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西淀川高 公害語りべの授業

先月、12月16日ですが、西淀川高校で「西淀川公害病患者の方のお話を伺う会」がありました。3年生の環境の授業の一環です。

生徒たちは視聴覚教室で「証言『複合大気汚染~西淀川公害患者会闘いの日々』」のドキュメント番組のビデオを見、その後あおぞら財団から西淀川公害裁判や、公害患者さんたちが託したあおぞら財団への思い、西淀川高校と一緒にとりくんできたことなどをお話ししました。

次に3つの教室に分かれて実際に公害患者さんたちに西淀川公害のお話を聞きます。

語りべは、西淀川公害患者と家族の会の永野千代子さん、岡崎久女さん、酒井美代子さんです。あおぞらの職員と組みになり、お話をました。

私(小平)は酒井さんと一緒に1,2組合同のクラスを担当しました。
酒井さんは、和歌山県出身。
結婚し、夫婦で一生懸命働き西淀川区の大和田に念願の家を買いました。
ところが、大気汚染がひどくなり酒井さんも旦那さんも病気になってしまいました。

公害裁判の原告になれば、仕事を休み裁判に出る必要があります。
家計のために、旦那さんだけが原告となり、酒井さんは原告にはならずに病気を抱えながらも仕事を続けました。
苦しい中でも夫婦で乗り超えてきた話に、高校生はみな真剣に耳を傾けていました。

また酒井さんのお孫さんは西淀川高に通われていたとのことです。
健やかに成長して欲しいと願う酒井さんの優しいまなざしは、高校生に伝わったのではないかと思います。


写真:西淀川高校撮影

西淀川高校HP「校長だより」にも当日の様子が記されています。
ぜひご覧ください。

コチラ 「#049」です。

(小平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2012年2月2日2:18 PM

日中公害・環境問題に関する研修プログラム【2日目】

「平成23年度 大気汚染経験情報発信事業」の一つとして,
10月下旬に,中国の環境NGOとの交流・汚染地域の視察を目的に北京訪問を行ったのですが,
今回は中国NGOの方々,公害被害者の方,総勢8名に来日していただき,
日中交流・環境問題に関する研究プログラムに参加して頂きました!!

【2日目 12月2日】
≪午前≫
中国の皆様と一緒に,
大阪府環境農林水産総合研究所環境科学センター(http://www.epcc.pref.osaka.jp/reaf/)」
を訪問見学致しました.

はじめにセンターの概要をご説明頂きました.

研究所は,
(1)環境科学センター
(2)水産技術センター
(3)水生生物センター
(4)食とみどり技術センター
の4部門で構成されており,

本部である(1)の環境科学センターには,昭和43年に大気汚染常時監視システムが設置されて以来,40年以上の観測歴があるそうです!(すごいです!!)

昭和40年代前半には,工場地帯の排出ガスによるスモッグがひどく,
大阪城をはっきりとみることができませんでしたが,
行政による対応などにより,硫黄成分を取除く規制がなされ,
昭和60年代には随分明瞭にみることができるようになったとのことです.

またセンターの機能としては,
(1)環境情報の発信
(2)環境教育・学習の推進
(3)環境の監視・分析・調査研究
(4)環境に関する研究開発支援・技術開発
(5)国際協力
の5つがあると教えていただきました.

1
熱心にお話を聞かれる中国の皆様

次に,センターでの具体的な取り組みについてご説明を頂きました.

大気汚染の測定は
(1)住宅地に近い一般環境や②道路の近く、
で行われていて,大阪市内では105局も観測地点があるそうです.

観測データはセンターに集められ,各指標が環境達成基準に適合しているかどうか常に監視し,もし基準を越えていた場合には,住民に注意を呼び掛けるそうです.
さらにこちらのデータを使って,シミュレーションをおこない,対策を練られたりされるそうです.

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中国語のスライドでご説明を頂きました

そして,センター内の様々な分析機器の見学や研究事例をご紹介頂きました.

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センター屋上にある大気汚染の測定施設

NOx,SOx,光化学オキシダント,SPMなどの自動測定がおこなわれています.
各機器について分析項目や原理について皆さんと学びました.

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中に入ると様々な機器が!

○アスベストの分析
アスベストが使用されている建物を解体する際に大気中のダイオキシンをサンプリングし分析を行うことで,大規模な拡散がないかチェックを行っているそうです.
顕微鏡で過去に分析を行ったアスベストを見せていただきました.

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アスベストの分析

○ダイオキシンに関する研究事例のご紹介
ダイオキシンの挙動が大気や風,気温によって変化するそうです.
難しいです….

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ダイオキシンについて

○重金属測定分析
ICPという機器で,プラズマ光線を利用して測定を行うそうです.
機器内は5000℃にもなるとのこと!

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重金属測定分析

○見学を終えて…
意見交換では中国の皆様から,中国の大気事情や,環境基準項目の違い,また分析の課題などをご紹介いただき,今回の訪問見学は大変勉強になったとのコメントを頂きました.

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感謝の気持ちを,国境を越えた贈りものに込めて.

≪午後≫

中国の皆さんと「あおぞら財団」へ向かい,西淀川大気汚染裁判に深く関わられた方々をお呼びして,講義をしていただきました.

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あおぞらビルに入る

○あおぞら財団の概要説明
西淀川における公害と裁判の概要説明より,あおぞら財団の設立の経緯と目標について説明しました.また財団の概要,具体的な取り組みや過去の日中交流について紹介しました.

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中国語によるあおぞら財団の紹介スライド

○弁護士,村松昭夫先生による講義「西淀川大気汚染裁判と日本の公害問題」
村松先生は,西淀川の裁判に取り組まれた弁護士で,現在はアスベスト問題などに取り組まれておられます.
福島原発事故の被害は,日本が経験した最大最悪の環境被害であり,公害被害であるという議題は,大変興味深く拝聴致しました.
福島原発事故を受けて,日本各地に原発があることについて,現実的な危険性を意識すべきで,エネルギー転換も考慮すべきであると提言されました.
原発問題や西淀川の裁判について中国の皆様と活発な議論がなされました.

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村松先生による講義

○公害患者さん,永野千代子さんによる経験談
大気汚染がひどい西淀川に引っ越しをされ,幼い息子さんが喘息を発病されたそうです.しかし、しばらくは,公害という言葉や,また大気の汚染のせいで健康を損なうこともご存じなかったそうです.
公害反対運動に参加され,勝訴を願って130万もの署名をお集めになられたそうです.
活動をなさるうちにご自身も喘息になられて,今も咽喉に症状が残るそうです.
永野さんの想いは,あおぞら財団の活動に委ねていきたいと締めくくられました.

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永野さんのレクチャー

○永野さんと公害反対運動時のタスキと
中国の皆様から永野さんに,公害反対運動を頑張って頂いたことへの感謝と,中国でも頑張ります.との抱負を伝えられました.
永野さんのご健康をお祈りいたします!

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タスキとともに記念撮影

○森脇君雄氏による,公害反対運動の経験談
公害患者会の40周年の冊子を元に,森脇氏の45年間の公害反対運動についてご説明頂きました.
はじめには多くの国民に周知するために,ビラ配布活動を行ったこと,
裁判では,遠隔地である尼崎企業の利害関係を説明することが困難であったこと,1995年に企業と和解されたこと,
和解金40億円の一部を使って疲弊した西淀川の街づくりをすることを和解の条件として上げたことで,企業も同意することができたこと,
あおぞら財団が国の認可する財団として立ち上がったこと,高齢化する患者さんのための福祉施設(あおぞら苑)を設立なさったこと,といったことなど,丁寧にご説明して頂きました.

最後に,中国のNGOの役割として,公害に晒されている中国の方々を組織し,その方たちが行動を起こすようぜひ働きかけて頂きたい
とのエールを頂戴しました.

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森脇名誉理事によるレクチャー

朝から盛り沢山な行程で,皆様大変お疲れでいらっしゃったにもかかわらず,最後まで熱心に討論されるみなさんから,大変な刺激を受けました.
このように貴重な機会をコーディネートして頂きましたあおぞら財団の皆様に心から感謝いたします.

あおぞら財団・国際交流スタッフ 徳島大学大学院 山口奈津美

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2012年2月1日3:07 PM

倉敷公害裁判資料の整理が始まりました

2012年1月29日(日)

先日は四日市に行っていましたが、今回は倉敷・水島です。

2014年3月までの間に、四日市と倉敷の公害裁判資料を整理して、電子化して、ホームページに掲載するお仕事をする事になりました。

午前中は患者会の所蔵している資料を確認して

120129_1138~01120129_1143~01

午後は関係者が集まって、どういうように勧めるかを会議しました、

120129_1545~01「10年ぶりに開いたよ」というように、裁判後は紐とかれる事がなかった裁判資料ですが、水島の歴史を物語る有力な資料なのです。これらの資料を整理して、皆さんに使ってもらえるようにする事が、大きな意味での公害防止や持続可能な社会づくりに役立つと信じています。

みずしま財団と共同して進めていくのですが、効率よく整理できるよう、そして情報が地域で活用されるよう頑張りたいと思います。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2012年1月31日3:00 PM

大阪府交渉(ぜん息被害者を救済する制度創設)

2012年1月25日 14:00-16:00

大阪府本庁にはじめて中に入りました。大阪府庁舎はプリンセストヨトミをはじめ、いろんな映画に使われている全国一古い都道府県庁舎だそうです。

そんな中で繰り広げられた大阪府交渉。88年の大気汚染公害患者の新規民定打ち切りに伴い増えている未認定患者さんの為にぜん息の医療費助成制度を作りたいという運動(あおぞらプロジェクト大阪)の交渉です。

120125_1333~02120125_1333~01

結果を言うと・・・ぜんそく患者さんたちが苦しんでいる現状があまり伝わりませんでした。

ぜんそく患者が増えている事は学校保健統計などでわかっている事なのですが、対応して下さった健康医療総務課は厚生省の患者統計と人口動態統計を使って、増えているとは言えないという認識の様です。しかも、それらのデータは「ホームページに掲載しています」との答弁でした。(その後、探してみましたが、たくさんの表があり、見方が分からなかったので、健康医療総務課に電話して聞きました。C-8.  死亡数、性・死因(死因分類)・年齢(5歳階級)の表を見て下さい。大阪府でわかるのは人口動態調査で死亡者数です。治療中の患者数は厚生労働省の患者調査を見て下さい)

環境省の大規模な疫学調査(そらプロジェクト)で、自動車沿道の児童とぜん息の発生の関連性が認められていますが、その調査地点には、大阪府内の中央環状線や国道43号沿道が含まれています。しかし、大阪府は「国の動向を見ていく」という答弁一辺倒で、府内の問題であるのに、現状を把握していない様に見えました。大阪府独自には対策を行わない事、1つの疾患を特別扱いすることはないとも言いました。東京都の救済制度についても「評価する立場ではない」との答え。あまりにも進まない交渉に、患者さんたちの疲労度はピークに達したのでしょう。お一人の発作が治まらなくなり、退席を余儀なくされたのです。

発生源対策を行っている部局とも交渉しました。各測定局へPM2.5の測定ができる様に装置が取り付けられつつありますが、今年度は大阪府が管理する26の測定局のうち14局には設置するとのことでした。3月頃には、そらまめ君えんどうまめくんにて速報値が流れるのだそうです。楽しみですね。しかし、全局設置の道のりはまだ遠く、来年度の測定機器購入の予算措置は0なのだそう。成分分析をして発生源対策を進めるとのことでしたが、ぜひ解明してほしいと思います。

まずは、問題を共通認識にする事が大切だなと思います。問題を認識してもらったうえで、問題を解決する為にはどうすればいいか、何ができるかを一緒に考えていければいいなぁと思いました。患者さんたちにしても「声が届いていない」と不満が残るし、大阪府としても「どうにかしないといけない問題」という認識が薄く、動き出せないのだと思います。いつも交渉のときに思いますが、その人の言葉で語ってほしいなぁと思います。その人がどうしたいと思うか、そういう事もしゃべれない様な大阪府になっているのでしょうか。そうだとしたら、とても怖い事です。

次は大阪市との交渉です。こちらの交渉は進みますように。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2012年1月26日2:34 PM

環境住宅研究会Greenの会議がありました

1月24日(火)19時~21時、あおぞらイコバにて環境住宅研究会Greenの会議がありました。

今回の会議では、この1年間の活動をみなさんに知ってもらうための展示や報告会について主に話し合われました。

展示は、現在進めているI不動産への提案内容や、姫島、福、野里のまちあるきをまとめたマップとそれぞれの地区での環境住宅のモデル提案などのパネルなどを作成することになりました。

報告会はゲストを呼んでの講演やパネルディスカッションが企画されています。

詳細は決まり次第再度ご案内しますので、お待ち下さい!

これまでのGreenの活動についてはこちら→https://aozora.or.jp/archives/category/chiiki/green

Filed under: Green(環境住宅研究会),あおぞらイコバ,イベント報告・ホームページ更新 — aozorafoundation 公開日 2012年1月25日9:18 PM
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