あおぞら財団では、この度、「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」を作成しました。
本ハンドブックの発行を記念して、3月26日に教材のアクティビティを体験できる教材体験会を開催しました。
大阪府内で教育に携わっておられる方を中心に、10名の方にご参加いただきました。
また、認定NPO法人開発教育協会(通称:DEAR)副代表理事であり、本ハンドブックの執筆編集を担当していただいた近藤牧子さんに、講師としてお越しいただきました。
今回の教材体験会では、本ハンドブックに載っているアクティビティの中から3つを体験していただきました。
まずはアクティビティ①「気候変動・防災に向けて何してる?」の中から、気候変動対策編を実施しました。
まずは付属のワークシートに書かれている9種類の気候変動対策を、やっている・できそう・やってみたい・難しいの4種類に分類します。その後グループでワークシートの結果を共有し、それぞれが行なっている具体的な対策について意見交換を行いました。
例えば太陽光発電を導入してみたいと考えている人に対して、実際に導入している別の方から実態を聞くことができるなど、活発な議論がなされていました。
次にアクティビティ②「気候変動と災害の影響は…ー被害のエピソードをもとに」を実施しました。
本ハンドブックに記載されている、台風や集中豪雨による被災者のエピソードを読み、印象に残ったことや災害発生時に何が起こるかなどをワークシートに書きます。その後グループで意見を共有し、災害に対して社会でどのような対策が必要かについての議論を行います。
被災者のエピソードを読むことで、災害に対する当事者意識を高めることができました。また意見交換の中で、自分だけでは気づかなかった災害対策の視点を発見することができました。
最後にアクティビティ⑤「気候変動と公害ー「現在」をつくった公害運動、「未来」をつくる気候変動運動」を実施しました。
ハンドブックに載っている公害運動と環境基準についての資料を読み、未来に向けてどんな気候変動対策が必要だと思うかを付箋に書き出し、グループで共有しました。そしてそれらの付箋の中からグループのベスト5を選出し、その理由を全体で共有しました。
公害被害の発生および市民運動は、ほんの数十年前から起こったものです。これから数十年先の未来を見据えて、どのような社会を目指していくべきかを再考する機会となりました。
この教材体験会にご参加いただいた皆様からは、「参加者同士の経験や知識を共有でき、貴重な学びの機会になった」「考えをまとめる、自分の意見を話す、他者の意見を聞いて共有する、といった流れが非常に良い学びにつながる」「自身の勤務する学校でもぜひ取り入れたい」といった感想をいただきました。
本ハンドブックを活用した環境教育によって、気候変動・防災・公害に対して当事者意識を持ってもらい、社会変化の一助となれば幸いです。
※本事業は、地球環境基金助成事業として実施しています。
(あおぞら財団アルバイト・小松)
「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」の概要については、こちらをご覧ください。
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/climatechagehandbook/