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ブログカテゴリー » イベント報告・ホームページ更新

西交リバプール大学教員、西淀川・公害と環境資料館を訪問(10/28)

中国浙江省にある西交リバプール大学から、環境学を専門とする2名の教員の方が10月28日(金)に西淀川・公害と環境資料館を訪問されました。

日本の環境汚染と地域再生について学生に学んで欲しいということで、同大学では研修として日本の環境学習施設を訪問しています。お二方は西淀川に来られる前に、学生を連れて富山県立イタイイタイ病資料館を見学されたそうです。

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今回は櫻井先生が指導する、神戸市外国語大学中国学科の学生も通訳として参加しました。

まず初めに西淀川公害及び公害訴訟の歴史の概要ついて説明し、その後、日本の環境汚染問題の現状や対策などについて質問が出ました。

・患者会が作った西淀川のマップは全て実現されたのでしょうか?
・大阪のゴミ焼却所がとてもきれいだとお聞きしました。それ以外にはおすすめの環境学習関係の場所はありますか?
・学生は日本に環境再生を学びに来ました。環境問題解決に向けて、学生は特に日本から何を学べばいいと思いますか?
etc.

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上記の最後の質問に対して今回説明を担当した林は、「世論を盛り上げることが重要だと思います。」と回答しました。
日本の公害訴訟では、世論の高まりが問題解決に向けた大きな要因となりましたが、中国の環境問題解決に向けても、「世論」を如何に盛り上げるかが重要になってくるのでしょうか。

(記・當間美波)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2016年12月28日1:45 PM

平成28年度「大阪市環境表彰」を受賞いたしました。

この度、長年の地域における環境保全・再生に関する取り組みが評価され、平成28年度「大阪市環境表彰(団体の部)」を受賞いたしました。
あおぞら財団設立から、ちょうど20年。
これまでご支援・協力いただいた皆様に感謝申し上げるとともに、本受賞を励みに、これからも「手渡したのは青い空」を目指して、取り組みを継続・発展させていきたいと思います。

↓大阪市HP・平成28年度「大阪市環境表彰」の受賞者を決定しました
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kankyo/0000384562.html

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,全体 — aozorafoundation 公開日 2016年12月22日2:55 PM

ソラダス報告会「みんなで調べた西淀川の空気の汚れ」を開催しました(12/7)

12月7日(水)にソラダス2016西淀川報告会「結果発表!みんなで調べた西淀川の空気の汚れ」が行なわれました。参加者は27名(報告者含む)でした。

日時:2016年12月7日(水)15:30〜17:30

場所:のざと診療所3階

主催:2016大阪NO2簡易測定(ソラダス2016)西淀川地域実行委員会

最初に大阪労連西淀川総連合の矢野さんからあいさつが行なわれました。今回のソラダス2016では、過去の調査の時以上に多くの団体と協働して行ったこと、また、測定前の実行委員会も3回行い、大気汚染に関する勉強会も行い、大気汚染に対する関心を高めながら実施してきたこと等をお話しされました。

続いて、あおぞら財団の栗本からソラダス2016の結果報告です。西淀川区内を45区画に分けて計測しています。中島工業団地がある西淀川区の湾岸部では91ppbと高い数値が出ました。他にも環境基準上限値の60ppbを超えたところが3箇所ありますが、すべて中島工業団地内の中島2丁目でした。NO2測定のためにカプセル設置を行った方々は、自分が計測した場所の空気の状況が数値として出てきているのを大変興味深そうにみておられました。

講演「手渡したいのは青い空 大気汚染対策を進めた市民の力」

次に、西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田さんから「手渡したいのは青い空 大気汚染対策を進めた市民の力」と題した講演がありました。

西淀川区のNO2の測定運動は1978年に始まりました。この時期は、NO2の環境基準緩和をめぐる攻防があった時期で、それまで「1時間値の1日平均値0.02ppm以下」とされていたのが、1978 年に「1時間値の1日平均値0.04~0.06ppmのゾーン内またはそれ以下」に改訂されました。これにより、公害指定地域全面解除が行われることになります。市民による大気汚染測定運動は、こうした人間の生活環境よりも経済発展を優先する政策にNOを突きつける運動の一つだったのです。

現在は、大気はかなり改善されましたが、大阪市内を中心に汚染が改善されずに残っている箇所があります。港区の国道43号と阪神高速道路が重なって走行する地域沿道では、環境基準を超え、80ppbにも達する深刻な汚染が続いています。また、カプセル調査と同時に行った健康アンケートを分析すると、ぜん息有症率はNO2濃度が高い地域ほど高く、大気汚染のひどさとぜん息の有症率とは大いに相関していました。ぜん息などの呼吸器疾患には、環境の因子、特に自動車排ガス等の影響が大きく、きれいな大気環境を実現することをもっとも重要な課題とし、ぜん息など呼吸疾患は公害疾患として救済する仕組みを検討すべきだと述べられました。

そして、私たちができることとして、みんなで調べた結果を区民に知らせる、調査データに学び、話し合いをする、交通や健康の問題で区役所と懇談する、道路連絡会に参加することを提案されました。

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報告「交通量と空気の汚れ調べ 道路連絡会の取り組みのひとつとして」

報告「交通量と空気の汚れ調べ 道路連絡会の取り組みのひとつとして」は、あおぞら財団の谷内が発表しました。

道路連絡会は、公害裁判において原告・国・高速道路会社との間で交わされた和解条項に基づいて設置されたもので、公害被害者が道路政策について道路政策決定者に直接意見を述べることができる貴重な機会です。道路連絡会はPM2.5の測定および環境基準の設定、環境ロードプライシングなど様々な政策の実現に関与してきました。その一方で、交通規制等の抜本的な対策は実現できず、議論が膠着化している部分があります。

そこで、西淀川では、膠着した議論から協働した議論に進めていくために、国交省、阪神高速道路株式会社、患者会、あおぞら財団によるワーキング会議を実施しています。ここでの検討事項の一つとして、交通量と大気の関係がどのようになっているのかというものがあります。そのため、阪神高速道路の大規模工事に合わせてNO2測定のカプセル調査を行いました。工事期間中には、国道43号、国道2号で交通量が増大し、それに伴い大気の状況も悪化していました。このデータを詳細に分析することにより、どの程度交通量を減少させれば大気を改善できるのかという議論をすすめていきたいと考えています。

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最後に西淀川高校の門谷先生から「西淀川高校での環境教育のとりくみ」の報告がありました。西淀川高校では、学校として「環境教育」を位置づけており、今年は1〜3年生全体でNO2カプセル調査を実施し、文化祭で結果を発表しました。この取り組みにより、身近な問題から身近ら行動する意味を考えることに繋げています。

西淀川高校の門脇先生の報告

西淀川高校の門脇先生から環境教育の取り組みについて報告がありました

質疑応答では、PM2.5に関するもの、交通量を大幅に減少させることが現実的なのか、行政をもっと動かさないといけないのではないかといった質問や意見が出されました。

今回の「ソラダス2016西淀川の取り組み」により、西淀川区内での大気汚染に対する関心を持つ人を増やすことができました。さらにこの取り組みを大きく広げ、大気の改善を実現していくために、みんなで力を合わせてできることを継続してやっていけたらと思います。また、今年度の道路連絡会は2〜3月にあおぞらビルにて公開で実施する予定ですので、交通と大気について興味のある方はぜひご参加ください。

(谷内)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2016年12月12日12:07 PM

楽らく呼吸会(のざと診療所)で禁煙について勉強しました(12/9)

2016年12月9日(金)、のざと診療所で第40回楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から薬剤師の箱崎さん、あおぞら薬局から薬剤師の各務さんを講師に迎え、禁煙について勉強しました。呼吸会の主な参加者である呼吸器疾患の患者さんの多くは喫煙されていない方が多いのですが、煙草がCOPDの大きな原因になっているということ、地域に禁煙の輪を広げていきたいということから禁煙をテーマとして取り上げています。

参加者は6人(内、患者さん3名(家族の方を含む)、薬剤師2名、スタッフ1名)でした。今回は師走ということで他の用事が重なったり体調を崩している人があり、いつもより少人数でした。

薬剤師さんからお話をきく参加者

禁煙についてお話をききました

最初に、それぞれ事前アンケートに記入。喫煙しているかどうか(以前喫煙していたかも含む)、周囲に喫煙者はいるか、周りの喫煙者に禁煙のアプローチをしているか、といった内容に答えました。

前半は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)についてお話を聞きました。COPDは、大気汚染だけでなく、喫煙が大きな原因になっています。たばこの販売本数とCOPDによる男性の死亡率には強い相関関係があります。COPDは1990年には全世界の死亡理由ランキング(WHO)で6位でしたが2020年には3位になると予想されており、COPDを減らすために禁煙の輪を広げることは重要なことです。

後半は、具体的な禁煙の取り組みについてのお話でした。大阪市は、全国の大都市の中でもトップ5の喫煙率だそうです。

喫煙は、COPDなどの肺に悪影響を与えるだけでなく、血流が悪くなることから様々な部分に影響が出てしまいます。白内障や脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、胃潰瘍、骨粗しょう症、不妊など様々な病気のリスクが高まるそうです。

喫煙者の肺

喫煙者の肺は真っ黒になります

 

煙草は、吸っている本人だけでなく、家族など周囲の人に与える影響も大きくあります。煙草の有害物質は、主流煙(喫煙者が吸う煙)よりも副流煙(受動喫煙で吸う煙)の方に何倍も含まれています。たとえば発がん物質のニトロソアミンは、副流煙に主流煙の52倍の量が含まれています。換気扇の下やベランダで吸っていても、有害物質は部屋に漂ってしまいますし、空気清浄機では煙草の有害物質を除去することができません。

禁煙のための薬についての紹介もありました。禁煙補助剤には、錠剤やパッチ、ガムなど様々なものがあります。ニコチンを含む薬は、禁煙時の離脱症状に対して、ニコチンを補給して、その症状を緩和しながら、煙草を吸うという習慣から抜け出して禁煙していくというものです。参加者の中にはこのパッチを使って禁煙に成功された方がおり、体験談を話してくださいました。

煙草をやめやすくする薬(禁煙補助剤)

煙草をやめやすくする薬(禁煙補助剤)

このように様々な害がある煙草ですが、喫煙者に禁煙を勧めるのはとても難しいことです。薬剤師の各務さんは「相手を否定すると反発されてしまう。禁煙した人の体験談とかメリットを紹介して、相手の意思を少しずつ禁煙に向けさせましょう」というアドバイスをいただきました。

のざと診療所では、毎月第一土曜日(1月除く)の13時~14時に禁煙教室を開催しているということです。ご家族や周囲に禁煙してみたいけどなかなかやめられないという人がいたら、ぜひ声をかけてみてください。

■次回予定  ~お問い合わせはあおぞら財団まで~

・千北診療所……1月19日(木) 14:00~15:30(禁煙について)
・姫島診療所……1月20日(金)1月12日(木)に変更になりました 14:30~16:00(禁煙について)
・のざと診療所…2月10日(金) 14:00~15:30(薬について)

本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。

谷内

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 10:45 AM

りべら142号(特集:あおぞら財団20thアニバーサリー)(2016年11月発行)サイトで見られます

『りべら』はあおぞら財団の機関紙(会報)です。
A4版、16ページ、季刊1日発行、1部400円送料込、2,000部発行

ご購読希望者はwebmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)まで

※あおぞら財団賛助会員の方には、毎号郵送でお送りしています。

『りべら』2016年11月号No.142 特集:あおぞら財団20thアニバーサリー

ƒvƒŠƒ“ƒgこちらからご覧になれます。

特集:あおぞら財団20thアニバーサリー

20年の道のり山あり谷あり…1
森脇君雄さんからメッセージ…4
西淀川公害患者と家族の会からメッセージ…4
西淀川公害再生に大切な視点 宮本憲一…5
これまでと今後の財団活動-20年を節目として-村松昭夫…8
忙中一筆 傘木宏夫…7
ぶらりとゆるりと西淀川めぐり…9
世界の大気汚染と交通政策Ⅱ.インド編…9
西淀川モノづくり会社…10
リレー連載 あおぞら財団にじゅうまる!
道路・交通環境に関わる、あおぞら財団の20年の取り組み…11

 

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,事務局 — aozorafoundation 公開日 2016年12月6日11:37 AM
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