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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

倉敷で公害裁判資料整理すすんでいます

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2012年3月17日(日)
倉敷・水島の公害裁判の資料整理が順調に進んでいます。
目録を作成してくれている森さんと、
みずしま財団の白神さんと藤原さんと一緒に、
目録の入力方法についてミニ研修会を行いました。
「こんなに細かく取るの????」と最初は驚かれてしまうのですが、
慣れてくると、「やっぱり細かくないと、どんな資料かわからないね」と納得。
今回は、みずしま財団のメンバーが一緒だったので、
「この写真をパネルに使いたいね」とか
「こんなところに証言があったんや」
とか、資料の驚きや面白さが伝わったみたいです。
公害の語り部がどんどん少なくなっている今日、
公害の事を伝えてくれる役割を、資料がになう比率が高くなる日がくるでしょう。
その日に備えて、整理して、活用できるようにしていきたいです。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2012年3月26日11:41 AM

もりもとまきのアーキビストの目 No.25

小さな街の、大きな被害
-西淀川と阪神・淡路大震災-

紹介資料:『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』(「西淀川の震災展」を成功させる実行委員会、1997年) 

ecomuse

1995(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、西淀川にも大きな被害をもたらしました。

しかし西淀川の被害の存在は、神戸市や阪神間の壊滅的な被害に隠れ、マスコミにも取り上げられることはなく、忘れられた被災地、救援のエアポケットとなり、1月25日にようやく大阪市に災害復旧本部が設置されるなど、行政の対応も立ち遅れました。

そこで、地域住民やあおぞら財団、労働組合などが協力して、区内での被災状況や震災体験、救援の活動などを記録し、これからのまちづくりを考えるために、2年後の’97年1月17~19日の3日間、「西淀川の震災展」を開きました。冊子『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』(「西淀川の震災展」を成功させる実行委員会、1997年)は、その内容をまとめたものです。数々の写真や震災体験の証言が掲載されており、西淀川の被害の大きさに驚かされます。

阪神・淡路大震災から17年が経ち、そして東日本大震災から1年。あの日を思い返す時、同時に、「自分にはまだ知らないことがある」と自覚することの大切さを教えられる一冊です。

『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』は、エコミューズで閲覧可能です。また、1冊300円(税込)で販売しています。

さらに、震災展のようすの写真やコラムが、西淀川公害患者と家族の会創立40周年記念写真集『公害と闘い環境再生の夢を』30頁に掲載されています。ネット上でも閲覧できます(コチラ)。併せてご覧ください。

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2012年3月16日4:03 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.24

「全国公害患者の会連合会」の結成
-全国の仲間と一丸になって-

紹介資料:全国公害患者の会連合会代議員証(西淀川公害患者と家族の会資料、No.4375)

 1981(昭和56)年5月17日、「全国公害患者の会連合会」(以下「連合会」)の結成大会が、大阪市立西九条小学校で開かれました。西淀川公害患者と家族の会からは代議員として12名が参加しました。今回紹介する資料は、その際の「代議員証」です(西淀川公害患者と家族の会資料、No.4375、約18cm×13cm)。

西淀川公害患者と家族の会No.4375

連合会の前身は、1973(昭和48)年11月23日に発足した「全国公害患者の会連絡会」(以下「連絡会」)です。連絡会は、同年10月に成立し、翌年9月に実施されることになった「公害健康被害補償法」の政令の作成に対して、患者たちの要求を交渉・請願するために結成され、「公害健康被害補償法にもとづく政令制定にあたっての請願」を提出するなど(1973/12/10)、補償法の内容の改善に取り組みました。その後、財界による「まき返し」(公害指定地域の解除・窒素酸化物の環境基準緩和の要求)が活発化すると、それに反対する運動に奮闘しました。連絡会は、各地の公害患者相互の理解を深めながら、団結し、全国的な公害反対運動を展開したのです。

しかし、財界によるまき返しはますます強まり、連絡会は、反対運動をより一層推し進めるため、会を「全国公害患者の会連合会」に発展させました。連合会は、独自の財政と規約を持ち、全国の患者会代表による執行体制を整え、専従の事務局長を置くなど、組織の強化が図られました。連合会はその後より一層、公害反対・被害者救済の全国的運動の中心的役割を担っていきます。

結成大会のようすの写真、また、連合会結成の経緯についてのコラムが、西淀川公害患者と家族の会創立40周年記念写真集『公害と闘い環境再生の夢を』14頁に掲載されています。ネット上でも閲覧できます(コチラ)。併せてご覧ください。

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2012年3月9日2:56 PM

佃西小学校5年生 公害語り部授業

2012年3月6日(火)
5時間目(2組)と6時間目(1組)に公害の語り部の授業に行ってきました。
語り部は永野千代子さんと岡崎久女さん。
お二人とも、「小学校での語り部は久しぶりやなぁ。何しゃべったらいいんやろう???」って緊張をしていました。
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お二人のお名前がみんな読めるかな??ということを聞いて、
大いに盛り上がりました。
永野さんの名前は読めるけど、岡崎さんの「久女(くめ)」はなかなか読めません。
「久女」は何と読むか?ということが、思わずアイスブレークの役割を果たしてくれたのでした。

永野さんと岡崎さんには
「40年前の西淀川の空はどんな空だったのか?」
「公害病ってどんな症状があるのか」
「公害反対運動(裁判)について」
をお話ししてもらいました。
少しでも、お二人の負担を軽くして、子供たちにわかりやすくするために、
ところどころ、不足分を補ったり、質問をしたり、お手伝いをしました。

2組では「質問は?」と聞いたところ、なかなか質問が出なかったので
班で考えてもらったり、
1組では一人一人が質問を考えてくれたり、患者さんとのやり取りができました。
「匂いはどうだった?」
「公害に対して、どんな対策をしましたか?」(←すごい大人の質問!)
「公害病になって、いやだったことは?」
「西淀川の未来へ伝えたいことは?」
「公害病になってから、どれだけ病院に通いましたか?」
質問のやり取りしている中で、どんどん患者さんが元気になっていることを感じていました。
「小学生とのやりとり楽しいわぁ」というのがお二人の感想でした。

午前中の授業でビデオを見てくれていたので、西淀川公害については知ってくれていましたが、
いまは空気がきれいに見える西淀川では、ちょっと現実味がなかったかもしれませんね。
そんな中に、公害患者のお二人が表れて、自分と身近なことって思ってもらえたのかもしれません。

できるだけ、小学校で伝える機会を作ってあげたい・・・と決意を新たにした授業でした。(林)

環境省職員研修受入【2日目午後】

■2日目午後のプログラム
・森脇君雄理事(西淀川公害患者と家族の会会長)からの公害反対運動のお話
・研修まとめ
・研修発表、感想わかちあい

まずは、西淀川区のみならず全国の公害被害者の運動をけん引してきた森脇君雄理事からのお話です。

2午後森脇

森脇さんからは、7m先がスモッグで見えなかったり、汚れた大野川の様子など、公害がひどかったといった当時の西淀川の話、千北診療所をつくった当時の苦労話、この運動に生涯をかけることを決心するきっかけになった公害病で亡くなった子ども(若者)たちの話などがありました。

2日目午後参加者

参加者からは次のような質問がでました。

(参加者)どうして西淀川は他地域と比べ原告になった数が多いのか。
(森脇)公害病認定の受付を担当しており、来た人に原告になることをすすめた。

(参加者)活動の中心メンバーはどれくらいいたのか。
(森脇)全国では、6-7人のメンバーがいた。公害健康被害補償法をつくるときに当時の環境庁に各地の被害者のリーダーが呼ばれた。そこではじめて全国各地の活動を知り、つながることができた。

(参加者)仕事は何をしていたのか。
(森脇)この運動の事務局。その前は、タクシー運転手、教習所の教官、パン屋などいろいろしていた。

(参加者)リオの地球サミットでは、日本の首相スピーチの前に、被害のアピールをしたことを読んだ。どんな状況だったのか。
(森脇)首相が公害を乗り越えたという話をする予定だったので、被害者の代表として公害は終わっていないということを世界にアピールした。

(小平)

最後は、研修で学んだ事を話し合い、西淀川への提案を考えてもらいます。
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①研修の感想
②西淀川への提案
③自分の仕事に生かせそうな事はなんですか?
とこの2つを考えて、グループごとに共有してもらいました。
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最後に患者さんとあおぞら財団の職員を招いた発表会を行いました。
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感想として「人に圧倒された」という言葉が出てきました。
熱く語る人が多く、周りの人を巻き込んでいく様子に圧倒されたようです。
また、西淀川高校での環境教育に触れて、「環境の仕事を引き継いでくれる人が育っている」と感じたり、
歌島橋交差点を通って「ノドがゴロゴロする」と、現地を見る大切さを知ったとのこと。
また、和解後の国交省が行った環境対策を見て、「ハードよりソフトの対策の大切さ」を知ったと語ってくれました。
もっと、西淀川でやっている事を知ってもらった方がいい!マスコミへのアピールをもっと!という提案も頂きました。
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また、他のチームでは「環境の仕事の原点を確認できた」という言葉が出てきました。
「誰の為の仕事かを意識しながら仕事をしていきたい」とのこと。
「一番のインパクトは患者の声を聞く事が出来た事。インターネットで見ていた事が実感できた。資料だけではわからない。現地に来て心に入っていった」と嬉しい一言も。
事前に、環境再生保全機構の「記録で見る大気汚染と裁判」を読んで予習をしてくれていたけれど、現地に来ないとわからない事が多い事を実感してくれたようです。
あおぞら苑での塚口さんに「環境省の職員に言いたいことは?」と尋ねたところ、「青空がほしい」と即答された事が心を打ったとのこと。
「公害問題が過去の出来事ではない」と知ってもらえたようです。
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この研修が、参加者の皆さんのお仕事をされている中で、困難な場面に立った時にふっと戻っていけるようなモノになっていればいいなぁと思います。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2012年2月23日12:41 PM
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