あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

全ての記事を表示

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

» 2016 » 8月

毎日新聞に掲載されました「公害、語り部から教材 あおぞら財団、住民運動を追体験」

2016年8月21日付 毎日新聞朝刊大阪版に「大阪・西淀川の大気汚染公害、語り部から教材 あおぞら財団、住民運動を追体験 /大阪」と題して、
現在作成中の教材について記事が掲載されました。
教材に関心がある方は、ご一報くださいね。

http://mainichi.jp/articles/20160821/ddl/k27/040/226000c

大阪市西淀川区で起きた大気汚染公害を次世代に受け継ごうと、公害訴訟の和解金で設立された公益財団法人「公害地域再生センター」(あおぞら財団)が、高校や大学の授業で使える教材づくりに取り組んでいる。いまも被害患者たちが教育現場で語り部活動を続けているが、高齢化が進み、限界もある。教材を普及させることで、より多くの人たちに公害の経験を届けたいと考えている。【大久保昂】

 「企業に謝ってほしくて裁判をすることにしたんです」

 「裁判をすることで西淀川の評判が下がるんじゃないですか?」

 京都市北区の佛教大紫野キャンパスで7月にあった「日本現代史特講」の授業。学生約30人が、西淀川で公害が深刻化したころの住民になったつもりで発言していた。配られた教材に従い、国などを相手に裁判を起こし、和解に至るまでの住民運動を追体験した。

 教材のストーリーは、あおぞら財団研究員の林美帆さんと栗本知子さんが中心になって、語り部から聞いた話を踏まえ考案した。林さんは佛教大の非常勤講師も務めており、追体験型の教材を初めて授業で使った。

 住民運動の先頭に立つ知識人。ぜんそくで子どもを亡くし、裁判を起こした住民。排煙の削減を求められた工場経営者。学生たちに割り当てられた役には、それぞれ実在のモデルがいる。住民間で利害の対立がありながら、最後は「良い地域をつくりたい」という思いでまとまった西淀川公害の住民運動は、大気汚染公害を巡る運動の成功例とされる。3年生の佐伯拓夢さん(20)は「相手の立場に立って考えたり、人間が持っている根本的な良心を信頼したりすることが大切だと思った」と感想を述べた。

 財団は小中学校へ出前授業に赴いたり、現地を案内するツアーを企画したりして公害の経験を伝えてきたが、多くの部分を被害患者の語り部活動に頼ってきた。今後は教材を用いた環境学習も普及させることで、公害の経験を広く受け継いでいきたい考えだ。

 教材は改良を加えて来年中に完成させ、高校や大学での活用を呼びかけるつもりだという。林さんは「西淀川の住民運動は、立場の違う人たちが共に行動できることを示した。一つの見方に導くのではなく、多角的に考えられるような教材にしたい」と話している。

ロールプレイ「もしあなたのまちで公害が起きたら?」をJICA関西で実施

去る8/9、JICA関西を会場に開催された「第13回多文化共生のための国際理解教育開発セミナー」で分科会を担当しました。

13933566_1356193351076335_537722675_n

西淀川でつくられた地域再生プランを紹介

 

国際理解教育・開発教育に興味のある教職員・学校関係者の方を対象としたセミナーで、昨年度より地球環境基金の助成を受けて取り組んでいる、大気汚染公害を題材とした学習プログラムの整備事業で開発したロールプレイ教材を使いました。

簡単な自己紹介の活動をした後、さっそくロールプレイです。
設定は下記のようなものです。
–[ロールプレイの設定]–
203x年、あなたの住むまちで、原因不明の大気汚染物質らしきものによる健康被害(呼吸器の疾患)が発生しています。
住民の間では「X工場(煙突・換気口あり)のせいではないか?」という噂が流れています。工場では、様々な製造・研究を行っています。
今日は市役所による環境調査の結果報告会です。調査では原因が明らかにならなかったという説明が終わったところです。その後、集まった地域の人たちがそれぞれの立場から要望を発言する時間が設けられました。
—-

グループで、5つの役割をくじ引きで決めてもらい、カードに書いてある情報を読んで役になりきります。
設定されている役割は下記の5つです。
1.市役所の環境担当係長
2.住民A(子どもが病気に)
3.X工場の経営者
4.医者
5.住民C(X工場で働く)

話し合いの目的は、「同じまちに住む者として、現状に対して何をすべきか、合意形成を図る」。

司会進行役の役所の担当係長さんが口火を切り、ロールプレイを開始すると、住民Aは「ただちに工場の操業を止めてほしい」と訴えます。さて、果たして・・・。

これ以上はネタバレになってしまいますので詳細を控えますが、各グループの参加者のみなさんはそれぞれ役になりきって、喧々諤々、15分経っても時間は足りないほど白熱した議論になっていました。

IMG_7115

ロールプレイの後、実際に西淀川で大気汚染が激甚だった頃、何が起きたか、また住民たちはその状況の中でどんな行動をしたのか、簡単に解説しました。

異変に気付いた教員が手作りの環境調査をして子どもたち自身にまちの状況を知らせたこと、
工場や行政に直接働きかけて対策を求めたこと、
それでもすぐに解決しない困難な状況の中で司法に訴えたこと、
患者自身が熱心に勉強し、状況を理解しなんとか解決しようと行動したこと、
全国の患者とつながり、また広く被害を知らせて共感を呼び、
最終的に勝利判決を受けた後に、地域再生の願いを掲げて和解に至ったこと・・・、などです。

今回の参加者のみなさんは特に公害について関心を持って参加してくださった方が多かったのですが、終了後のアンケートでは、小学校高学年から使える教材だとご好評をいただきました。

この教材は解説資料を加えて編集し、近いうちにお披露目する予定です。乞うご期待!

(参加者の感想)
・ワークショップではあったが「もし自分にそういうことが起きたら」ということを考えさせられ、また、西淀川の市民力を知ることができて、結局は当事者同士のまとまりであったり、次の世代を含めたヴィジョンが大切だと思った。
・「203x年」となっているので、本当に将来、自分の身におこるかもしれないと思える内容で、授業で、大変よかったです。
・いろいろな立場で考える大切さを実感できてよかった。
・関西の公害は子どもたちにとっても身近で親しみやすいと思った。ありがとうございました!
・公害についてもっと勉強したい!知らなければと思える分科会でした。

(栗本)

 

りべら141号(特集:防災まちづくり~日ごろのつながり・取り組みから~)(2016年8月発行)サイトで見られます

『りべら』はあおぞら財団の機関紙(会報)です。
A4版、16ページ、季刊1日発行、1部400円送料込、2,000部発行

ご購読希望者はwebmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)まで

※あおぞら財団賛助会員の方には、毎号郵送でお送りしています。

『りべら』2016年8月号No.141 特集:防災まちづくり~日ごろのつながり・取り組みから~

141りべら表紙

こちらからご覧になれます。

特集:防災まちづくり~日ごろのつながり・取り組みから~
1.「言われてみれば」の風景・・・1
2.やっぱり訓練!・・・2
3.もしもに備えて・・・2
4.福祉避難所合同訓練・・・3
5.学校でも防災教育・・・3

よそものが釜石を行く。・・・4
災害救援団体「レスキューアシスト」の取り組み・・・5
熊本地震における障害者の安否確認と避難の状況・・・6
災害時のアスベスト対策 熊本地震の現地調査をふまえて・・・7
忙中一筆 西村仁志・・・8
西淀川記憶あつめ隊 香川婦美子さん・・・9
ぶらりとゆるりと西淀川めぐり 暑い日に食べたい!エスニック・ランチ
世界の大気汚染と交通施策 1.フランス編・・・10
リレー連載 あおぞら財団にじゅうまる!公害・環境教育教材からふりかえるあおぞら愛団の20年(下)・・・11

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 事務局 — aozorafoundation 公開日 2016/08/18(木) 05:32

自転車文化タウンづくりの会第9回総会&ミニ講演会「自転車教育」を開催しました(6/19)

あおぞら財団が事務局の「自転車文化タウンづくりの会」の活動です。

自転車文化タウンづくりの会第9回総会&ミニ講演会「自転車教育」を開催しました

■日時:2016年6月19日(日)16:00-18:00
■場所:OVE中之島
大阪府大阪市北区中之島2-3-18
中之島フェスティバルタワー フェスティバルプラザ1F
■プログラム
16:00~16:30 総会
16:30~18:00 自転車ミニ講演会「自転車教育」
「各地で進む自転車交通教育の取り組み」
吉田長裕氏(大阪市立大学大学院工学研究科准教授)
■参加者19人

KIMG6902
●新田保次代表のあいさつ

第9回総会では、2015年度活動・会計報告、2016年度活動方針、予算、役員が議案として提案され、承認されました。
2016年度は、次の5つの柱を軸に活動を展開していきます。

【活動の柱①】自転車市民の輪を拡げていく
【活動の柱②】自転車利用環境・自転車交通教育に関する調査・研究
【活動の柱③】自転車を活かしたまちづくりに向けて行動する
【活動の柱④】活動成果の社会還元
【活動の柱⑤】自転車安全教育の実践

次に、吉田長裕先生による講演会がありました。
KIMG6912
内容は、国内における交通安全教育・モビリティの現状、フランスやオランダなどの自転車教育の海外調査、自転車交通安全教育内容の比較等でした。

報告の中では、フランスにおける障がい者への自転車教育の動画が紹介されました。
IMG_0335
https://www.youtube.com/watch?v=mlLxMgFN6Hg

日本では、障がい者の移動にはまだまだ制約があり、かつ交通教育もほとんどなされていない現状を踏まえると、大きな違いがあります。
交通安全教育は「市民が世の中で生きるために不可欠なもの」として、しっかり位置づけられることがのぞまれます。

わたしたち「自転車文化タウンづくりの会」では、自転車安全教育の体系化や実践に取り組んでいきます。

以上

【自転車文化タウンづくりの会】
ブログ:http://blog.goo.ne.jp/cycletown-osaka
HP :http://cycletownosaka.jimdo.com/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 地域づくり | 自転車まちづくり — aozorafoundation 公開日 2016/08/17(水) 06:49

【8/15】夏季休暇のお知らせ

8月13日(土)~15日(月)は夏季休暇のため、事務局を閉めさせていただきます。この期間、各種お問合せ等への対応もお休みとなりますのでご了承ください。業務再開は16日(火)です。
ご不便をおかけしますが、ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 事務局 | 事務局 | 事務局より | 全体 — aozorafoundation 公開日 2016/08/12(金) 01:54
« 次のページ前のページ »