2015年9月18日(金)、姫島診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から管理栄養士の大西哲也さんを講師に迎え、栄養について勉強しました。参加者は11人(内、患者さん8名(家族の方を含む)、管理栄養士1名、看護師1名、スタッフ1名)でした。
まずは、栄養をとりこむ人間の体の仕組みについてのお話を聞きました。人体は細胞の集まりで、さまざまな組織からできています。そのうち、栄養素の消化吸収を行う「消化器系」について詳しく説明があり、みなさん興味深そうに聞き入っていました。
消化器系(口から肛門まで・全長約9メートルもあります!)の話の中で、唾液の役割についても学びました。食べ物に関することとしては、消化や飲み込みを助ける、味覚を感じる、といった作用があります。唾液は人体にとってとても大事なものです。食べる時には、意識してよく噛み、唾液をしっかり出すようにしましょう。食べるだけでなく、たくさんおしゃべりをしたり、歌ったりするのもいいですね、ということでした。
胃の役割については、消化の第1段階が行なわれるところで、消化を助ける胃酸がたくさん分泌されます。食べ物が胃に滞在する時間は、食べ物の種類によって異なり、ごはんやパンなどの糖質は2~3時間、たんぱく質は4~5時間、脂質は7~8時間。特に脂肪の多い肉類をたくさん食べた後、胃がもたれやすいのはこのためです。
小腸では、本格的な消化が始まり、大腸へ。食事をしてから便が排泄されるまでは、通常24~72時間かかる、というお話には、驚きました。
このように、消化に関する人体の仕組みについて学ぶことで、食べ物について意識を向けることができたように感じました。
参加者の中から、いろいろ質問も出ました。
低体温が悩み、という人には、免疫力を高めるため、手足を冷やさないようにすることが大事、とのお話がありました。料理の工夫としては、生姜をきかせたものを食べるのもいい、ということです。
自分の体調や病気のことを話す人もいて、この呼吸会が安心して悩みや気持ちを話せる場になっているんだなとあらためて感じました。
呼吸器疾患の患者さんは、やせ気味になりやすいですが、体重の維持も体を健康に保つために大切です。
また、呼吸するのにエネルギーを使うため、少しの量でたくさんのエネルギーを摂取できるような料理の工夫が必要になります。
健康な身体を維持するための10項目も教えていただきました。
(のざと診療所での様子をご覧ください。)
全部きっちりやらないと!…と思うとなかななか大変に感じてしまいますが、このようなポイントに意識をもつようにすることがまず大切、というお話にみなさん納得。
また、楽しく、おいしくごはんを食べる、ということも大事ですね!
開催後のアンケートでは、8人中6人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えています。また、8人中1人が呼吸リハビリなどの運動を【毎日している】、3人が【2・3日に一度ぐらい】と答えています。その他に「本当に日常ためになる学習でした。これを元にして日々を送りたく思います」といった感想がありました。
少しでも興味があれば是非、各診療所に足を運んで楽らく呼吸会にご参加ください!
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・のざと診療所…10月9日(金) 14:00~15:30(呼吸リハビリと体力測定)
・千北診療所……11月19日(木) 14:00~15:30(呼吸リハビリと体力測定)
・姫島診療所……11月20日(金) 14:30~16:00(呼吸リハビリと体力測定)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
吉田