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» 2016 » 3月

3/9 中国環境NGO研修受入 1日目

3/9 中国環境NGO研修受入 1日目

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あおぞら財団では、中国の環境NGOメンバーを日本に招き、研修プログラムを実施しています。
今年度は3月9日(水)~10日(木)の2日間に、中国から11人が西淀川区をおとずれました。

今回の「日中公害・環境問題に関する研修プログラム」では、西淀川地域をフィールドに研修をおこなうことで、日本での大気汚染公害の経験を中国の環境NGOメンバーに知ってもらい、環境問題の解決に資することを目的としています。

訪問メンバー:
1.李 力(Li Li)氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・主任)
2.张頔 Zhang Di氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・副秘书长)
3.栗梅 Li Mei氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・教師)
4.廖帆 Liao Fan氏(北京市京瑞世纪教育科技中心・教師)
5.肖嘉凤 Xiao Jiafeng氏(北京市京瑞世纪教育科技中心・教師)
6.郭永启 Guo Yongqi氏(済南市緑行斉魯環境保護公益サービスセンター・主任)
7.李明叶 Li Mingye氏(済南市基愛社会活動サービスセンター・主任)
8.董剑 Dong Jian氏(天津緑領・主任)
9.丘美玲 Qiu Meiling氏(天津緑領・プロジェクト職員)
10.邓妍 Deng Yan氏(天津緑領・プロジェクト職員)
11.张国兵 Zhang Guobing氏(天津緑領・プロジェクト職員)

プログラムのようす:
3/9(水)午前
あおぞら財団にて、オリエンテーションをおこないました。研修の目的、スケジュールを説明した後、西淀川公害やあおぞら財団の活動について
DVDやスライドにて紹介しました。
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そして、あおぞら財団付属「西淀川・公害と環境資料館」(エコミューズ)や書庫の見学をおこないました。
「公害 みんなで力を合わせて―大阪・西淀川地域の記録と証言―」のパネル、裁判資料、患者の証言DVDなどを見ました。

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昼食をはさんで、午後からは、自転車・歩行者専用道路「大野川緑陰道路」と「歌島橋交差点」の見学、説明がありました。
大野川緑陰道路は、農業用水路が、ドブ川となり、汚染がひどい時期がありましたが、住民の力で緑の道となり、今では、区民の貴重な宝です。

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歌島橋交差点は五差路の大きな交差点で、大型車の交通量が多く、大気汚染も問題になっています。

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次に、西淀川公害患者と家族の会の山下明さん、晴美さんご夫婦による、大気汚染と被害の実体験のお話を聞きました。

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さらに、同会会長の森脇君雄さんや事務局長の上田敏幸さん、神戸市外国語大学の櫻井次郎先生、あおぞら財団の藤江徹を交えての意見交換会をおこないました。

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中国のメンバーからは次のような質問がありました。
・公害患者への保障は十分だと思うかどうか?
・ぜん息は、子どもや孫への遺伝性はあるのかどうか?
・妊娠している場合、胎児への影響はあるのか?
・患者会とあおぞら財団の関係はどういったものなのか
・他の地域との連携はどうなっているのか?
・環境訴訟にかかわる弁護士はどれぐらいの割合がいるのか?
・長く闘ってきて、一番難しかったことは何か?

それぞれの質問に答えながら、最後に森脇さんから、
「どの国にも大気汚染による被害者がいる。
被害者を探し、科学的分析、医者の協力、専門家の協力を得ながら、進めることが大事。
経済よりも生命を大切にし、みんなが自由に発言できる社会であること、
一歩でも、二歩でも進めていこう」という言葉がありました。

さらに、村松昭夫弁護士により、西淀川公害裁判やアスベスト裁判の話がありました。
村松弁護士はこの日、大津地裁が高浜原発運転差し止めの仮処分を出したことにふれ
「3.11の福島原発事故前には日本の司法はこのような決定は出さなかっただろう。
公害はどれもそうだが、起こってしまったら取り戻せない。環境についてもそうだし、
人間への被害も健康だけでなく仕事や学校へ通えなくなるなど生活全般に影響する。
そうした被害を想像する力をこの研修で養って、中国に持って帰ってほしい」
と語りました。

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この後、「日中環境問題サロン2016―日中の理解と協働に向けて:中国環境NGOの活動を聴く」が
開催されました。

(記・鎗山)

つづく

本事業は環境省委託平成27年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 国際交流 — aozorafoundation 公開日 2016/03/28(月) 02:59

楽らく呼吸会あります!(のざと4/8、千北5/19、姫島5/20)/ニュースNo.35できました!

ニュース35号

楽らく呼吸ニュースNo.35できました。
(拡大して見たいときは、画像をクリックしてください)

楽らく呼吸会では、呼吸リハビリや呼吸器疾患に関する学習などを行っています。
先日はのざと、千北、姫島診療所にて、薬剤師の方から薬についてのお話を聞き、みんなで学習しました。
この楽らく呼吸ニュースには、ぜん息とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のちがいについてや、吸入薬の使い方のポイントなどの情報が載っていますので、ぜひ読んで参考にしてみてください。

次回、のざと診療所では、医師から自己管理についてのお話を聞きます。
千北・姫島診療所では、矢倉緑地公園へ出かけてみんなで歩く予定です。

皆さん、奮ってご参加ください。

【次回予定】
のざと診療所 4月8日(金)14:00~15:30
千北診療所 5月19日(木)14:00~15:30
姫島診療所 5月20日(金)14:30~16:00

本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。

吉田

Filed under: イベント案内 | 環境保健 — aozorafoundation 公開日 2016/03/27(日) 05:51

中国/北京 訪問記(2016.3)その3 環境NGO 潘氏に聴く ~中国重金属汚染地図プロジェクトとは?~

今回の面談で三人目となる潘慶安氏からは「中国重金属汚染地図プロジェクト」について話を聞きました。これは、同プロジェクトは2年前からスタートし、重金属汚染についての公開情報、現地調査とその結果をインターネット上で公開しています。湖南省・広東省などの血鉛事件(鉛汚染事件)の情報が集約されています。

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潘氏(右端)からプロジェクトの説明を伺う

 

中国金属汚染地図

 「中国重金属汚染地図」http://www.zhongjinshu.epmap.org/ngo

中国国内でも、都市部の子供への鉛汚染については調査があり、救済措置もある場合がありますが、農村部など田舎のほうでは放置され、情報すらない場合が多いそうです。このプロジェクトを通じて、まずは、情報を公開し、これを起点として、被害者の救済につなげていくことを考えています。

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被害が発生していた事例の写真

 

今後は、準備調査→血液調査→資金援助→入院費補助などを進め、医者との協力関係を深めていきたいと考えています。しかし、被害者への支援は、実際には多くの困難があります。例として、ある裁判では206万元の賠償請求が最終判決では2万6千元となりました。これは、法律が補償の基準を定めていないためです。そもそも、子どもの鉛中毒被害の損害程度を測る技術や規定がなく、これは司法鑑定にも影響しています。

 

この取り組みも、微博などのSNSを活用することで情報公開をすすめ、政府機関との連携を見据えながら、環境汚染の改善、被害者の救済につなげていくことを目指しています。調査や救済のための資金もクラウドファンディングなどを通じて集めています。

 

中国クラウドファウンディング

※血铅儿童救助(クラウドファンディングのページ)

潘氏は、日本の重金属汚染対策の取り組みにも強く関心を持っており、自身の微信(We Chat)でも紹介してくれています。日中環境NGOで、互いに協力して、公害のない世界を目指しましょう。

(当日の微信We Chat)

北京市内の様子

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北京市内のいろんな所にスローガンが掲示されています。

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建設中のビル群もいくつか見かけました。

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北京大学内では、自転車置き場が一杯でした。

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ナンバープレートには「老人代歩車」って書いてあるんですけど、どういう意味なんでしょうか?

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一人乗り(子どもと二人乗り)?自動車

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高速道路沿いには、桜が咲いてました、春ですね。

 

・中国/石家荘 訪問記(2016.3)その1 環境弁護士 馬倍戦事務所を訪ねる

・中国/北京 訪問記(2016.3)その2 環境NGO 趙氏に聴く ~「好空気保衛侠」プロジェクトとは?~

 

(記:藤江徹 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 国際交流 — aozorafoundation 公開日 2016/03/26(土) 07:14

中国/北京 訪問記(2016.3)その2 環境NGO 趙氏に聴く ~「好空気保衛侠」プロジェクトとは?~

続いて、訪れたのは北京を拠点に活動する趙亮氏の事務所です。マンションの一室では、学生スタッフ2名がパソコンに向かいながら、熱心に仕事を行っていました。ここの代表である趙氏とは、3年前(2013.2)に、天津にて、活動についてのお話を伺っています。

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事務所からの眺め

 

今回は、趙氏を中心としてNGOの連携・協力によって実施されている「好空気保衛侠」プロジェクトについて伺いました。この取り組みは、各地で①大気汚染源のモニタリング調査、②環境保護機関への情報公開請求や意見交換、③SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した情報公開・交流を行うプロジェクトです。

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「好空気保衛侠」プロジェクトについて伺う(右端が趙氏)

 

中国国内各地に存在する深刻な大気汚染源(鉄鋼企業、発電所、石油化学工場など)への現地調査を行っています。調査を通じて、違法行為を確認した場合、すぐに当地の環境保護機関に通報します。こうした調査後に改善したとみられる企業、現在対応中の企業がいくつかでてきています。

また、行政とNGOが対立する立場で開かれる会議ではなく、NGOが環境行政担当者と率直に意見交換する対話の場として活用される会議(約会)を開催しています(現在まで、中国各地で36回実施)。
今後は、更に活動範囲を広げ、中国各地(東北・華北・華東・西南)に「フィードバックセンター」を作っていく構想をもっています。

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約会の様子が、環境保護局の微博で報告されています。

 

ここのメンバーは、80、90年代以降生まれの若い人が多く、微博(中国版ミニブログ)、微信(中国版ツイッター)などSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を積極的に活用しています。活動資金については、基金会等からの補助金、事業活動・調査へのクラウドファンディングを活用しています。

北京での大気汚染の状況について尋ねたところ、「北京オリンピックの後、また大気汚染がひどくなった。一時的な改善措置に過ぎなかったことが原因。しかし、以後に関心が高まり、対策が徐々に強化される一つのきっかけにはなったのではないか。」と話し、現在については「最近は、大気汚染改善への兆候が見られるようになってきている。例えば、鉄鋼生産能力が余っている。河北省でも、中小の鉄鋼企業が生産停止になっている。鉄鋼生産や石炭使用量の減少傾向は、大気汚染の改善には効果をもたらす。特に、石炭燃焼は大気汚染の60%の要因となっているので、効果は大きいだろう。他にも、エネルギー効率の改善、新環境保護法による企業への取り締まり強化、公衆参加が無視できなくなっていること、環境保護関係の投資が増えていること、など大気汚染改善に向けた流れは確かにある」。さらに、今後は「2022年に冬季オリンピック(北京市・河北省張家口市共催)があるので、そこまでにはなんとかしたいと政府も対策を一層強化するのではないか。しかし、実現のためには様々な部門が協働していくことが重要だろう。」と話した。

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北京の大気汚染の現状について伺う

 

今回の訪問で、3年前と比べて、趙氏をはじめとする環境NGOの大気汚染問題に対する活動については、大きく進展していることがわかりました。当時は大気汚染問題への関心が高まり、簡易測定器による大気汚染測定がスタートしたばかりでした。現在は、現地調査と現地の環境保護機関との「約会」を中国国内で積極的に頻繁に実施し、その情報をSNSを用いて広く市民に知らせることで、より正確な情報公開と対策を促しています。これらの活動は、公衆参加のために有用なSNSという手段を用いて汚染源を監督し、政府との連携による対応を促す新たな環境ガバナンスへの実践となっています。

 

趙氏は、日本・西淀川地域での大気汚染公害対策の取組みにも強く関心を持っており、自身の微信(We Chat)でも紹介してくれています。日中環境NGOで、互いに協力して、青い空を取り戻しましょう。
(当日の微信We Chat)

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北京の自転車等の走行ゾーン

 

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電動バイクに取り付けられたカバー

 

参考:中国・北京・天津訪問記(2013冬)(ブログ)

・中国/石家荘 訪問記(2016.3)その1 環境弁護士 馬倍戦事務所を訪ねる

(記:藤江徹)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 国際交流 — aozorafoundation 公開日 2016/03/25(金) 09:32

絵本「西淀川にたいふうがきた」の読み聞かせ会を開催しました

3月23(水)に防災絵本「西淀川にたいふうがきた」の読み聞かせ会を開催しました。

この絵本は、子どもだけで家にいるときに災害がおこってしまったらどうするのか? どういうことを備えておくといいのかを考えるきっかけにしてほしいという想いのもと作ったものです。

絵本の読み聞かせをしてくださったのは、虹色手芸店の石井さんです。(虹色手芸店さんのFacebookページはこちら
この日は、あおぞら野菜市が開催されており、野菜市に来られた子ども連れの方が読み聞かせ会に参加してくれました。参加者は、子ども5人を含め、全部で12人でした。

石井さんが絵本を読み始めると、子どもたちは絵本に集中し、引き込まれるように熱心に聞いてくれました。石井さんは主人公の気持ちが聞いている子どもたちに伝わるように、抑揚をつけながら感情をこめて読んでくださいました。

絵本の読み聞かせが終わったあと、参加してくださった方と防災について話し合いました。今回参加してくださった方のお子さんたちは未就学児が多かったため、避難所となっている小学校に行ったことがないという方が何人もおられました。また、ほとんどの方が西淀川で過去に水害が頻発していたことも知らなかったとおっしゃっていました。いざという時のために、津波避難ビルを確認しておくことや普段の生活の中で備えること、日頃の近所付き合いが大事といったことを話し合いました。

参加してくださった方からは、「子どもが留守番をしている時はどうするのかというのは考えていなかったので、家族で話し合おうと思いました」「小さい子に説明するのに絵本はとてもよいアイディアだと思いました」といった感想をいただきました。

最後に、防災絵本を参加してくださった方に差し上げました。中には「ぜひ友達にもあげたい」とおっしゃり数冊持って帰る方もおられました。

今後も、引き続き、読み聞かせ会をはじめとした防災絵本を活用した取り組みをしていきたいと思っています。

※この活動は公益財団法人JR西日本あんしん社会財団の助成でおこなっています。

読み聞かせ会2

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 地域づくり | 防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2016/03/25(金) 02:01
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