11/11(金)に楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院の理学療法士の奥園さん、長瀬さんを講師に、「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動」についてみんなで学びました。現在、新型コロナ感染症感染者数が増加中なので、感染症対策として、西淀病院と会議室をオンラインで繋いでの開催となりました。参加者は全部で10人です(スタッフ1人、講師2人を含む)。
最初に、長瀬先生から肺の機能についてのお話。
肺は空気中の酸素を体に取り組みますが、肺自体には筋肉はありません。横隔膜と肋間筋を動かして呼吸をしています。肺を鍛えることはできません、呼吸筋を鍛えることで、呼吸を楽に行うことができます。
次に、効果的な呼吸方法を実践を交えながら学びました。息切れや発作が起こってしまった時には、テーブル等に腕をのせ、うつぶせの姿勢をとります。その際に、口すぼめ呼吸をして呼吸を整えます。口すぼめ呼吸は、吸う長さ1に対して吐く長さを2と長くすることが上手に行うコツです。腹式呼吸についても、お腹や胸に手を当てながら、お腹を膨らませたりへこませたりして呼吸を行いました。
参考:環境再生保全機構:呼吸を楽にする姿勢(パニックコントロール) 、口すぼめ呼吸、腹式呼吸
また、上手に痰を出すやり方も教えてもらいました。痰は、気道の粘膜でつくられる炎症性の気道分泌物で、ホコリや細菌などから体を守ります。COPD(慢性閉塞性肺疾患)になると痰が出しづらくなります。そこで、上手に痰を出すことが大事になります。手順は、①両手を脇の下におき、息を吐くときに押さえ、②大きく息を吸って、勢いよく「ハッ! ハッ!」と口から息を吐く、③「ゴホン!」と咳をします。
最後は、奥園先生に変わって、ストレッチ体操や筋トレです。
呼吸器疾患のある患者さんは、息切れをおそれて静養ばかりしていると徐々に身体機能が低下して息切れが悪化し、食欲、気力もなくなって症状が悪化してしまうという負のスパイラルに陥りがちです。運動をすることで、感染に負けない体力をつけ、息切れしにくくなります。
今回は、呼吸筋や首や肩のストレッチなどを行いました。呼吸器疾患の患者さんは、呼吸が浅くなりがちで、必要以上に首や肩の筋肉に力が入ってしまい、肩こりになってしまうことが多いそうです。そこで、首や肩のストレッチを行うことが大事になります。
体操の後は生活に関する相談です。転ぶことが怖くて散歩がしづらくなっているがどうしたらよいか、仕事や家事で腰痛があって辛いといった様々な質問が出ました。また、寝ている時に呼吸がしづらいという質問に対しては、横向きなど呼吸がしやすい姿勢に変えてみてはどうか、ビーズクッションが前かがみの姿勢に役立つといったアドバイスがありました。
参加したみなさんからは、「呼吸が体全体、筋肉と関係しているのがわかった」、「体操の仕方を教えていただき感謝、家でもやってみたい」といった感想があり、全員の方から「有意義だった」との回答をもらいました。
コロナ禍がはじまって3年が経とうとしています。呼吸器疾患のある患者さん達は、感染症に気を付けながら、無理なく運動を取り入れて、日々を過ごしていただけたらと願っています。
参考
環境再生保全機構
・呼吸筋ストレッチ体操
・呼吸リハビリテーションマニュアル② 効果的な呼吸方法
・呼吸リハビリテーションマニュアル④ 日常生活を考慮した運動療法
・呼吸リハビリテーションマニュアル⑤ 上手な痰の出し方
【今後の予定】
次は1月20日に「お話会、DVDをみながら呼吸筋ストレッチ体操」を行います。ぜひお気軽にご参加ください。
日程 | テーマ | 場所 | 講師 | |
第72回 | 2023年1/20(金)13:30~15:00 | お話会、DVDをみながら呼吸筋ストレッチ体操 | グリーンルーム(あおぞらビル3F会議室) | ー |
第73回 | 2023年3/10(金)13:30~15:00 | 薬について | グリーンルーム(あおぞらビル3F会議室) | ファルマプラン 薬剤師 |
※新型コロナウイルスの感染状況をふまえて変更になることがあります。
過去の楽らく呼吸会の取り組みについてはこちらをご覧下さい。
お問い合わせはこちら→ TEL.06-6475-8885(あおぞら財団 谷内・鎗山)