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» 2012 » 8月

京都精華大学 環境教育実習4日目 発表チーム・マンゴーLASSI

・「チーム・マンゴーLASSI」
1ま

 チーム・マンゴーLASSI」は、あおぞら財団や西淀川高校、国交省、企業が「住みやすい街づくり」のためにそれぞれ活動しているが、各々が言う「住みやすい街」の理想にはギャップがあるのでは?と問題提起を行いました。

ま2

 その中でも特に問題視したのは車の排煙による大気汚染ですグループメンバーの1人である台場さんのお父様の意見を参考に(まえに西淀川区役所勤務経験あり)、「伝えること」「知ってもらうこと」をキーワードに、まだ可能性のあるイベントを提案していました。「西淀川にある小学校へ大気汚染アンケート調査」や「新住民対象まちあるきツアー」「地域密着型エコ夏祭り」など硬いイベントになりすぎず誰もが楽しめるようなイベントをという想いが伝わってくる内容でした。「地域密着型エコ夏祭り」では西淀川クイズラリーを各ブースに設置する。無料うちわを配布し、うちわには企業広告や、大気汚染問題をまとめた記事を掲載させる。小学生に今後どのような環境になってほしいかを絵で描いてもらうなど、実現しやすく気軽に楽しめそうな企画でした。

ま3

 発表を聞いた学生からは「この企画を継続させていくためにどうしていくつもりか」「最後にあおぞら財団への提案という形に行きついたのは残念だ」と疑問や感想がありました。ですが発表全体を通して、今回の環境教育自習で学んだこと知ったことをもとに、情報発信をすることが私たちにできることではないか、という「チーム・マンゴーLASSI」の想いが伝わってきました。

【環境教育実習を終えて】
 事前に本を読み、担当の井上先生やあおぞら財団の林さんから当時と今の西淀川の話を聞いていましたが、実際に自分の足で訪れた西淀川は、大きな道路に車がびゅんびゅん通り、工場やビルが立ち並んだ大都会でした。空を見上げればビルやマンションの隙間から青空がみえました。今このブログは、裁判の和解金でつくられたあおぞら財団の事務所で書いています。実習で初めて西淀川に来た時も思いましたが、窓から見える風景が数十年前には、工場の煙で覆われていたのだと思うと感慨深い気持ちになります。
今回、実際に患者さんや大阪ガス、元神戸製鋼職員の山岸さん、国交省、西淀川高校から話を聞かせてもらい、西淀川公害裁判という一つの物事を様々な視点から考えたことは、私たちにとってとても貴重なことでした。
またフィールドワーク中、排気ガスの影響か、喉がイガイガする、頭が痛くなるなど体で感じた異変。車の騒音、排気ガスや下水処理場の臭いなど、五感で感じた違和感と今回聴いた人々の話から「西淀川公害はまだ終わっていないのだ」と私をはじめ多くの学生が実感しました。
永野さんが何度も口にしていた「きれいで住みやすい西淀川」にするためにはどうしたらいいのか。この課題は、患者会やあおぞら財団の力はもちろん重要だが、それだけで成し遂げられるものではなく、住民や企業、行政、教育機関との協働が必要不可欠なのだと感じました。        
京都精華大学2回生 佐久川恵美

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 環境教育実習1日目 大阪ガス
 環境教育実習1日目 永野千代子さん
 環境教育実習2日目 国交省
 環境教育実習2日目 西淀川高校
 環境教育実習2日目 山岸公夫さん(元神戸製鋼職員)
 環境教育実習3日目 発表準備
 環境教育実習4日目 発表 チーム・スパークリング
 環境教育実習4日目 発表 チーム・紅茶花伝

京都精華大学 環境教育実習4日目 発表チーム・紅茶花伝

・「チーム・紅茶花伝」
1無題

「チーム・紅茶花伝」は他2チームと違い、イベント企画を提案するというよりも、直接話を聞かせて頂いたそれぞれの方の立場や、良い所悪い所を浮きぼりにしたうえで互いのつながりを強いものにするためにはどうするか、という精神的な取組を中心に発表しました。「チーム・紅茶花伝」が目標とするところは、西淀川公害に関する互いの認識のずれを共有したうえで新たな関係づくりに組んでいくこと。住民も企業も行政も西淀川が好きだ、この町が自慢だと思えるようになれる街づくりを目指すこと。

2無題

それを目的に掲げた背景には、森脇さんと山岸さんの対立関係にあった二人が話をしているのを見て、立場は違っても人と人とが繋がることは可能なことであるのだと感じたからだそうです。
目標を具体的にしていくために、企業や行政、地域住民という大きいな括りで対応するのではなく、それぞれ内部の人間が信頼関係を築いていく。過去から現在まで続く互いのすれ違いや認識のずれを共有し、それぞれができることを取り組んでいけるような関係へ、と考えたそうです。

3無題

発表後のコメントでは「一社員・一公務員が組織に影響を与え、地域社会の流れを変えていけるような広がりを作れるとは思えない」「感情論で説き伏せているように感じる部分があり、私たちが出来る具体的な提案も欲しかった」という意見が出ました。ですが、現実的な対策や対応の根本となる信念や考えを「チーム・紅茶花伝」なりに分析できたことはよかったことだと思います。

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環境教育実習1日目 大阪ガス
環境教育実習1日目 永野千代子さん
環境教育実習2日目 国交省
環境教育実習2日目 西淀川高校
環境教育実習2日目 山岸公夫さん(元神戸製鋼職員)
環境教育実習3日目 発表準備
環境教育実習4日目 発表 チーム・スパークリング
環境教育実習4日目 発表 チーム・マンゴーLASSI

京都精華大学 環境教育実習4日目 発表 チーム・スパークリング

 授業最終日、発表の日がやってきました。どのチームも授業開始の2時間前にやってきてパワーポイントとレジュメの最終仕上げを行いました。皆が作業している場所でパワーポイントを実際にスクリーンに映し、リハーサルを行いましたが、どのチームも自チームの仕上げに集中して他チームのリハーサルに見向きもしませんでした。それ程みんなが一生懸命に西淀川公害に向き合っていました。

「チーム・スパークリング」
1スパークリング

 「チーム・スパークリング」は、西淀川公害問題に関する法律や制度を住民の手によって変える、という視点から発表を行いました。地域住民を主体においた理由を次のようにあげています。一つは公害患者の永野千代子さんが言う「西淀川をきれいで住みやすい街に」という想いと、行政や企業の考え方や法制度のズレを感じたこと。そして、実際にその土地に暮らしている地域住民こそ、生活環境が悪化すれば一番被害を受ける存在であり、行政などと比べて、より生活に則した現実的で根本的な改善を行えるからだとしていました.。

無題 スパークリング2

 そこで制度整備の具体的な方法として、西淀川高校を利用した環境イベントを提案しました。多くの人に関心を持ってもらうきっかけを作ることで、西淀川公害のことを知り、知ったうえで考え、法整備を求める行動につながっていくことを期待してのものです。隣接する古河ケミカルズの工場内ツアーで、現在の環境汚染対策を実際に見る。京都精華大学や第三者の視点からみた西淀川をパネル展示で紹介する。きれいで住みやすい街づくりのための地域構想を提示するなど、行政・企業・地域といった大きな枠でのつながりを主体とする具体的な内容があげられました。

無題 3

 他チームからは「イベントを催すことで本当に住民が公害や環境問題に関心を持ち、法整備へと行動して行けるのか?」「内容が少し硬く感じる。住民は気軽に参加できにくいのではないか」というコメントがでました。それでも、住民自身が自分たちの生活環境を創っていく、住民の行動が企業や国を動かす力を持つのだという想いが伝わってくる発表でした。

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 環境教育実習1日目 大阪ガス
 環境教育実習1日目 永野千代子さん
 環境教育実習2日目 国交省
 環境教育実習2日目 西淀川高校
 環境教育実習2日目 山岸公夫さん(元神戸製鋼職員)
 環境教育実習3日目 発表準備
 環境教育実習4日目 発表 チーム・紅茶花伝
 環境教育実習4日目 発表 チーム・マンゴーLASSI

京都精華大学 環境教育実習2日目 山岸公夫さん(元神戸製鋼職員)

・山岸公夫さん(元神戸製鉄所 職員)

山岸さんP8028111 

 西淀川フィールドワークの最後に、元神戸製鉄所職員であり、訴訟担当者であった山岸公夫さんからお話を伺いました。西淀川公害訴訟を会社側の視点から、裁判に臨む上で起こったドラマや裏話、目指したこと等を解りやすく話してくださいました。
 提訴された当時、被告企業10社間で対応組織が準備されたそうですが、企業規模の大小、大気汚染寄与の大小、立地の東西で利害対立が根底にあったため、なかなか一枚岩になれず、その調整役として山岸さんは動いていたそうです。昭和62年頃からは森脇君雄さんら原告側と裏で接触し、「裁判判決だけが西淀川公害の解決方法ではない。他にもうまい解決策があるのではないか」と考えるようになったといいます。その一方で、山岸さんは毎日会社ではなく、被告企業同士で作った会議のための事務所に出勤していたため、社内で忘れられた存在になり出世は有るや無やの状況だったとこぼしていました。その代わり人間として成長しましたと笑っていました。

無題 yamagisisann 

 西淀川公害裁判について、山岸さんは「時代の屈折点における軋みが現れたものであり、この裁判は法的責任追及ではなく、政治的判断が必要な事案だったと思う。だからこそ、この裁判をどのようにして社会的に終わらせるかが大切で、どのような終わらせ方が日本国のためになるかと考えた。」と話していました。
 話を聞いている途中で、当時裁判で闘っていたあおぞら財団会長の森脇君雄さんが訪れたことで、さらに興味深くおもしろい時間を過ごせました。森脇さんは山岸さんが裁判について語った「攻める側(原告)の大変さと守る側(被告企業)の心外さ」の「心外」という部分に引っかかったようでした。山岸さんは訴えられた当時の社会背景(「鉄は国家なり」に表せられるような高度経済成長期)のなかで、企業は日本が豊かになるために努力をしてきた。悪いことをしているつもりはなく、みんな頑張っていた。公害に対する法的仕組み築かれていない中で、後付で煙を出すのはダメだといわれるのは企業として腑に落ちない。法で定められていれば企業はきちんと法を守っていた。だから「心外」という言葉が出てきたのだと仰っていました。これに対して森脇さんは納得がいかないらしく、「心外」という言葉が心外だ、と仰っていました。この会話に2人の観点の違いが表れていると思います。学生たちも2人の話に感化されたのか、帰りの電車の中でも「山岸さんの観点は企業者としてのものであり、森脇さんの観点は西淀川に住む生活者としてのものだ。」「裁判後に原告と被告の立場で争っていた二人が同じ空間でいがみ合わず話し合えるのがすごい」などと語り合っていました。

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 環境教育実習1日目 永野千代子さん
 環境教育実習2日目 国交省
 環境教育実習2日目 西淀川高校
 環境教育実習3日目 発表準備
 環境教育実習4日目 発表 チーム・スパークリング
 環境教育実習4日目 発表 チーム・紅茶花伝
 環境教育実習4日目 発表 チーム・マンゴーLASSI

京都精華大学 環境教育実習3日目 発表準備

3日目からは場所を京都精華大学に移し、西淀川での2日間のフィールドワークを踏まえて、パワーポイントとレジュメ作りに取り掛かりました。
 2日間で何を学び、何を感じたか。西淀川公害を知らない人々に私たちは何を伝えられるか。あるいは、これからあおぞら財団や企業は何をしたらいいか、という私達からの提案等を軸に据えて発表に取り組むことになりました。
10人のメンバーを3つのグループに分け、一人ひとりが感じたことをグループ内で共有し、それぞれの観点をすり合わせながら発表に向けて進めていきました。グループのメンバーが3,4人と少ない分、テーマ設定は比較的スムーズにいきましたが、そのテーマを如何に具体的に表現していくか、どこまで現実的に考えられるか、という部分でどのチームも苦労していました。

「チーム・スパークリング」は制度整備の視点から西淀川の問題にアプローチするようです。
「チーム・紅茶花伝」は住民や企業、行政がつながりを深めるためにどうしたらよいか、理念的な部分を考察していきます。
「チーム・マンゴーLASSI」は「伝えること」「知ってもらうこと」をキーワードに、地域住民が気軽に参加できる企画を考えるそうです。
はたして4日の発表はどうなるでしょうか?
教室には授業担当の井上先生が、コーヒーメーカーや冷たい麦茶、あめ玉を用意してくれました。時には井上先生自らコーヒーを片手に様子を見に来てくれたので、息抜きをしながら進めることができました。

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 環境教育実習1日目 大阪ガス
 環境教育実習1日目 永野千代子さん
 環境教育実習2日目 国交省
 環境教育実習2日目 西淀川高校
 環境教育実習2日目 山岸公夫さん(元神戸製鋼職員)
 環境教育実習4日目 発表 チーム・スパークリング
 環境教育実習4日目 発表 チーム・紅茶花伝
 環境教育実習4日目 発表 チーム・マンゴーLASSI

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