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日中環境問題サロン/セミナー②「環境弁護士の環境保護活動」(1/23)

日中環境問題サロン2014連続セミナー「中国環境NGO活動を聴く」
セミナー②「環境弁護士の環境保護活動」

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日時=2014年1月23日(木)18:00~20:30
場所=大阪弁護士会館510号室
内容=
①「弁護士―中国における環境保護のプロモーター」羅鋒 氏(弁護士、北連幇弁護士事務所、緑色漢江)
②「二つの訴訟から見る中国の環境訴訟の成長と困惑」夏軍 氏(弁護士、北京中諮弁護士事務所)
◆質疑応答・意見交換

セミナー2日目は、中国からの来日メンバーのうち2人の弁護士が中国における環境弁護士の活動について報告しました。会場には約30人が参加。

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①「弁護士―中国における環境保護のプロモーター」羅鋒 氏(弁護士、北連幇弁護士事務所、緑色漢江)
羅氏は、環境保護活動における弁護士の役割や、中国でより多くの弁護士が環境保護活動の参加している現状などを報告しました。

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②「二つの訴訟から見る中国の環境訴訟の成長と困惑」夏軍 氏(弁護士、北京中諮弁護士事務所)
夏氏は、具体的な2つの訴訟(海洋汚染訴訟/クロム汚染公益訴訟)の報告とともに、中国における司法の特徴や課題などを述べました。

今回は、参加者に日本の環境弁護士の方々がたくさん参加しており、質疑は、環境訴訟における立証責任や因果関係の問題などに及び、原告が十分な証拠を提出することの難しさや、資格のある機関の鑑定報告を重視することの重要性などが話し合われました。

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参加者アンケートには、次のような感想がありました。
・2人の講師(弁護士)の報告がすばらしく、最新情報やそれに関わる意気込みを感じました。内容の濃い議論ができたと考えています。日本でも水俣病や原発の事件を担当し、中国の環境問題についても関心を持っていますので、今後も関わっていきたいと思います。
・中国の環境問題の最前線の一端がわかり、大変興味深かったです。お2人の弁護士の問題意識が少し違うので、より議論が深まったと思います。
・貴重な報告と意見を聞くことができました。引き続く、中国内の環境訴訟、運動の動向を入手する窓口をつくってほしい。

記・鎗山(あおぞら財団スタッフ)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2014年2月5日8:57 PM

日中・公害環境問題に関する研修プログラム(1/24)

日時=2014年1月24(金)11:00~13:00
場所=京エコロジーセンター

研修第4日目は、京都市伏見区にある京エコロジーセンターを訪問しました。
今回の来日メンバーには、中国での環境学習に携わっている方々が居られ、日本の環境学習施設を体験していただこうと企画したものです。
同施設は、平成9(1997)年12月に開催された「地球温暖化防止京都会議(COP3)」を記念して開設され、環境学習と環境保全活動の拠点として活用されています。

日本での経験を活かして、中国での環境教育施設・人材育成プログラムの普及にも協力しておられる、スタッフの岩松洋氏から同施設の成り立ち、活動、環境学習で大切にしていることなどの説明を伺った後、施設の見学に向かいました。

なぜ、生ゴミが臭わないの?

なぜ、生ゴミが臭わないの?

屋上にて、ソーラーパネルやビオトープ池を見学

屋上にて、ソーラーパネルやビオトープ池を見学

一人の人が一日に使う水の量は?ペットボトルの本数を見て驚く

一人の人が一日に使う水の量は?ペットボトルの本数を見て驚く

ゴミの展示。日本語が通じなくても伝わります。

ゴミの展示。日本語が通じなくても伝わります。

日本の教材や教本について説明中。中国でも取り組んでるそうです。

日本の教材や教本について説明中。中国でも教材づくりに取り組んでるそうです。

体験しながら学ぶこと、私も勉強になりました。
岩松さん、ありがとうございました。

記・藤江(あおぞら財団スタッフ)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 8:40 PM

日中環境問題サロン/セミナー①「水質汚染・草原保護・植林活動等を通じた環境保護」(1/22)

日中環境問題サロン2014連続セミナー「中国環境NGO活動を聴く」
セミナー①「水質汚染・草原保護・植林活動等を通じた環境保護」P1360253

日時=2014年1月22(水)18:00~20:30
場所=大阪駅前第2ビル4階「キャンパスポート大阪」

内容=
①「太湖流域を汚染するのは何者?事例シェア」方応君 氏(緑色江南公衆環境センター)
②「草原保護活動に於ける中国NGOの役割」呂妍 氏(北京天下渓教育センター)
③「緑色の友は中国天津市最初の民間環境保護団体(NGO)である」張涛 氏(天津緑色之友)
◆質疑応答・意見交換

今回、中国から来日したメンバー6人のうち3人がこのセミナーで、中国での各自の活動について報告をおこないました。会場には約30人が参加。

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①「太湖流域を汚染するのは何者?事例シェア」方応君 氏(緑色江南公衆環境センター)
方氏は、中国国内における企業のサプライチェーンによる汚染の責任を突き止めたり、川の汚染問題への取り組みなどを紹介しました。
方氏の活動は、NHK-BS1ドキュメンタリーWAVE「水質汚染と闘う~中国・ガン多発の村で何が起きているのか」にも取り上げられています(2013.12.7放送)。

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②「草原保護活動に於ける中国NGOの役割」呂妍 氏(北京天下渓教育センター)
呂氏からは、モンゴルでの草原保護活動として、調査や政策提言、遊牧民の生活を多くの人たちに知ってもらうための活動をおこなっていること、失われたコミュニティを取り戻すことの難しさなどがなどが課題としてあげられました。

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③「緑色の友は中国天津市最初の民間環境保護団体(NGO)である」張涛 氏(天津緑色之友)
張氏は、天津市最初の環境NGOとして、学生や社会人が多く参加しているワーキングホリデーの活動や環境教育の活動が報告されました。

各報告にたいする質疑応答の他に、全体的なこととしては、NGOとして課題になっていること、政府との関係について質問がありました。
それにたいし、中国側からは、「資金面に課題があること」、「NGOとして自立することをめざしている」、「行政とは協力関係を築くことが大事」、といった発言がありました。

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参加者アンケートには、次のような感想がありました。
・中国の環境NGOが着実に地域で活動を広げていることが新鮮でした。
・地元企業だけでなく発注元の多国籍企業にも加害責任を追及するという運動は、日本を含め国際的な連帯が可能な課題と思います。

記・鎗山(あおぞら財団スタッフ)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 5:58 PM

日中・公害環境問題に関する研修プログラム(1/23後半)

日時=2014年1月23(木)15:30~17:30
場所=大川・村松・坂本法律事務所

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西淀川大気汚染裁判と日本の公害問題について、弁護士の村松昭夫氏(あおぞら財団理事長)の講義とディスカッションがありました。

村松弁護士からは日本の公害訴訟の歴史的経過や自身が西淀川公害裁判にかかわった経過、その後の公害・環境問題に関する活動についての取り組み、中国への情報発信などについて話がありました。

そして、今の重点的な取組みとしては、福島の原発事故の賠償問題があげられました。

経済発展が優先された結果、公害や原発問題がおこっていること、過去と同じ過ちを繰り返そうとしている日本社会の問題について指摘されました。

また、泉南アスベスト裁判については、330ページにおよぶ判決文を前に、その重みと説得力が紹介されました。
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中国のメンバーからの「どのようにして被害者を確定させるのか?とくに自動車排ガスの問題はそれが難しいのでは?」といった質問にたいして、村松弁護士からは、なぜ被害が発生したのかという構造を見ること、構造を研究することの大切さが述べられました。

弁護士には被害者を支える大きな役割があることが、熱く語られた講義でした。

記・鎗山(あおぞら財団スタッフ)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2014年2月4日7:40 PM

1/23 中国環境NPO研修3日目@大阪府立環境科学センター

中国環境NPO研修3日目の1月23日は、森ノ宮にある大阪府立環境農林水産総合研究所環境科学センターを見学しました。

まず、大阪府の大気測定の取り組みとその測定データについて説明を受けました。

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大阪府では、府内105ヶ所に測定局を設け、NO2やSO2、PM2.5をはじめ7種類の大気汚染物質と、風量・風向・日射量などを常時測定しています。

昨今話題にあがるPM2.5の測定は2年ほど前から本格的始まりましたが、2012年度、環境基準を達成したのは対象33局中2局だったそうです。また、光化学スモッグとPM2.5については、基準値を超えた場合府民への注意喚起を行っています。

その後、施設屋上にあがり環境省の国設大気測定局を見学しました。ガラス管を通して常時測定(粒子が小さいPM2.5は別の方法で測定)される大気中の各汚染物質量は、サーバーに収集され、1時間ごとのデータが公開されています。

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続いて、アスベストの測定・分析について説明を受けました。

研究所では、大気中のアスベストと建材中のアスベストの2つを分析しています。中国の方々からは、現在もアスベストは建材として使われているのかという質問が出ました。日本では、2006年から石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全ての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が原則禁止されています。

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最後に、水質中の重金属の質量分析の設備を見学しました。

ICP質量分析装置と呼ばれるもので、採取した水に電流を流しプラズマを発生させ、そこに含まれる各重金属の質量を測定します。測定結果は2時間ほどでわかるそうです。中国で水質汚濁の問題に関わっておられる方は、中国で同様の検査をしたら1週間以上かかると驚いておられました。

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この見学を通じて、中国の皆さんが最も関心を持たれたのが、公害・環境問題に対する行政の機能・取り組みに関することでした。

民間NPOの人間が行政機関を訪れ職員と容易に対話ができること、法制度に基づいて環境測定データが刊行物やウェブ上で公開されていることに大変驚かれていました。中国では、裁判資料として測定データなどが必要な場合、該当機関に有償で証明書を発行してもらう必要があり、そもそもそうした情報・データにアクセスすること自体が難しいそうです。

情報公開を積極的に行い、企業への抜き打ち検査や改善指導を行っている行政職員の皆さんに大変感心されていました。

日本の中にいると、行政が市民サービスを行ったり、情報公開を行うことは国民の当然の権利であり、日頃はあまりそのことについて深く考えることがないかもしれません。しかし、中国の方々が自国で直面されている現状を聞くにつれ、情報公開が国民・市民の生活を良くする根本にあることを改めて考えさせられました。

国民・市民の声がすくい上げ、皆が幸せに暮らしてゆける社会を作っていくことは、歴史や文化、宗教、政治体制の違いに関係なく万国共通の課題だと思います。

日本においても、こうした国民・市民の権利がただ漫然と存在しているのではありません。国や自治体に対して国民・市民の声を絶えず伝え、企業とも協力しながら問題を解決していくことが求められています。

中国をはじめ諸外国の人たちに日本の公害の経験を伝えることは、日本自らの経験を省み、それを継承・発展させることにつながっていると、今回の研修を通じて考えさせられました。

(藤井)

本事業は環境省委託平成25年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年1月23日4:18 PM
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