あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » 地域づくり

第25回道路連絡会が行われました(3/23)

3月23日(水)に第25回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会が行われました。西淀川大気汚染訴訟の和解条項に基づいて年に1回行われており、あおぞら財団は原告団のサポートをしています。今年もコロナ禍が続いているということで、国土交通省近畿地方整備局とグリーンルーム(あおぞらビル3階会議室)をオンラインで繋いで開催しました。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
第25回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会
日 時:2022年3月23日(水) 午後2時~午後4時
場 所:国土交通省近畿地方整備局会議室、グリーンルーム(あおぞらビル3F)をzoomで繋いで開催
出席者:国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、阪神高速道路(株)、原告団、弁護団、あおぞら財団
参加者数:約30人(国土交通省・阪神高速:7人、原告側・弁護団:20人)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に、原告団を代表して患者会の会長の森脇さんから「連絡会も25回目で意見交換を重ね、西淀川の環境が少しずつ再生してきている。大気汚染公害で病気になる人がいない環境を作りたい」と挨拶しました。

西淀川公害患者と家族の会 会長 森脇君雄さん

森脇会長のあいさつ

 

続いて、公害患者さんのお一人である岡崎久女さんから、被害の訴えがありました。西淀川に嫁いできて、母子ともにぜん息に苦しんだこと、自分には間に合わなくても子や孫たちのためにきれいな空気にしたい、公害のない街をつくるのは大人の責任だということを語りました。それを受けて、国交省近畿地方整備局の平井計画調整課長からは「思いがひしひしと伝わってきた」、阪神高速道路の中環境室室長からは「患者・地域の方々と話せる貴重な場である。原点を忘れずに取り組みたい」との答えがありました。

被害の訴えをする公害患者の岡崎久女さん

被害の訴えをする岡崎久女さん

 

その後、西淀川の大気の状況、交通量、環境ロードプライシングに関する広報およびアンケート調査結果、自転車通行空間の整備などについて報告、意見交換をしました。

新たな成果として、大気常時測定局に下記のようなPR看板が設置されました。この看板は、何のために大気を測定しているのか、どのような道路環境対策を行っているのかを伝えるもので、最終的には4カ所の大気常時観測局に看板が設置されます。1月末に阪神高速道路が管理する大和田局において設置されています。

220323road_handout_3_page-0002

また、二酸化窒素の削減目標については、環境基準の下限値である0.04ppm以下をめざすことを再度確認しました。二酸化窒素の環境基準上限値である0.06ppmを目安に、自動車NOx・PM法の指定地域解除の動きがあることを危惧してのことです(関連:NOx・PM法の指定地域解除等に関するあおぞら財団からのパブリックコメント)。

また、国道2号の自転車通行空間の整備(矢羽根路面標示の設置)について警察との協議が始まったこと、環境ロードプライシング利用促進に向けた利用実態調査について報告がありました。
今後、大気汚染改善だけでなく、脱炭素社会の実現に向けて、道路環境が改善されることを望みます。

西淀川道路連絡会とは…

西淀川道路連絡会は、大阪・西淀川公害裁判の和解条項に基づいて設置されたものです。公害被害者が,道路環境対策について道路政策決定者に直接意見を述べることができるという意味で,道路公害訴訟に集団で取り組んだ原告団と弁護団が勝ち取った特別な機会です。この連絡会の議論に基づいて、西淀川内にはPM2.5の測定局が全国に先駆けて設置されたり、大型車を国道43号から阪神高速湾岸線に誘導する「環境ロードプライシング」などの施策が実施されています。

(詳しくはこちら→西淀川道路環境対策連絡会/道路検討会

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,地域づくり,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2022年4月20日3:31 PM

「御堂筋サイクルピクニック」土木学会関西支部・地域活動賞授賞式(4/15)

2022年4月15日、御堂筋サイクルピクニック(あおぞら財団が事務局)の土木学会関西支部による地域活動賞授賞式がおこなわれました。

コロナ禍ということで、参加人数を制限される中、厳かに新田保次代表が表彰楯を受けとりました。
277813016_5176419655730688_3621083318482550260_n

2011年からスタートした同活動も10年が経ち、これまでに参加・協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。

277817211_5176419692397351_8773512688664582572_n

これを励みに、「ちゃんと走ろう!」「もっと自転車レーンを!」のアピールをこれからも続けていきたいと思います。
また、一緒に走りましょう〜

https://cyclepicnic.wordpress.com/2022/02/10/news-44/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,地域づくり,自転車まちづくり — aozorafoundation 公開日 2022年4月19日7:52 PM

【タンデム】タンデムの魅力をラジオで発信。ユーチューブで公開

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。
昨年5月に当会事務局長・藤江がゲスト出演させていただいた「竹田と山口のときどき役立ちラジオ(JBS日本福祉放送)第41回」がYoutubeにアップされて、聴けるようになりました。

タンデムの魅力について、たくさん語っています。
ぜひ、どうぞ~
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
見えなくても乗れる!
https://youtu.be/mRdbwPD7dLo

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。
タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車 — aozorafoundation 公開日 2:27 PM

タンデム自転車 全国駆ける/読売新聞夕刊に掲載(2022年4月6日)

※「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の記事の転載です。
読売新聞(4月6日)のSDGsのコーナーで、タンデム自転車を取り上げていただきました。大阪でタンデム自転車を楽しむ会も取材協力しました。

〜しんどさは半分に、楽しさは倍に〜。そんなタンデム自転車の魅力を一人でも多くの人に知っていただきたいです。

※あおぞら財団は「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の事務局です。
タンデム自転車のレンタルをおこなっています。詳しくは下記連絡先まで。
大阪でタンデム自転車を楽しむ会
【HP】http://www.tandem-osaka.com/
【FB】http://www.facebook.com/osaka.tandem
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階(あおぞら財団内)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,タンデム自転車 — aozorafoundation 公開日 2022年4月8日2:16 PM

「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(答申)案」に関してパブリックコメントを提出

「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(答申)案」に対して、パブリックコメントを提出しました。

この答申は、自動車NOx・PM法の指定地域解除に関して出されている答申です。

みなさんは自動車NOx・PM法をご存知でしょうか?

自動車、特にディーゼルトラックからは、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(PM)が排出されています。自動車NOx・PM法では、指定地域においてNOxやPMの総量を削減することを目的に、排出基準や車種規制を定められた法律です。東京を中心とする首都圏、大阪府・兵庫県、愛知県・三重県が指定地域になっています。

今回の答申では、大気汚染が改善傾向にあること、電気自動車(EV)などの普及が進んでいることを理由として、環境省が都府県からの申請を受けて個別に審査し、解除を決定するというものです。ニュースでは、愛知県・三重県から指定解除の要望が出ているとのことです。

この答申に対して、あおぞら財団からは、下記のパブリックコメントを提出しました。


「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(答申)案」に関する意見募集の概要

1.意見募集対象 「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(答申)案」

2.意見募集期間 2022年2月10日~2022年3月10日

3.意見募集機関 環境省水・大気環境局大気環境課

意見書

2022年3月10日

あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター) 研究員 谷内 久美子

1.指定地域解除の際には、国民の声を聞くべき

日本国内には、公害健康被害補償法の被認定者数が約3万人いる他、未認定の患者、小児ぜん息の患者など、大気汚染により多数の方が健康被害を受けている。「都道府県は対策地域の要件に該当しなくなったと認められる場合には、地域を定める政令の改廃の立案について、環境大臣に申し出ることができることとされている(答申骨子 p14)」とのことだが、現状では健康被害を受けている人々やその家族、被害を受ける可能性がある人々の声を聞く仕組みになっていない。都道府県が指定地域解除を申し出る際には、該当地域の人々の声を反映できるような仕組みを作ってほしい。

2.車種規制不適合車の流入の可能性が高いのではないか

対象地域外においては、普通貨物車の74.1%、バス81.9%、ディーゼル乗用車の77%が車種規制適合車となっている(答申骨子p4)ことから、いまだに指定地域外では、2〜3割の貨物車、バス、ディーゼル乗用車は不適合車であるといえる。指定地域を解除することにより、それらの不適合車の流入が増え、大気の状況が悪化する可能性が高く、いずれの地域においても指定地域の解除は時期尚早といえるのではないか。
また、答申骨子p6には次世代自動車普及について書かれているが、現在電動化が進んでいるのは、普通自動車が中心であり、大気汚染への影響が大きい大型トラックの電動車の普及は進んでおらず、これを根拠に指定解除の動きを進めるのは問題があるのではないか。
2022年3月には、日野自動車によるディーゼルエンジンの排出ガス試験と燃費性能試験における改ざんが発覚したばかり(報道では、対象車両は日野ブランドだけで11万5526台)であり、環境適応車両への移行が適正に行われているのか?疑問が残る。

3.NO2の環境基準の達成は下限値でみるべき

対象地域におけるNO2の環境基準の達成状況を評価しているが(p10)、ここでは環境基準の上限値を基準としている。NO2の環境基準は、1978年に旧基準の「1時間値の1日平均値0.02ppm以下」から「1時間値の1日平均値0.04~0.06ppmのゾーン内またはそれ以下」と大幅に緩和されたという経緯があり、0.06ppmではなく0.04ppmを基準として判断すべきではないか。
西淀川大気汚染訴訟の和解条項に基づいて、国土交通省、阪神高速道路株式会社、原告団との間で実施されている西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会においても、NO2は0.04ppmを目指すことを共通の課題として確認している。そのうえで、大型車の走行台数を削減するために、環境ロードプライシングをはじめ様々な交通対策を実施している。国が上限値0.06ppmのみを基準値として用いることは、上記の西淀川道路連絡会の取り組みをはじめ、それぞれの地域で取り組んでいる内容との齟齬を生じることになりかねない。
また、WHOは2021年9月に大気汚染の基準を1時間値の1日平均値換算で0.012ppmと厳格化している。p14には「健康影響についての科学的知見の集積に関する国際的な動向も注視する必要がある」と書かれており、0.06ppmの環境基準値を用いることは、世界の動きと反しているといえるのではないか。

4.PM2.5も対象とするべき

自動車排出ガス総合対策において、PM2.5やオキシダントも評価対象にすべきではないか。PM2.5は粒子の大きさが非常に小さいことから、肺の奥まで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患への影響のほか、 肺がんのリスクの上昇や循環器系への影響も懸念されている。PM2.5はディーゼル車及び筒内直接噴射ガソリンエンジン搭載車への PN 規制の導入なども進んでいるが、多くの地域で未だ安定して環境基準を達成しているといえる状況ではない。

5.気候変動対策との矛盾

災害の深刻化、増加など気候変動の影響は大きくなりつつある。気候変動に伴う変化は、不可逆的であり、人類の生命・生活に大きな影響を与えると考えられる。こうした中、2021年6月に策定された「グリーン成長戦略」などが日本でも策定されている。大気汚染物質を減らすことは温室効果ガスを減らすことと繋がっており、こうした中で大気汚染物質が増える懸念がある指定地域の解除は気候変動対策と矛盾していると言わざるを得ない。日本が先進国として気候変動対策を推し進めるためにも、大気汚染対策を緩和せずに厳格化を続ける必要がある。

 

あおぞら財団の過去のパブリックコメント・意見一覧

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,地域づくり — aozorafoundation 公開日 2022年3月10日11:10 AM
« 次のページ前のページ »