「COPDの早期発見への取り組み」のページを更新しました。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見への取り組みとして、今年度から西淀川区役所と連携してイベント時や健康診断時に肺年齢測定やパンフレットの配布を行っています。
来年度以降も、区役所と連携して健康診断の時などに肺年齢測定を行う予定です。
https://aozora.or.jp/katsudou/ikigai/copd_check
「COPDの早期発見への取り組み」のページを更新しました。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見への取り組みとして、今年度から西淀川区役所と連携してイベント時や健康診断時に肺年齢測定やパンフレットの配布を行っています。
来年度以降も、区役所と連携して健康診断の時などに肺年齢測定を行う予定です。
https://aozora.or.jp/katsudou/ikigai/copd_check
1月20日に予定していた楽らく呼吸会(姫島診療所)ですが、講師の都合により1月12日(木)に変更します。
次回のテーマは「禁煙」です。タバコを喫煙されている方、まわりでタバコを吸っている方がいたら、ぜひご一緒にご参加ください。また、タバコは自分に関係がないと思っておられる方でも、タバコの害を知っていただくことで、一緒に禁煙の動きを広げていただけたらと思います。
どなたでもご参加できますので、よろしくお願いします。
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・千北診療所……1月19日(木) 14:00~15:30(禁煙について)
・姫島診療所……1月20日(金)1月12日(木)に変更になりました 14:30~16:00(禁煙について)
・のざと診療所…2月10日(金) 14:00~15:30(薬について)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
谷内
2016年12月9日(金)、のざと診療所で第40回楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から薬剤師の箱崎さん、あおぞら薬局から薬剤師の各務さんを講師に迎え、禁煙について勉強しました。呼吸会の主な参加者である呼吸器疾患の患者さんの多くは喫煙されていない方が多いのですが、煙草がCOPDの大きな原因になっているということ、地域に禁煙の輪を広げていきたいということから禁煙をテーマとして取り上げています。
参加者は6人(内、患者さん3名(家族の方を含む)、薬剤師2名、スタッフ1名)でした。今回は師走ということで他の用事が重なったり体調を崩している人があり、いつもより少人数でした。
禁煙についてお話をききました
最初に、それぞれ事前アンケートに記入。喫煙しているかどうか(以前喫煙していたかも含む)、周囲に喫煙者はいるか、周りの喫煙者に禁煙のアプローチをしているか、といった内容に答えました。
前半は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)についてお話を聞きました。COPDは、大気汚染だけでなく、喫煙が大きな原因になっています。たばこの販売本数とCOPDによる男性の死亡率には強い相関関係があります。COPDは1990年には全世界の死亡理由ランキング(WHO)で6位でしたが2020年には3位になると予想されており、COPDを減らすために禁煙の輪を広げることは重要なことです。
後半は、具体的な禁煙の取り組みについてのお話でした。大阪市は、全国の大都市の中でもトップ5の喫煙率だそうです。
喫煙は、COPDなどの肺に悪影響を与えるだけでなく、血流が悪くなることから様々な部分に影響が出てしまいます。白内障や脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、胃潰瘍、骨粗しょう症、不妊など様々な病気のリスクが高まるそうです。
喫煙者の肺は真っ黒になります
煙草は、吸っている本人だけでなく、家族など周囲の人に与える影響も大きくあります。煙草の有害物質は、主流煙(喫煙者が吸う煙)よりも副流煙(受動喫煙で吸う煙)の方に何倍も含まれています。たとえば発がん物質のニトロソアミンは、副流煙に主流煙の52倍の量が含まれています。換気扇の下やベランダで吸っていても、有害物質は部屋に漂ってしまいますし、空気清浄機では煙草の有害物質を除去することができません。
禁煙のための薬についての紹介もありました。禁煙補助剤には、錠剤やパッチ、ガムなど様々なものがあります。ニコチンを含む薬は、禁煙時の離脱症状に対して、ニコチンを補給して、その症状を緩和しながら、煙草を吸うという習慣から抜け出して禁煙していくというものです。参加者の中にはこのパッチを使って禁煙に成功された方がおり、体験談を話してくださいました。
煙草をやめやすくする薬(禁煙補助剤)
このように様々な害がある煙草ですが、喫煙者に禁煙を勧めるのはとても難しいことです。薬剤師の各務さんは「相手を否定すると反発されてしまう。禁煙した人の体験談とかメリットを紹介して、相手の意思を少しずつ禁煙に向けさせましょう」というアドバイスをいただきました。
のざと診療所では、毎月第一土曜日(1月除く)の13時~14時に禁煙教室を開催しているということです。ご家族や周囲に禁煙してみたいけどなかなかやめられないという人がいたら、ぜひ声をかけてみてください。
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・千北診療所……1月19日(木) 14:00~15:30(禁煙について)
・姫島診療所……1月20日(金)1月12日(木)に変更になりました 14:30~16:00(禁煙について)
・のざと診療所…2月10日(金) 14:00~15:30(薬について)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
谷内
2016年11月17日(木)に千北診療所で、11月18日(金)には姫島診療所で楽らく呼吸会を開催しました。千北診療所では理学療法士の石本愛さん、姫島診療所では榎田八千代さんを講師に迎え(いずれの方も西淀病院に所属)、呼吸リハビリと体力測定を行いました。参加者は千北診療所で10人(内、患者さん7名、理学療法士1名、看護師1名、スタッフ2名)、姫島診療所で8人(内、患者さん5名、理学療法士1名、看護師1名、スタッフ1名)でした。
まずは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの状態について説明がありました。呼吸する際には横隔膜を動かしますが、横隔膜を動かしているのも筋肉です。筋肉は使っていないとどんどんやせていってしまいます。筋肉には無意識で使っているものと頑張って使うものがありますが、呼吸などで無意識で使っている筋肉が衰えてしまうと腹筋などを使って頑張って呼吸しなければなりません。ですので、体操などをして筋肉を維持していくことはCOPDの患者さんにとって大事なことです。理学療法士さんは、比喩や豆知識などを盛り込んだわかりやすい説明をしてくださり、みんなで呼吸リハビリの重要性について確認しました。
お話を聞いた後は、体力測定です。体力測定を継続しておこなうことで、自分の体の具合を確認したり、日頃の運動について見つめなおす機会にもなります。
①握力測定(手の筋力を測る=体全体の筋力を見る)
呼吸リハビリでなぜ握力を測るのが大事なのかと不思議に思いましたが、握力測定は物を握る力だけではなく全身の概ねの筋力を測ることができるそうです。
「握るのは苦手」と仰られる方もいましたが、どの方も少しでもよい結果を出そうと気合をいれてがんばっておられました。
②30秒椅子立ち上がりテスト(手と足の体力を測る=歩くときに関わる体力を見る)
このテストでは、30秒間の間に椅子からの立ち座りを何回繰り返しできるのかを測定します。これによって、高価な機械を使わずとも簡単に歩くときに関わる筋力を測定することができます。筋力の低下は運動しない不活発な生活につながりやすく、息切れなどの症状の悪化に繋がってしまいます。
立ち上がりに不安がある方はこのテストを行いませんでしたが、テストを受けられた方は、自分のベストの結果を出そうと真剣に取り組んでおられました。
③COPDアセスメントテスト(CAT)(息切れの度合いを見る)
CATとは、COPDの患者さんを簡便に評価する質問票です。「いつも咳が出ている」「坂や階段を上ると、非常に息切れがする」といった8項目を6段階で回答して、最後に点数化します。このCATで呼吸困難の程度を把握し、治療方針の決定に役立てることがことができます。
体力測定の後は、呼吸体操をみんなでおこないました。口すぼめ呼吸をしたり、胸を張って胸の筋肉をのばしたり、かかと上げや片膝を伸ばす運動をしたり。呼吸の動きと呼吸に関わる全身の筋肉の動きを整える事で、息切れを減らし体力をつける事ができます。
呼吸体操は立ってでも座りながらでもできます。体調に合わせて実施できるので、毎日の生活に取り入れやすそうです。また、どうしても体調が悪い時は療養するのも大事ですが、2日以上連続して休むと筋力が衰えてしまうので、必要以上に休むのは厳禁だそうです。
最後に、作業療法士の石本愛さん考案の呼吸リハカレンダーの案を紹介しました。このカレンダーは、呼吸体操などCOPDに関連する情報をチェックできる上、一日の歩数や体操した日を書き込むことができるような工夫がされています。参加者の方からは「早く印刷して配ってね!」と期待の声が寄せられました。
次回のテーマは「禁煙」です。タバコを喫煙されている方、まわりでタバコを吸っている方がいたら、ぜひご一緒にご参加ください。また、タバコは自分に関係がないと思っておられる方でも、タバコの害を知っていただくことで、一緒に禁煙の動きを広げていただけたらと思います。
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・のざと診療所…12月9日(金) 14:00~15:30(禁煙について)
・千北診療所……1月19日(木) 14:00~15:30(禁煙について)
・姫島診療所……1月20日(金)1月12日(木)に変更になりました 14:30~16:00(禁煙について)
■参考
(独)環境再生保全機構:「日常生活を考慮した運動療法」、ぜん息などの情報館
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
谷内
2016年11月12日(土)、西淀川区役所にて、医療従事者向け呼吸ケア・リハビリテーション講習会~理学療法士、作業療法士などセラピスト~(応用編)」を開催しました(主催:あおぞら財団、協力:西淀川区役所)。参加者はスタッフも合わせて27名でした。
金尾顕郎教授(森ノ宮医療大学 副学長 / 理学療法学科長/ 作業療法学科長)を講師に招き、今回は、応用編ということで、実技を中心とした講習になりました。
実技は、二人一組になっておこなわれました。まず、金尾先生がケアの方法をレクチャーし、その後実践するという流れで一つ一つ丁寧に指導されていました。
在宅の場合は、触診と聴診のみで診断しなければなりませんし、レントゲンがある場合でも撮影時と診断時では状況が異なる場合もありますので、触診と聴診で適切に診断できるというのは大事なことだそうです。
また、聴診器を使いながら、リアルタイムで呼吸音や肺の音を聴きながらリハビリを行うやり方を学びました。聴診器は心臓の音のような低周波音は聴きやすいのですが、肺を抜けるような音は体にピタッと押し当てないと聴こえません。また、聴診器に違和感を感じ嫌がる患者さんも多いため、聴診器を指に挟んで違和感を感じさせないような工夫をしながら聴診を行う方法を教わりました。
軽いマッサージを行うことで、体が硬い方がスムーズに前屈できるようになったりなど、呼吸ケアの効果の大きさを感じることができました。
最後に、金尾先生からは「今日は、基本的なことだけでなく、高度なことも実習した。基本は基本でおさえながら、患者さんの状態がどうしても変わらないというときは今日行ったようなやり方を試してほしい」というお話がありました。
参加者からのアンケートには「実技の時間がたっぷりあり、たくさん練習ができてよかった」「しっかり練習して患者様に返していきたい」「先生からの指導も多くわかりやすかった」「このような実技中心の講演会はあまりないのでとても勉強になった」といった感想が寄せられました。
また、2回以上参加している方からは「学んだことを臨床で実践でき参加してよかった」「COPDや肺炎の患者さんを担当した際に、胸郭の動きをアップさせるために使わせてもらった」と、講習内容が実務の中にいかされている様子がうかがえました。
(谷内)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環です。