2024年2月29日、大阪狭山市企業人権協会から5名が研修にお越しくださりました。フィールドワークを行ったのち、西淀川大気汚染公害についての講義、そして公害患者さんのお話を聞く、といった研修内容です。
まずは阪神電車の出来島駅に集合し、徒歩で国道43号へ向かいました。かつては「公害道路」と呼ばれた国道43号ですが、現在は西淀川公害裁判の和解条項に基づき様々な公害対策が行われています。
公害の歴史と現在の対策について解説
公害患者さんたちをつなぐ役割を担った千北診療所、あおぞら苑の前にある公害の石碑、神崎川の防潮鉄扉、大阪マスジドの順にフィールドワークを行いました。その後大野川緑陰道路を歩いて、あおぞらビルへ向かいました。
患者会結成のために活躍されました
「公害と闘い環境再生の夢を」宮本憲一先生の筆です
典型七公害の一つ、地盤沈下も起こっています
雨の大野川緑陰道路も味があります
あおぞらビルではまず初めに、講義「西淀川公害について」を行いました。西淀川公害の概要や裁判の論点、和解後の取り組みなどについての流れを確認しました。
公害地域再生という新たな取り組みを担っています
そして、西淀川公害患者と家族の会から、上田さんと岩本さんに登壇していただきました。岩本さんからは、大気汚染公害によるひどい症状や、健康被害だけでない仕事や家族に対する影響など、実体験をお話ししてくださりました。上田さんからは、裁判を最前線で闘われた体験や、現在の補償制度などについてお話ししてくださりました。
上田さん(右)と岩本さん(中央)
「未来の子供たちには私たちのように公害で苦しんでほしくない」という思いを熱く語ってくださりました
お話の後は、あおぞらビル5階にある西淀川・公害と環境資料館「エコミューズ」を見学しました。この日は館長の小田先生が資料整理をしていたため、エコミューズの目的やどのような資料が保管されているかなどをお話ししました。
小田館長(右)が扱われていたのは、患者さんたちが裁判に向けて行なっていた勉強会の記録でした
最後に振り返りを行って、この日の研修は終了となりました。振り返りでは「今日の研修で公害の現状を初めて知り、過去の歴史ではなく今も続いているのだと認識が改まった」「患者さんの体験や闘いを知った。今の環境があることをありがたく思う」といった感想が出ました。
寒い雨の中お越しいただきありがとうございました
研修後、今回ご参加いただいた大阪狭山市企業人権協会の皆様より、あおぞら財団への寄付をいただけるとのご連絡をいただきました。公害地域再生の活動にご賛同いただき寄付をいただけるとのこと、心よりお礼申し上げます。
今後も未来により良い環境を残せるよう、日々努力してまいります。
(あおぞら財団アルバイト・小松)
あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?
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