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ブログカテゴリー » 西淀川公害授業

四日市市で語り部養成講座を行いました

2014年11月29日(土)
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四日市環境学習センターにて「日本の大気汚染公害」という壮大な題でお話ししました。
来年3月オープン予定の四日市公害・環境未来館の語り部および展示解説員のための講座でした。
四日市公害の年表と個人の年表をリンクさせるワークショップや
公害地域がどこにあるのかをグループで考えるワークショップなどを組み合わせて
公害健康被害補償法と全国の大気汚染公害裁判とその後の地域再生のお話をしました。
予備知識が入ったところで、西淀川公害の語り部として永野千代子さんのお話をしてもらいました。
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「やっぱり生の声の伝わり方は違う!」
との感想がありましたが、永野さんから被害の大変さ、運動への覚悟のお話は迫力がありました。
前日、微熱があった中で、遠出をしてくれた永野さんに感謝です。
(当日もせきが止まらなくて、つらい中ありがたかったです)

四日市と他の公害地域では、反対運動の継続性という意味で違いがあります。
患者さんたちが先頭に立って、語り部活動を行うということが難しい状態にあります。
そこをクリアして、どうやって市民活動を盛り上げていくか、まだまだ課題があることが明らかになった形になりました。
かなり噛み砕いて講座を行ったのですが、「難しい」との感想もちらほら。
こちらの講義もまだまだ改善の余地ありです。
(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川公害授業,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年12月1日2:49 PM

2/6 永野千代子さんによる語りべの授業

2月6日、大阪市立出来島小学校の5年生を対象に西淀川の公害患者さんの語りべ授業が行われました。

お話して下さったのは永野千代子さんです。

まず、最初にあおぞら財団の職員から公害について簡単な説明があり、その後公害患者、小宮路清盛さんの発作時のVTRを見ました。

児童たちは皆、真剣に画面を見つめていました。

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そして永野さんのお話が始まりました。

・西淀川で二酸化ちっ素の環境基準値が近年までオーバーしていたこと。

・PM2.5は国境を越えての汚染だけだはなく、車からも排出されるので国内でも対策を考えなくてはいけないこと。

・公害訴訟についてのお話。

・同じく公害で苦しんでいた息子さんのお話。

など、たくさんのことを聞かせてもらいました。

永野さんの息子さんは出来島小学校の児童でした。

永野さん自身も特別な思いでお話をして下さったと思います。

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特に私が印象に残った話は、公害がひどかった時の空の色についてです。

その当時、西淀川の子どもたちは空の絵を描く時、絵の具で灰色を塗ったそうです。

今ではそんなことは考えられないですし、想像もつきません。

西淀川の人たちの取り組みとして、廃油を再利用してハンドソープにしたり、車の燃料にしたりしていることを話すと、のぼりやポスターを見た事があるという児童が大勢いました。

そういう活動が地域に浸透しているんだと思いました。

児童さんからの質問の時間では「車と工場では汚れた空気をより出しているのはどっちか」というものや「ぜん息、慢性気管支炎の他にどのような病気になるのか」など鋭い質問もありました。

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先日、天野憲一郎さんの授業を受けていたからでしょうか?終始、子どもたちは話を真剣に聞いていて、質問した際もすぐに答えていました。

これを機に公害について興味をもってもらい、きれいな西淀川をつくっていってくれればと思います。

(ボランティア 山澤)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,ボランティア,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 2014年2月6日4:13 PM

出来島小学校で西淀川公害の授業

2月5日、大阪市立出来島小学校5年生を対象に、天野憲一郎さんによる西淀川公害の授業がありました。天野さんは、元は小学校の教員で、西淀川区の小学校でも長年にわたり教鞭をとっていました。現在は、あおぞら財団で環境教育の活動に関するボランティアや、公害資料の整理のお仕事でもご協力頂いています。

子ども向けの西淀川公害学習用のDVD『手渡したいのは青い空~未来からのメッセージ 』を用いて授業を行いました。

教科書には、四大公害は掲載されていますが、西淀川公害はでていません。西淀川公害と教科書に掲載された公害との関連が理解しやすいよう教科書を拡大し黒板に貼ったり、DVDを放映する前に、西淀川で撮影された事等にふれ子どもの興味をひくなど、様々な工夫をしながら授業をすすめていました。

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西淀川に大気汚染公害の被害が拡がっていた頃の写真や、スモッグのかかった現在の中国の写真を用いて、今なお続く大気汚染公害を皆で考えなくてはいけないことを子どもたちに示していました。

(小平記)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 4:12 PM

ポスト3.11社会の環境教育を考える

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【日時】 2013年11月24日(日)
午前の部:10時00分~12時00分 [受付開始 9時30分]
午後の部:13時30分~16時30分 [受付開始 13時]
【場所】 エル・おおさか 視聴覚室(5階)

【午前の部】
西淀川公害教育の40年;<未来>のために、いま学びたいこと

【午後の部】
宮本憲一×藤岡貞彦 対談
環境・人間・教育/ポスト311の社会のなかで、再び語り合う

※ 午前の部・午後の部のそれぞれの受付となりますので、両方、或
いはどちらか一方を明記のうえ、お申込ください。
【参加費】無料
【申込締切】11月20日
主催:公害教育運動史研究会

後援:公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
【申込/問合先】丹野春香(埼玉大学)
E-mail:sr131002@mail.saitama-u.ac.jp

Filed under: イベント案内,環境学習,西淀川公害授業,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年11月7日6:01 PM

京都精華大学 環境教育実習「公害地域の今を伝える-大阪・西淀川大気汚染の地を訪ねて-」(9/4)

1 実習初日
9月4日、5日、京都精華大学の学生6人が、あおぞら財団で環境教育実習を行いました。京都精華大学の井上有一先生とあおぞら財団は、これまでも新潟、富山、西淀川で、公害地域の今を伝えるスタディツアーを行ってきました。昨年からは、京都精華大学のカリキュラムの一環として、西淀川で環境教育実習を行っており、今年はその2回目です。
9月4日は、午前中に西淀川公害訴訟の担当裁判官であった井垣敏生先生の話を伺い、午後は、被告企業であった住友金属工業株式会社の流れを汲む新日鉄住金株式会社を訪れました。
2 井垣元裁判官の話
井垣先生は、第2次~4次西淀川公害訴訟を担当した裁判長で、現在は、弁護士の仕事だけでなく、立命館大学法務研究科で後進の指導にも当たっています。担当裁判官の話を聞けるとあって、学生だけでなく、訴訟の原告の方々、弁護団に加わっていた村松昭夫弁護士やあおぞら財団のスタッフなど、多くの方が井垣さんの話に聞き入っていました。

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西淀川公害訴訟は、西淀川地域に住む公害被害者らが、国、阪神高速道路公団、企業10社に対し損害賠償と汚染物質の排出の差止めを求めた裁判です。20年に及ぶ裁判の末、被告企業とは第2次~4次西淀川公害訴訟の1審判決前に和解が成立、国、阪神高速道路公団とは同判決後に和解が成立し、終結しました。井垣先生は、第2次~4次西淀川公害訴訟の1審判決で原告の損害賠償請求を一部認容し、道路公害で国の責任を初めて認めました。
西淀川大気汚染訴訟は、井垣先生にとっても思い入れの深い裁判だったようです。裁判を担当するかどうか聞かれたときに、4年間は転勤がないようにしてほしいことや、補充の裁判官をつけてほしい旨を申し入れたこと、裁判の記録は256冊にも及び、並べると15メートルもの長さになったこと、判決をほぼ書き終わった頃に原告らと被告企業との間で和解が成立したため、判決期日を3か月先に延ばして判決を書き直したことなど、裁判の際の苦労や思い出話の数々を披露しました。判決の本文が1494ページにも及んだ理由について、井垣先生は、控訴されたときに、判断が覆されないよう、国民の支持を得られるような判決とするためであったと述べていました。自分の判決でこの裁判を解決させるのだという井垣先生の強い決意を、私は感じました。

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質疑応答の時間では、学生から裁判に関する多くの質問がありました。また、村松弁護士が和解を進めていた当時の裏話を披露したり、原告団に加わっていた公害被害者が井垣先生の話にコメントしたりするなど、多くの方から発言がありました。その中でも、公害被害者の一人が、井垣先生に対し「あの時は、ありがとうございました。」と述べた場面が心に残りました。
3 新日鉄住金の訪問
午後は、西淀川大気汚染訴訟の被告企業だった住友金属工業(現新日鉄住金)の製鋼所を訪れました。新日鉄住金では、総務部総務室長の服部善彦さんから、製鋼所の概要の説明受けた後、製鋼所の中を見学しました。同製鋼所は、日本最大級の16,000tプレスを有し、その大きさに圧倒されました。また、こちらで製作される鉄道用車輪・車軸は、国内シェア100%を誇ります。普段乗っている電車の車輪ができていく様子に、思わず見入ってしまいました。

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工場見学が終わった後は、質疑応答が行われました。学生の皆さんからは、大気汚染対策、水質汚濁対策等の環境対策について質問がありました。それぞれの質問には、服部さんをはじめ総務部の皆様から、硫黄酸化物については、燃料を変えることで発生を抑えていること、窒素酸化物については脱硝装置、ばいじんについては集塵機で対応していることの説明や、水質汚濁対策等について水質汚濁防止法、瀬戸内法に基づき対策を講じていること等の説明がありました。質疑応答の中で、西淀川公害に話題が及んだ際、「水でも大気でも、同じことを繰り返してはならない。」と力強く述べられていたのが印象に残りました。

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井垣先生、新日鉄住金の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

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京都精華大学
http://www.kyoto-seika.ac.jp/
新日鐵住金株式会社
http://www.nssmc.com/

2013年度インターン生 司法修習生 西谷祐亮

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