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【インターン】探鳥会を開催しました!!(8/26)

こんにちは!インターン生の椹木です。

 

8月26日(土)に23年度2回目の『矢倉緑地・緑陰道路探鳥会』を行いました!

日本野鳥の会大阪支部の報告はこちら

福駅から緑陰道路・淀川沿いを通って、最後に矢倉緑地に向かいました。

 

最近天気が怪しい日が続いていましたが、無事快晴の中で行うことができました☀

淀川。向かいには梅田や海遊館があります。

淀川。向かいには梅田やUSJがあります。

 

むしろ炎天下といってもいいほどでしたが、緑陰道路ではほぼ木陰というほど木が多く、とても涼しい時間を過ごせました。朝の緑陰道路、本当に涼しくて空気もいいです。鳥をたくさん見ながら通ることができるので、朝の散歩とかいいかもしれませんよ。

暑い

夏の味方ポカリスエット

 

もちろん暑さ対策もしてきました。ポカリは夏の味方。

ところでなぜこの探鳥会は行われているのかご存じですか?

ただ単純にバードウォッチングを楽しむというのもありますが、

「昔あった西淀川の公害で一度失くしてしまった、自然の力が戻ってきていることを確認する」

という意味が込められていたりもします。今回観察できたのは全部で24種類の鳥たち。

毎回見かける留鳥がいた他、中には日光浴をしている鳥がいたり、本来なら北にいるはずの鳥の夏の姿を見ることができたりと、とてもたくさんの鳥を見ることができました。

 

今回観察した鳥

カンムリカイツブリ・カワウ・ササゴイ・アオサギ・ダイサギ・キアシシギ・イソシギ・ミサゴ・トビ・カワセミ・コゲラ・ハシボソガラス・ハシブトガラス・シジュウカラ・ヒヨドリ・センダイムシクイ・ムクドリ・イソヒヨドリ・スズメ・ハクセキレイ・ドバト・ツバメ・コサギ・キジバト(24種類)

エノキの実

エノキの実

 

緑陰道路にあるエノキの実。木の上にはとてもたくさんのムクドリがちょうど朝ごはんを食べていてガサガサ動いていました(たぶん10匹はいたかな?)

ケルケルという鳴き声が目印です。エノキの実は人でも美味しく食べることができ、参加者の皆さんからも甘いと評判でした。

榎木の実を食べるムクドリ

エノキの実を食べるムクドリ

 

日光浴をするカワウ。潜って獲物を捕まえますが、羽に水が染み込みやすいのでこうして羽を乾かします。

カワウ

カワウ

 

 

毎年春になると鉄塔のてっぺんにミサゴの巣ができます。

鉄塔でじっと構えているかっこいいミサゴの姿が見れました。

ミサゴの巣

左上に巣が見えます。 もしこの場所へ来たら一度双眼鏡で覗いてみてください

 

ミサゴ(日本野鳥の会大阪支部・小野忠款司さん撮影)

ミサゴ(日本野鳥の会大阪支部・小野忠款司さん撮影)

 

また本来日本では見れないカンムリカイツブリ(夏の姿)。日本では冬に白い姿で生息する渡り鳥ですが、夏にはオレンジがかった姿になります。

カンムリカイツブリ(日本野鳥の会大阪支部・小野忠款司さん撮影)

カンムリカイツブリ(日本野鳥の会大阪支部・小野忠款司さん撮影)

 

さて、今回の目玉となっていたカワセミですが、なんと1歳ほどのかわいい若鳥を見つけることが出来ました!鮮やかなコバルトブルーの背中をしていて、まだ子どもなのでお腹の色は黒っぽいですが、大人になればまたさらに鮮やかな鳥になるので今しか見れない可愛さを味わうことができます。(カンムリカイツブリとカワセミは河口近くで見る事が出来ます)

カワセミの若鳥(日本野鳥の会大阪支部・植村利也さん撮影)

カワセミの若鳥(日本野鳥の会大阪支部・植村利也さん撮影)

 

綺麗で大きなクモの巣を見つけました

綺麗で大きなクモの巣を見つけました

 

ササゴイを珍しく見ることができました。(日本野鳥の会大阪支部・植村利也さん撮影)

福の船溜まりにて。ササゴイを珍しく見ることができました。(日本野鳥の会大阪支部・植村利也さん撮影)

野鳥の会・上村リーダー。今回の探鳥会でたくさん鳥について教えてくださいました。ありがとうございます!

鳥以外にも鳥の食べる植物など自然全般にも詳しくとても勉強になりました。

上村さん

参加者に説明する上村リーダー

トビを見つけました

トビを見つけました

トビ眺める参加者たち

トビを眺める

淀川に着きました

淀川に着きました

『矢倉緑地・緑陰道路探鳥会』

開催  2023年8月26日(土)9:30~12:30

場所  阪神なんば線福駅、大野川緑陰道路~矢倉海岸(計3.5km)

参加者 19人(スタッフ含む。野鳥の会会員15人)

主催  あおぞら財団

共催  日本野鳥の会大阪支部

(インターン生:椹木)


次回の矢倉緑地・緑陰道路探鳥会は2月23日(金・祝)です。

コロナも少し落ち着いたので、より多くの方とバードウォッチングを楽しむことができます!

冬にしか見れない鳥を見つけて季節の移ろいを感じませんか?

2023BirdWatching2

次回 2023年2月23日(金・祝)予定
集合時間9:30 阪神なんば線福駅
解散12:30

2023年度探鳥会チラシ(pdf)はこちら

■あおぞら財団のこれまでの探鳥会の紹介はコチラ
https://aozora.or.jp/katsudou/manabu/tanchoukai
■日本野鳥の会大阪支部の矢倉海岸探鳥会の記録はコチラ
https://wbsjosaka.com/008-teirei-report/02-yagura/2018-report/report/index-resp.html
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■主催(問合先)
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号あおぞらビル4階
(Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885
電子メール:webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)
https://aozora.or.jp/

■共催
日本野鳥の会 大阪支部
〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6-16
https://wbsjosaka.com/

※2023年度 西淀川区と民間企業等との共創に関する提案事業として、西淀川区と連携しながら実施しています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境再生・まちづくり,矢倉海岸探鳥会 — aozorafoundation 公開日 2023年8月28日3:26 PM

【インターン】今年もやります!にしよど防災こども漫才!!【防災】

こんにちは!インターンシップ生の椹木です。
8月16日(水)は人間研究所こころラボのこどもお笑い道場さんとにしよど防災こども漫才動画を撮影しましたー!
こどもお笑い道場とは、その名の通り小学生を中心に漫才を行うお笑い道場。
協力してくれたのは、
・兄妹同士のわちゃわちゃな掛け声が印象的な仲良し兄妹コンビ「杏仁豆腐」さん
・お母さんの冷静な諭しが面白い、親子でコンビを組む「おちゃのは」さん、
・前回に引き続き協力してくれました、女子高生系小学生コンビ「あまおういちご」さん
の食べ物系コンビ三組です!!(ご協力ありがとうございます!!)

こどもお笑い道場の皆さん。漫才中もそれ以外でも、面白い方ばかりでした。

こどもお笑い道場の皆さん。漫才中もそれ以外でも、面白い方ばかりでした。

皆さん子どもらしさ満載の元気いっぱい!といった雰囲気で裏でははしゃぎながらも、いざ表に立つと元気いっぱいを残しつつ堂々とした漫才を届けてくれました!今回は防災知識を届けることを目的とした動画でしたが、声もはっきり通っていて、かつ面白くアレンジされているので内容がすっと入って来ました!(気になる内容は完成動画をお待ちください!)

防災ってなるとどうしても固くなってしまう印象がありますが、そんなことを感じさせないくらいに届きやすい発声と、掴みやすい言葉遣いでたくさん情報が伝わって来るので、大学でプレゼンをする機会がある身としては「あれ、これかなり使えるんじゃないか??」と思いました。まあ、かなりの度胸がいるんですけれども・・・話がずれましたが、要するにみんなめっちゃかっこよかった!!!!ということです。皆さんももしプレゼンや何かを伝えたいときは漫才を参考にして伝えてみるのもいいかもしれませんよ。

こんなに要素盛り盛りな今回の「にしよど防災動画」ですが、各1分間の3本立てとなっているのでふらーっと立ち寄ってみるのにも超超超おすすめです!!
今回協力してくださった皆さんは、M1やWといった漫才の賞レースにも出場予定とのことなので、今後の活躍にも期待したいですね。

今回の動画は西淀川区のYouTubeチャンネルにて公開する予定です!
当チャンネルではこのように面白くてためになる防災動画・その他西淀川区で行ったイベントの動画がたくさんあります!あまおういちごさんが出演する、前回の防災漫才の動画も絶賛公開中なので、気になる方はぜひ訪れてください♡

西淀川区YouTubeチャンネル「大阪市西淀川区役所広報」
https://www.youtube.com/channel/UCddznI4kCEvHYFfLuXk1I1g
【防災こども漫才】手回し充電器編【にしよど防災ショート】(あまおういちご)
https://www.youtube.com/watch?v=Kb9xkNTqfng
【防災こども漫才】海抜表示板と堤防編【にしよど防災ショート】(ホワイトケチャップ)
https://www.youtube.com/watch?v=meEDMtlfNyY
【防災こども漫才】非常用トイレ選手権開催!【にしよど防災ショート】(K.m.R)
https://www.youtube.com/watch?v=WaRlbJNA7eE

【にしよど防災こども漫才動画】
西淀川区地域防災・減災に関する連携強化事業
出演:杏仁豆腐/おちゃのは/あまおういちご
協力:人間研究所こころラボ
映像協力:岸本景子
制作・著作;西淀川区役所 あおぞら財団

【こどもお笑い道場のご案内】
西淀川区柏里にある横っちょ座で、毎週土曜日9:00-10:00に参加無料で開催しています。
対象者:4歳から中学生まで

以上、インターン生の椹木でした!!
(インターン生 椹木)

【インターン】にしよど防災かるた大会開催(8/10)【報告】

はじめまして、インターン生の椹木です。

8月10日(木)、西淀川区役所にて小学生を招いて「にしよど防災かるた大会」を開催しました!

※「にしよどおやこぼうさいかるた」ってなんやねん!!という方へ
にしよどおやこぼうさいかるたは、にしよど親子防災部(普段から気軽に防災について相談できる西淀川のネットワークです!)がコロナ禍でもおうちで防災を学べるようにと願って作られた遊んで学べるゲームです!
なんとこのかるた、イラストから文章まで、全て地域の方々の力で作られたものなんです!!?子供から大人まで100人以上のアイデアが集まっているので、中にはびっくりするのもありますが(笑)いろんな個性を楽しみながら学ぶことができますよ♪(ダウンロードをして遊ぶ事もできます!https://aozora.or.jp/archives/36301

「を」と「ん」のかるた。こんな風に手作り感満載でお送りしています。真面目なのももちろんあります

「を」と「ん」のかるた。こんな風に手作り感満載でお送りしています。真面目なのももちろんあります

 

…本題に戻りましょう。
にしよど防災かるた大会では、5人ずつ10チームに分かれて
1回目:自由に同学年位の友達と一緒にゲームをする
2回目:1回目の順位でチーム分けをする
というふうに2回ゲームを行いました!

 

かるたをしている子どもたち。みなさん白熱してかるたをしていました!

かるたをしている子どもたち。みなさん白熱してかるたをしていました!

第2回戦の読み手・表彰は西淀川区住みます芸人の「スキンケア大学」さんにお願いしました!芸人さんなだけあって札もとても聞き取りやすくて盛り上がりました。

大会の最後にはトータルで多く札を取った10人に表彰状&景品が渡されました!

 

さて、にしよど親子防災部(事務局:あおぞら財団)では「”かるた”で遊びながら防災の知識を学ぼう!」とイベントを開催しました。
では実際に小学生の反応はどうだったのでしょうか?その結果は・・・

ほとんどの方が楽しかったー!といってくれました!!(これから防災ちゃんとする!って方は少なかったですが…(泣)正直でいいですね!)

お気に入りのかるたを聞いたときは「通学路(通学路 安全確認 今すぐに!)のが面白かった!」などなどたくさん声がありましたので、少しでも響いていると信じたい…です。(´•̥ ω •̥` )

また今回のイベントでは3つの学童保育と個人参加が5名、丁度50名が参加しました。

2回戦では順位分けとなるのでみんな知らない子と対戦することになるんだなーと思っていたのですが、そんな心配はよそに2回戦もとても賑やかだったのが嬉しかったです(*´ー`*)結果的に学びながら遊ぶことに加えて知らない人との交流ができていたので、小学生のうちにこんな経験ができるのはすごくいいな~と思いました。

「にしよど防災かるた大会」に関わらせていただいて、まず子ども達と接するのが本当に楽しかったです。その中で子ども達が防災に触れ、ほんの少しでも将来災害が起こった時に向けて防災を意識をすることができたのは非常にやりがいがありましたし、関われたことがとても嬉しかったです。短い間ですがまだまだインターンシップは続くので、防災をはじめ、大切なことを皆さんに届けられるように情報を伝えていきたいと思います!

入口のバルーンアート。スタッフとして参加してくれた子が作ってくれました(*´ー`*)最後には子ども達が持って帰りました。すごい大人気。

入口のバルーンアート。スタッフとして参加してくれた子が作ってくれました(*´ー`*)最後には子ども達が持って帰りました。すごい大人気。

『にしよど防災かるた大会』
〇日時:2023年8月10日(木)13時半~15時半
〇場所:西淀川区役所5階会議室
〇対象:西淀川区在住の小学生と保護者【定員50人】
〇内容:「にしよどぼうさいかるた」を用いてかるた大会を行いました。
〇参加費:無料

この活動は公益財団法人JR西日本あんしん社会財団の助成でおこないました。

(インターン生 椹木)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2023年8月16日3:31 PM

公害地域の今を伝える環境省職員研修 2日目(7/28)

環境省職員の「環境問題史現地研修」2日目報告です。現地に足を運んで、自らのからだで西淀川を感じるフィールドワークです。

朝9時30分、貸切バスに乗り、西淀川フィールドワークが始まりました。最初は介護施設あおぞら苑に到着。大気汚染訴訟の和解金の一部から資金提供を受けてあおぞら苑を開設したというお話を、あおぞら苑代表辰巳さんから伺いました。

そして43号高架下に、国土交通省大阪事務所から43号線及びその大気浄化対策に関する説明を伺いました。大気汚染訴訟の和解を受けて、西淀川では様々な道路環境対策がなされています。国道43号には、光触媒の道路施設への塗布や高活性化炭素繊維ACFによる大気の浄化、大気汚染測定局の増設、PM2.5の早期の測定開始などの対策がなされています。

国道43号で道路の大気汚染対策について説明を受けました。

 

次に43号を通って尼崎に行き、尼崎工業地域や西淀川区の中島工業団地の実態が皆さんの目で確認されました。

バスの中から工業地帯を見学します

 

最後に西淀川に戻り、現在町の状態に関して、あおぞら財団藤江は「ごみ焼却場など迷惑施設は、どんどん端っこに寄って来た」と説明しました。

お昼には古民家の姫里ゲストハウスいこねで昼食休憩をとり、徒歩で大野川緑陰道路経由あおぞら財団に戻りました。

次は資料館の見学です。あおぞらビルには西淀川公害や公害裁判に係る書類資料を所蔵しています。5階の西淀川公害と環境資料館(愛称:エコミューズ)には、公害や西淀川公害に関する書籍や文献のほか、西淀川公害の写真資料も保存されています。写真を通じて直に公害当時の状況を知ることができます。

エコミューズの見学の様子

 

6階に、西淀川公害訴訟に関する資料が保存されています。弁護士資料から個人の陳述も保存されており、デジタル化を行っていますが、紙媒体はそれならではないの力が持っていることから、スペースが不足しつつあります。しかし、廃棄は考えずに保管を工夫しているとあおぞら財団藤江が語りました。

判決が出た時に出す用紙も保存しています

 

次に元神戸製鋼訴訟担当、あおぞら財団理事山下公夫さんから、「西淀川大気汚染公害訴訟を企業サイドからみる」の講演がされました。訴訟の経歴者の話なので、皆さんも興味津々、証人探しの工夫、主張の「文明論」の内容など質問が相次ぎ出てきました。

元神戸製鋼の訴訟担当の山岸さんのお話

 

最後に2日間の学びの振り返りに関するワークショップが行なわれました。公害経験の伝承オンライン資料館やSNSの活用といったアドバイス、補助制度は現代的な在り方にアップデートすべきといった行政の反省、環境省は市民と行政の間の組織であるので話を聞くスキルを磨かねばといった決心など、今回の研修で得られた今後の心構えや提案などが発表されました。

研修が短い2日間でしたが、日本そして世界未来の環境の舵の一端を握っている環境省の方々にいささかの助けになると願っています。

(記:あおぞら財団アルバイト王)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2023年8月7日10:09 AM

公害地域の今を伝える環境省職員研修 1日目(7/27)

あおぞら財団では、環境省職員の「環境問題史現地研修」の受け入れをしています。昨年は10月に開催されましたが、本年度は7月21日にオンラインによる事前学習会、7月27日、28日との日程で開催となりました。

1日目の参加者は、、環境省職員、環境再生保全機構、中間貯蔵・環境安全事業株式会社の23名(引率1名を含む)の方が参加されました。

最初に4つのグループに分かれ、2つのグループワークを行いました。最初のグループワークは、提示された写真からその状況を読み解きタイトルをつけるフォトランゲージ「西淀川大気汚染公害」を行いました。タイトルを付けたあとに、進行の谷内より写真の解説をしました。

フォトランゲージ「西淀川大気汚染公害」2

フォトランゲージ「西淀川大気汚染公害」

 

フォトランゲージ「西淀川大気汚染公害」各グループにタイトルを発表してもらった後、写真を解説します。

二つ目のグループワークは「ロールプレイ あなたのまちで公害が起きたら」で、それぞれの当事者を演じてもらい、何らかの合意を目指して話し合いをします。「工場側が情報公開の上、患者の方に納得していただく」との全当事者の合意を得られたグループもありましたが、全体の合意が得られず「市役所として工場の新規事業には環境調査をしてもらった上で助成する」のように市役所と工場側との合意形成のみに留まったグループもありました。ここでは、どのグループも環境問題における当事者同士の合意の難しさを感じられているようでした。

次にあおぞら財団の鎗山よりあおぞら財団の結成経緯と概要について説明がありました。

その後、公害患者の方からお話を聞きました。お話をしたのは51歳の濱田健一さんで、子どもの頃の発作で苦しんだことから日々の生活まで様々なことを語られ、いまだに公害被害が続いていること、公害がなかったら普通の生活を送れたのではないかと訴えられました。そしてこの公害に対する国や原因企業に対する思いを話されました。また、「西淀川公害患者と家族の会」事務局長の上田敏幸さんから、公害反対運動や被害者の現状についてのお話がありました。参加者は、語られたことを受けて、熱心に質疑を重ねていました。

公害患者のお話を聞く

 

次に、西淀川大気汚染訴訟弁護団の一員であった村松昭夫弁護士(あおぞら財団理事長)から「大気汚染公害訴訟が環境政策に果たした役割」との講義がありました。
村松さんは最初に西淀川公害訴訟の概要および経過を語り、訴訟の成果として、自動車排ガスの健康影響を認める、公害解決の新しい方向性(地域再生)、国の道路行政の転換に対する影響などを挙げられました。次に公害被害者が最後の手段として訴訟を提起したのは、被害者の救済とともに、被害者が自分のためだけではなく地域・子孫のために公害の責任を明らかにすることが必要との強い思いがあったと述べられました。このほか、公害訴訟における弁護士、弁護団の在り方についても語られていました。参加者からは、弁護団内でどのように色々な意見をまとめ上げたのかとの質問があり、これに対して村松弁護士は元々の主張と矛盾することが新たに判明することもあるが、矛盾は発展の中にあるものだから、発展した主張とまとめると述べられました。また、現在の世論について所感を問われ、今は双方向の時代でホームページなどを活用している。ただし、それは手段であり、大事なのは被害者の思いをどのように伝えきれるのかと答えられました。

村松弁護士の話

村松弁護士の話

最後に本日の振り返りワークショップを行い、「今日の学び・印象に残ったこと」をグループごとでまとめたほか、参加者が2日目に向けて「もう少し深めたいこと・考えたいことは何か」について意見交換を行いました。本日の研修で印象に残ったことして、「調整の難しさ」、「訴訟の役割」、「人生を変える公害の恐ろしさ」「公益とは」などが挙げられました。
もう少し深めたい事、考えたい事としては、「合意形成・コミュニケーション」「被害からの再生とは」「経験の継承」「教訓とは?」に出された意見がまとめられました。

研修後には、あおぞら財団スタッフ、患者会との交流会も開かれました。

(記:あおぞら財団アルバイト奥田)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 9:52 AM
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