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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

都市型インタープリテーション講座 ②

都市型インタープリテーション講座
2013年7月13日~14日

前回からの続きの講座になります。
各自が考えたプログラムを受講生にお披露目です。
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最初に、前回の講座からの間に起きた出来ごとについて、語ってもらいました。
こういう雑談があることで、お互いの距離が近くなり、意見も言いやすくなります。
たかが雑談、されど雑談。雑談は大切なんですよ。
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トップバッターは栗本さん。
「一枚の絵、写真、そして1人の物語 産業の発展・環境を考える」と題し、
中国の小学生が書いた未来の絵を切り口に、西淀川の在日朝鮮人問題、公害病の問題に切り込んでくれました。
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相澤さんは、「まちは何でできている?交通手段のランキング」を披露しました。
世代別の交通手段について、みんなで考えました。
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小平さんは、「農業から都市化へ~失われたものを考える」と題し、
西淀川の地域が変遷していった様子を地図をもとに創造するというワークを行いました。
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天野さんは、「大野川緑陰道路を知ろう」ということで、
大野川緑陰道路に出て、感じて、歴史を学習するワークを実践しました。

一日目は、時間の関係もあって、全員分の課題を披露できなかったのですが、
頭で考えていたプログラム案を実践してみて、思うように人に伝わらなかったり、内容が盛りだくさん過ぎたり、
受講生は実践してみないとわからないことが多いと感じたようです。

二日目は、立命館大学のアメリカ人交換留学生を受け入れしたので、インタープリター研修の受講生にプログラムを披露してもらいました。様子はこちらです。
天野さんと小平さんにプログラムを披露していただいたのですが、
内容や、説明が前日の様子とは打って変わって、解りやすく、参加者とのやり取りを重視していました。
実践することで、プログラムがよりよくなっていくことを実感しました。
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受講生も、留学生と一緒に公害被害者のお話を聞いてもらいました。

午後からは、再びプログラムの披露です。
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大西さんは「西淀川の産業これ、面白いかも!?」を披露。
未来にあったらいいなぁという技術を参加者に考えてもらい、実際に西淀川で作られているロボットなどを紹介しました。
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最後は神原さん「あなたもテキスタイルデザイナー」
緑陰道路でとってきた葉を使って、エコバックに模様をつけていきました。
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みんなの作品は個性的ですよね。

最後に西村先生からチルデンのインタープリテーション6つの原則を紹介してもらいました。

最後に感想の共有です。
・ 自分は、大学院の研究で子どもたちに東大阪の町工場について学んでもらうことを実践として行うが、都市型インタープリターとしての役割を担っていきたい。
・ 西淀川にも町工場がたくさんあるので、東大阪と連携していくことができたら。
・ こうした技術は、本では学べない。
・ いろいろ参加していた時期があり、思い出すことができる。
・ 人権教育、環境を複合させた取り組みを行いたい
・ 兵庫での部落での取り組みのなかで、自分たちの生活保障だけでなく、環境のことを考えないといけないよねという話になっていて、そういうときにこういう自然体験のプログラムを取り入れたい
・ これからの研究の分野なんだろうということで、歴史的な分野をどうしたらできるんだろう。課題がみえた。
・ 5年生の教科書で出前を行ってきたが、機会があれば、緑道でもう少し挑戦していきたい
・ 大経大の学生とエコまちネットワーク、10年活動を行ってきたが、東淀川で大経大とその住民とこういう取り組みを行いたい
・ 津波のことを今やっているが、自分たちどこに逃げたらいいか分からない。(大経大での取り組み)これを使って防災をやれたらいいな。
・ 公害や地域のことを伝えていくなかで、簡単でシンプルな言葉でどのように深みを持たせて、相手に伝えるか、課題だなと思いました。
・ 伝えるときには、経験に結びつけたり、意識することが大事だな。
・ 子どもたちに伝えるとき、そのときは分からないかもしれないが、どう心に残っているかが重要じゃないか。
・ 都市型インタープリター、そもそも西淀川には社会矛盾が多いが、それをどう伝えて行けばいいか、なかなか伝えにくい、ということからスタートした。
・ 皆さんが考えてくれたプログラムを見て、そこが伝えにくいと思い込んでいたことに気付いた。
・ 街に出て楽しむこと、そこに戻って立ち返ることがすごく大切で、今回のプログラムを通じて、公害教育での新しい一場面ができたのではないかなと、目からうろこの4日間
・ あおぞら財団での経験(公害という問題と向き合うなかで)から、都市型インタープリターということを考えた場合、自然のことを伝えるだけでなく環境の持続可能性についても考えてもらえるように伝えていきたい
・ こうした取り組みを共に学び、互いに意見交換のできる仲間が大切、今回はそういう関係性ができているのがとってもいいですよね
・ この講座をふり返ると長かった。
・ 楽しいことっていうのが、人が関わってくる基本。
・ わかるということが楽しいこと、わかったら楽しいよね。きのうのイエス楽しいから興味持てますよね。そんな風に町のなかでの新しい発見や、気付きを楽しみながら伝えてほしい。
・ 都市型インタープリターについて考えみました。都市型インタープリターとは、都市の歴史や魅力、まちの知恵、都市にある自然、地質とか地形、水系、植生、生き物、とても重層的な自然、歴史とか文化、建造物、お寺や神社など。ムスク、博物館、美術館、図書館、道路や街路樹、近郊農村、食材とか伝送食材、生業、暮らし、アイデンティティ、
・ 可能性ってどんなことがあるのかな。
・ 自然的プログラムと社会的公正をどのように伝えるか、ここ(西淀川)では可能、つなぐことができる、
・ 都市型のエコツーリズム、淀川で漁師さんに、市民が役割を行うことができる、コーディネート、インタープリター、

この講座の経験を生かして、西淀川の街の魅力を伝えていく機会を増やしていきたいです。
(林)

地球環境基金助成事業として行いました。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年7月29日1:31 PM

立命館大学国際企画課のフィールドワークを受け入れました(7/14)

7月14日(日)10:00~13:30、立命館大学国際企画課のプロジェクトで、アメリカからの交換留学生を含む学生約30名の研修を受け入れました。
今回お越しのみなさんは、「社会運動」というテーマで日本各地を7月いっぱいをかけて見学・学習される予定だそうで、西淀川へは日本の公害について学ぶということで来てくださいました。この後、広島の原爆ドームや東京の靖国神社にも行かれるそうです。
なお、この受け入れは、同日に開催されたインタープリター講座と連動して実施しました。

JR御幣島駅に集合し、歌島橋地下道で西淀川の地図を配布し、公害の概要を説明しました。そのまま、あおぞらビルへ移動し、公害と財団についてまとめたDVD「西淀川公害を闘う」「公害被害を語る」(日本語音声、英語字幕)を鑑賞し、西淀川公害裁判と運動の展開、あおぞら財団の取り組みについて説明しました。

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その後、全員で歌島橋交差点に移動し、国土交通省が行っている環境対策についてクイズ形式で参加者に学んでもらいました大気測定局の設置や植樹、交差点の地下道化などの対策がとられている一方で、いまだに基準値を超えるP.M2.5が観測されており、また地下道化によって横断歩道がすべて撤去されてしまうなど課題もあることを説明しました。車両通行量を優先する国交省の対策を変えるには、「クルマ社会からの転換」が何よりも必要だということを学んでもらえたのではないかと思います。

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続いて、「体験を通じて西淀川を知ろう!」ということで、「大野川緑陰道路でフィールドワーク」と「西淀川の原風景をイメージしよう」の2グループに分かれました。

緑陰道路に出たグループは、まず道路にどのような工夫がなされているかを歩きながら考えました。参加者は、歩行者・自転車の分離が色分けで分かりやすくなされていること、木々が植えられ、四季折々の自然の景観が見られること、住民の憩いの設備が置かれていることなど、公害地域再生の核の1つにこの緑陰道路があることを学びました続いて、解説の天野さん(資料館スタッフ)から、緑陰道路ができるまでの歴史について説明がありました。
江戸時代の農民たちによる中島大水道開削、公害による川の汚染、大阪市による高速道路化計画と住民による反対署名、そして緑陰道路の建設へ。参加者は、天野さんとのやり取りを通じて、この道路がたどっってきた歴史について学びました。
「農民たちが自らの手で開削した!市民の力で緑陰道路がつくられた!」という点を学生さんに向けて熱く語る天野さんの姿がとても印象的でした。

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「西淀川の原風景をイメージしよう」のグループは、あおぞらビルの屋上にあがり、梅田や高速道路の位置関係を地図を見ながら確認しました。そして、このあたりには今から100年前はどんな風景が広がっていたかを想像しました。
次に部屋に戻り、ワークショップ。「田んぼ、畑」から連想する子どものころの想い出を各自が紙に書いて張り出しました。かかし、かも、キャンプ、カエル、などいろんなキーワードやイラストが並びました。
そして、今の西淀川地域で子ども達が、自然に触れるにはどうすればいいかのアイデアだしをしました。屋上緑化や清掃などのアイデアが出されました。

「西淀川の原風景をイメージしよう」のグループは、あおぞらビルの屋上にあがり、梅田や高速道路の位置関係を地図を見ながら確認しました。そして、このあたりには今から100年前はどんな風景が広がっていたかを想像しました。

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次に部屋に戻り、ワークショップ。「田んぼ、畑」から連想する子どものころの想い出を各自が紙に書いて張り出しました。かかし、かも、キャンプ、カエル、などいろんなキーワードやイラストが並びました。そして、今の西淀川地域で子ども達が、自然に触れるにはどうすればいいかのアイデアだしをしました。屋上緑化や清掃などのアイデアが出されました。

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その後、全員で公害患者の山下明さんと奥さんの晴美さんのお話を聞きました。患者会事務局長の上田敏幸さんも同席してくださいました。
明さんから、故郷の大分から大阪へ出てきたときの西淀川の街の様子、公害病を発症したときのこと、自身の病気の苦しさと奥さんやお子さんたちの苦労、原告として裁判や患者会の活動に関わったことなど、自らの体験をお話しいただきました。
学生さんは、熱心にメモを取りながらお話を聞いていました。アメリカの学生さんも通訳を交えながら、時折大きく頷きながらお話を聞いていました。

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お話の後の質疑応答では、病気になってからの職場の対応や子育てに際しての苦労などについて質問がありました。晴美さんからは、体調が悪いにもかかわらず仕事に出て行く明さんのことがとても心配だったこと、また体調を崩し傍聴に行けない明さんの代わりに2人の幼い子を背負い、手を引いて裁判所まで足を運んだ経験などをお話いただきました。
上田さんが補足としておっしゃった、公害被害によって、失業や離婚したり、結婚できなかったりと人生の幸せを奪われた人もいるという言葉にとても重みがありました。

裁判や患者会の運動についての質問に、明さんは当初は自分の苦しさを裁判所や役所などに分かってもらえない苦しさがあったとお答えになりました。しかし、ご夫妻とも、周りの人たちに支えられてここまでやって来れた、みんなで取り組んだからこそ解決できたということを強調されていました。
改めて、裁判や運動、患者会活動の必要性・重要性を認識しました。

また、これまで「四大公害病」など言葉としては知っていたが、今も苦しんでおられる方がたくさんおられるということを知り、公害は過去のものではなく現在の問題として自分も考えていきたい、運動など「外的アプローチ」によって問題が解決する側面があるが、1番大事なのは環境省など国や役所が内側から変わるだと思う、という感想・意見が出されました。
公害の問題を「教科書の中の出来事」から「自分たちが生きる現在の社会の問題」としてとらえ直すこと、「問題解決のためにどのようなことが必要か」を自分なりに考えることの大切さを学んだからこその感想・意見だと思います。これを聞いて、学生さんたちが短時間の中で主体的に学んでくれたことをうれしく思いました。
上田さんからは、現在行われている補償・救済制度の内容やその継続を求めて現在も全国の公害被害者が環境省などに対して交渉を続けていることが紹介されました。

当日は、非常に暑い中、またタイトなスケジュールにもかかわらず学生さんたちは熱心に取り組んでくれました。公害の問題を現在進行形の問題、自分たちの生活に関わる問題として考えてもらうきっかけとなったのではないでしょうか。今回西淀川で学んだ、地域で生活する人たちの目線に立って考えること、みんなで知恵を出し合って社会の問題を解決していくことの大切さという視点を持って、この後の広島や東京も回ってもらいたいなと思います。
(藤井)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年7月16日2:01 PM

2013年度国際教育セミナー ~教室で、世界を感じよう!世界を伝えよう!~

あおぞら財団も協力します。夏休みの研修にいかがですか?

2013年度国際教育セミナー ~教室で、世界を感じよう!世界を伝えよう!~
日時:
《1回目》7月24日(水曜日) 14時から17時まで
《2回目》8月8日(木曜日) 10時から16時30分まで
会場:
《1回目》JICA関西
《2回目》大阪国際交流センター i-house
主催:
JICA関西、(公財)大阪府国際交流財団 
共催:
大阪国際交流センター(2回目のみ)
セミナー概要:
学校と地域、NPO/NGOなど諸団体との連携で、国際教育の教材と授業づくりをどのように進めていくかについて、事例報告・ワークショップ・諸団体との交流・情報提供などを通して学びあうセミナーを開催します。すぐに使える教材や手法をたくさんご紹介します。ご参加お待ちしています。
※1回目または2回目のみでもご参加いただけます。
参加費:
無料 ※事前申込み必要
定員:
《1回目》50人 / 《2回目》120人 ※1回目/2回目とも先着順
対象:
教育機関の関係者、国際理解教育や開発教育に関心のある方
締切り:
《1回目》2013年7月16日(火曜日)<必着>
  《2回目》2013年7月31日(水曜日)<必着>
お申込み方法:
申込書(チラシ参照)に必要事項【名前(ふりがな)、所属、連絡先(TEL、FAX、メールアドレス)、出席日、参加希望ワークショップ(2回目)、セミナーの参加回数】を記載の上、FAXまたはメールにて送付ください。
JICA関西 市民参加協力課 国際教育セミナー担当
FAX:(078)261-0357 / E-mail: jicaksic-kaihatsu@jica.go.jp
お問い合わせ:
JICA関西 市民参加協力課 国際教育セミナー担当
住所:〒651-0073神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
TEL:(078)261-0384(直通)
(問合せ受付時間:土・日・祝日を除く 10時から12時まで/13時30分から17時まで)

Filed under: イベント案内,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 2013年7月4日10:35 AM

三重テレビ「ツナガル」四日市公害の番組にエコミューズの資料が活用されました

すこし前の放送になりますが、
5月26日に三重テレビにて「ツナガル~それぞれが越えた40年の先に~」が放送されました。
60分番組で、昨年から四日市で語り部活動を始められた谷田輝子さんのドキュメントを中心に構成された番組です。
谷田さんは、娘である10歳の尚子ちゃんをぜん息で喪っています。
私も、昨年初めてお話を聞いたのですが、無念さに心打たれました。

番組のディレクターである深井さんが西淀川・公害と環境資料館に来られたのは4月だったでしょうか。
「四日市公害の映像はありませんか」との要望に、保存資料を片っ端から探しました。
たしか、西淀川の公害患者が8ミリビデオで、四日市公害死亡者合同追悼会(1975/8/17)の映像を撮影していたはず、と思い、映像を見てみたら、なんと、谷田さんが弔辞を読んでいる映像が出てきたのです。
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音声も入っていました。
資料を整理していた時は、谷田さんの存在を知らなかったのですが、きちんと整理していたからこそ、40年たって、まためぐり合うことができたのだと思い、感無量でした。

映像は、番組に使ってもらうことができ、四日市再生「公害市民塾」のみなさんからも、「よく映像があったね」とほめてもらえました。
谷田さんにも喜んでいただけて、光栄でした。
資料を整理していた良かったなと思う瞬間です。

深井さんのブログはこちらです。

「ツナガル~それぞれが越えた40年の先に~」は7月28日の四日市での集会で上映される予定です。
機会があれば、ご覧ください。エコミューズにも映像があるので、お声掛けください。
(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年7月1日5:57 PM

PM2.5と大気汚染についてお話しました 豊中アジェンダ21

2013年6月13日13:30-15:30
豊中市立環境交流センターにて
企業における環境対応推進人材養成事業の講座を行ってきました。
PM2.5と大気汚染についてです。

PM2.5がどの様なものか、
環境基準は何であるのか、
いつから問題になっていたのか
(実は、西淀川公害裁判の和解(1998)で問題になっているのです)
中国の大気汚染問題はどうなっているのか
などをお話しました。
みんなで、大阪府の速報や、中国のアメリカ大使館が測定している数値(ツイッターでわかります)
をみて、現状と、対策について考えました。
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みんなで考えた結果はこちらです。
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いろいろと考えてもらえました。
大気汚染の対策で大切なのは、データの公表と環境基準だと思います。
大気汚染への関心が高まっている今だからこそ、多くの事を伝えていきたいと思います。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川公害授業,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年6月13日8:40 PM
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