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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

エコミューズ来館者が1,600人を突破しました


エコミューズの来館者が、1,600人を突破しました(2006年3月18日開館以降)。本日までの利用者は、1,604人となりました。

エコミューズには、世代や地域や国境を越えて、たくさんの方が来られます。
この一ヶ月の間には、大阪教育大学の学生の皆さんや、全国大学史資料協議会西日本部会の皆さんなどが見学に来られました。また、韓国から司法修習生の皆さんの研修も来られました。
いよいよスタディツアー2010(新潟水俣病)も間近に迫ってきました。
これからも、さまざまな発信や交流の場となるよう、エコミューズを盛り上げていきたいと思います。
(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月26日4:01 PM

全国大学史資料協議会西日本部会の見学を受け入れました


エコミューズスタッフの森本です。
7/21(水)、全国大学史資料協議会西日本部会の皆さん19名の見学を受け入れました。
 
まず、スタッフの林から、西淀川公害とあおぞら財団、エコミューズの活動を紹介しました。

また、森脇君雄さん(あおぞら財団名誉理事長・西淀川公害患者と家族の会会長)より、裁判運動から財団を設立した想いや、エコミューズへの想いをお話しました。
裁判を終えた当初は、「資料館」というもののイメージを持ちづらかったそうです。しかし、歴史学者が資料保存の必要性を粘り強く訴え、研究会を重ねていくうちに、裁判や運動の資料を伝えていくことの大切さに気づき、「自分たちがやってきたことが『歴史』になるんだ」と、強く実感していったとのことです。

参加者の皆さんからは、「和解金の使い途について、原告団のなかでどんな話し合いがされたのか?」「西淀川再生プランは、現在どれくらい実現しているのか?」などの質問が出されました。
その後、5階閲覧室と6階書庫を見学しました。
空を覆う煤煙の写真や、文書箱がずらりと並ぶ書庫のようすを紹介しました。


猛暑のなかの見学会となりましたが、日ごろ大学史資料に関わっておられる皆さんから、「資料は何点くらいあるのか?」「資料の置き場所はどのように確保しているのか?」「文書箱はどのようなものを使っているのか?」など、さまざまな質問が出されました。

皆さん、お疲れさまでした!

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:33 PM

新潟水俣病勉強会in大阪 あおぞら財団


2010年7月18日(日)13:00-16:00
あおぞら財団
参加者 26名

7月11日に都留文科大学でもおこなった公害地域の今を伝える
スタディツアーの事前勉強会を、今度は大阪で、
前回と同じく立教大学教授の関礼子氏を講師にお迎えして
開催しました。

8月に行なわれる新潟水俣病スタディツアーの事前学習として開催したこの勉強会ですが、
ツアーには参加されない方もたくさん参加してくださいました。

関先生に、前回と同様に新潟水俣病について年表を見ながら説明していただき、
熊本の水俣病が発見されてから10年ほど経ってから新潟水俣病は発生したこと、
第1次訴訟から第4次訴訟までの経過や県の対応など、主に裁判とその流れについてお話していただきました。
その後、新潟の人達の暮らしと阿賀野川の関係をスライドを使って説明していただきました。

その後参加者に質問を紙に書き出してもらいました。


           質問を分類分け

           たくさん質問が出されました

・川や海へ流れていったメチル水銀はどこへ行ったのか
・現在活発な活動を行なっているNPOなどはあるのか
・新潟水俣病地域福祉推進条例の具体的な内容はどのようなものか
・昭和電工や県に対する意識(上・中・下流域)はどうだったのか
 また県の担当者で患者や地域の為に動いていた人はいたのか
・地域の子どもたちに新潟水俣病についてどのような方法でどのような内容を教えているのか
・阿賀野川流域の人々と現在の旧昭和電工との関係はどのようなものか
・新潟水俣病を報じるメディアに対して違和感を感じる点はあるか
・水俣病患者の方々はどんな差別をうけていたのか、今も続いているのか
・新潟水俣病の患者さん以外の人々の、水俣病への関わり方や水俣病のとらえ方の変化に
 ついて知りたい
・「村」は水俣の経過の中で良い役割、悪い役割を果たしてきたか
 「もやい直し」において「村」の役割は何か
・現在の阿賀野川と人々との関わりにはどんなものがあるか
 阿賀野川は今も愛されているのか
・胎児性水俣病としsて生まれた子ども達の成長はどうであったか
 またこのことによる中絶の問題はどのように共有され顕在化しているのか

などなど
時間の許す範囲でですが、丁寧に答えていただきました

参加者の感想から
「どうしても熊本の水俣病が頭にあるため比較して見てしまうところがあるが、
新潟は新潟の歴史があり、闘ってこられた患者さんがいる、ということが改めて認識できた。」
「新潟水俣病の経緯と、その背景にある生活文化、自然環境の存在についてく分かった。
実際に現地に行って色々な方のお話を聞いて、自分の目でその実像を確かめたいと思った。」

その後は、昨年のスタディツアーの様子と、体験から学ぶことの大切さとフィールドワークの心得について西村仁志先生にお話していただきました。

さて、梅雨も明け夏本番。暑さに気をつけながら今日学んだことも活かしつつ、スタディツアーに臨みたいですね。(眞鍋)





Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月20日4:50 PM

新潟水俣病勉強会in関東 都留文科大学


2010年7月11日(日)13:00-16:30
都留文科大学
参加者 20名

都留文科大学にて
講師に立教大学教授の関礼子氏を迎えて
公害地域の今を伝えるスタディツアーの事前勉強会を開催しました。


関先生がどのような経過で新潟水俣病にかかわったのかという話からはじまりました。
最初に訪問したのが大学院生のころであり
「足抜けしても良かったけれど、親戚のようになってしまって・・・」
という言葉と、
参加者に熱く語りかける様子から、関先生が新潟水俣病に寄り添っている姿勢を感じました。

新潟水俣病の年表を使いながら、熊本水俣病との違いや
第1次訴訟から第4次訴訟までの経過と違い、
数字で表れている水俣病患者の数以外にも被害者がいること、
現在進められているフィールドミュージアム事業について
要点をまとめながら詳しく教えていただきました。
参加者は、事前学習として参考文献を読んでいたのですが
関先生に教えていただくことで、より理解が深まったようです。
とくに、当時の写真を見ながら
川と共に生きていた暮らしの様子、
近代化の中で川と生活が切り離されていく過程の説明が
参加者の心に響いたようです。

質問は、紙に書き出して前に張り出します。

・「もやいなおし」で具体的に行われたこと
・「水俣病は・・・原爆のヒロシマ・ナガサキと並んで・・・人類史的な事件」と言われていますが、国内・国際で・の評価はどうですか?
・もやい直しのため集まりや活動などはおこなわれているか。
・現在、水俣病と認定された人は、水俣病について、どのように思っているのですか。
・第3次訴訟の被告に“市”が含まれていないのは何故ですか。
・川はどれ位復興したのか。
・人と川との関係について。
・なぜ川砂利を採取してはいけなくなったのか。
・川とともに生活していた人々の暮らしは現在どうなっているか
・現在も認定患者が増えることと関連して、胎児性患者さんの存在や、その方たちの暮らし、仕事を支える活動はどのようになっていますでしょうか。
・和解協議のあとも、認定審査は行われていますか?
・くまもと水俣病とのちがいは?企業責任のあり方についてチッソと同様に考えていいのか。
・新潟水俣病では、なぜ食品衛生法を適用できたのでしょうか?(見舞金50万円で反対がなかったのかも気になります。
・水俣病はすべての人に感染するのか?
・水俣病患者は水俣病患者としてインタビューを受ける事をどう思っているのか。
・個人間での民事的な争いはあったのか。
・稲作に影響はなかったのか。
・風評被害は今もあるのかどうか。
・旅館などで川で、とれた魚を料理として出していた所はないのか。

などの多彩な質問が出されました。
関先生は、一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

参加者の感想から
「今までの学習では、水俣病という名前と、
どういう症状の病気で、どの企業が加害者として扱われて…
というくらいしか学んでこなかったので、
今現在も訴訟が続いているということや、
その訴訟では誰が被告として扱われているかなど、
現地に行くまでに知っておかなければならないことを知ることができてよかったです。
関先生のお話を伺ったことで、
自分が現地で何を見てきたいのかということもはっきりしました。」

「阿賀野川と昔の現地の人々との関係がわかる資料をたくさん見せていただいたが、
その中でおっしゃっていた「共生を忘れたのが近代化」という言葉が印象に残っている。
また、水俣病の被害の深刻さは国内外に伝わっているが、
問題解決の取り組みについては十分に発信されてきていないという話も重要だと思った。
今回のスタディツアーで自分にできることが見つかればよいと思っている。」

その後、昨年のスタディツアーの様子の説明をあおぞら財団の林が行い、
フィールドワークの心得をあおぞら財団理事の高田研先生にしてもらいました。
  前提として、服装・髪型に気をつけること。サンダルはダメ
  ① いつの時代の話か確認をしながら聞く。
     たとえば、東京オリンピックの前か後か など他の物差しを使う。
  ② 聞こえにくい時や、わかないことは聞きなおす。
  ③ 昔あった話に対して昔思っていることと今思っていることは違う。問い直してみることが必要。

と3点の注意事項を教えてもらいました。
そのほかにも、
悪いことは話したがらないけれど、
質問するといろいろと返ってくるので
質問をするようにというアドバイスや、
この取り組みで聞き取ったことは歴史に残る大切なことだということを伝えました。

スタディツアーに行く前に良い心の準備ができました。
本番がとても楽しみです。(林)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月12日6:55 PM

西淀中学校で公害の語り部授業


2010年7月8日(木)13:30〜14:20
西淀中学校2年生 授業

2週間前はあおぞら財団の職員が西淀川公害の概要を説明しましたが、
今日は3つにわかれて公害患者の話を聞きました。
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体育館

語り部:永野千代子さん(西淀川公害患者と家族の会事務局長)
補佐:鎗山善理子(あおぞら財団)


永野さんは、国道43号で交通事故で亡くなった息子さん(当時9才)
のぜんそくの苦しみや、息子さんの死を乗り越えて、公害反対運動に
より深くかかわるようになったいきさつ、ご自身の慢性気管支炎の
つらさなどについてお話しました。

当時、息子さんの小学校の校長先生が言った「公害をなくす運動をがんばることが
息子さんの供養になる」という言葉が永野さんの心を大きく動かしました。

●生徒の質問
「どうして引越ししなかったのですか?」
「お子さんが亡くなったときの気持ちを教えてください」
「訴訟したとき一番大変だったことは何ですか?」
「(西淀川区の中で)公害病が今一番多いところはどこですか?」
「公害病の人は寿命が短いのですか?」
「公害病患者は何人ですか?」
「永野さんの病気の種類は何ですか?」

訴訟をしたとき一番大変だったことを聞かれた永野さんは、
「東京に行ったり、夜に出かけたりしたけども、無我夢中
だったので、大変だと思ったことはない」と答えました。
その答えに、永野さんの人間としての芯の強さを感じました。

(記録・鎗山)

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図書館

語り部:池永末子さん(西淀川公害患者と家族の会)
補佐:林美帆(あおぞら財団)


池永さんは地元の姫島保育所にお勤めなので
生徒から「あ!保育園の先生や!」との声が上がりました。
池永さんもぜん息で苦しんでいますが、
娘さんもぜん息で治療のために心配したことなどを話してもらいました。
娘さんは認定患者ですが、池永さんは未認定のため、
現在も未認定患者の救済制度をつくるため、運動をしていることを話しました。

●生徒の質問
「動物に被害はありましたか」
「患者数はどれくらいですか」
「病気になってできなくなったことは何ですか」
「西淀川で残されている公害は何ですか」
(記録:林美帆)
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多目的室

語り部:岡崎久女さん(西淀川公害患者と家族の会)
補佐:眞鍋麻衣子(あおぞら財団)

岡崎さんは結婚と同時に西淀川に来ましたが、最初大阪に着いた時は
空の薄暗さにびっくりしたそうです。それから病気になってしんどかったこと、
引越しをしようかと家族に相談したら、当時中学生ぐらいだったお子さんに
「おかあちゃんに故郷があるように、ぼくにはここが故郷なんやで」と言われ、
そういう事を考えてあげられなかったことが恥ずかしかったことなど、
当時の辛かったことや、現在まで続く病気のしんどさを話しました。

●生徒の質問
「今と昔で対処法はちがいますか」
「どんな症状ですか」
「例えるとどんなしんどさですか」
「患者さんは何人ぐらいいてるんですか」
「西淀川の好きなところはどこですか」
「何をしているときにぜん息のことをわすれますか」
(記録:眞鍋麻衣子)
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生徒たちは、どのクラスも真剣に聞いてくれました。
公害患者さんの話を聞いて、街のことをすこしでも考えるきっかけになってくれればうれしいです。




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月8日5:32 PM
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