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関大社会安全学部 越山ゼミ フィールドワーク(6/15)

6月15日(土)に、関西大学社会安全学部越山ゼミのみなさんが西淀川区でフィールドワークを行いました。今回のフィールドワークのテーマは「防災」です。越山ゼミは、フィールドワークだけでなく卒業研究やクラフト防災パークへの出展など継続して西淀川に関わってくれています。

最初はタンデム自転車でフィールドワークを行いました。防災の目線から西淀川の街を回ります。

大野川緑陰道路を終端である淀川堤防まで行き、その後西島川を北上し、工業専用地域の西島へ。出来島から大和田へ抜け再び大野川緑陰道路へ。

かつて排水路だった中島大水道と大野川を埋め立てて整備された大野川緑陰道路

大野川緑陰道路にある水防碑

淀川は明治時代の治水工事により今の流れに。対岸はスーパー堤防が整備されています

タンデム自転車で工業地域を抜けていきます

災害の記念碑や堤防、海抜0m地帯、大気汚染公害、大阪マスジドなど西淀川の特色を確認しながらまわりました。

フィールドワークの後は、水防団の一員であり大阪防災企画を主宰する多田さんから西淀川区における西淀川の災害の現状や防災啓発活動、水防団の活動内容についてお話を聞きました。

越水対策について、図を描いて説明

西淀川を水害から守る防潮鉄扉を説明

防災リーダーと水防団について解説

次いで、西淀川区役所の防災担当・足立さんから西淀川区の災害対策について、また、1月に発生した能登半島地震の支援のために派遣された経験についてもお話ししてもらいました。参加した学生さんの中に、お父さんが東日本大震災に公務員として派遣された方がいて、被災地支援についても話が盛り上がりました。

区役所の足立さんから西淀川の防災対策についてのお話

西淀川区対策本部組織図

次に、第二室戸台風や西日本豪雨の体験談を読んでもらった後、今後、どのような立場の人がより困難な状況になるのか、防災に対してどのようなことが必要かを考えてもらい、全体で共有しました。

共有内容は多田さんがグラフィックレコーディングでまとめました。避難するときに、支援が必要な人には声掛けをして一緒に逃げるということ、普段からハザードマップを見ておく、外国人や若者等多様な主体が地域コミュニティに参画するといった視点が出されました。

グラフィックレコーディングでのまとめ

最後に、フィールドワークで見た光景やその後のお話を参考にして、西淀川区の防災に関して何に興味を持ったのか、提案づくりに向けて何を行いたいかなど、グループで議論が行われました。若者の参画、啓発手段の多様化、避難行動の多様化、ハード面の整備といった点に関して提案がなされました。越山先生からは提案を考える際には、他の分野での視点や考えを入れ込むことで、新しいものが生み出されるというコメントがありました。

西淀川の防災に対する提案

今後、ゼミでは防災に関する研究を重ねていくと思います。今日のフィールドワークで学んだことが役立つよう期待しています。

(谷内)

——

あおぞら財団では、公害だけでなく、防災、まちづくり等様々なテーマに合わせた学びの場を提供しています。

ゼミや授業、研修など、オーダーメイドの研修プログラムを行いますので、ぜひお気軽にご相談くだい。

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年7月11日11:54 AM

【タンデム】6/9大阪でタンデム自転車を楽しむ会の総会と走行会を開催

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。
6月9日(日)大阪でタンデム自転車を楽しむ会の総会と走行会を開催しました!
当初は、総会の後に、大野川緑陰道路で走行会を開催する予定でしたが、雨が降ったりやんだりのお天気でしたので、急遽、予定を変更して、先に走行会を行いました。
あいにくの雨のためキャンセルされた方々もいらっしゃいましたが、タンデム自転車は8台、参加者は17人で実施しました。
今回は、一社)福祉スタイルから、大学生1名、高校生1名、スタッフ1名が、タンデム自転車の前に乗るパイロットとして参加してくれました。
また、サイクルボランティア・ジャパンからの紹介で、はじめてパイロットをする人も1名参加しました。
自転車歩行者専用道路の大野川道路を行ったり来たりして、小一時間の体験会でしたが、気持ちのよい時間となりました。
その後は、総会を開催。今回は第12回目でした。
活動を開始したころは、全国の一般道でタンデム自転車が走行できるようになるのは、夢のような話でしたが、12年目となる今、その夢が実現しました。
これからは、よりパイロットを増やしていけるよう、定期的にツアーや体験会をおこなうなどの企画が提案されました。
総会の最後に、参加してくれた高校生が、「みなさんに聞いてほしいことがあります」と言って、次のような話をしてくれました。
——————
今日、私の後ろに乗ってくれた人が、私に「無駄に気を使わなくて、いいのよ」と言ってくれて、すごくホッとしました。
私が思ったのは、どうして、みなさん、そんなに前向きなのか、と。
もし、私だったら、、、私が、目が見えなくなったら、怖くて、外にも出れないと思うんです。みなさんは、どうしてこんなに前向きなのか、それを聞きたくて。
私には好きな言葉があります。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉です。
みなさんは、まさに、それを体現していると思いました。
つらいことがあっても、それを人のせいにするのではなく、みなさん、ご自分の境遇の中で、咲いておられる。すごいなと思いました。
——————
これを聞いて、大人たちは目頭が熱くなってしまいました。
「前へ出るしか、しゃあないからな」という返答や
「ここへ来れてる人はいいけど、家でこもっている視覚障害の人はいっぱいいます」
という話もあったり、
「もう、僕ら、慣れ過ぎてて、そんな純粋な気持ちを忘れていました」と言って、
笑いを誘う場面もありました。
総会終了後も、連絡先をお互いに交換したり、
あちこちで、立ち話の輪ができて、盛り上がりました。
記・鎗山善理子(あおぞら財団スタッフ)

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。

タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車,地域づくり,自転車まちづくり — aozorafoundation 公開日 2024年7月10日10:51 AM

佃中学生が職業体験に来ました(2024/7/4-5)

7月4日、5日の2日間にかけて、佃中学校2年生の2人が、あおぞら財団に職業体験に来ました。

1日目の午前中はりべらの発送作業を一緒にしてもらいました。患者会の方がお二人ボランティアに来てくれていましたので、みんなでお話もしながら作業ができて、交流ができました。

りべら発送作業中

その後、西淀川公害についてのビデオを観てもらい、タンデム自転車の試乗をしました。

大野川緑陰道路を通って、矢倉緑地まで行きました。最初はタンデム自転車に慣れずに、大人が前に乗り、中学生には後ろに乗ってもらいましたが、漕いでいるうちに勘所をつかみ、途中からは中学生ふたりで楽しく乗ることができました。

矢倉緑地に来たのは初めてとのこと。

最初は乗るのが難しかった

うまく乗れた

矢倉海岸に着いた!

2日目は午前中に盲ろうの方がタンデム自転車の体験に来られたので、中学生2人のタンデム自転車がグループの先頭を走り、道案内をしました。昨日乗ったばかりなのに、すっかりコツをつかんだようです。盲ろうの方に「ありがとう」の手話を教えてもらいました。

タンデム自転車のガイドをしました

午後からは、廃油回収の作業。地域の方が持ってきてくれた食用廃油を一斗缶にまとめてもらいました。

廃油 においがきつかった

最後に職場体験をした中学生の、活動レポートと感想を紹介します。

二日間ぼくは、西淀川の昔の公害について学びました、西淀川は、元々は大阪の中で一番公害が酷い場所だったらしいです。西淀川の公害は、喘息が主な症状です。工場がそれの原因だったらしいです。
二日間で一番心に残ったのはタンデム自転車です。タンデム自転車の後ろの方を乗りました。自分ががんばらなくても、前の人ががんばってくれたらすすむので楽しかったです。(KM)

公害のビデオを見て、西淀川区は、公害で多くの被害を受けたことと公害の恐ろしさが分かった。西淀川区では、ぜん息の被害がとても多く、たくさんの人が苦しんでいたこと。 工場などを裁判で訴えても、公害を出してることを認めず、裁判で20年かかったとを知りました。
タンデム自転車は、前の人を「パイロット」後ろの人を「ストーカー」で、障害者のための乗り物と知りました。 僕が前で乗ってみて、最初はうまくいかなかったけど、後からうまく乗れるようになりました。友達は、一日目ずっと後ろでずっと楽をしていたけど、二日目は少し前で運転させました。楽しかったです。(II)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,職場体験実習(中学生) — aozorafoundation 公開日 2024年7月5日3:30 PM

西淀川区役所でCOPD・肺年齢チェックを実施しました(6/22)

西淀川区役所と連携して、6月22日に行われた「がん検診・特定健康診査」にて、あおぞら財団はブースを設置し、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見への取り組みとして肺年齢測定やパンフレットの配布を行いました。

また、今回は上浦先生(ぽると訪問看護ステーション)にスパイロメーターという精密機械を使った測定に協力していただきました。

タバコを吸ったことがある。歩いていると少し息切れがするなど。
日頃、肺に不安を抱えた方もおられ、そのような方を優先的に、精密測定ができるスパイロメーターで測定していただきました。上浦先生の丁寧なアドバイスもあり、これからリハビリや、また詳しい診察を受けてみるとおっしゃられていました。

重症化してしまうと生活の質(QOL)をより低下させるだけでなく、より命にかかわることがあります。なので、重症化してしまう前に、自分の肺の状態を日ごろからチェックしておくことをお勧めします。

次回は8月29日(木)の予定です。
ぜひ、お越しください。

会 場: 西淀川区役所(大阪市西淀川区御幣島1丁目2-10)
参加費:無料
問合先:あおぞら財団(電話:06-6478-8885)
がん検診等については、西淀川区役所「がん検診等について」をご覧ください。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2024年7月4日3:53 PM

大阪医科薬科大学 公衆衛生学実習(6/11-12)

2024年6月11日(火)、6月12日(水)の2日間にわたり、大阪医科薬科大学の講義「公衆衛生学実習」の実習があおぞら財団にて行われました。参加されたのは、同大医学部の4年生13名と引率の先生1名です。

【1日目】

1日目は、タンデム自転車でのフィールドワークの他、公害患者さん、被告企業の元訴訟担当者のお話です。

タンデム自転車でのフィールドワークでは、地下水のくみ上げのため地盤沈下して海抜0メートル地帯となっていたり、工場と住宅地が隣接していたり、環境ロードプライシングや国道43号の道路沿道の環境対策について現場で確認しました。

大野川緑陰道路からタンデム自転車で出発

あおぞら苑の前にある公害の石碑の説明の様子

あおぞら苑前の石碑「公害と闘い環境再生の夢を」

午後からは西淀川公害について概要をお話した後、公害患者の岡崎さんのお話を聞いてもらいました。就職・結婚のため空気のよい高知県から西淀川に移って来られ、重度の気管支ぜん息を発症します。ご自身だけでなく1歳の息子も気管支ぜん息を発症し、未来を悲観し、親子心中を考えるほどでした。岡崎さんは重積発作により救急搬送され、仮死状態に陥ったこともあります。今も症状に苦しんでいますが、西淀川公害を伝える語り部として活動しています。

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西淀川公害患者と家族の会の岡崎さんと上田さんのお話

続いて、西淀川公害訴訟の被告企業である神戸製鋼の元訴訟担当者の山岸さんからお話を聞いてもらいました。山岸さんからは神戸製鋼の法務担当として西淀川公害に関わりました。本件訴訟をふりかえって、時代の屈折点であり、トラブル処理の基本となる法律が時代の変化に対応していなかったということ、西淀川公害の和解は難しい事態の解決に和解という一定のスタイルを作り出したこと、単なる賠償金獲得ではなく青空を取り戻し時代に手渡すというスローガンを作ったことが和解に導いたということを語ってくれました。

【2日目】

2日目は、1日を通して7つのプログラムが行われました。

まず初めに、西淀川公害訴訟の弁護団の一員であった村松昭夫氏より、 弁護士の立場から見た西淀川公害訴訟についての講義が行われました。
西淀川公害訴訟の成果と意義や、公害被害者たちの思いや訴えについて、弁護士として共に闘って来られた実体験をお話ししていただきました。西淀川公害訴訟の和解解決は健康被害の補償だけでなく、地域再生(あおぞら財団の設立)という新しい解決の方向性が示された点についても詳しく解説していただきました。

弁護士としての経験をお話ししていただきました

弁護士としての経験をお話ししていただきました

講義の後は、「フォトランゲージ・西淀川大気汚染公害」と「ロールプレイ・あなたのまちで公害が起きたら」の2つのワークショップに挑戦しました。
フォトランゲージを通して公害発生当時の状況を学んだあと、様々な立場になりきってロールプレイを行い、公害発生時の解決策を探りました。

写真から読み取れる状況を考察します

写真から読み取れる状況を考察します

どの立場の人も納得する解決策をつくることの難しさを体験しました

どの立場の人も納得する解決策をつくることの難しさを体験しました

次は、西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)を見学しました。
裁判で証拠として使われた資料や、公害病と闘ってこられた患者さんの手記、当時の小学生が書いた公害に関する文集など、様々な資料から当時の状況に思いを馳せました。

裁判で使われた資料などを見学しました

裁判で使われた資料などを見学しました

お昼休憩の後、西淀川で多くのぜん息患者を診てきた医師の大島民旗氏より、医師から見た西淀川公害についての講義が行われました。
医学的視点からのぜん息の解説や、若くして亡くなられた公害患者さんを何人も診てきた体験などをお話ししていただき、医師を目指して学んでいる学生さんたちに熱いメッセージを送っていただきました。

お仕事の合間を縫ってオンラインで講義をしてくださりました

お仕事の合間を縫ってオンラインで講義をしてくださりました

講義の後、ワークショップ「気候変動と公害」を行いました。
初めに公害運動と環境基準についての解説が行われ、現在の環境基準は公害運動によって市民が獲得してきたものであることを学びました。未来の持続可能な環境を考えるため、気候変動対策に必要なことをグループで議論し、特に必要だと思う対策ベスト3を決めて発表しました。

交通に関連する対策が多くあげられました

交通に関連する対策が多くあげられました

 

最後に、2日間の学びを振り返るワークショップが行われました。
2日間を通して学んだこと、印象に残ったこと、これから取り組みたいことなどを付箋に書き出し、グループで意見を共有しました。近い意見をグルーピングし、2日間の学びのまとめを発表してもらいました。

書き出して共有すると、学びが頭の中で整理されます

書き出して共有すると、学びが頭の中で整理されます

この日のたくさんのプログラムの中で特に印象的だったのは、医師の大島民旗氏から医師を目指す学生さんたちに向けたメッセージの中にあった「医師は医学の知識だけでなく、社会にも目を向ける必要がある」という言葉でした。西淀川大気汚染公害の経験から学んだように、環境汚染や気候変動などに注目することも、公衆衛生に通ずるものがあると感じました。
この2日間のフィールドワークでは、実際にまちを見て回り、公害被害の当事者から実体験を聞き、これらの学びをチームで共有することができました。このフィールドワークをきっかけに、訪れる、尋ねる、話し合うなど、自身の経験を通じた学びを深めていっていただければと嬉しいです。

 

(谷内、あおぞら財団アルバイト・小松)

 


関連教材・動画(外部のサイトに移動します)
〇【テキスト】学生が聞く西淀川大気汚染公害:岡崎久女さん
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9ad13a30c0900352f14df
〇【動画】【学生が聞く 西淀川大気汚染公害】岡崎久女さんインタビュー「青空は当たり前ではないことを伝えたい」
https://www.youtube.com/watch?v=EvMEVKtfdw0
〇【テキスト】「企業の側からみた西淀川公害」山岸 公夫さん(元神戸製鋼)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9db389b4c19002be14da5
〇【動画】元神戸製鋼山岸 公夫さんインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=bqy7RBZjGYQ

〇【テキスト】「弁護士として大気汚染公害に関わって(道路和解を中心に)」村松昭夫さん(弁護士)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9dcaf3cc5520032ab670b
〇【テキスト】「医師として大気汚染公害に関わって」金谷 邦夫さん(医師)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/64d9dd163cc552002fab6a64
〇【教材】フォトランゲージ「西淀川公害」
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/photolanguage/
〇【教材】ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/kougai_roleplay/
※【教材】「気候変動と公害」(「気候変動×防災×公害ハンドブック」より)https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/climatechagehandbook/


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研修・教育(「あおぞら財団の研修・教育」のページに移動します)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年6月25日6:26 PM
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