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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

中国からの視察を受け入れました。

2011年10月26日、中国から来られた、環境汚染健康損害賠償制度構築推進プロジェクト(JICA)の9名の方を受け入れました。行政に関わる仕事をされている方ばかりですが、今回は西淀川公害訴訟の被害者の立場を知ろうとやって来られました。

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ということで今回の資料は中国語です。

まず西淀川公害訴訟とあおぞら財団を紹介する映像を見てもらい、西淀川の道路状況の話とあおぞら財団の概要を、林さんが伝えます。

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中国ではエコドライブ(ゆっくり発進・アクセルで燃費がよい)をしていますか、と尋ねたところ反応は微妙な感じ。でも、二人乗りが可能のタンデム自転車には大きな反応が。中国では地域によって走行できるかどうかは違うみたいですが、みなさん興味があるようす。

そしてあおぞら財団の理事・森脇君雄さんのお話。
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みなさん、かなり真剣な表情でお話しを聞いていました。

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森脇さんが若い頃、ぜん息患者である3人の子どもたちに出会ったことがきかっけで、一生涯かけて公害に取り組もうと誓ったのだと話してくださいました。森脇さんは気管支ぜん息を患っておられますが、そのときの苦しさは、水のはいった洗面器に顔を押さえつけられて、息苦しくなって顔をあげた瞬間また押さえつけられたときぐらいの息苦しさだと表現されました。

また、大気中のNo2濃度を測定できるカプセルを一人ひとつプレゼント。みなさん真剣にカプセルを観察して、森脇さんの説明に興味津々。使い方もそんなに難しくなく、市民の環境意識を高めるにはぴったりの道具です。
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中国で測定したらどんな結果になるのでしょうか。気になるところです。

そして、これから取り組んでいくこととして、トラックなどの大型車を減らすこと。ちゃんと数値を測って健康との関連や予防・対策を立てること、という話に、しっかりうなずいていました。

質疑応答も盛り上がりました。
そのうちのひとつに、訴訟が終わったのにぜん息患者が増えているのはなぜか?という質問がありました。それはぜん息を誘発する物質を含む排気ガスが道路も交通量も多い西淀川で充満しているから。もちろんタバコや花粉・ダニなどが原因の可能性もありますが、大きな原因として排気ガスが考えられます。

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また、あおぞら財団は国とどういう関係でいるのか、国から運営資金をもらっているのかという質問に対して、国から運営資金などはもらっておらず、民間で成り立っていること。いろんな人と関わり・つながることができるので、コーディネーターの役割を果たしているということを伝えました。

それに対して最後の感想で、環境保全活動は経済や行政・市民・企業と両立させようとするとなかなか矛盾が生まれてしまう。けれど、いま中国では環分野のNGOが力をつけてきています。またコーディネートする力は中国でも大きな役割を果たすはずだから、そういう立場も必要だとおっしゃられました。

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大阪・西淀川の公害被害者と中国の行政に関わる人たち。
今回、いろんな立場からの意見を聞くことは大切なことだと改めて実感しました。
今後どちらにも良い変化が訪れたら、と思います。

インターン生 井本晶子(京都精華大学3回)

司法修習生、西淀川フィールドワーク受入れました(10/25)

司法修習生、西淀川フィールドワーク受入れました(10/25)
日 時=10月25日(火)13:00~17:00
参加者=司法修習生11人、引率弁護士2人
司法修習生11人の西淀川フィールドワークの受入れをおこないました。阪神「出来島」駅に集合し、約1時間半、区内を歩きました。
国道43号、出来島小学校
千北診療所
あおぞら苑(デイサービス施設)
大野が和緑陰道路
あおぞら財団
その後、公害患者の永野千代子さん(西淀川公害患者と家族の会事務局長)のお話を聞き、ビデオ視聴、あおぞら財団活動の紹介、森脇君雄理事のお話と進みました。
永野さんからは、「弱者の立場にたった弁護士になってください」というメッセージがありました。
森脇さんは、参加者からの質問に答えるという形で、企業との和解の過程やまちづくりへの想いを話ました。
そして、参加者が感想を一言ずつのべました。一部ご紹介します。
・公害が現在進行形の問題だと感じた。
・被害者に突き動かされて、弁護士が動いたというのがよくわかった。
・西淀川公害裁判は、未来志向の解決がなされているのが、印象的。
・「弁護士は当事者から学ぶ」ということが実感できた。
・判決が下りても終わりではないと思った。
プログラム終了後、あおぞらビル5Fの西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)を見学しました。西淀川公害裁判の資料などをみなで見ました。
記・鎗山

日 時=10月25日(火)13:00~17:00

参加者=司法修習生11人、引率弁護士2人

司法修習生11人の西淀川フィールドワークの受入れをおこないました。阪神「出来島」駅に集合し、約1時間半、区内を歩きました。

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国道43号、出来島小学校

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千北診療所

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あおぞら苑(デイサービス施設)

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大野川緑陰道路

その後、あおぞら財団に戻ってきて、公害患者の永野千代子さん(西淀川公害患者と家族の会事務局長)のお話を聞き、ビデオ視聴、あおぞら財団活動の紹介、森脇君雄理事のお話と進みました。

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永野さんからは、「弱者の立場にたった弁護士になってください」というメッセージがありました。

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森脇さんは、参加者からの質問に答えるという形で、企業との和解の過程やまちづくりへの想いを話ました。

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そして、参加者が感想を一言ずつのべました。一部ご紹介します。

・公害が現在進行形の問題だと感じた。

・被害者に突き動かされて、弁護士が動いたというのがよくわかった。

・西淀川公害裁判は、未来志向の解決がなされているのが、印象的。

・「弁護士は当事者から学ぶ」ということが実感できた。

・判決が下りても終わりではないと思った。

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プログラム終了後、あおぞらビル5Fの西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)を見学しました。西淀川公害裁判の資料などをみなで見ました。

今日は、出来島駅で集合した時、いつも以上に臭いが気になりました。風向きのせいかもしれません。車の騒音、臭い、空気の汚れなど、体で感じること。お話を聞いて、心で感じること。参加者のみなさんの感想を聞いていて、現地に立ち、自分で感じることの大切さをあらためて思いました。

記・鎗山

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2011年10月25日8:36 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.22

イ病の経験を伝える
-県立イタイイタイ病資料館、来春開館-
(資料館だよりNo.38、2011/10)
紹介資料:『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5)、『富山県立イタイイタイ病資料館(仮称)概要』

2009年の第1回スタディツアーでは、イタイイタイ病(イ病)の地・富山を訪れました。被害者団体(イタイイタイ病対策協議会=イ対協)、医師、弁護団、マスコミ、行政、被害者家族、企業、農家など、さまざまな立場から「イ病の今」に取り組んでおられる方々のお話を聞き、現地を歩き、私たち参加者はイ病の過去・現在のすがたを知り、その未来のために何が出来るのかを、真剣に話し合いました。
富山では来春、「県立イタイイタイ病資料館」の開館が予定されています。『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5、写真下)によると、イ対協など運動団体の活動拠点である清流会館(1976年設立)には、調査の結果、約2,000点の資料が保管されていることが分かり、これらは全て資料館に提供されるそうです。

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また、語り部や解説ボランティアの養成にも取り組まれるとのことです。県が作成した資料館概要(写真下)によると、「子どもから大人まで幅広い年代や外国の人たちに、イタイイタイ病の恐ろしさや克服の歴史を時間の流れに沿ってしっかり伝え、その教訓を未来につなぐ展示」を目指すとのことです。イ病の記憶、公害の経験を伝える場が、新たに生まれます。

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☆資料館だよりNo.38はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2011年10月21日2:43 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.21

あおぞら願って、花を一輪
-「被告企業との和解による解決確認式」・「ひまわり行動(全面解決)」ブローチ-

今回は、ちいさなお花のブローチを2点、紹介します。
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上の写真は、「被告企業との和解による解決確認式」のブローチです(和田美頭子氏資料No.11)。

西淀川公害裁判は、’95(平成7)年3月2日に被告企業との和解を実現しました。
その日、「被告企業との和解による解決確認式」が行われ、参加した原告団・弁護団・支援者ら130名に、参加証としてこのブローチが配られました。
和解内容は、企業は解決金39億9千万円を支払い、そのうち15億円を患者の生活環境や地域再生に活用すること、また公害防止対策を努力することなど、画期的なものでした。

そしてその3年後、’98(平成10)年7月29日、裁判は国・阪神高速道路公団との和解をもって、全面解決を果たしました。国・公団は自動車排ガスによる健康影響を認め、西淀川区における沿道環境を改善すること、また、環境施策を実施するために「西淀川道路連絡会」を設置し、被害者(原告団)と継続的に協議することに合意しました。

下の写真は、その日行われた「ひまわり行動」で参加者が胸につけたブローチです(眞鍋正一弁護士資料No.1563)。
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ブローチをつけ、デモ行進 ブローチをつけ、デモ行進 

ひまわり行動では、淀屋橋での全面解決街頭報告、原告団・弁護団・支援者ら400人が参加しての和解法廷前集会を経て、代表120人が法廷での和解式に臨みました。その後、記者会見をはさんで、道路政策提言発表会、和解報告集会と続き、多くの人たちが喜びを分かち合い、あおぞらを取り戻すためのこれからの運動への決意を誓い合い、全国へ、世界へ発信しました。

これらのブローチは、患者会や原告団の女性たちがひとつずつ手作りしたものです。
一輪一輪に込められた、あおぞらへの大きな願いを伝える資料です。
 
(お知らせ)これからは、『資料館だより』掲載分とは別に、blog にのみ掲載のblog版「もりもとまきのアーキビストの目」を不定期に掲載します。よろしくお願いします。
 
(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)
Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:39 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.20

弁護団、一丸となるために
-西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース-
(資料館だより37号、2011/07)
紹介資料:『西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース 第1号』(1985/09/20、眞鍋正一弁護士資料No.1361)

今回は、『西淀川公害訴訟弁護団事務局ニュース 第1号』(1985/09/20、眞鍋正一弁護士資料No.1361)を紹介します。
西淀川公害訴訟は、6つの争点(気象・疫学・関連共同性・被害・道路・歴史)について議論が進められました。弁護団は争点別に6つの班を組織して、20年間の裁判に取り組みました。6つの班が一丸となるためには、各班相互の連絡体制が欠かせません。その中心的な役割を担ったのが弁護団事務局でした。

欠かせない意思疎通、情報共有 欠かせない意思疎通、情報共有 

第1号では、各班の状況をすべての弁護団員が把握できるよう、三役(団長・副団長・事務局長)と事務局が持ち回りで各班の会議にオブザーバーとして参加すること、各班に事務局との連絡係を置くこと、各班からの連絡事項や進行状況を伝えるため事務局ニュースを発行することなどが記載されています。
ニュースは時に連日発行され、現在までに約260点の現物が確認されています(1985~2001、眞鍋正一弁護士資料内)。事務局はまた、会計、裁判所との交渉、書類の管理、他団体との連絡など、多くの事務的実務も担い、その状況も伝えられています。弁護団がどんな体制で長い裁判に挑んだのかを伝える資料です。

☆資料館だより37号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:37 PM
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