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環境省職員研修2日目 西淀川のフィールドワークと提案づくり

環境省職員研修、2日目は西淀川のフィールドワークです。(1日目の様子はコチラ
本日の参加者10人と西淀川をめぐります。
公害の被害といった面だけではなく、緑地や農村時代の歴史といった様々な面からの西淀川を見て回るコースです。自転車チームもつくり『矢倉海岸まで行き自然を体験!』という計画もあったのですが、この日は残念ながら雨の為、皆で歩きました。

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まずは、歌島橋交差点で、国交省の沿道対策等を紹介。

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次は大野川緑陰道路。埋め立て前の写真を見ながらできた経緯や現在の使われ方を学びます。

低地の西淀川。津波避難ビルの小学校を前に南海トラフの地震による津波の想定を紹介。
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淀川開削前に流れていた中津川を渡るための『柏の渡し』の跡。水郷としての歴史を伝える石碑です。
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西淀川区が誇る登録有形文化財、池永邸へ。
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亭主の池永悦治さんにご案内頂きました。
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江戸時代は、舟で商業地の船場と行き来していたと語る池永さん。水郷だった頃の風景がよみがえります。私設の資料館の中も見学させて頂きました。
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都市近郊農地という西淀川のかつての話に、皆、熱心に耳を傾けていました。

午後は、デイサービス施設あおぞら苑へ。
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利用者さんの生い立ちや、西淀川の昔の話を教えてもらいました。
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公害で苦しんだ町に住み続けた人達の、癒せる場所をつくりたいという辰巳致代表の熱い言葉を受け、あおぞら苑を後にします。

千北診療所
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西淀川公害の患者運動がどのようにできたかの解説です。
公害がひどかった当時、24時間、患者さんが発作をおこしやってきたことも紹介されました。

西淀川には、西日本最大級のマスジド(イスラム寺院)があります。その周辺には、イスラム教徒でも食べられる肉を扱う(お祈りをしてある等)ハラールレストランやミートショップ等ができており、意外で新しい!?西淀川の名所になりつつあります。
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寺院に併設した商店を見学。香辛料や、スパーシーそうなヌードルをお土産に買う参加者も。

そして、あおぞら財団に戻り、研修でわかったことを踏まえそれぞれが、どんなことができるのかを考えました。
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1つ目のグループのから出た感想と対策です。
■まちに対して
・空気も町もきれい。緑も多い。
・路上のゴミの少なさは、西淀川全体の人が地域貢献という形で行動している証あのでは。
・旧家が残っていることや、農業、漁業がかつてこの地にあったことに驚き。
・生物が住め、遊べたりする草むらがない。空地ができてもすぐ駐車場や建物になっている。
・住宅が密集しているのに、国道沿いは交通量が多い。車対策は先進的だが試行的なのではなか。
・行政と、被害者、今の世代、それぞれの温度差はあるのか。
□対策
・ロードプライシングをする。
・地域毎の対策を整理し共有する。

■人に対して
・未来に向け、今まで想定していない新たな公害による患者をつくらないためにはどうしたら良いのか。どんな公害被害が出るかの想定は難しい。科学的に可能なのか。
・患者さんが明るく元気で驚いた。
□対策
・患者と行政担当者がまじわる機会をつくるため、行政担当者が直接住む。
・西淀川の患者さんは、提案が採用され実現されたということで、やる気につながっていたのではないか。まちづくりの住民提案を採用するというサイクルをつくることが大切。
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などが紹介されました。
ちなみにこのグループでは、模造紙の縦軸…上を「建物」、下を「人」、横軸…左をマイナス面、右をプラス面、意見・感想を「青」のポストイット、それに対する対策を「赤」として課題と解決法を整理していました。さすがですね。

2つめの班の発表では、
・患者さんはみな元気、団結力がある、生きがいをもってやっている。陽気。
・住宅が多い。
・市民のまちづくりや環境への関心が高いように感じた。
・住宅地と工場地帯が近い場所にある。
・特に道路近くは、排気ガスのにおいを感じた。
等の感想が紹介されました。

・自治体ごとに規制が違うが、規制が厳しくなるとそのまちに企業等が入らなくなり税収に影響が出る。
・「いきものみっけ」の公害版をつくり汚れた場所を皆で共有することで解決を考える。
・先に対策した方が、被害も出ず、将来的には利益になる。
・貴重な御屋敷を持つ野里の池永さんには、ぜひ頑張って欲しい。
等の意見が紹介されました。

この受入の参加者それぞれが、狙いをもって望んでくれていたことが印象的でした。
アスベスト公害の被害の補償を担当しているが電話でしかやりとりがないので、被害者の気持ちにたって対応するためにも実際にまちを見て人にふれてみたかった―という若手職員、
数十年前、大気の調査で西淀川をまわったという、ベテランの方。

現場の今を知ることで、今後ぜひ業務をすすめる上での糧にしてもらえればと願っています。

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(小平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 資料館(エコミューズ) | 視察受入 — aozorafoundation 公開日 2014/03/07(金) 10:25

環境省職員研修 西淀川公害フィールドワーク

日 時=2014年2月26日(木)13:00~17:00 27日(金)9:30~17:00
参加者=環境省職員12名

環境省職員の西淀川フィールドワークの受入を行いました。一日目の26日はビデオ「西淀川公害裁判を闘う」「公害被害体験を語りつぐ」を見た後、患者さんのお話で、和田美頭子さん・森脇君雄さんの話を聞きました。休憩を挟んで村松昭夫弁護士の話がありました。

1

和田美頭子さん

2

公害病は他人ごとでした。しかし周りからドンドン患者さんが増えていきました。そして何人もの方が亡くなっていきました。私は歌が好きだったけれど、以前ほど咳は出なくなりましたが、歌うことができなくなりました。わずかな楽しみが奪われた思いです。子供の頃は淀川にヨシがいっぱいありました。節句の頃には、それで粽を作ってもらいましたが、今はヨシがなくなってしまいました。この前、中国から来た人の中でゼンソクの苦しみを訴えている方が居ましたが、私は子どもがゼンソクで苦しんでいるところをみたくないと、しみじみ思います。

薬が怖くて、本当は薬を飲みたくはありません。発作が続いてとても辛かったです。何でこの公害が防げなかったのかとつくづく思います。

環境省職員から
行政側の人間に言いたいことはありますか?

和田美頭子さん
交渉に行っても確たる答えがないのが残念です。いつも「聞き置く」だけですから。

環境省職員から
患者さんの中には60歳くらいの方も多いのですか?

上田敏幸事務局長
患者会のメンバーで、この地域の一番若い人は38歳で、最高齢は93歳です。

環境省職員から
嫌だったことや困ったことはありますか

和田美頭子さん
患者は差別的な目で見られるときがありました。「公害病の手当てで家を建てた」などと言う人がありました。妬みでそんなことを言われたことがありました。「あなたも先生の所へ行って調べてもらいなさい」と言い返すことにしていました。検査してもらうだけで大変でしたから。

環境省職員から
患者になったら、自分の住んでいる場所から出て行こうとは思いませんでしたか?

和田美頭子さん
先ず家族が居て、仕事があります。他の場所へは行けませんでした。

上田敏幸事務局長
出て行けない理由が3つあります。①仕事が出て行ってあるか。②今のような収入があるか。③患者に寄り添ってみてくれる医療機関があるか。それらが理由になって出て行く人が少なかったようです。西淀川では医師会の協力があり、患者と共に歩んでくれる先生が居ました。

和田美頭子さん
生活していくわけですから「汚れ」は見えています。でも「汚れた空気」で肺をいためるとは思い至りませんでした。

森脇君雄さん

3

「西淀川」を感じ取っていただきたいと思います。現地を是非見てください。
西淀川裁判を考える場合、なぜ患者会が「割れなかった」かという問題があります。
「カネミ油症」裁判では、労働組合が絡んで(患者会の)身内から分裂しました。
「新潟水俣病」裁判では、1次と2次で分裂し、弁護団も割れました。
「水俣病」裁判でも割れました。我々もそれを見てきましたので、患者自身が中心になって運動を進めるべきと強く思いました。弁護士中心でもだめなのです。
西淀川では患者が金を出し合って「街づくり」を提案していきました。高齢者のディケア施設「あおぞら苑」も喜ばれています。
患者が最初に怒った先は「煙り」を出す企業でした。「蒲焼のにおい」と工場からの煙を言ってのけた企業もありました。その被告を謝らせるかどうかが大事なところでした。千葉の大気汚染裁判は企業が頭を下げ、それによって患者が納得した姿を見て学びました。「西淀川では被告に全員そろって頭を下げさせたい」という思いがありました。

環境省職員から
裁判官は「大気汚染問題」を分かっているのかと思いますが。

森脇君雄さん
企業相手なら簡単に勝てる。しかし、国を相手にする場合、税金を使うわけですから、原告に勝利判決を出すことはとても勇気の居ることです。

村松昭夫弁護士
4現状の知見をもとにしながら、原告に勝たせようと思う裁判官は、とても勉強しています。
国に負けさせるためには、だれもが納得できる判決を出してきていると言って良いと思います。

①大気汚染裁判を考えると、被害はピラミッドの形をしている。頂点は激症型であるが、広汎な最底辺部の改善がなければならない。
単にお金をもらってそれで終わりではないのです。
交通事故は、被害・加害の相関関係で成り立っている。公害は一方的な被害者のみであることに注目します。
②行政の役割に関し、道路の公害と発電所の煙は違う。発電所の煙はそのものに責任があ。道路は設置をし、それを管理する国の責任の問題になるが、「大きな公共性の前に、しかたがないのではないか」との論に対し「公共性があればこそ、一部の人間に被害を押し付けるべきではない」と主張してきたました。
③泉南アスベスト裁判では、戦前から石綿関連工場で働いていた人は50年働いてきたら100%発症すると言われている。「国は外国の例も知っており、規制する技術もあったにもかかわらず規制しなかった」その責任を追及しています。
④「人の命と産業の発達」の関係に国は向き合っているのです。国は「適時、適切に行為」しなければなりません。
⑤世界中探しても「あおぞら財団」のような、こんな財団はありません。公害を無くすためには、最後は「人」の問題になる。市民レベルの連帯こそ最終的な解決になるのではないかと考えています。

環境省職員から
なぜ、西淀川公害裁判はこのように長い裁判になったのですか?

村松昭夫弁護士
企業や自動車の排気ガスと疾病の因果関係の立証。さらにコンビナート型ではない工場群の協同不法行為責任の認定。排ガスが西淀川に到達している気象的な立証という困難な問題を抱えていたからです。

以上の話を聞いたあとは「西淀川・公害と環境資料館」を見学し、裁判資料を見学してもらいました。
環境省の職員の皆さんには、担当する仕事の意味を西淀川の事例を基に、考えていただく機会になったことと思います。

*2日目はフィールドワークです。その様子はコチラ

天野憲一郎

矢倉海岸定例探鳥会 記録(2/1)

2月1日(土)矢倉海岸定例探鳥会を開催しました。15名が集まりました。

大野川緑陰道路~矢倉緑地公園には、トウネズミモチがたくさん生えています。
公害に強いといわれているので緑陰道路はあえてこの木を選んで植えたのかもしれません。でも、鳥のフンにより野性化するものも多いそうで、矢倉緑地公園のフェンス等の木は自生しているものもあるのではと思います。
さて、このトウネズミモチの実の減りが、今年は少ないことを杉田リーダーが指摘。昨年であれば、野鳥が食べつくしていたトウネズミモチの実ですが、今年はまだまだ余っているとのこと。例えば緑陰道路のトウネズミモチをみると高い所のものはなくなっていますが、下の方はまだ残っています(人がいるから避けているのでしょうか。)

トウネズミモチ実

大阪周辺の低山にいるルリビタキやジョウビタキ等の小鳥が、冬になるとえさを求めて市内の公園緑地に移動するそうです。今年は低山の降雪が少なくえさに困らなかったため、移動が少ないことが原因ではないかということでした。

船だまり

福の船だまりには、カワウやアオサギ、ホシハジロにキンクロハジロ、などなど。

ゴイサギ

アオサギ。福のふなだまりでは、よくサギが見られます。

カワウ

茶色い羽根も混じるこのカワウ、まだ若鳥ということです。
ちなみに、アオサギもカワウも、これから繁殖期を迎えます。そうするとカワウは白羽に、アオサギは赤味をおびてくるとのことでした。

モズ

淀川河口の茂みには、モズがじっととまっていました。

アキニレ2 (1)

アキニレ2

矢倉緑地公園のアキニレの木にカワラヒワを2羽確認(上写真)。こんな小さな実をついばんでいます。

 

ミサゴ

今月もいました。矢倉緑地定例探鳥会の名物!?ミサゴ君。よどがわの鉄塔にとまってます。

カモ

神崎川には、ホシハジロやキンクロハジロ等、ロシアや北海道等から冬を越すためにわたってきた、カモ達がういています。イモ洗いのごとくたくさんいます。

矢倉干潟また、神崎川で『ホオジロガモ』がいました。(小さいのですが写真の赤丸)
図鑑に、ホオジロガモの習性として「群れでいることが多くいっせいにもぐっては甲殻類、軟体動物、魚、水性昆虫等の動物性のえさを採る。」と紹介されていました。
5羽ほどいたのですが、見ていると1羽もぐると次々水面にもぐり、しばらくするとまたぽこぽこと水面に現れる。そしてまたしばらくすると次々もぐるを、繰り返していました。
ホオジロガモの習性をじっくり観察できました。
双眼鏡で十分楽しめました。

観察できた鳥(34種)
ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ホオジロガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、オオバン、イソシギ、ユリカモメ、カモメ、セグロカモメ、ミサゴ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、アオジ、ドバト

 

おまけ 矢倉緑地公園ではスイセンがきれいに咲いていました

スイセン

次回(通常の月例探鳥会です) 3月1日(土) 9時30分~12時30分 
集合:阪神なんば線福駅
解散:矢倉緑地公園
◎あおぞら財団・矢倉定例探鳥会のHPはこちら
◎日本野鳥の会大阪支部のHPはこちら
※大阪支部長ブログはこちら
(小平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 環境学習 | 矢倉海岸探鳥会 — aozorafoundation 公開日 2014/02/27(木) 19:04

子育ての集まりで過去の災害のお話をしました

2つの子育ての集まりにお邪魔して、第二室戸台風についてのお話をしました。

【西淀川区子ども・子育てプラザ「サイエンスクッキング」】
・日時:2月16日(日)13:30~15:30
・場所:西淀川区子ども・子育てプラザ
・参加者:15名(小学生5人、乳児の親子2組、ボランティア2人、職員2人、財団スタッフ2名)

2月16日は、西淀川区子ども・子育てプラザが主催している「サイエンスクッキング」におじゃました。

サイエンスクッキングでは、災害時のご飯の炊き方ということで、子ども・子育てプラザの阪本さんの指導の下ビニル袋でご飯を炊きました。
この方法だと、1人ずつの分量ずつ作れるので配るが簡単ですし、お皿を洗う手間や水が省けます。

お話会

ご飯を炊いている間に、第二室戸台風を中心に過去の災害の話をしました。
西淀川は過去にくりかえし大きな災害にあっていること、堤防が決壊するとなかなか水がひかないこと、浸水すると食べ物やトイレに困ることなどを、体験談をもとにスライドを使って説明しました。
お話を聞きながら、ボランティアの方が「第二室戸台風で雨風が強かったのを覚えている」「知人の家が水に浸かった」という自らの体験を話してくださいました。
参加者の方の反応は好評で、熱心にみなさん聞いて下さり、こういう話を聞く機会がなかなかないから他の子育ての集まりや老人会でも話をしてほしいといわれました。

【野里子育てサロン】
・日時:2月20日(木)10:30~11:30
・場所:野里福祉会館
・参加者:20名(乳児の親子6組、民生員5人、財団スタッフ2名ほか)

野里子育てサロン

2月20日は、野里子育てサロンにお邪魔しました。

この日もサイエンスクッキングの際と同じように、子ども・子育てプラザの阪本さんが災害時のご飯について実演している間に、過去の災害のお話をしました。

小さな子どもさんが多かったので、お母さんがたはなかなか話に集中することができなかったようですが、「高齢者や乳幼児のいる家庭は避難が遅れがち。早めに避難を!」というお話をしているところで、小さなお子さんをお持ちのお母さんが大きくうなずかれたりなど話の重要なポイントは伝わったように思いました。

また、この日は、たまたま大和田で第二室戸台風の被害にあった方がおられました。私たちが写真やイラストのスライドで説明すると、「うちの2階に30人以上が避難していた」「水が何日もひかなくて大変だった」といった話をしてくださり、話にリアリティが増しました。

西淀川区は、新しくマンションがたくさん建設され、若い方がたくさん増えています。こういった方たちに、過去の水害の話は伝わっておらず、また、西淀川が水害の被害に遭いやすいという認識も薄いように感じます。

今後、こういった集まりにお邪魔して、少しでも過去の災害の話を伝えていけたらと思っています。

※この活動は公益財団法人JR西日本あんしん社会財団の助成でおこなっています。

(日本学術振興会 特別研究員 谷内久美子)

1/17(金)楽らく呼吸会(姫島診療所)でCOPD(慢性閉塞性肺疾患)について勉強しました!

続けて更新します。

2014年1月17日(金)、姫島診療所で楽らく呼吸会を行いました。今回は西淀病院の理学療法士の榎田さんと田中さんを講師に迎え、COPDについての勉強と呼吸リハビリを行いました。参加者は16人(内、患者さん11名(家族の方を含む)、理学療法士2名、看護師1名、スタッフ2名)でした。

 いつもの部屋いっぱいに人が集い、寒い時期ですが、にぎやかで熱気に満ちた呼吸会となりました!

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今日のテーマは、呼吸器の病気であるCOPDについてです。Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺) Disease(疾患)の略で、呼吸機能が低下し、息がしにくくなっていく病気です。
→詳しくは、前回のブログをご覧ください。

COPDの原因の8~9割はタバコが原因。
「だからって、今さら禁煙しても何か変わるの?」と思う人もいるかもしれません。けれど、下のグラフからわかるように、高齢になってからタバコをやめても、肺機能の低下を防ぎ症状をゆるやかにすることはできるのです。

 img_04[1]
COPD-jp.com 肺の病気COPD(慢性閉塞性肺疾患)総合情報サイトより引用

 それを聞いて、たしかに禁煙して症状がよくなった、と自分の体験を話してくださる参加者もいました。
受動喫煙の側面もあるため、周囲の家族の理解も必要、というお話もありました。

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また、COPDを重症化させない方法としては、運動も大切です。運動を続けることで、体力が上がり、持久力もつき、食欲がアップする…というように、良い循環がつくられます。ただし、落とし穴として、運動をがんばりすぎると、肉離れやぎっくり腰などのケガにつながったり、転倒する可能性もあるので注意が必要です。3日運動して、1日休む…というふうに、無理のない自分のペールを見つけて運動を続けていくようにしましょう!

お話を聞いた後は、呼吸リハビリを行いました。
「口すぼめ呼吸」も定着してきた様子で、腹式呼吸もみなさん上手にされていました。次に、肩と首まわりの筋肉をほぐします。

肩を上げたり下げたり…

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首を倒したり…

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腕を前に回すときは肩甲骨あたりの背中の筋肉を、後ろに回すときは、胸の前の筋肉を意識して伸ばします。それぞれ5回ずつセットでやってみました。体がぬくもってきたら、ほぐれている証拠です!

そして、「バンザイ」のポーズもいいそうです。手を上げるのがしんどい人は、頭の後ろで手を組んで広げます。これだったら、寝たままの姿勢で、夜寝る前のちょっとした時間にすることができますね。

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おなじみの「シェー」のポーズもやりました。腹斜筋といって、咳をするときに使うろっ骨の間の筋肉がほぐれます。「シェー」と口に出すと、息を吐きながらできるので、さらにいいということです。

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運動やストレッチの後は、クールダウンの時間も大切です。最後に、深呼吸をして終えました。 

そして、今後この呼吸会でやってみたいこと、について意見を出し合いました。あたたかくなったらみんなで外に出かけたいなあ、と話される方が多かったです。普段はひとりでなかなかできないことも、呼吸会に来たらみんなで一緒にできる、というのが大事でまたなにより楽しいことなのだと思います。春が待ち遠しいですね!

開催後のアンケートでは、11人中10人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えています。また、11人中3人が呼吸リハビリなどの運動を【毎日している】、2人が【2・3日に一度ぐらい】と答えています。「体がかるく成った様に思います」という感想や、「近場を歩きたい 皆でなら歩きたい」「暖かくなったら、外での呼吸会楽しみにしています」といった声もありました。

少しでも興味がある方は是非、各診療所に足を運んで楽らく呼吸会にご参加ください!

■次回予定  ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
薬剤師の方をお招きして、薬について勉強します。現在使っているお薬の種類や名前がわかるものをお持ちいただくと、よりわかりやすいです。
・のざと診療所…2月14日(金) 14:00~15:30(薬について)
・千北診療所……3月27日(木) 14:00~15:30(薬について)
・姫島診療所……3月28日(金) 14:30~16:00(薬について)

本事業は独立行政法人環境再生保全機構の公害健康被害予防事業の一環として実施しています。

ぜん息・COPD予防等情報発信事業に係る「COPD患者等のQOLの向上のための呼吸リハビリテーションの普及及び地域ネットワークの構築事業(大阪ブロック)」

吉田

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 環境保健 — aozorafoundation 公開日 2014/02/25(火) 10:17
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