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日中・公害環境問題に関する研修プログラム(1/23後半)

日時=2014年1月23(木)15:30~17:30
場所=大川・村松・坂本法律事務所

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西淀川大気汚染裁判と日本の公害問題について、弁護士の村松昭夫氏(あおぞら財団理事長)の講義とディスカッションがありました。

村松弁護士からは日本の公害訴訟の歴史的経過や自身が西淀川公害裁判にかかわった経過、その後の公害・環境問題に関する活動についての取り組み、中国への情報発信などについて話がありました。

そして、今の重点的な取組みとしては、福島の原発事故の賠償問題があげられました。

経済発展が優先された結果、公害や原発問題がおこっていること、過去と同じ過ちを繰り返そうとしている日本社会の問題について指摘されました。

また、泉南アスベスト裁判については、330ページにおよぶ判決文を前に、その重みと説得力が紹介されました。
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中国のメンバーからの「どのようにして被害者を確定させるのか?とくに自動車排ガスの問題はそれが難しいのでは?」といった質問にたいして、村松弁護士からは、なぜ被害が発生したのかという構造を見ること、構造を研究することの大切さが述べられました。

弁護士には被害者を支える大きな役割があることが、熱く語られた講義でした。

記・鎗山(あおぞら財団スタッフ)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2014年2月4日7:40 PM

2012年度年報を公開しました

あおぞら財団の2012年度の年報(年次報告書)を公開しました。
表紙
2012年度年報

1.2012年度事業をふりかえって
■重点事業
2.東北エコツアー(フロンティア講座)&イコバの活用
3.ファンドレイジングの強化&東日本大震災へのとりくみ
■各事業
4.地域づくり(災害時要援護者の避難を考えよう)
5.地域づくり(自転車を活かしたまちづくり)
6.資料館(地域Cafeはじめました)
7.環境学習(西淀川の環境を調べ区長さんへまちづくり提案)
8.環境保健(呼吸リハビリテーションをひろめよう)
9.国際交流(日本の空・中国の空 日中環境NGO交流2012)
10.寄附・財政
11.ボランティア・インターン参加者

こちらのページから過去の年報もごらんいただけます。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,事務局 — aozorafoundation 公開日 2014年1月27日11:51 AM

『災害の記憶 ヒアリング結果』『空気の汚れ調べ』の展示はじまりました

『西淀川 災害の記憶ヒアリング結果』

『空気のよごれ調べ(12月26日開催)』の展示が始まりました。

2014年1月23日(木)~3月20日(水)

場所:大阪市立西淀川図書館

災害記憶の展示の方では、実際に被害に遭われた5名の方の体験談も並んでいます。

小学校に避難し、食べ物も毛布もないような状態で1週間も泊まった、というような想像もつかないような内容のものありました。

水害だけに関わらず災害はいつでも起こりうることだと思います。

このような体験談を読んで、自分自身も気をつけなければと思いました。

※同ヒアリングは、公益財団法人JR西日本あんしん社会財団の助成で行っています。

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壁面の展示では2013年12月26日に開催された空気の汚れしらべの結果マップを展示しています。

西淀川区の地図に「青」「緑」「黄色」「赤」の色で分けたシールを空気がきれいな順で貼っています。

どの区域がどのくらい汚れているかが一目で分かるようになっているので、ぜひご覧ください。

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そして隣には測定イベントの年ごとの結果をグラフにして色分けしたものも飾っています。

こちらも年々環境基準値クリアのゾーンが広がっているのが分かります。

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私は今回、初めて見たのですが二酸化窒素を調べることが出来る専用カプセルも展示しています。

あんなに小さな道具で測定することができるのには驚きでした。

空気の汚れ調べ 当日の様子はこちら↓

https://aozora.or.jp/archives/18471

(ボランティア 山澤)

1/23 中国環境NPO研修3日目@大阪府立環境科学センター

中国環境NPO研修3日目の1月23日は、森ノ宮にある大阪府立環境農林水産総合研究所環境科学センターを見学しました。

まず、大阪府の大気測定の取り組みとその測定データについて説明を受けました。

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大阪府では、府内105ヶ所に測定局を設け、NO2やSO2、PM2.5をはじめ7種類の大気汚染物質と、風量・風向・日射量などを常時測定しています。

昨今話題にあがるPM2.5の測定は2年ほど前から本格的始まりましたが、2012年度、環境基準を達成したのは対象33局中2局だったそうです。また、光化学スモッグとPM2.5については、基準値を超えた場合府民への注意喚起を行っています。

その後、施設屋上にあがり環境省の国設大気測定局を見学しました。ガラス管を通して常時測定(粒子が小さいPM2.5は別の方法で測定)される大気中の各汚染物質量は、サーバーに収集され、1時間ごとのデータが公開されています。

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続いて、アスベストの測定・分析について説明を受けました。

研究所では、大気中のアスベストと建材中のアスベストの2つを分析しています。中国の方々からは、現在もアスベストは建材として使われているのかという質問が出ました。日本では、2006年から石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全ての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が原則禁止されています。

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最後に、水質中の重金属の質量分析の設備を見学しました。

ICP質量分析装置と呼ばれるもので、採取した水に電流を流しプラズマを発生させ、そこに含まれる各重金属の質量を測定します。測定結果は2時間ほどでわかるそうです。中国で水質汚濁の問題に関わっておられる方は、中国で同様の検査をしたら1週間以上かかると驚いておられました。

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この見学を通じて、中国の皆さんが最も関心を持たれたのが、公害・環境問題に対する行政の機能・取り組みに関することでした。

民間NPOの人間が行政機関を訪れ職員と容易に対話ができること、法制度に基づいて環境測定データが刊行物やウェブ上で公開されていることに大変驚かれていました。中国では、裁判資料として測定データなどが必要な場合、該当機関に有償で証明書を発行してもらう必要があり、そもそもそうした情報・データにアクセスすること自体が難しいそうです。

情報公開を積極的に行い、企業への抜き打ち検査や改善指導を行っている行政職員の皆さんに大変感心されていました。

日本の中にいると、行政が市民サービスを行ったり、情報公開を行うことは国民の当然の権利であり、日頃はあまりそのことについて深く考えることがないかもしれません。しかし、中国の方々が自国で直面されている現状を聞くにつれ、情報公開が国民・市民の生活を良くする根本にあることを改めて考えさせられました。

国民・市民の声がすくい上げ、皆が幸せに暮らしてゆける社会を作っていくことは、歴史や文化、宗教、政治体制の違いに関係なく万国共通の課題だと思います。

日本においても、こうした国民・市民の権利がただ漫然と存在しているのではありません。国や自治体に対して国民・市民の声を絶えず伝え、企業とも協力しながら問題を解決していくことが求められています。

中国をはじめ諸外国の人たちに日本の公害の経験を伝えることは、日本自らの経験を省み、それを継承・発展させることにつながっていると、今回の研修を通じて考えさせられました。

(藤井)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年1月23日4:18 PM

1/21 中国環境NPO研修1日目@あおぞら財団

2014年1月21日、中国の環境NPOの方々の研修を受け入れました。

初日の今日は、あおぞら財団で公害患者さんのお話と西淀川公害訴訟と公害反対運動のお話を聞きました。参加者は6名と通訳2名でした。

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和田美頭子さんは、香川県高松市にお生まれになり、その後大阪へ出て来られました。第二次世界大戦のときに一度故郷へ帰られましたが、1948年に結婚のため再び大阪へ出て来られました。

戦後間もない大阪・西淀川は、空も川の水もきれいだったそうです。それが、復興が進み、産業発展を始めた60年代からは、空は黒く、外を歩けば顔がススで汚れ、干していた洗濯物も真っ黒になり、「公害病」「公害患者」という言葉が広まったそうです。

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和田さんご自身は、75年頃からせきが出始め、公害病の検査を勧められましたが、「公害病」と呼ばれることへの抵抗から当初は拒否されていました。その後、77年2月に公害病3級に認定され、患者会へ入会、78年からの訴訟に加わられました。

訴訟に加わるとき、真っ先に金銭面での不安がよぎったそうです。しかし、役員さんたちの「裁判に負けた時は命を投げ出したらいい」という鬼気迫る熱意に心を打たれ、参加を決心されたそうです。

住民の力で環境を良くする運動が大事だという点を和田さんは繰り返し強調されました。

また、和田さんは最近、来日した方応君さんの活動を撮影した中国の水質汚濁に関するドキュメンタリーをご覧になったそうで、「どこの国の人にも、特に子どもたちに苦しみを味わってほしくない!」「なぜ中国政府は日本の公害の経験に学んで対策をとってくれなかったのか!」と涙ながらに感想をおっしゃっている姿が強く印象に残りました。

続いて、患者会の森脇君雄会長と上田敏幸事務局長から、西淀川公害訴訟と公害反対運動の展開についてお話していだきました。

上田さんからは、公害は健康・生活・社会的関係などあらゆるものを破壊するということ、裁判を闘う上で汚染源を特定し、国や企業の責任を証明することが一番苦労したというお話がありました。

この点について、森脇さんから西淀川公害訴訟での疫学調査に関する苦労をお話しいただきました。

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この公害の実態調査という点は、中国の方々が大変興味を持たれました。中国でも工場周辺の住民らの手で公害の実態調査が行われる事例があるそうですが、それがメディアで報道されず、地方行政機関が情報を隠したりすることが多いとのことです。

公害の防止、公害反対運動を行う上で、情報公開が持つ大切さを改めて感じました。森脇さん、上田さんからは、情報が公開されなかったり、隠されたりするのは日本でも同様に起こり得ることであり、市民の健康・命を大切にするルールづくりを行政に求めていくことがとても大切だとのお話がありました。

また、国や地方自治体とNPOとの関係、NPOにできることに関しても質問が出ました。ここでは、国や地方自治体と良好な関係が築けるまで粘り強く話し合いを続け、住民の声をすくい上げるルール作りを求めていくことが大切であること、NPOとしての自主的活動の中で課題を見つけ、それを国や地方自治体に提言していくことが大切であることとの意見が出ました。

国や地方自治体と「緊張感ある良好な関係」を保ちつつ、環境保全・公害防止のために共同で取り組んでいくことが大切であり、そのための日中間での草の根レベルでの経験交流が今まさに求められていると改めて考えさせられました。

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その後、緑陰道路や歌島橋交差点に出て、西淀川の環境再生への取り組み、現在の自動車排ガスの問題について説明をしました。参加者の皆さんは、大型トラックが行き交う様子を興味深く写真におさめておられました。

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また、エコミューズで資料の収集・整理・保存・公開に関する説明をしました。裁判資料をはじめ、公害や公害反対運動に関する資料を保全し、後世に伝えるという点も、日本から学ぶ点が多いという意見が寄せられました。

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深刻な公害とそれを克服するための取り組みを経験した日本には、今まさに公害問題が深刻化している中国をはじめとする国や地域にその経験を伝えるという役割があります。

ただし、日本も決して公害を完全に克服したわけではなく、まだまだ克服すべき課題は多くあります。最も大切なのは、公害や環境に関する現状認識をしっかりと持ち、環境悪化を食い止める取り組みや運動を続けていくことだろうと思います。

中国の方々との交流を通じてそのことを強く感じました。

(藤井)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

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