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大阪公立大学「都市基盤計画特論2回目」フィールドワーク(12/2)

12月2日(火)に、大阪公立大学大学院工学研究科「都市基盤計画特論」の授業の一環としてフィールドワークを行いました。今回の授業は2回目。フィールドワークでは、まちづくり計画を行うという講義の内容を踏まえて西淀川区の現状を知り、課題を発見することを目的としています。

最初はタンデム自転車でフィールドワークを行いました。

あおぞら財団から大野川緑陰道路を通って淀川堤防に行き、その後西島の工業地域を抜けて出来島から大和田、その後大野川緑陰道路を通ってあおぞら財団へと帰ってきました。

大野川緑陰道路にてタンデム自転車についての説明を受けています

大野川緑陰道路にある水防碑

対岸にはスーパー堤防が整備されています

国道43号沿いの道路は環境整備によって今の形に

災害記念碑や、淀川堤防、国道43号の環境対策、大阪マスジドなど西淀川の特色を確認しながら区内を巡りました。

フィールドワークの後は、班に分かれて都市基盤計画で関心のあること、西淀川のまちづくりに対する提案のテーマづくりについてのワークショップを行いました。

各班ごとに提案するテーマを考え、話し合っています

提案されたテーマを分類し、このような形に

各班の提案では交通整備、防災、ペット問題、まちおこし、環境・景観整備など様々なテーマが出ました。まちの中を巡り、五感を使って感じたことを各班真剣に考え、発表されていました。

来週の活動では、これらのテーマから西淀川のまちづくり提案を本格的に考える段階に入っていきます。

今回のフィールドワークが今後のまちづくり提案に役立つものになることを期待しています。

(記・あおぞら財団アルバイト 神﨑みづき)

 

よつ葉の運動を考える研究所「地域・アソシエーション研究所」 研修の受け入れ(11/29)

11月29日(土)に、よつ葉の運動を考える研究所「地域・アソシエーション研究所」のフィールドワークが行われました。

今回のフィールドワークのテーマである「西淀川公害」を中心に、出来島駅から国道43号、大和田公園、初代公害センターであった千北病院、「公害の石碑」があるあおぞら苑、大阪マスジドを巡り、大野川緑陰道路を通ってあおぞら財団へと向かうコースでまち歩きを行いました。

特に大野川緑陰道路は紅葉が見頃を迎えており、魅力を感じてもらえたと思います。

国道43号の環境整備について学んでいます

あおぞら苑の生い立ち、石碑についての説明

千北診療所の当時の様子について学んでいます

西淀川区の用途地域の説明

あおぞら財団到着後は、フォトランゲージのワークショップや西淀川公害の歴史についての講義を行い、西淀川公害がどのようなものであったかを学びました。

フォトランゲージでは、各班ごとに西淀川公害の当時の写真を見て情報を読み取り、タイトルをつけるワークショップを行いました。

各班ごとに写真のタイトルを発表しています

次に、大阪公害患者連合会の岩本啓之さん、西淀川公害患者の会事務局長の上田敏幸さんから、当時の体験についてお話していただきました。

岩本さんは大阪市西区でぜん息を発症されました。また、長年治療を続ける中で中耳炎も発症しそれによって難聴を患っていることやぜん息を発症した当時の心境、状況、環境について語っていただきました。

また、入院中の体験として語られていた「横になって死ぬか、座り続けて生きるか」という言葉が深く刺さったと参加者の方がおっしゃっていました。

当時の状況について詳しく教えていただきました

質疑応答では、上田さんから西淀川公害、西淀川公害訴訟についての質問に答えていただきました。

「西淀川公害では被害があったが、認定を受けていないという方もいる。そのような方を救う活動などはされているのか」という質問に対して、「今も公害被害自体は続いている。NO2の排出量については2023年度に西淀川区内の測定場所で環境基準の下限値を下回ることができた。ということはそれまではずっと公害の被害はあったといえる。また、公害患者として未認定になった方を救うための公害調停を今も行っており、戦い続ける必要がある」と回答されていました。

参加者の方がメモを取りながらお話を聞いています

企業に入っている方は公害患者の申請をさせないという対応をされたことや、ぜん息自体が公害によって必ず起こるものではないことから四大公害とは違う方法で公害認定を行っていたことも説明されました。また、その後の質疑応答も高い熱量で行われました。

 

最後に、公害資料館(エコミューズ)を見学し、公害の歴史について資料を見て学ぶことができました。

これらを踏まえた上での振り返りでは、印象に残ったこと、今後に生かしたいことの2つの意見を書いてもらいました。

印象に残ったことでは、「何よりも当時を知っている公害患者の方の話を聞けたことが一番ありがたい体験であった」「西淀川の問題について深く触れることができて良かった」との意見をいただきました。

今後に生かしたいことでは、「西淀川に関わっている身として今後の西淀川区の活動に参加したい」「住民として何かできることをしたい」との意見をいただきました。

最後まで白熱した議論が行われていました

今回の研修では、現在の西淀川の魅力や公害の歴史によって変化したこと、西淀川の地形について詳しく学ぶことができました。また、公害はまだ終わっておらず、現在も続いているものです。今回の学びが西淀川をよりよくするものになることを願っています。

(記・あおぞら財団アルバイト 神崎みづき)

 

 

 

 

エコミューズ館長日記No.38

12月1日、いよいよ2025年最後の月を迎えた。本日は出版社さんに原稿をお渡しする日。私は家で原稿の並べ方を確認し、一部変更も行った。すべてを予定通り組み上げると、360ページ+索引のページ数となる。なかなか堂々たる書籍になる。この本を使って戦後の公害問題の実像の1つが明らかになるとして、全国でこの本を学ぶ人が増えてほしい。
思えば1970年前後には公害という言葉が幼稚園児から知られていた。今大学生でも言葉自体を知らないというのですよ。世の中は移り変わるといっても、これはどうしたことだろう。日本の歴史を日本人が忘れて、チコちゃんのように「ボーっと生きているんじゃないよ」と言いたいところである。
午後からは資料解説の中身を資料勉強会で報告した。もっといろんな人に聞いてもらい、意見の交流を広めていきたいものだと感じた。

エコミューズ資料勉強会

2025.12.1 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

 

【参加者募集!】にしよど防災ロゲイニング(12/20 )

※あおぞら財団が事務局をしている「にしよど親子防災部」の活動です。

12月20日に「にしよど防災ロゲイニング」を行います。
防災の視点で街を見ながら、楽しく西淀川を歩きましょう!

日時:2025年12月20日(土)13:00~16:00(受付 12:45~)

集合場所:西淀川区役所5階 会議室(西淀川区御幣島1-2-10)
内容:西淀川区内に設定されたチェックポイントを、制限時間内にできるだけ多く歩いて回り、到達した証拠として写真を撮影するアクティビティです。チェックポイントごとの得点を集め、合計得点を競います。

定員:100名(参加賞、賞品あり!)

持ち物:デジカメ または スマホ

申込み:申し込みはこちらから  https://forms.gle/LVDasbcgotpa2c2m7

※一人から参加OK!

※小学生以下の方は、必ず保護者同伴でお申し込みください

※団体で参加予定の場合は、お電話でもお申込み可能です( 電話:06-6475-8885)

防災ロゲイニングとは
渡された地図をもとに、制限時間内(116分以内)にチェックポイントをできるだけ多く歩いて回り、獲得したポイントの合計得点を競うスポーツです。
チェックポイントに避難場所や過去の災害の記憶を伝える記念碑など防災関連の要素を盛り込んでいます。

防災ロゲイニングのルール
・チェックポイントをまわった証拠として、写真をとります。
・歩いて回ります(未就学児のみ自転車に乗せても大丈夫です)

チラシ(pdf)

 

主催:にしよど親子防災部(事務局 あおぞら財団)

共催: 西淀川区役所

協力:NPO法人にしよどにこネット、NPO法人西淀川子どもセンター、にしよどおやこ劇場、NPO法人くるる、大阪防災企画

お問合せ:あおぞら財団 担当 谷内 (06-6475-8885)

この事業は、大阪市ボランティア活動振興基金の助成を受けて実施しています。

去年の様子はこちら https://aozora.or.jp/archives/41990

Filed under: イベント案内 | 地域づくり | 防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2025/12/01(月) 01:26

大阪同企連啓発研究会 研修の受入れ(11/17)

11月17日、大阪同企連啓発研究会の6名の方が研修にお越しくださりました。

はじめにワークショップ「フォトランゲージ『西淀川公害』」を実施。
みなさんは企業で人権問題を担当されており、公害にも関心をお持ちの方ばかり。写真から細やかな情報を読み取り、それぞれの視点で意見を共有してくださいました。

西淀川公害に関する写真を観察していろんな情報を読み取ります

次に、スタッフから西淀川公害についての解説。パワーポイントで説明している中で、気になった点を随時質問していただいたので、深く理解をしていただいているのを感じました。

続いて、西淀川公害患者と家族の会の上田さんと岡崎久女さんのお話です。
空気のきれいな高知から大阪に移り住んで公害病になったこと、子どもも公害病になりとても辛い体験をされたこと、そして裁判や公害反対運動に関わる中で多くの方々からの支援を受けたこと——ひとつひとつの言葉に重みがありました。

参加者から「和解金の一部をあおぞら財団設立に使うことに反対が出なかったのは、どんなお気持ちだったのですか」との質問がありました。
岡崎さんは「裁判はお金のためやない。(企業や国・公団に)謝ってほしかっただけ」と答えられました。
和解金など“お金”に注目が集まりがちな公害裁判ですが、患者さんたちの根本にあったのは「公害を何とかしたい」という願いだったことが強く伝わりました。

公害患者会 岡崎さんと上田さんのお話

お話のあと、あおぞら財団の周辺でフィールドワークを行いました。

区民の声を反映して作られた大野川緑陰道路

歌島橋交差点の大気常時観測 PM2.5等を測定中

最後は資料館の見学です。裁判資料をはじめエコミューズにしか所蔵されていない公害反対運動に関わる資料をみてもらいました。

貴重な公害に関する資料

参加者の振り返りでは、次のような感想がありました。

  • 岡崎さんの「お金やないねん」という言葉が心に残った
  • 先々を想像する力、”ちいさき声”を聴く力を大切にしたい
  • 企業人として同じ過ちを繰り返さないために啓発したい
  • 国や企業の保身は許されない
  • 自分が当事者だったらどれだけ悔しいか。差別を受ける人の気持ちを学び続けたい

現在、企業では人権尊重の姿勢が強く求められ、社会的責任も高まっています。今回、公害患者さんの声を直接聴いていただいた体験が、今後の企業活動に活かされることを願っています。

(あおぞら財団スタッフ・谷内)


あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?

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