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【ツアー報告2日目】台風10号被害の復興ボランティアに取り組む「関西×東北応援ツアー」

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宝来館前の砂浜から堤防の上まで流木を運びました

震災からの復興に向けて動き出していた釜石は今年の夏、台風10号の被害に見舞われました。ツアー2日目では特に漁業者のフィールドである浜辺の復旧ボランティア活動を中心に行いました。

ツアー2日目レポート
大阪経済大学 川上櫻子

今回私たちは大阪経済大学のゼミ合宿でこのツアーに参加しました。ツアーの二日目についてまとめました。

宝来館で朝食をとり、女将さんの岩崎昭子さんのお話を聞きました。

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宝来館の女将さんのお話

 

女将さんは震災当日、津波にのまれかけましたが、奇跡的に助かりました。
震災から6年半が経った今年の9月、台風で半島が半壊してしまい、長い年月をかけてやっと海が戻ってきたと思ったら、またダメになってしまった……地域の方たちは絶望したことと思います。
ですが女将さんは「ゴールとスタートは同じ場所にある気がするけど、螺旋階段みたいに少しずつ上に成長して進んでいっている」と前向きに仰っていました。
なぜそんなにもっともっと、と頑張れるのか?という問いには
「ここが大好きだからここを使って楽しませたいから。私の“生き方”が残ったらいい。ふるさとを思う気持ちがあるから」だと仰っていました。
津波が来たときに避難した宝来館の裏山には、シェルターを作る予定で、そのシェルターでは普段BBQやキャンプもできるように作るそうなので、また夏頃に遊びに行きたいです。

女将さんの話を聞いた後は、海岸に流木拾いに行きました。この流木は9月にきた台風で発生しました。流木拾いは9月から行われていて、この日私たちは仕上げをお手伝いしました。

重機を入れられない浜に流木が放置されていました

重機を入れられない浜に流木が放置されていました

大きい流木を取り除こうとするのですが、深く埋まっていて結構大変

大きい流木を取り除こうとするのですが、深く埋まっていて結構大変

こんな長い枝が埋まってました。やりきった!

この浜の近くで牡蠣の養殖をしている漁師さんのお話を聞きました。流木が養殖の網などを壊してしまうので清掃作業が必要だったのです

この浜の近くで牡蠣の養殖をしている漁師さんのお話を聞きました。流木が養殖の網などを壊してしまうので清掃作業が必要だったのです

昼食後はバスで移動し、山田周生さんを中心に建設中のエコハウスに行きました。

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山田さん(前列左から4人目)を囲んで。エコハウスにて。

 

このエコハウスは工事中も含み、全てバイオディーゼル燃料で動いています。

ここでは菜の花プロジェクトが行われていており、津波にのまれてしまった土地で、塩分を吸収する菜の花を植え、菜種油を搾油し、販売しています。

その後は栗林地区の公民館で、地域の方々と交流しながら夕飯を食べました。
みんなでお好み焼きを焼いたり、直接地域の方とお話ができてとても有意義な時間を過ごせました。

大阪で買ってきたお好み焼き粉を使って参加者がお好み焼きを焼きます

 

地元料理のあら汁も一緒に調理。さんつなインターンさんは料理初心者で苦戦していました

地元料理のあら汁も一緒に調理。さんつなインターンさんは料理初心者で苦戦していました

昼間に行ったボランティアの様子を学生から説明

昼間に行ったボランティアの様子を学生から説明

栗林の20代のみなさんの活動報告も伺いました

栗林の20代のみなさんの活動報告も伺いました

この時に、私は、地域の方々がどれだけ地元を愛しているかというのがとても伝わってきました。
みなさん「また来てくださいね」と目を見て行ってくださり、本当に嬉しかったです。また皆さんに会いたいです。

夜は仮設住宅で一夜を過ごしました。

私が想像していたのとは違い、ストーブや家電もあり、お風呂も綺麗でした。
ですが私の部屋はストーブがなく、寝袋で寝たので、とても寒かったです。
震災は三月に起こったので、当時被災された方々はどれだけ寒かったかと思うと、本当に心が痛くなりました。

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宿泊した仮設のボランティアセンター。この翌週には立ち退きということでした

ですが貴重な経験ができてよかったと思います。

 

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みんなで集めた流木の山です

ツアー1日目の様子はコチラ

ツアー3日目の様子はコチラ

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,東日本大震災支援 — aozorafoundation 公開日 2016年12月28日3:39 PM

【ツアー報告1日目】震災から5年、街の再建を考える「関西×東北応援ツアー」

東日本大震災以降、毎年釜石を訪れている「関西×東北応援ツアー」を2016年も開催しました。
12月2日(金)~4日(日)の3日間で、毎年参加いただいている大阪経済大学の学生さんをはじめ、西淀川で様々な活動をしている方や、関東からのご参加もありました。
ツアーの様子を大阪経済大学のみなさんが分担してレポートしてくれたので、掲載します。(栗本)

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ツアー初日レポート
大阪経済大学 小寺 悠生

私は今回初めて、東北地方岩手県に訪れました。事前学習である程度は被災地についてわかったつもりで訪れましたが、その考えは大きく覆されました。そのツアー一日目の様子をレポートします。

一日目は10時に仙台駅東口に集合し、バスにて釜石市に向いました。
途中、高速道路・前沢SAにて各自で昼食。
私は、牛タンゆず塩ラーメンをいただきました。

14時30分頃にJR釜石駅着。
ここで三陸ひとつなぎ自然学校 代表理事の伊藤さんと合流しました。
伊藤さんの案内で、釜石市内の復興の現状を視察しました。
市内の各所では駐車場が多く、これは人々が抜けていった結果だそうです。堤防は震災当時に比べ2倍以上の高さのものを再建しているところもあるそうです。
震災を受けた町は今も盛り土をするなど、復興工事をしている場所が多く、去年通った道がなくなって新しい道になっているというようなことも多かったようです。

伊藤さんにガイドをしてもらっているときに感じたのは復興のペースの遅さです。まだまだ完全復興までの道のりは遠いなと思いました。
津波の被害にあったところは現在もかさ上げ工事をしている地区が多く、建物の数はそれほど多くはなかったです。

それから以前は鵜住居地区防災センター跡地にあった慰霊施設が移設されている場所を訪問しました。いまでもたくさんの人が訪れるようで、祭壇が設けられ千羽鶴が飾られていました。

風が強かったので慰霊施設の中で震災前の町の写真や動画などを見せてもらいながら説明を聞きました。

17時頃、宿泊先である宝来館に到着。
裏山で震災当時の説明などを伺いました。
伊藤さんが撮影した津波襲来時の動画を見ながら宝来館の裏山に上ると、いかに津波が大きかったのかわかりました。地震・津波などという天災は、人のこれまでの努力を一瞬で消し去っていくのだなと改めて実感しました。
その後はお風呂や休憩をしてから夕食と交流会です。
当日は風がとても強かったので、温泉が身に染みました
釜石で採れた新鮮なお刺身など非常にボリュームがあり、満足でした。

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19時には、伝統芸能の「虎舞」を鑑賞。
鵜住居地区青年団の皆さんの演技で、太鼓は迫力があり、掛け声などもあって非常に見ごたえのある伝統芸能でした。

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20時には、ツアー参加者+三陸ひとつなぎ自然学校のメンバーも加えて自己紹介・ツアーの意気込みなどを交流。
名前となぜ自分がこのツアーに参加したのかの理由など、一人一人の思いを全員に共有しました。

21時30分に就寝の予定が、23時近くまでロビーで語り合っている方も多くいました。

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この三日間のツアーで私はまだまだ被災地には人の力が必要だと思いました。もっと現在の被災地を多くの人に知ってもらうことが大切と思ってきましたが、宝来館の女将さんが今後は一人一人とのつながりを大切にしていきたいと仰っていたのはすごく印象的でした。
三日間というすごく短い時間でしたがそれ以上に非常に充実したいい経験ができました。


ツアー2日目の様子はコチラ

ツアー3日目の様子はコチラ

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,東日本大震災支援 — aozorafoundation 公開日 2:42 PM

西交リバプール大学教員、西淀川・公害と環境資料館を訪問(10/28)

中国浙江省にある西交リバプール大学から、環境学を専門とする2名の教員の方が10月28日(金)に西淀川・公害と環境資料館を訪問されました。

日本の環境汚染と地域再生について学生に学んで欲しいということで、同大学では研修として日本の環境学習施設を訪問しています。お二方は西淀川に来られる前に、学生を連れて富山県立イタイイタイ病資料館を見学されたそうです。

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今回は櫻井先生が指導する、神戸市外国語大学中国学科の学生も通訳として参加しました。

まず初めに西淀川公害及び公害訴訟の歴史の概要ついて説明し、その後、日本の環境汚染問題の現状や対策などについて質問が出ました。

・患者会が作った西淀川のマップは全て実現されたのでしょうか?
・大阪のゴミ焼却所がとてもきれいだとお聞きしました。それ以外にはおすすめの環境学習関係の場所はありますか?
・学生は日本に環境再生を学びに来ました。環境問題解決に向けて、学生は特に日本から何を学べばいいと思いますか?
etc.

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上記の最後の質問に対して今回説明を担当した林は、「世論を盛り上げることが重要だと思います。」と回答しました。
日本の公害訴訟では、世論の高まりが問題解決に向けた大きな要因となりましたが、中国の環境問題解決に向けても、「世論」を如何に盛り上げるかが重要になってくるのでしょうか。

(記・當間美波)

平成28年度「大阪市環境表彰」を受賞いたしました。

この度、長年の地域における環境保全・再生に関する取り組みが評価され、平成28年度「大阪市環境表彰(団体の部)」を受賞いたしました。
あおぞら財団設立から、ちょうど20年。
これまでご支援・協力いただいた皆様に感謝申し上げるとともに、本受賞を励みに、これからも「手渡したのは青い空」を目指して、取り組みを継続・発展させていきたいと思います。

↓大阪市HP・平成28年度「大阪市環境表彰」の受賞者を決定しました
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kankyo/0000384562.html

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,全体 — aozorafoundation 公開日 2016年12月22日2:55 PM

ソラダス報告会「みんなで調べた西淀川の空気の汚れ」を開催しました(12/7)

12月7日(水)にソラダス2016西淀川報告会「結果発表!みんなで調べた西淀川の空気の汚れ」が行なわれました。参加者は27名(報告者含む)でした。

日時:2016年12月7日(水)15:30〜17:30

場所:のざと診療所3階

主催:2016大阪NO2簡易測定(ソラダス2016)西淀川地域実行委員会

最初に大阪労連西淀川総連合の矢野さんからあいさつが行なわれました。今回のソラダス2016では、過去の調査の時以上に多くの団体と協働して行ったこと、また、測定前の実行委員会も3回行い、大気汚染に関する勉強会も行い、大気汚染に対する関心を高めながら実施してきたこと等をお話しされました。

続いて、あおぞら財団の栗本からソラダス2016の結果報告です。西淀川区内を45区画に分けて計測しています。中島工業団地がある西淀川区の湾岸部では91ppbと高い数値が出ました。他にも環境基準上限値の60ppbを超えたところが3箇所ありますが、すべて中島工業団地内の中島2丁目でした。NO2測定のためにカプセル設置を行った方々は、自分が計測した場所の空気の状況が数値として出てきているのを大変興味深そうにみておられました。

講演「手渡したいのは青い空 大気汚染対策を進めた市民の力」

次に、西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田さんから「手渡したいのは青い空 大気汚染対策を進めた市民の力」と題した講演がありました。

西淀川区のNO2の測定運動は1978年に始まりました。この時期は、NO2の環境基準緩和をめぐる攻防があった時期で、それまで「1時間値の1日平均値0.02ppm以下」とされていたのが、1978 年に「1時間値の1日平均値0.04~0.06ppmのゾーン内またはそれ以下」に改訂されました。これにより、公害指定地域全面解除が行われることになります。市民による大気汚染測定運動は、こうした人間の生活環境よりも経済発展を優先する政策にNOを突きつける運動の一つだったのです。

現在は、大気はかなり改善されましたが、大阪市内を中心に汚染が改善されずに残っている箇所があります。港区の国道43号と阪神高速道路が重なって走行する地域沿道では、環境基準を超え、80ppbにも達する深刻な汚染が続いています。また、カプセル調査と同時に行った健康アンケートを分析すると、ぜん息有症率はNO2濃度が高い地域ほど高く、大気汚染のひどさとぜん息の有症率とは大いに相関していました。ぜん息などの呼吸器疾患には、環境の因子、特に自動車排ガス等の影響が大きく、きれいな大気環境を実現することをもっとも重要な課題とし、ぜん息など呼吸疾患は公害疾患として救済する仕組みを検討すべきだと述べられました。

そして、私たちができることとして、みんなで調べた結果を区民に知らせる、調査データに学び、話し合いをする、交通や健康の問題で区役所と懇談する、道路連絡会に参加することを提案されました。

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報告「交通量と空気の汚れ調べ 道路連絡会の取り組みのひとつとして」

報告「交通量と空気の汚れ調べ 道路連絡会の取り組みのひとつとして」は、あおぞら財団の谷内が発表しました。

道路連絡会は、公害裁判において原告・国・高速道路会社との間で交わされた和解条項に基づいて設置されたもので、公害被害者が道路政策について道路政策決定者に直接意見を述べることができる貴重な機会です。道路連絡会はPM2.5の測定および環境基準の設定、環境ロードプライシングなど様々な政策の実現に関与してきました。その一方で、交通規制等の抜本的な対策は実現できず、議論が膠着化している部分があります。

そこで、西淀川では、膠着した議論から協働した議論に進めていくために、国交省、阪神高速道路株式会社、患者会、あおぞら財団によるワーキング会議を実施しています。ここでの検討事項の一つとして、交通量と大気の関係がどのようになっているのかというものがあります。そのため、阪神高速道路の大規模工事に合わせてNO2測定のカプセル調査を行いました。工事期間中には、国道43号、国道2号で交通量が増大し、それに伴い大気の状況も悪化していました。このデータを詳細に分析することにより、どの程度交通量を減少させれば大気を改善できるのかという議論をすすめていきたいと考えています。

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最後に西淀川高校の門谷先生から「西淀川高校での環境教育のとりくみ」の報告がありました。西淀川高校では、学校として「環境教育」を位置づけており、今年は1〜3年生全体でNO2カプセル調査を実施し、文化祭で結果を発表しました。この取り組みにより、身近な問題から身近ら行動する意味を考えることに繋げています。

西淀川高校の門脇先生の報告

西淀川高校の門脇先生から環境教育の取り組みについて報告がありました

質疑応答では、PM2.5に関するもの、交通量を大幅に減少させることが現実的なのか、行政をもっと動かさないといけないのではないかといった質問や意見が出されました。

今回の「ソラダス2016西淀川の取り組み」により、西淀川区内での大気汚染に対する関心を持つ人を増やすことができました。さらにこの取り組みを大きく広げ、大気の改善を実現していくために、みんなで力を合わせてできることを継続してやっていけたらと思います。また、今年度の道路連絡会は2〜3月にあおぞらビルにて公開で実施する予定ですので、交通と大気について興味のある方はぜひご参加ください。

(谷内)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2016年12月12日12:07 PM
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