あおぞら財団では、環境省職員を対象に西淀川・尼崎地域における環境問題史の現地研修の受け入れを実施しております。今回は2月9日から10日の二日間にかけて行われ、環境省職員の方10名と環境再生保全機構の方2名が参加されました。2日目では、フィールドワークとして西淀川および尼崎工業地域の見学とデイサービスセンターあおぞら苑での見学・ヒアリング等を行いました。
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まず、フィールドワークから始まり、バスを利用して国道43号線や西淀川・尼崎工業地帯を見学しました。
国道43号線では、騒音・大気汚染対策の現状を国土交通省大阪事務所の方から説明を受けました。
国道43号線にて、国土交通省大阪事務所の方から説明を受けている様子です。
国道43号線は、西淀川公害裁判の和解によって騒音・大気汚染対策が始まりました。道路の路面や高架橋などに、騒音低減や大気浄化を促すあらゆる技術が導入されており、様々な工夫が施されていました。これらの技術によって、意識することで体感できる程の効果があり、都市部を支えている技術の一つであると感じました。
次に、デイサービスセンターあおぞら苑を訪問し、利用者からヒアリングを受けました。
利用者からヒアリングを受けている様子です。
あおぞら苑は、西淀川公害裁判の和解金の一部を利用して創設されたデイサービスセンターで、利用者の1割程度が公害患者となっております。利用者から西淀川地域のお話を聴き、西淀川地域の歴史を「生の声」から学びました。私は、普段から地元の高齢者との交流が少ない為、大変貴重な機会を頂きました。
その後、徒歩で大和田街道・大野川緑陰道路を通り、住民にインタビューを行いながら、あおぞら財団へ向いました。
財団へ到着後、西淀川区副区長の橋本広志さん・あおぞら財団藤江から「現在の西淀川の状況と課題について」を題して講義を行いました。
講義を受けている様子です。
講義終了後、2日間のワークショップを振り返り、「西淀川で得た学び」をテーマにグループでプレゼンテーションの作成を行いました。
グループで2日間の内容を振り返りました。
2日間で学んだことをグループで情報共有し、西淀川地域の現状と展望をまとめました。短時間のなか、参加者全員が熱心に議論し、お互い意見を出しながらプレゼンテーションを作成しました。
振り返り後、質疑応答を交えながら各グループで発表しました。
各グループでまとめた内容を発表している様子です。
参加者は、「対話の重要性を感じた」や「地域のつながりが大切だと思う」、「子どもにも西淀川の歴史を知ってほしい」など、当研修で学んだことや感じたことを話されておりました。
今回の研修を通して、西淀川地域の現状やあゆみを間近で学ぶことができ、大変貴重な経験になりました。フィールドワークは、一つひとつ街を見ることでその地域を知ることできる重要な機会であります。環境問題に向き合っていくうえで、目や肌で感じることが住みやすい街づくりとして必要ではないかと思います。(嶋田)