活用しようという内容です。

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B級グルメ炊き出し防災フェスタの提案

 

質疑応答では、実施方法や空間の使い方等についてやり取りが行われました。

学生の発表の後、指導教員である吉田先生から「グリーンインフラ」についてお話がありました。ヨーロッパを中心に、街中の緑をグリーンインフラとしての位置づけが進んでいます。街中の緑は生物多様性の観点から重要であるだけでなく、食糧栽培もおこなっているそうです。

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吉田先生から「世界を見据えて公共空間の展望」のお話

 

イギリスでは、都市部にある緑地や公園を貨幣換算し、周りの住宅地が緑があることで価値が高まっていることを示しています。それにより、都市部内の緑をだれが維持するのかという議論ができるようになります。

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ロンドンのアーバンフォレストの経済価値の推計

 

大阪の街路樹は100万本弱で、ロンドンの850万本弱の8分の1以下であり、現在は、大量の街路樹の伐採をすすめています。今後の都市の価値を高め、人々の生活を守り、気候変動等や生物多様性にも寄与するグリーンインフラについて、参考になるお話でした。

2023年度の大阪公立大学大学院の講義「都市基盤計画特論」は今回の発表会にて終了となりました。大学院生のみなさんは、西淀川区をフィールドにして、地域からの学びを経て具体的な地域への提案を作成しました。その提案内容は、西淀川区を新たな角度から捉えることにも繋がったと思います。

(谷内)


あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?

あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちら↓をご覧ください。

研修・教育(「あおぞら財団の研修・教育」のページに飛びます)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年4月24日11:07 AM
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