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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

もりもとまきのアーキビストの目 No.22

イ病の経験を伝える
-県立イタイイタイ病資料館、来春開館-
(資料館だよりNo.38、2011/10)
紹介資料:『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5)、『富山県立イタイイタイ病資料館(仮称)概要』

2009年の第1回スタディツアーでは、イタイイタイ病(イ病)の地・富山を訪れました。被害者団体(イタイイタイ病対策協議会=イ対協)、医師、弁護団、マスコミ、行政、被害者家族、企業、農家など、さまざまな立場から「イ病の今」に取り組んでおられる方々のお話を聞き、現地を歩き、私たち参加者はイ病の過去・現在のすがたを知り、その未来のために何が出来るのかを、真剣に話し合いました。
富山では来春、「県立イタイイタイ病資料館」の開館が予定されています。『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5、写真下)によると、イ対協など運動団体の活動拠点である清流会館(1976年設立)には、調査の結果、約2,000点の資料が保管されていることが分かり、これらは全て資料館に提供されるそうです。

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また、語り部や解説ボランティアの養成にも取り組まれるとのことです。県が作成した資料館概要(写真下)によると、「子どもから大人まで幅広い年代や外国の人たちに、イタイイタイ病の恐ろしさや克服の歴史を時間の流れに沿ってしっかり伝え、その教訓を未来につなぐ展示」を目指すとのことです。イ病の記憶、公害の経験を伝える場が、新たに生まれます。

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☆資料館だよりNo.38はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2011年10月21日2:43 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.21

あおぞら願って、花を一輪
-「被告企業との和解による解決確認式」・「ひまわり行動(全面解決)」ブローチ-

今回は、ちいさなお花のブローチを2点、紹介します。
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上の写真は、「被告企業との和解による解決確認式」のブローチです(和田美頭子氏資料No.11)。

西淀川公害裁判は、’95(平成7)年3月2日に被告企業との和解を実現しました。
その日、「被告企業との和解による解決確認式」が行われ、参加した原告団・弁護団・支援者ら130名に、参加証としてこのブローチが配られました。
和解内容は、企業は解決金39億9千万円を支払い、そのうち15億円を患者の生活環境や地域再生に活用すること、また公害防止対策を努力することなど、画期的なものでした。

そしてその3年後、’98(平成10)年7月29日、裁判は国・阪神高速道路公団との和解をもって、全面解決を果たしました。国・公団は自動車排ガスによる健康影響を認め、西淀川区における沿道環境を改善すること、また、環境施策を実施するために「西淀川道路連絡会」を設置し、被害者(原告団)と継続的に協議することに合意しました。

下の写真は、その日行われた「ひまわり行動」で参加者が胸につけたブローチです(眞鍋正一弁護士資料No.1563)。
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ブローチをつけ、デモ行進 ブローチをつけ、デモ行進 

ひまわり行動では、淀屋橋での全面解決街頭報告、原告団・弁護団・支援者ら400人が参加しての和解法廷前集会を経て、代表120人が法廷での和解式に臨みました。その後、記者会見をはさんで、道路政策提言発表会、和解報告集会と続き、多くの人たちが喜びを分かち合い、あおぞらを取り戻すためのこれからの運動への決意を誓い合い、全国へ、世界へ発信しました。

これらのブローチは、患者会や原告団の女性たちがひとつずつ手作りしたものです。
一輪一輪に込められた、あおぞらへの大きな願いを伝える資料です。
 
(お知らせ)これからは、『資料館だより』掲載分とは別に、blog にのみ掲載のblog版「もりもとまきのアーキビストの目」を不定期に掲載します。よろしくお願いします。
 
(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)
Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:39 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.20

弁護団、一丸となるために
-西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース-
(資料館だより37号、2011/07)
紹介資料:『西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース 第1号』(1985/09/20、眞鍋正一弁護士資料No.1361)

今回は、『西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース 第1号』(1985/09/20、眞鍋正一弁護士資料No.1361)を紹介します。
西淀川公害訴訟は、6つの争点(気象・疫学・関連共同性・被害・道路・歴史)について議論が進められました。弁護団は争点別に6つの班を組織して、20年間の裁判に取り組みました。6つの班が一丸となるためには、各班相互の連絡体制が欠かせません。その中心的な役割を担ったのが弁護団事務局でした。

欠かせない意思疎通、情報共有 欠かせない意思疎通、情報共有 

第1号では、各班の状況をすべての弁護団員が把握できるよう、三役(団長・副団長・事務局長)と事務局が持ち回りで各班の会議にオブザーバーとして参加すること、各班に事務局との連絡係を置くこと、各班からの連絡事項や進行状況を伝えるため事務局ニュースを発行することなどが記載されています。
ニュースは時に連日発行され、現在までに約260点の現物が確認されています(1985~2001、眞鍋正一弁護士資料内)。事務局はまた、会計、裁判所との交渉、書類の管理、他団体との連絡など、多くの事務的実務も担い、その状況も伝えられています。弁護団がどんな体制で長い裁判に挑んだのかを伝える資料です。

☆資料館だより37号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:37 PM

スタディツアー事後レポート集ができました

あおぞら財団インターン生 京都精華大学3回、井本晶子です。

私はこれまでの活動として
8月に開催された西淀川スタディツアーの事後レポート集を作成しました。
私も参加した西淀川スタディツアーは本当に内容の濃い4日間で
事後レポートにもそれぞれの強い想いがこもっていました。

●スタディツアーHP「公害地域の今を伝えるスタディツアー」
 http://www.studytour.jpn.org/
●西淀川スタディツアーの様子はこちら
 http://aozora.or.jp/archives/5390

レポートをひとつのデータにまとめて、印刷して。
冊子のかたちにするときには、同じインターン生の野中さん
あおぞら財団スタッフの山本さんに手伝ってもらい
1冊70ページ弱の、ボリュームのあるレポート集が完成しました。

表紙や参加者リストなど1冊すべての制作を任されて、
最初は不安でしたが、発送準備までできたところで、
これがいろんな人の手元に届くんだと改めて実感し、
なんだか不思議な気持ちになりました。

こうして完成したスタディツアー事後レポート集
読み応えたっぷりなものとなっていますので、
ぜひ大切にしてあげてください。

そして、まだまだスタディツアーは終わりません。
12月3日には大阪・ドーンセンター大会議室3にて
「公害地域の今からはじめようシンポジウム
 -富山イタイイタイ病、新潟水俣病、西淀川大気汚染公害の
スタディツアーを通じて-」を開催いたします。
配布されているピンク色のチラシのものです。
(今回の事後レポート集と同封)

スタディツアーに参加して、何を感じて何を学んだのか。
スタディツアーに参加されていない方でも大歓迎です。
公害地域で公害を伝えている方々と一緒に考えませんか。

シンポジウム詳細はこちら
http://aozora.or.jp/archives/6301

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2011年10月19日4:24 PM

大阪歴史科学協議会の受け入れをしました

2011年10月16日13:00-17:00

大阪歴史科学協議会の10月例会「近現代大阪の都市掲揚と地域社会の変容-西淀川を歩く-」が開催されました。
私(林)は受け入れのお手伝いをさせていただきました。参加者はなんと20名。雨の予報もありましたが、好天に恵まれました。

福駅から大野川緑陰道路、福の住吉神社、福漁港に向かい、福漁港に大阪市漁協の北村泰規さんからお話を伺いました。
淀川の土手で外島保養院の説明があり、それから、43号線に向かい、ユニクロの前で43号線の説明をしました。
SN3J0705SN3J0706

姫島通で「ここは工業地帯です」のポスターを見てから、西淀川公害医療センター、姫島神社、大野川緑陰道路、あおぞら財団というコースです。

受け入れの準備は歴科協の委員の方々がされたのですが、いっぱい史料が掲載されていて、さすがだなぁと思いました。
姫島神社で玉垣に掘られている名前が話題に出た時に、他の受け入れの人たちと関心事が違う・・・と唸ってしまいました。
私も歴史系の人間ですが、目線が他の人たちと違うなぁと 驚きが大きな受け入れとなりました。

私は古い写真を用意していったのですが、大野川の埋め立てられる前のゴミがいっぱいの写真や淀川の土手から撮影した写真はインパクトがあったようです。これからの受け入れは写真を多用するようにしたいと思います。
14黒くかすんだ西淀川
この受け入れには大阪市漁協組合の北村英一郎理事長も同行して下さり、昔の西淀川の様子を端々で語っていただきました。 大気汚染で落ちてきたスズメを見たとの話はインパクト抜群。勉強になりました。ありがとうございました。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2011年10月17日8:36 PM
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