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ASEANの若手リーダーが西淀川に! IATSSフォーラム受入(6/16~18)前編

6月16日~18日、ASEAN諸国の若手リーダー18人が、持続可能な地域づくりを考えるため、西淀川を訪れました。(公財)国際交通安全学会が運営する研修“IATSSフォーラム”の一環で、約2ヵ月のプログラムの内の3日間をあおぞら財団がお手伝いしました。

1日目 懇親会後の集合写真

1日目 懇親会後の集合写真

研修生の職業はバラエティーに富んでいました。環境学専攻の人や植物・バイオ会社勤務、旅行会社勤務や中には財務省の人など、まさに多様な参加者に対し、西淀川の地域再生に取り組む様々な立場の方のお話を聞いてほしいと、盛りだくさんな3日間となりました。

1日目は西淀川公害と地域再生の概要について説明。その後、公害患者さんの生の声を聞いてもらいました。

お話してくださる和田さんに一人ひとり、覚え立ての日本語で自己紹介

お話してくださる和田さんに一人ひとり、覚え立ての日本語で自己紹介

裁判が21年続いたという話を聞いて、研修生から「途中で無力感に陥ることはなかったですか?」という質問が。和田美頭子さんは患者会の仲間で支え合ったこと、中でもリーダーシップを発揮した女性たちに引っ張られて頑張ったことなどを話してくださいました。

午後からは公害裁判について村松理事長からの講義です。21年間にも及ぶ裁判の間に患者さんの約3分の1が亡くなられてしまったこと、アメリカでは患者自身が立ち上がれなくてもNGOなどが裁判に訴えることができることなど、日本では訴えた側に立証責任があるのに、原因企業が工場の煙の成分を公表しないなどの理由から裁判は非常に困難だったことなどが説明され、研修生は熱心に聞いていました。

その後、あおぞら財団周辺のフィールドワークを行った後、1日目のふりかえりを行いました。

研修生からは「感動した」「教訓を学んだ」「我々の国をどうやったら良くできるか、アイデアを学び参考になった」「住民が立ち上がって発言する大事さを学んだ」といった感想が語られました。

研修生たちには5月に来日する前に、自国の公害問題について調べてくることが課題として出されていました。そこで1日目の最後は4つのグループにわかれ、それぞれの国の公害・環境問題の現状を出し合った上で、市民の課題を話し合いました。

どのグループも活発に話し合います

どのグループも活発に話し合います

各国の公害問題を出し合いつつ、話し合いを進めます

各国の公害問題を出し合いつつ、話し合いを進めます

それぞれのグループから発表

それぞれのグループから発表

残念ながら、やはりどの国にもたくさんの課題がありました。大気汚染、水質汚染、ゴミ問題、土壌汚染・・・などなど。

ミャンマーの森林伐採の問題が報告された際には、IATSSフォーラムの藏藤所長から「その木材の多くが日本に輸入され、合板などにされて大量消費されていると思う。大変申し訳ない」とコメントがありました。
また今回、IATSSフォーラム事務局にあおぞら財団を推薦してくださった吉田長裕・大阪市立大学准教授からは、「公共交通など大きな問題の解決も大事だが、それは非常に時間がかかる。できるだけダイレクトに変えられる手段を使ったり、個人や地域の仕掛けで改善できることもあるので、引き続き学んでほしい」とコメントがありました。

1日目の研修はここでひとまず終了。夕方からは懇親会です!

ベジタリアンの方やイスラム教徒の方もおられますが、そこはあおぞら財団!いつも「あおぞら野菜市」に出店してくださっているカフェスロー大阪さんのオーガニック料理と、「あおぞらイコバ大和田でみせ」でご縁のできた大阪ハラールレストランさんのハラール料理をご用意しました。

豪華です!

豪華です!

配達してくれたハラールレストランのアバスィさん(右)と会話が弾みます

配達してくれたハラールレストランのアバスィさん(右)と会話が弾みます

英語の苦手な財団職員も食べ物の力を借りてなんとか交流、親睦を深めました。

2日目は終日、西淀川のフィールドワークです。続きは追ってご報告しますので、お楽しみに!

(栗本)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2014年6月27日3:22 PM

西淀川高校 環境の授業であおぞら財団見学

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5月13日、大阪府立西淀川高校の生徒があおぞら財団の見学に来ました。
大野川緑陰道路の途中に、立ち寄ってくれました。
環境の授業を選択した西淀川高校の3年生7名と、先生2名です。
中には廃油キャンドルナイトの時にお手伝いをして財団を知っているという生徒も。
なぜあおぞら財団があるかや、西淀川高校生の菜の花プロジェクトを通じた活躍をお話しました。

(小平)

桜満開!淀川勤労者厚生協会の新人研修を実施(4/3)

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淀川勤労者厚生協会の新人研修を今年もあおぞら財団がお手伝いしました。
淀川勤労者厚生協会の運営する西淀病院、野里診療所、あおぞら薬局などは、地域の人々に頼りにされている医療機関です。そこで働く新人のみなさんに、西淀川のまちを知り、公害について学んでもらおうと、今年は午前中半日でフィールドワークと公害被害者のお話を聞くプログラムを組みました。

野里診療所の講義室で簡単に西淀川公害とフィールドワークの説明をしたら、さっそく屋外へ。
まずは歌島橋交差点にて道路公害の説明です。

説明をする後ろを、今日もトラックがビュンビュン走っています。

説明をする後ろを、今日もトラックがビュンビュン走っています。

参加者へ質問です。「ここでは空気中に含まれる最近話題の物質を計っていますが、さてなんでしょう?」の問いかけに、参加者からは「PM2.5!」とズバリ正解が。西淀川公害裁判の和解を受けて、全国で初めて、PM2.5の測定を始めたのがこの地点です。
それでは次の質問。「日本でPM2.5の環境基準は1年平均値15μg/m3。では歌島橋ではどれぐらいでしょう?」。「6!」「10?」正解は・・・24時間値で48.0μg/m3!(2012年調べ)。これには「えぇ!」という驚きの声が。PM2.5と言えば、最近の報道をみているとすべて中国から飛んできているような印象を受けますが、歌島橋交差点で続けてきた測定結果ではここ数年で急激に増えたなどということはありません。見た目では空気はきれいになったように思えますが、今も汚染は続いています。
そこから国道2号線沿いに南東へ。国道を外れて古い街並みに入ると途端に静かになります。何気なく歩いていると気づきませんが、国道沿いでの車の騒音を体感しました。
野里小学校前の掲示板には「この地域は、海抜およそ-1.1m」の表示と災害所避難所であるとの看板が。ここでは淀川勤労者厚生協会の松本さんから、よどの里は4階建てなので、町内会から地域の避難所にしてほしいとの申し入れがあったとの補足がありました。
今回のフィールドワークは、医療従事者のみなさんが対象ということで、いざ、災害が起こったら海抜の低い西淀川で何が起きるか、そのとき医療従事者に求められることはなにか、仕事につく前に想像してもらおうと、随所で問いかけました。

野里の住吉神社で質問。「今の淀川はいつできたでしょうか?」

野里の住吉神社で質問。「今の淀川はいつできたでしょうか?」

「野里の渡し」の石碑から柏里商店街入口までが旧中津川の川幅。歩いてみると結構あるように感じましたが、その後向かった今の淀川はやっぱり大きい!
かつては汚れてしまっていた淀川も、今は水質が改善されて、このあたりでとれるシジミは料亭に出すような立派なものがとれるそうです。

思ったより水がきれい!シジミと聞いて、足で穴を掘って探す人も・・・。

思ったより水がきれい!シジミと聞いて、足で穴を掘って探す人も・・・。

こんなに立派なシジミが!!

こんなに立派なシジミが!!

最後に桜咲く春の緑陰道路を味わって、フィールドワークは終了です。
約30人でまちを歩いていると「なにしてるんやろ?」と不思議そうにこちらを見ている人がチラホラ。そんな方に「西淀川の医療機関でこれから働かれるみなさんに、まちを知ってもらうための研修をしてるんですよ」とお伝えすると「それは大事やねぇ!」と嬉しそうに答えてくださいます。さらに毎年恒例だけあって、「西淀病院の新人研修やろ?」と嬉しそうに声をかけてくれる方もおられました。
次は、公害の詳しいお話です。

大阪人権博物館が制作された「西淀川公害を闘う」の映像をみて当時の様子や公害裁判について学んだ後、「西淀川公害患者と家族の会」の和田美頭子さんからお話を伺いました。

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和田さんは香川県高松市出身。1948(昭和23)年に西淀川に移り住んだ当時は、淀川には葦が茂り美しく、工場も少なかったそうです。それが昭和40年代半ばに入って咳き込むようになってきます。公害センターでの検査の結果、3級の公害患者として認定されました。

和田さんは公害患者として認定されたこと、「西淀川に住んでいる」ということに抵抗を感じるようになったそうです。西淀川が「どんなに汚いところか」と思われるように感じたからです。

ある日、診療所で咳き込んでいる子どもをみて「この病気になったのが、うちの子や孫でなくてよかった。よその子でも見ていてこんなに辛いのだから。これからの子どもたちにこんな思いをさせたくない」と思い、裁判に参加することを決意されました。

(当時の西淀川の様子はこちら http://www.aozora.or.jp/ecomuse/la_pollution/

田舎から訪ねて来られた甥御さんは、当時の西淀川の空気を吸って吐いてしまうような状況で、「高松へ帰ろう」と和田さんに言われたそうです。けれど、和田さんは帰りませんでした。「西淀川は第二のふるさと。私がどこかへ移っても公害はそのまま。西淀川がきれいな、住み良い町になってほしい」と思いを語られました。

裁判のお話、発作のつらさなど、様々なエピソードを語ってくださった和田さんは、「最近は私はひどい発作はないけれど、話もできないぐらいひどい症状に苦しんでいる人が今もたくさんいる」「西淀病院や野里診療所は安心して診療を受けられるところ。みなさん、頼りにしています」と、参加されたみなさんにエールを送り、話を終えられました。

参加者からは「小学校でも公害は習ったけれど、西淀川区でこんなことがあったとは初めて知った」「将来の私たちのことを考えて裁判してくれたことに感謝します」といった感想が出ました。

これから医療機関で働かれるみなさんがこの日の学びを活かして活躍されることを期待しています!

(栗本)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年4月4日3:08 PM

『おもろいわ西淀川、いいね!数トップ10』の展示はじまりました。

おもろいわ西淀川」とは?大阪市西淀川区を走りまわり、面白い場所、気になるものを見つけて、Facebookページにて更新しています。

2014年3月21日(金)~5月14日(水)
場所:大阪市立西淀川図書館

皆様から「いいね!」を頂いた中から人気の高かった記事トップ10を写真と共に展示しています。
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1位は2014年1月16日投稿の【明日香菓舗】さん。
創業50年を超す西淀川で愛され続けているお店です。
和菓子、洋菓子、パン、と手作り販売されており、どれも美味しい!!
レトロな袋もこだわりが伝わってきます。
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壁面にも8~10位を展示しています。
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10位は2013年11月28日投稿の橋の上から見える【夕景】
佃と大和田との間を流れる中島川です。思わず立ち止まって魅入ってしまいます。
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他にも「おもろいわ!」な西淀川たくさん紹介しております。
是非一度、ご覧になって下さいね。

(資料館スタッフ 佐々木)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,おもろいわ西淀川,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年3月25日3:28 PM

環境省職員研修2日目 西淀川のフィールドワークと提案づくり

環境省職員研修、2日目は西淀川のフィールドワークです。(1日目の様子はコチラ
本日の参加者10人と西淀川をめぐります。
公害の被害といった面だけではなく、緑地や農村時代の歴史といった様々な面からの西淀川を見て回るコースです。自転車チームもつくり『矢倉海岸まで行き自然を体験!』という計画もあったのですが、この日は残念ながら雨の為、皆で歩きました。

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まずは、歌島橋交差点で、国交省の沿道対策等を紹介。

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次は大野川緑陰道路。埋め立て前の写真を見ながらできた経緯や現在の使われ方を学びます。

低地の西淀川。津波避難ビルの小学校を前に南海トラフの地震による津波の想定を紹介。
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淀川開削前に流れていた中津川を渡るための『柏の渡し』の跡。水郷としての歴史を伝える石碑です。
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西淀川区が誇る登録有形文化財、池永邸へ。
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亭主の池永悦治さんにご案内頂きました。
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江戸時代は、舟で商業地の船場と行き来していたと語る池永さん。水郷だった頃の風景がよみがえります。私設の資料館の中も見学させて頂きました。
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都市近郊農地という西淀川のかつての話に、皆、熱心に耳を傾けていました。

午後は、デイサービス施設あおぞら苑へ。
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利用者さんの生い立ちや、西淀川の昔の話を教えてもらいました。
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公害で苦しんだ町に住み続けた人達の、癒せる場所をつくりたいという辰巳致代表の熱い言葉を受け、あおぞら苑を後にします。

千北診療所
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西淀川公害の患者運動がどのようにできたかの解説です。
公害がひどかった当時、24時間、患者さんが発作をおこしやってきたことも紹介されました。

西淀川には、西日本最大級のマスジド(イスラム寺院)があります。その周辺には、イスラム教徒でも食べられる肉を扱う(お祈りをしてある等)ハラールレストランやミートショップ等ができており、意外で新しい!?西淀川の名所になりつつあります。
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寺院に併設した商店を見学。香辛料や、スパーシーそうなヌードルをお土産に買う参加者も。

そして、あおぞら財団に戻り、研修でわかったことを踏まえそれぞれが、どんなことができるのかを考えました。
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1つ目のグループのから出た感想と対策です。
■まちに対して
・空気も町もきれい。緑も多い。
・路上のゴミの少なさは、西淀川全体の人が地域貢献という形で行動している証あのでは。
・旧家が残っていることや、農業、漁業がかつてこの地にあったことに驚き。
・生物が住め、遊べたりする草むらがない。空地ができてもすぐ駐車場や建物になっている。
・住宅が密集しているのに、国道沿いは交通量が多い。車対策は先進的だが試行的なのではなか。
・行政と、被害者、今の世代、それぞれの温度差はあるのか。
□対策
・ロードプライシングをする。
・地域毎の対策を整理し共有する。

■人に対して
・未来に向け、今まで想定していない新たな公害による患者をつくらないためにはどうしたら良いのか。どんな公害被害が出るかの想定は難しい。科学的に可能なのか。
・患者さんが明るく元気で驚いた。
□対策
・患者と行政担当者がまじわる機会をつくるため、行政担当者が直接住む。
・西淀川の患者さんは、提案が採用され実現されたということで、やる気につながっていたのではないか。まちづくりの住民提案を採用するというサイクルをつくることが大切。
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などが紹介されました。
ちなみにこのグループでは、模造紙の縦軸…上を「建物」、下を「人」、横軸…左をマイナス面、右をプラス面、意見・感想を「青」のポストイット、それに対する対策を「赤」として課題と解決法を整理していました。さすがですね。

2つめの班の発表では、
・患者さんはみな元気、団結力がある、生きがいをもってやっている。陽気。
・住宅が多い。
・市民のまちづくりや環境への関心が高いように感じた。
・住宅地と工場地帯が近い場所にある。
・特に道路近くは、排気ガスのにおいを感じた。
等の感想が紹介されました。

・自治体ごとに規制が違うが、規制が厳しくなるとそのまちに企業等が入らなくなり税収に影響が出る。
・「いきものみっけ」の公害版をつくり汚れた場所を皆で共有することで解決を考える。
・先に対策した方が、被害も出ず、将来的には利益になる。
・貴重な御屋敷を持つ野里の池永さんには、ぜひ頑張って欲しい。
等の意見が紹介されました。

この受入の参加者それぞれが、狙いをもって望んでくれていたことが印象的でした。
アスベスト公害の被害の補償を担当しているが電話でしかやりとりがないので、被害者の気持ちにたって対応するためにも実際にまちを見て人にふれてみたかった―という若手職員、
数十年前、大気の調査で西淀川をまわったという、ベテランの方。

現場の今を知ることで、今後ぜひ業務をすすめる上での糧にしてもらえればと願っています。

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(小平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2014年3月7日10:25 AM
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