エコミューズ活動報告書第9号が完成しました!PDFはこちら
活動報告書には2023年に行った活動や寄贈していただいた資料の一覧などを掲載しております。
【バックナンバー】
こちらのリンクから、第1号から第9号すべての活動報告書をご覧いただけます。お時間がある際にぜひご覧ください(o^―^o)ニコ
(スタッフ大島)
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(スタッフ大島)
7月22日(月)に、西淀川・公害と環境資料館エコミューズでは、対面・オンラインを活用して定例会議と資料勉強会を行いました。
今回の勉強会では、戦前・戦中から高度経済成長期までの期間に撮影された写真と、1980年に行われた公害の聞き取り調査に関する資料について、小田館長にお話しいただき勉強しました。当時の写真を見てみると、工業化が進む中で、地盤沈下の被害や黒々とした大量の煙を見ることができ、公害の被害をより具体的に感じることができました。また、聞き取り調査の資料では、当時の方の経験に基づいた語りを残す資料として貴重なものであり、読み進めるなかで公害が市民に与えた被害の重大さを感じました。(スタッフ大島)
2024年度の西淀川区内の二酸化窒素の自主測定結果の報告です。
あおぞら財団では、年に2回、西淀川区内で二酸化窒素(NO2)の自主測定をしています。この自主測定は、大阪から公害をなくす会が主体として大阪府下で行っている調査に協力する形で行っています。
西淀川区はかつて公害の街と呼ばれ、長期間にわたって大気汚染物質濃度が高く、甚大な健康被害をもたらしました。累計7,000人を超える方が公害病として認定されています。西淀区内には環境省や国交省が測定している測定局がありますが、そういった場所以外の大気汚染がどうなっているのかを把握するために、独自で測定を続けています。
西淀川区では、道路沿道環境の大気汚染を改善するために、道路管理者と公害患者が共に話し合う場として西淀川道路連絡会を開催しています。この連絡会は、公害裁判において、原告(公害患者)・国・旧公団(現・高速道路会社)との間で交わされた和解条項に基づいて設置されたものです。今までにPM2.5の測定の早期開始、国道43号沿道の環境対策、環境ロードプライシング等の様々な対策を行っています。NO2の自主測定はこれらの対策の成果の評価ともいえます。
■測定概要
測定方法:大気中のNO2濃度を測定できる「天谷式カプセル」を用います。24時間暴露したカプセルにザルツマン試薬を入れ、NO2を化学反応、発色させ比色分析により濃度を測ります。
測定場所:西淀川区内 5か所
■測定日:
2018年度 | 6月7日(木)17時~8日(金)17時 |
12月6日(木)18時~7日(金)18時 | |
2019年度 | 6月6日(木)17時~7日(金)17時 |
12月5日(木)17時~6日(金)17時 | |
2020年度 | 6月4日(木)17時~5日(金)17時 |
12月2日(木)17時~3日(金)17時 | |
2021年度 | 5月20日(木)17時~21日(金)17時* |
12月4日(木)17時~5日(金)17時 | |
2022年度 | 6月17日(木)17時~18日(金)17時 |
12月1日(木)17時~2日(金)17時 | |
2023年度 | 6月1日(木)17時~2日(金)17時 |
12月7日(木)17時~8日(金)17時 | |
2024年度 | 6月6日(木)17時~7日(金)17時 |
*ソラダス2021にて測定
■測定結果
単位(ppm) | 2018年6月 | 2018年12月 | 2019年6月 | 2019年12月 | 2020年6月 | 2020年12月 | 2021年6月 | 2021年12月 | 2022年6月 | 2022年12月 | 2023年6月 | 2023年12月 | 2024年6月 | |
1 | 出来島小学校(国道43号) | 0.043 | 0.040 | 0.053 | 0.021 | 0.036 | ― | 0.024 | 0.033 | 0.033 | 0.020 | 0.025 | 0.035 | 0.019 |
2 | 大和田交差点(国道43号) | 0.056 | 0.050 | 0.066 | 0.029 | 0.035 | 0.036 | 0.036 | 0.036 | 0.046 | 0.027 | 0.063 | 0.044 | 0.035 |
3 | 歌島橋交差点(国道2号) | 0.049 | 0.034 | 0.050 | 0.021 | 0.030 | 0.023 | 0.177 | 0.026 | 0.034 | 0.018 | 0.037 | 0.036 | 0.018 |
4 | あおぞらビル前(国道2号) | 0.040 | 0.031 | 0.046 | 0.017 | 0.030 | 0.023 | 0.177 | 0.033 | 0.026 | 0.021 | 0.053 | ― | 0.022 |
5 | 緑陰道路(エルモ前) | 0.031 | 0.021 | 0.030 | 0.009 | 0.012 | 0.010 | ― | 0.022 | 0.016 | 0.009 | 0.024 | 0.027 | 0.008 |
西淀川区内の二酸化窒素の自主測定結果
2024年度6月測定分について、緑陰道路で計測したうちのカプセルの一つが落下してしまったため、1つのカプセルのみの計測結果です。
今まで12月より6月の方が濃度が高い傾向にありましたが、今回は全体的に前回の2023年12月のデータよりも低いという結果になり、すべてのデータが環境基準の下限値より下回っていました。なお、2023年6月の測定日は、曇り~晴れ、湿度は41~62%、風速1~3m/sでした。
今回計測した中で一番濃度が高いのは、大和田交差点で0.035 ppm。交差点の真ん中で計測しています。同じ国道43号沿いですが、出来島小は0.019ppmと低くなっていました。
自主測定は国道沿いを中心に測定しています。近年、国道43号の交通量は減少傾向にあり、2000年には8万台を超えていましたが2023年には7.2万台に、2万3千台を超えていた大型車は1万7千台ほどになっています。自主測定の結果からは、道路沿道対策の効果があるとは言いづらいですが、道路連絡会等を通して、道路沿道対策を継続して実施するよう国や阪神高速道路株式会社にはたらきかけ続けます。
国道43号の交通量の推移
なお、2021年9 月にWHO(世界保健機関)が 0.012ppm 以下という指針を示しています。2024年6月の測定でWHOの指針を下回っている箇所は緑陰道路のみで、道路沿道ではまだまだ達成できておらず、まだまだ見えない汚染が続いています。
※二酸化窒素に係る環境基準(日本):1時間値の1日平均値が0.040ppmから0.060ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
参考:大阪から公害をなくす会「ソラダス・NO2測定運動」
参考:大阪市「大気環境の状況」
参考:西淀川道路連絡会 道路沿道の環境対策を検討するために、道路管理者と公害患者が共に話し合う場です。今までにPM2.5の測定の早期開始、国道43号沿道の環境対策、環境ロードプライシング等の様々な対策を行っています。
西淀川公害訴訟の被告企業のひとつである神戸製鋼の元法務室室長で、訴訟の担当者だった山岸さん。
裁判当時の企業の取り組みや、訴訟担当者として、また今となって感じる想いを語ったインタビュー映像をyoutubeで公開しました。
【山岸 公夫さん】 1943年生まれ。西淀川公害訴訟の被告企業のひとつである神戸製鋼の元法務室室長で、訴訟の担当者だった。現在はあおぞら財団の理事を務める。
映像協力 岸本景子
解説出典:「記録で見る大気汚染と裁判」独立行政法人環境再生保全機構
制作・著作 公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
※この動画は地球環境基金の助成を受けて作成しています。
●インタビューの全容(テキスト)は下記のサイトからダウンロードして読むことができます。
▼外部サイト(ストアーズ)
オーラルヒストリー「企業の側からみた西淀川公害」山岸 公夫さん(元神戸製鋼)
7月12日に、楽らく呼吸会を行いました。
今回はびわこリハビリテーション専門職大学の千住秀明先生を講師にお招きして、COPDなど呼吸器疾患との付き合い方、呼吸筋ストレッチについてお話をお聞きました。
参加者は全部で12人(スタッフ2人、講師1人)
大気汚染などの公害や喫煙などにより、呼吸器疾患の患者数が増えています。薬療法だけでなく、治療の初期の段階から呼吸リハビリテーションをやったほうが良いと千住先生がおっしゃいました。
血液酸素の不足により、運動が苦しくなり、動かなくなります。運動不足によりさらに血液酸素が足りなくなり息苦しさが増します。こういう悪循環を防ぐために、まず呼吸筋を鍛えます!それが呼吸筋ストレッチです。
始まる前に、皆さんの血液酸素を測ります。
健康の司令塔である肺の重要性について説明がされました。
呼吸に使われる筋肉を鍛えるためのストレッチ体操を教わりました。
体操が終わったあと、千住先生が呼吸筋を伸ばすマッサージをしてくれて大人気でした。
公害患者である須恵さんは、毎日民謡を歌って、6,7千歩を歩いて、今年で90歳を迎えます。公害患者であっても、健康なライフスタイルで生活していけば、加齢による不自由に対抗できます。
現在日本人は、健康寿命75歳に対して平均寿命が87歳になりました。健康寿命を超えて健康的な日々を送れるように、まず呼吸リハビリテーションに取り組みましょう!
参考:千住秀明:「COPDに対する呼吸リハビリテーションの有用性 -普及と啓発活動の好機をとらえる-」、2023.01.30 週刊医学界新聞(通常号)、第3503号
(あおぞら財団アルバイト・王子常)
あおぞら財団では、ぜん息やCOPDを抱えながら苦しむ患者さん同士が日頃の病気の悩みを交流したり、勉強会で学びながら、病気と向き合っていこう、またお互いが支えあっていこうと、楽らく呼吸会を開催しています。
【日 時】2024年9月13日(金)13:30~15:00
【内 容】栄養について
【講 師】管理栄養士
【開催場所】グリーンルーム(大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号
あおぞらビル3F会議室 あおぞらビルへのアクセスはこちら)
【参加費用】 無料
【対 象】・ぜん息やCOPDなどの呼吸器疾患がある方、ご家族の方
・呼吸ケア・リハビリテーションに興味のある方
【申し込み方法】あおぞら財団(Tel 06-6475-8885、担当:谷内・鎗山)までお申し込みください。
過去の楽らく呼吸会の取り組みについてはこちらをご覧下さい。