8月8日(月)~11日(木)、「公害地域の今を伝えるスタディツアー2011~大阪西淀川・大気汚染の地を訪ねて~」
を実施しました。
本年は、3カ年計画の締め括りです。(第1回 イタイイタイ病、第2回 新潟水俣病)
学生や社会人、スタッフ、合計64名の参加となりました。
今回は、都市部の大気汚染公害の過去・現在の姿を当事者から話を伺い、西淀川がどのように再生へ向かってきたのかを学びます。
[1日目]
15時に都留からのバスが到着し、スタディツアーの開始です!!
高田研先生(都留文科大学・あおぞら財団理事)から趣旨説明の後、資料館の見学をしました。
続いて、公害反対運動について、森脇君雄氏(西淀川公害患者と家族の会会長、あおぞら財団名誉理事長)から、お話を伺いました。西淀川地域が大気汚染公害とどのようにして闘ってきたのか、財団の設立経緯などを伺いました。
森脇氏
続いて、大気汚染公害の地域再生の動きについて、
白神加奈子氏(みずしま財団)より話があり、2日目以降のグループ分けを行いました。
夜には、内科医である金谷邦夫先生(生活協同組合ヘルスコープおおさか理事長)より、大気汚染による公害病と西淀川公害裁判とのかかわりについてお話を伺いました。
金谷先生
児童のぜんそく患者が増えているとのデータを見ると大気汚染は本当に終わったのか?きれいな空気なのか?という疑問が湧いてくる。
[2日目]
4つの班に分かれ、ヒアリングやフィールドワークに入ります。
ヒアリングでは、患者さんや弁護団、行政の担当者、地元の学校の先生などから、お話を伺います。
・A班:道路公害フィールドワーク→あおぞら苑→和田美頭子さん(語り部)
→交通環境教育・フードマイレージ 松井克行先生
和田さんのお話
・B班:池永末子さん(語り部)→村松昭夫弁護士(あおぞら財団理事長)→関西電力(環境対策)
池永さんのお話
村松弁護士
関西電力を見学
・C班:古河ケミカルズ(環境対策)→西淀川高校における環境教育、ESDについて辻幸二郎先生→岡崎久女さん(語り部)
古河ケミカルズ見学
・D班:永野千代子さん(語り部)→学校における公害・環境教育 西口勲氏→大野川緑陰道路について 天野憲一郎氏(緑陰道路サロン)→大野川緑陰道路フィールドワーク
永野さんのお話
西口先生のお話
[3日目]
・A班:環境基準・道路連絡会などについて 国交省国道事務所
国交省国道事務所のお話
・B班:西淀川・野里地域の歴史について 池永悦治さん
池永悦治さんのお話
・C班:環境対策について 大阪府環境農林水産総合研究所
大阪府環境農林水産総合研究所を見学
・D班:和解当時の訴訟担当者より、企業から見た西淀川大気汚染公害 元神戸製鋼 山岸公夫氏
山岸公夫氏のお話を伺う
[4日目]
参加者が学び、感じた事、「自分たちが伝えたいことは何か…」というモヤモヤを仲間と共に共有し、まとめて発表します。なかなか、自分のモヤモヤをうまく仲間に伝えられず歯痒い夜を過ごし、朝まで構成を考えたグループもありました。発表会には、行政から国交省国道事務所、企業からは古河ケミカルズの担当者の方が足を運んで下さりました。ありがとうございました。
発表会の様子
参加者からは、あおぞら財団への提案もいただきました。
ツアーの実現にご協力いただいた関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
今回のツアーの詳しい内容などは、後日、スタディツアーのHPの方へ掲載予定です。
関連ページ
事前勉強会
https://aozora.or.jp/archives/4756(7月9日 都留文科大学にて)
https://aozora.or.jp/archives/5296(7月17日 あおぞら財団にて)
スタディツアーHP
あおぞら財団スタッフ・スタディツアー事務局
山本 元