あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

JICA研修 モザンビーク 「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」

2013年4月22日(月)にJICAを通じてモザンビークの中央政府と州政府職員、14名の研修を実施しました。研修内容は標記のとおり「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」です。

報告内容
1.「日本の大気汚染公害の歴史 あおぞら財団活動紹介」
0
林美帆(あおぞら財団研究員)

2.「約束 きれいな空気と青い空を子どもたちに手渡すため
2 3
森脇君雄(公害患者会会長・あおぞら財団名誉理事長) 永野千代子(公害患者会副会長)

■質疑・応答
0-1
・私たちは日本政府の支援を得て経済発展のプロジェクトを実施しています。自分たちの国の発展をさせていきたいが、経済発展の被害者の部分も知っておかなければならないと思いここに来ました。私たちモザンビークだけではなく、南半球の多くの国が感じていることで「先進国から環境対策を求められるが、(本音のところは)途上国には発展してほしくないのではないか」というのが今までの印象でした。今日のように貴重な体験を伝えていただけると、自分たちが気をつけなければならないことを初めて実感しました。なにも考えないで経済発展だけを求めると、どんな問題があるのかが分かりました。
日本に来て、トンネルも見たし何層にも重なっている道路も見ました。自分たちも日本の国のようにしたいと思いますが、継続できる安全な発展をするためにはどのような問題があるかを教えていただいて、貴重な体験でした。
今日の経験を行政内部や国に伝えることは難しくはないのですが、一般の市民にもう少し環境について考えてもらうことが今後の大きな課題です。それは環境だけではなくて社会全体の問題でもあります。モザンビークが現在抱えている最大の問題は食糧の問題です。

4
・モザンビークの環境省の経験では「一つの事業で、この地域では条件が良くないので、違う場所へ移動させようとすると、あなた達は国の経済発展に反対なのか」と言われ、また反対に「ある調査結果でプロジェクトを進めても良いと判断すると、環境省は何もしないで許可だけ出している」といわれて、何を言っても叩かれる状況もあります。

・お話に出た「エコドライブ」に興味があります。もうすこし詳しく話してください。
林  1.ゆっくりアクセルを操作し、ゆっくり止まってゆっくり発進する。2.いらないものを車に積まない。3.冷房と暖房を弱めの設定をする。4.法定速度を守る。などを気をつけて運転することです。
あおぞら財団のエコドライブの取り組みはコチラ

・日本の場合は環境基準があり、その数値のモニタリングは国がしていると思いますが、あおぞら財団でもしているのですか、さらに他の地域でもその様にしているのか?
林  国のモニタリングのデーターを私達も活用していますが、5年に一回患者会では二酸化窒素の「カプセル測定」を全国で行い、国のデータとつき合わしています。
森脇 大阪で言えば大阪全体を一辺1キロメートルのメッシュを設定して測定し、国のデーターと付き合わせることもしています。自分の家の前にカプセルをつける人もあり、環境教育の側面もあります。調べるための薬剤や濃度を比べる用紙があれば簡単に測定できます。

・あおぞら財団のとりくみは全国でのことですか、それとも地方限定ですか?
林  他の地域の問題として三重県の四日市、岡山県の水島の裁判資料の整理を行っており、尼崎と名古屋と水島にはあおぞら財団と同じような財団があります。

・国との間の交渉はどのぐらい出来ていますか
森脇 国交省とは年に一回です。そのための予備的な話し合いは度々しています。環境省とは何かあるごとに、話し合いが出来ています。
1
本日はありがとうございました。人生の大先輩としても教えを頂くことができましたと感想がありました

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月26日10:28 AM

郷土料理の箱ずし食べませんか? 5/27あおぞらイコバ佃でみせ

西淀川は各地域ごとにいろいろな顔があります。
そして、農漁村から現在の様な住工混在の街に変化したのは
ほんの50~60年間の間です。
地域の方々から昔の様子を聞いて、
地域の良さや、面白い所を、いろんな人と共有していきたいと思います。
共有した情報を公開していく事も目指します。
今回は、昔から食べられていたという箱ずし付き。
ぜひぜひご参加ください。
hakozusi
:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:
あおぞらイコバ・佃でみせ
ちょっと前の佃のむかし どんなところ?
聞いて食べてしゃべって
:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:==:
日 時:2013年5月27日(月)18:30~20:30
場 所:佃会館 http://bit.ly/WPqhl1
定 員:25名
軽食代:500円(はこずし)

あおぞらイコバ 佃でみせ
大阪西淀川の佃地域の昔についてお話を聞いて、
西淀川地域でよく食べていたという「はこずし」を頂きながら、
世代を超えて楽しくおしゃべりしましょう。
当日伺ったお話しや情報は、
ホームページやパンフレットにまとめて、
西淀川の多くの人に知ってもらえるようにします。
協 力:佃史探求 風とみどりの会
主 催:あおぞら財団
申 込:あおぞら財団までご連絡下さい
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL:06-6475-8885  FAX:06-6478-5885
webmaster@aozora.or.jp

トップページ

前回の様子はこちら

あおぞらイコバ 佃でみせ

企画運営委員(敬称略)
小田康徳(大阪電気通信大学)
高田研(都留文科大学)
西村仁志(広島修道大学)
清水万由子(龍谷大学)

Filed under: あおぞらイコバ,イベント案内,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月23日4:48 PM

5/19 西淀川公害患者と共に読む『西淀川公害の40年』

西淀川公害に関する書籍として、これまで『西淀川公害を語る』や『青い空の記憶』などが出版されてきました。それらは、患者会と弁護団による体験談で、当事者の心情や動きが良くわかる書籍でした。この『西淀川公害の40年』は、それまでの書籍とはちがい、客観的に患者会の活動や訴訟の意義などを評価したものです。
今回は、執筆者の先生方に、本の内容を解説してもらい、住民運動の大切さ、運動の意義について、患者さんたちと共有しようと考えています。ぜひご参加ください。
108014
・監修:宮本憲一、森脇君雄、小田 康徳
・編著:除本理史、林美帆
・発行:ミネルヴァ書房
・発行年月:2013年3月15日
・価格:3,500円+税 購入はこちら

日時:2013年5月19日(日)11:00-13:00 
    懇親会 13:00-14:30(参加費1,000円)
場所:あおぞらビル3階 グリーンルーム(あおぞら財団は4階です)
共催:西淀川公害患者と家族の会、あおぞら財団

<プログラム概要>
・執筆者から本の内容について解説
・患者や地域の人との質疑応答
・西淀川・公害と環境資料館(あおぞらビル5階)見学

連絡はあおぞら財団まで (林)

Filed under: イベント案内,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月17日4:19 PM

公害~みんなで力を合わせて~ -大阪・西淀川地域の記録と証言-のページを作成しました。

 あおぞら財団では、「公害~みんなで力を合わせて~ -大阪・西淀川地域の記録と証言-」のページを作成し、公開を開始しました(未来共生イノベーター育成のための「西淀川公害を活用した多文化共生プログラム」作成業務)。

エコミューズに展示しているパネルがホームページで見れるようになったわけです。
これを期に、西淀川公害と住民運動の事が広く伝わればと願っています。

トップページなどにある、この黄色いバナーをクリックしてページをご覧下さい。
kogaibana_j

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月10日3:54 PM

淀協新人研修の受け入れを実施しました

2013年4月3日(水)に(財)淀川勤労者厚生協会(淀協)の新人研修のフィールドワークを実施しました。

4月から淀協の職員として採用された新人の皆さん19人と「西淀川とは」を体験し、淀協下の各院所を見学する内容です。

研修コース のざと診療所→ファミリークリニックなごみ→在宅福祉総合センターみてじま→千北診療所→出来島小学校・出来島交差点→中島工業団地→外島保養院跡→淀川土手→公害医療センター→姫島診療所→大野川緑陰道路→のざと診療所 以下、3日の内容を報告します。

■のざと診療所でフィールドワークの説明、西淀川区の概要説明

P1290533

■ファミリークリニックなごみ

P1290539

淀協の中での最も新しい診療所で「地域の人々が“なごめる”場所をめざすクリニック」の現状が紹介されました。在宅診療が「のざと診療所」についで多く、地域の医療機関からの在宅診療の研修場所にもなっているとの話がありました。

■在宅福祉総合センターみてじま

P1290559P1290565

西淀病院の発祥の地であり、淀川准看護学院もここにありました。今の淀協の看護師さんはここの出身者が多いそうです。建物内部も見学することができました。

■千北診療所

P1290575P1290572

1969年千北病院として出発し、大気汚染の激甚な時期には患者さんの命を支える医療の最前線を担っていました。かつてはこの病院で区医師会が公害患者の検査センターに使っていた時期もあったと紹介がありました。ゆとりのある施設を活用しディケアーの活動もすすめているそうです。

■出来島小学校・国道43号線出来島交差点

P1290579P1290582

出来島小学校には大気を監視する測定局があります。また、43号線の沿道には西淀川大気汚染裁判の国交省との和解で、汚染を軽減するための対策がなされています。その1つである学校の塀や防音壁に酸化チタンを塗布して、二酸化窒素を分解したり活性炭素を活用し汚染を除去するプランターが設置されています。

■中島工業団地・外島保養院跡石碑

中島工業団地の概要をバスから見学しました。この工業団地は公害対策として、煙を排出しない工場が集められたこと、現在はここから産業廃棄物の大阪湾埋立地への積み出し場所になっています。 小さな石碑だけが残された場所が、ハンセン病の外島保養院のあった場所です。住民の生活から隔離されたこの場所が「外島の地」であったとの説明がありました。

■淀川土手

P1290591

淀川の水面と福の家屋が並んでいる場所を両方見通せるこの地は、海抜ゼロメートル以下での街並みを実感できる場所です。地震による津波が大阪湾を襲った場合の被害を、参加者は考えました。 天気が良く暖かい日差しを満喫しながら、キラキラと輝く水面を楽しみながら土手でお弁当を食べました。「公害に苦しむ街から、自然を見事に回復しつつある街」を実感できる場所でした。

■西淀川区医師会立公害医療センター 以前は千北病院内に設立されていたセンターがこちらに移転しています。公的医療機関が無い西淀川では患者さんの公害病の「認定」検診をここで実施していました。現在も患者さんの認定検査を行っています。

■姫島診療所

P1290596

1950年6月沓脱タケ子医師によって設立され、ジエーン台風時の「たらいに乗っての診療活動」は長く語り継がれています。内科・小児科・整形外科・禁煙外来・物療・リハビリテーション・往診が可能な診療所で、介護老人保健施設「よどの里」が同じ敷地内に併設されています。他の淀協の診療所でも同じですが、「当診療所は『無料低額診療事業』の認定施設です。医療費等でお困りの方は、是非ご相談ください」と呼びかけています。待合スペースでは、定期的に名画が鑑賞できる映画会も実施し「患者は勿論、健康な人とも地域に開かれた医療施設をめざしている」と事務長さんは説明されていました。

■大野川緑陰道路

P1290605P1290608

江戸時代の農民が、自ら資金を出し合い、現在の東淀川区淡路から大阪湾までの距離をわずか50日で掘りぬいた農業用排水路です。どぶ川になっていた経過があり、埋め立てて空港へつなぐ高速道路の計画が持ち上がった時に「これ以上の排気ガス道路はいらない、緑の生活空間へ」と住民が立ち上がり、計画を変更させて緑あふれる区民のすばらしい憩いの場となっています。大阪市の設立した「中島大水道」石碑の場所で、そのような説明がありました。

■のざと診療所(公害患者さんのお話)

P1290618

西淀川公害患者と家族の会から森脇会長と認定患者の和田さんからお話を聞きました。森脇さんは、患者会の前は淀協の職員で千北病院をつくるために大和田で300世帯に呼びかけて病院設立の基金を募った経験を話されました。西淀川公害訴訟で医療関係者の献身的な努力なしには裁判の勝利は無かった、40年の私達の運動がきれいな空を取り戻したのだということを知ってほしい、なによりも住民を大切にする医療であってほしいと話されました。

P1290620

和田さんは、「以前の柏花地域での淀川の水はきれいで葦がしげり、シジミが美味しかった時期がありましたが、近くに病院がありませんでした。柏花診療所は公害患者の私たちと病院職員も一緒になって、お金も集め、力を併せて作り上げた病院です。昭和45年の後半あたりで、大気汚染によるぜん息患者になり3級の認定患者になりました。ぜん息発作がでると息ができなくて苦しく、横になって寝ることができません。布団を積み上げてその上にうつぶしになって寝る時期が長くありました。勝つか負けるかわからない裁判の原告になって、いろいろな経験をしてきました。当時点滴を受けながらビラくばりをしたり、訴えをしている患者さんも多く居ました。空はだいぶきれいになってきましたが、いまでもぜん息の子どもさんが増えていると聞いています。苦しむ小さい子どもを増やしたらあかんと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と淀協の新人さんに訴えられました。

■ ワークショップ

P1290640P1290642

フィールドワークの感想の共有 四つの班に分かれて「本日の発見」と「西淀川の好きになったところ」を各自がポストイットに書き出し、模造紙に貼り付けて整理をするワークショップを行いました。

各班からは 交通の便がいい 駅近い スーパーが多くて暮らしやすそう 緑陰道路は桜がきれいで楽しそう 足ツボが印象的 淀川は景色がきれい うなぎや魚が多くいる 夜景が見たい 診療所は建物がきれい 「茶がも」(ほしはじろ)が印象的 診療所の患者さんも明るそう

ハンセン病の施設跡が印象的 歴史を大切の残している 西淀川区は「島」の地名が多い 海岸がきれいだった 診療所の方は親切で熱い人が多い 地域の歴史を学ぶことは患者さんの背景を知ること 地域の人を大切にしている 散歩がしやすそうな土地である 東西交通は発達しているが南北の交通がない

P1290647P1290643

緑陰道路は区民に愛されている ハトが多くて癒された 診療所が様々なイベントを行っている トラックの青いマークを始めて知った 大気汚染の測定局が多い 工場の近くに住宅が多い 緑陰道路の昔と今の違いが判った

などの新しい発見がありました。「今日の最初は西淀川について話すことができない人がほとんどでしたが、一日を終えた今は話せることがたくさんできました。西淀川の住民の背景に思いをめぐらす淀協の職員になって下さい。」とのまとめがありました。(天野)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月9日3:40 PM
« 次のページ前のページ »