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黒竜江省訪問記2017(その1)野焼きに関する勉強会(2017年8月4-5日)

黒竜江省訪問記2017(その1)

「黒龍江省の野焼きに関する勉強会(2017年8月4-5日)

8月4日、関空を出て、北京にて乗り換え、夜の21時過ぎに黒竜江省の佳木斬(ジャムス)空港に到着。迎えに来てくれた代先生から一言「ここから車で4時間かかります」、、、深夜のドライブで240kmを走り抜け、宿に到着した時には、日付が変わってました。

 

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翌朝9時から「黒龍江省の野焼きに関する勉強会」がスタート。同会議は、日本大使館による草の根支援事業の一つとして実施されており、今回の訪問は、「日本の大気汚染の歴史とあおぞら財団の紹介」、「日本の野焼きの現状」について報告するのが目的でした。
パンフレット

開会挨拶の中で、李力氏(北京・環友科技)より「日本でも大気汚染公害を克服してきたこと、中国の大気汚染が日本に及んでいること、野焼きを止めることの重要性」が述べられました。
最初に、私(藤江)が報告し、次いで、中国農業部顧問・張建新氏が「野焼き技術及び政策」、王英氏(北京百豊天下生物科技有限会社)が「自然農法による野焼き技術」を報告しました。

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<黒竜江省の野焼きについて>
・東北三省の中で黒龍江省はもっとも農地が多い地域で、小麦、トウモロコシ、アブラナ等を耕作する畑で野焼きが行われている。冬の期間が長く、秋の収穫後、雪が降り始めるまでの半月の間で各農家が一斉に野焼きを行うため、野焼きの時期になると極端に大気中の汚染物質の量が上昇する。
・黒龍江省は全国の中でも、もっとも野焼きが多い。2016年10月1日から11月31日まで全国で756箇所の野焼きが発見され、そのうち580箇所を黒龍江省が占めていた。
参照:http://tech.163.com/16/1201/10/C76NM2JA00097U81.html

<日本の野焼き・利用状況について>
・日本の野焼きは、春先に土地を肥やし、農業害虫を減らす目的で行われるが、大気汚染物質の発生や周辺環境への悪影響を及ぼす恐れがあるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年制定)第十六条にて禁止されている。違反の場合の罰則、例外規定あり。
・日本の場合、稲わら、もみ殻等の農作物の非食用部については、約32%が飼肥料や敷料、燃料等として利用されており、地力増進に資する農地へのすき込みを含むと約88%が利用されている。従来の利用に配慮しつつ、燃料化等によるエネルギー利用や有用物質抽出等のマテリアル利用の技術の進展を見極めながら、利用量の増加を図り、2025 年(平成37 年)に約45%(すき込みを含むと約90%)が利用されることを目指す。(バイオマス活用推進基本計画より、平成28年9月16日閣議決定)

<黒竜江省での対策について>
・中国では、野焼きを禁止する法律はないが、規制はされつつあるそうです。
・代替案としては、新エネルギー(バイオガスなど)、家畜の飼料、工業原料(藁繊維を用いて複合材料をつくる)、土壌に戻す(すき込み)方法があります。
・中でも、肥料として農地に戻すために、①刈取後に残る部分の高さを低くする(10cm以下)、②土壌をかき混ぜる(寒いので表面から20cm位、暖かい地方だと10cm位)、③寒冷地で冬までの時間が短いので分解するための微生物を投入する、などの方法が検討されており、そのための日本の農機具も紹介されています。

最後は、在中国日本大使館の岡野さん、土屋さんから、地元で活動している中学生ボランティアへの表彰が行われました。
出席者は、中学生も含め、地元の方々約80名、関心の高さと今後の展開が期待されます。

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黒竜江省訪問記2017(その2)

黒龍江省視察(2017年8月5-7日)

https://aozora.or.jp/archives/29246

<記:藤江徹>

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2017年8月28日2:17 PM

8/29(火)日中環境問題サロン2017「アジアの経済発展と環境問題」を開催します。

日中環境問題サロン2017

第二回「アジアの経済発展と公害・環境問題 ~参加・訴訟の現在から~」

PDFでのチラシのダウンロードはコチラ→第二回日中環境問題サロン2017チラシ2

■日 時:2017年8月29日(火)18:30~
■場 所:大阪弁護士会館1205号室
〒530-0047 大阪市北区西天満1-12-5
・京阪中之島線「なにわ橋駅」下車 出口1から徒歩約5分
・地下鉄・京阪本線「淀屋橋駅」下車 1号出口から徒歩約10分
・地下鉄・京阪本線「北浜駅」下車 26号階段から徒歩約7分
・JR東西線「北新地駅」下車 徒歩約15分
(アクセス:http://www.osakaben.or.jp/web/02_access/

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■参加費:1,000円(学生500円)
■主 催:あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)
■プログラム
・講演「アジアの経済発展と環境問題 ~参加・訴訟の現在から~」

(大久保規子氏:大阪大学大学院法学研究科教授)

・質疑応答

【講師紹介】

大久保規子氏

大阪大学大学院法学研究科教授。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。法学修士(ドイツ・ギーセン大学,一橋大学),博士(法学)(一橋大学)。専門は行政法・環境法。甲南大学教授を経て,2005年より現職。環境法政策学会理事,日本公共政策学会理事。中央環境審議会,大阪府公害審査会等の委員を務めている。現在,参加原則をアジア・日本において推進するためのグリーンアクセスプロジェクト(http://greenaccess.law.osaka-u.ac.jp/)の研究代表。


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■申込
氏名、電話番号、所属をあおぞら財団までお知らせください。
当日参加も可です。(定員40名)

※いただいた個人情報は本事業の目的以外には使用しません。

■問い合わせ・申込先
公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0033 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL 06-6475-8885 FAX 06-6478-5885
e-mail webmaster@aozora.or.jp
HP http://www.aozora.or.jp/

■日中環境問題サロン
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関す
る研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中
国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境
問題サロンを2009年から開催しています。
本年度(2017年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しており、
興味を持って頂ける方々に、ご参加いただければと思います。
よびかけ人:櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授
)、知足章宏(フェリス女学院大学国際交流学部准教授)

【第一回】「中国の環境問題を考えるー日中環境交流の現場からー」(6 月26日(月)) 終了
https://aozora.or.jp/archives/28827

Filed under: イベント案内,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年7月10日11:00 AM

中国環境NGO研修2016:趙亮氏の報告書

昨年の12月に中国環境NGO研修に参加された趙亮氏(北京市朝陽区環友科学技術研究センター 経理)が、雑誌「中華環境」へ寄稿された研修レポートを送っていただきましたのご紹介します。

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空気侠の活動を紹介される趙亮氏

 

レポートでは、研修を通して学んだ日本の公害の歴史、西淀川公害について紹介し、自らの活動を通して実感した中国の環境問題を取り巻く現状と比較されています。また、公害環境資料館を訪問した際の感想や、日中環境問題サロンの様子について書かれています。

 

文中で趙氏は、西淀川公害やその資料から多くの事を学んだと仰っていました。
以下は、報告書から抜粋した感想です。

●この事例は空気侠(趙氏が所属する環境NGO)を大いに啓発してくれた。
1つは、大気汚染問題を解決するには長い年月がかかる事、そして解決に向けて民間の協力が欠かせないと言う事
2つに、環境学者や医療関係者に加えて、異なる分野の専門家からも協力を得て問題解決の方策を考えていく必要がある事
3つに、政府機関との連携と問題解決に向けた対話を築いていく事

●インターネットの発達は、環境NGOの活動の便宜性を向上させてくれたが、かえってインターネットの情報に頼りすぎてしまうようになった。それに対して、公害環境資料館に展示されている当時の写真は、現実味があり臨場感を感じさせてくれる。

 

報告書の最後に趙氏は、「大阪の青空にせよ、中国の青空にせよ、いずれもアジアの青空だ。きれいな空気を目指して、共に頑張ろう!」と締めくくっていました。

今回の報告書を読んで、中国の環境NGOの方がどのように日本の公害について捉えているのか、また自国の問題を考えているのか知る事ができました。

 

中国語が出来る方は是非、原文をご一読ください!↓

大阪蓝对中国民间抗霾的启示

今後、中国の環境NGO関係のホームページやWeibo、WeChatにも掲載されるそうです。

————————————————————————–
中国環境NGO研修受入(2016)の記事はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/27811
https://aozora.or.jp/archives/27817
第四回日中環境サロン2016の記事はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/27785

記:當間美波(神戸市外国語大学 中国学科4年)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年7月6日8:48 PM

中国青空新聞vol.4を発行しました

中国青空新聞vol.4を発行しました。

今回は昨年12月6日に開催しました、日中環境問題サロン2016(第四回)「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」をまとめました。

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興味のある方、ご一読いただけると幸いです。
次号もご期待ください。
感想や執筆希望者もお待ちしております。
↓PDF版

中国青空新聞vol.4

↓あおぞら財団の国際交流のページ
https://aozora.or.jp/katsudou/tsunagaru

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年6月28日2:12 PM

日中環境問題サロン2017:「中国の環境問題を考えるー日中環境交流の現場からー」(2017/06/26)を開催しました

2017年度第一回目の日中環境問題サロンは、中国環境問題の現状やあおぞら財団と中国の環境NGOの活動をより多くの学生に知ってもらいたいと言う思いから、初めて神戸市外国語大学にて開催しました。

今回のサロンでは、学生向けに、環境問題の概要やこれまでの日中環境NGO交流、交流を続けていく意義について報告が有りました。

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■日 時:2017年6月26日(月)16:05~17:40
■場 所:神戸市外国語大学 図書館 ラーニングコモンズ
■主 催:あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)、神戸市外国語大学 櫻井ゼミ
■講演者:
櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)
藤江徹(あおぞら財団)
■参加者数:大学生・大学院生14名、学外1名
■プログラム:
①「これまでの日中環境NGO交流」(藤江徹)
②「日中の環境問題と民間交流」(櫻井次郎)
③質疑応答・意見交換

 

 

【講演者・内容】
①「これまでの日中環境NGO交流」(藤江徹)
初めに藤江氏からは、あおぞら財団の成り立ちや、これまであおぞら財団が行ってきた交流事業、中国環境NGOの活動等について報告が有りました。

初めに大気汚染の写真を見せ撮影地を学生に問いかけると、声を揃えて「北京」と答えていましたが、西淀川の様子を写したものだと知ると、学生たちは驚きを隠せないようすでした。

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学生が特に関心を寄せていたのが、これまであおぞら財団が行ってきた国際交流事業についてでした。そもそも中国に活動している環境NGOがいる事、そして、日本の団体が中国の環境問題解決のために協力している事を初めて知った人が多く、メモを取りながら聞く学生の姿が目立ちました。

最後に公害地域の再生方法と今後の日中交流の展望を報告し、「日中関係は度々難しい局面を迎えているが、政府間だけでなく、民間レベルでの協力を今後も続けていきたい」という言葉で講演が締めくくられました。

 

②「日中の環境問題と民間交流」(櫻井次郎)

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まず初めに、中国の環境問題の現状について、大気汚染と水質・土壌汚染の2種類の問題について説明が有りました。
大気汚染については、2011年に北京の米国大使館が報告した大気汚染のレベルと政府が発表した者との数値が明らかに異なった事から、大気汚染問題改善に向けた取り組みが進んだと、大気汚染改善のきっかけを説明されました。
水質・土壌汚染については、広東省や湖北省の実例を交えながら、政府レベルの取り組みにも言及しました。

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次に、社会的背景から見る日中の相違点、中国の環境NGOを取り巻く問題点や新しい取り組みについて紹介しました。
中国では裁判は社会の安定を目的としているため、例え環境汚染で被害者が出ても救済が難しい事、また制約のある状況下でも、最近ではNGOが汚染企業のモニタリングという新たな活動を行う団体があることを説明されました。
最後に櫻井氏は、
「環境問題から多角的に中国の問題について考える事ができる。また、中国のNGOとの交流を通して、日本や留学だけでは見えてこない中国の実情が見えてくる。皆さんにも是非そういう体験をして欲しい。」と学生に対してメッセージを送られていました。

 

③意見交換

意見交換では公立鳥取大学准教授 相川氏、神戸市外国語大学の櫻井ゼミの学生からコメントを頂きました。

相川氏:中国のNGOは最近になってやっと出てきたわけでなく、四半世紀前から活動しているNGOもおり、日中交流も行われてきた。

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学生:ゼミ合宿でインタビューした環境問題に関わる中国人学生と、留学で出会った中国の方とでは大気汚染等、環境問題に対する意識の差を感じた。市民の環境意識をより高めるのが重要だと思った。

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④アンケート
また、サロン後のアンケートでは以下のような感想をいただきました。一部抜粋して紹介します。

1.本日のサロンの感想をお聞かせ下さい

1) どのお話もとても面白かったのですが、その中でも印象に残っているのはNGOの役割についてです。環境問題についてのサロンなのに、そこかいっ!って思われるかもしれませんが、環境問題を解決するためには、行政、企業、住民が連携して取り組む必要があって、諸機関をつなげるのがNGOの重要な役割の1つなんだな、と実感しました。私自身NGOで働いたことも、ボランティア経験が豊富でないので、えらそうなことはいえないのですが、いかにたくさんの人を巻き込んで、環境問題に対するawarenessを高められるのはNGOしかないのかなと思いました。

2) まず日本でも昔、あそこまで大気汚染がひどかったということを認識していませんでした。中国の環境問題を学習する前に自国の問題について勉強するべきということが印象的でした。

3) 環境NGOについて、環境問題について中国が動き始めたのはかなり最近のことだと思っていましたが、行政レベルやNGO自体の動きは20年以上前からあったという事を知って驚いた。

 

2.聞きたかったけれど聞けなかったことはありますか?

わかりやすい「公害」が発生すれば、訴えることもできますが、その可能性や明らかな環境破壊が行われようとしている段階で、何かしようとする活動についてはどうでしょうか?
「問題」の認識や回復も重要ですが、予防はもっと重要になってくるのではないでしょうか?
保存資料などをかつようして、そういう方向の議論も深められたらと思います。

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今回、初めて神戸市外国語大学で日中環境問題サロンを開催しましたが、環境問題や日中交流に関心を持っている学生が多くいる事を実感できました。
今後も学生や専門家に限らず、日中環境問題サロンの開催を通して多くの人が交流し、議論できる場を提供できたらと思います。

記・當間美波(神戸市外国語大学 中国学科4年)

 

■日中環境問題サロン
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関する研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境問題サロンを2009年から開催しています。
本年度(2017年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しており、興味を持って頂ける方々に、ご参加いただければと思います。
•よびかけ人:櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)、知足章宏(フェリス女学院大学国際交流学部准教授)

 

次回は、8月末頃の開催を予定しています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,未分類 — aozorafoundation 公開日 2017年6月27日7:30 PM
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