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大阪公立大学医学部生の見学を受入(9/8)

9月8日(月)、大阪公立大学医学部医学科の6年生4人と西淀川区保健福祉課の職員3人が、西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)で見学を行いました。医師の卵である学生たちが公害の歴史や公害患者の声を学ぶ機会として、受け入れを行っています。

 

最初に、「フォトランゲージ」を通じて写真から西淀川公害について考えてもらった後、講義でその背景を学びました。その後、資料館を見学しました。
後半は、大阪公害患者の会連合会の岩本啓之さんおよび事務局の上田敏幸さんから、公害被害の体験談を伺い、交流を行いました。

公害患者さんのお話

参加した学生からは、次のような感想が寄せられました。
・公害が過去のことではない
・公害患者から直接話を聞ける機会は貴重。得た学びを医師として活かしていきたい。
・公害患者や市民に寄り添える医師になりたい
・家庭医として地域の特色を理解して医療を提供したい

学生たちは、公害を「過去の出来事」ではなく「今につながる課題」として受け止め、医師として何ができるのかを真剣に考えていました。
患者さんの声に耳を傾け、地域に寄り添う医療を実現してくれることを願っています。

西淀川区役所でCOPD・肺年齢チェックを実施しました(9/15)

9月15日に西淀川区役所で行われた「がん検診」にてCOPD・肺年齢チェックを行いました

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙や大気汚染などが原因で進行性の呼吸器疾患です。治療に早期発見と適切な管理で、推定患者数は約530万人といわれていますが、治療を受けている方は約38万人と少なく、未診断・未治療の状態にあります。

あおぞら財団は、ブース出展という形で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見の取り組みとして肺年齢測定やパンフレットの配布を行いました。

今回は30名の方に肺年齢測定を実施させていただきました。実施させていただいた方の中で23名(77%)の方が初めての測定だったとのことでした。

ハイチェッカーで簡易検査

呼吸のしづらさが心配な方はスパイロメーターで測定

今回の結果では、30名中6名(20%)の方が「実年齢よりも肺年齢が10歳以上高い」という判定になりました。

測定後のアンケート調査では、この呼吸リハビリテーションについて知らないと答えた方が25名中21名(84%)でした。呼吸リハビリテーションは、運動療法・呼吸法・排痰法・栄養指導などを組み合わせ、患者の方の生活の質(QOL)を高める取り組みです。

また、COPDを知らない方も21名(70%)であったため、今回の肺年齢測定を行うことで多くの方にCOPDの理解を深めていただくことができました。

次回は10月25日(土)に、西淀川区役所で行われる2025西淀川区健康いきいき展にて、肺年齢測定を実施いたします。

喫煙中の方や過去に喫煙していた経験がある方、息切れや呼吸のしづらさが気になる方は、ぜひお立ち寄りください。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新 | 環境保健 — aozorafoundation 公開日 2025/09/26(金) 17:49

【参加者募集】くるる☆キッチン 防災クッキング ポリぶくろで、ごはんをつくろう!(10/18)

※あおぞら財団は、にしよど親子防災部の事務局をしています。

「くるる☆キッチン 防災クッキング」を10月18日(土)に行います! にしよど親子防災部と子ども食堂くるるとのコラボ企画です。

今回も、前回に引き続き、あべの親子防災部でポリ袋クッキングに取り組んでいる益田紗希子さんを講師にお招きして、ベーコンと卵のチャーハンを作ります。(ポリ袋クッキングブックはこちら

また、麹士のゆきこうじさんから教えてもらった塩麹レシピも活用します。

塩麹には、食材を柔らかくしたり、食材の保存性を高める、消化吸収をサポートして免疫力アップというメリットがあります。

災害時には偏った食事になり体調を崩しがちです。塩麹は、災害時の食事を少しでも豊かにして健康を保つのに役立つ可能性があるということで、今回のメニューに取り入れています。

「くるる☆キッチン 防災クッキング ポリぶくろで、ごはんをつくろう!」

★メニュー

ベーコンと卵のチャーハン、野菜の塩こうじ浅漬け、蒸しパン

※食物アレルギーがある場合はご相談ください。

★概要

〇参加費:0円
〇場 所:出来島小学校家庭科室
〇日 時:10月18日(土)10:30-14:00
〇定 員:15人(こどものみで参加)、10人(大人、親子連れ)
〇持ち物:タオル、エプロン、うわぐつ(スリッパ)
〇講 師:益田紗希子さん(NPO法人ミラクルウィッシュ、あべの親子防災部)
〇主催:特定非営利活動法人くるる・にしよど親子防災部
〇協力:出来島小学校

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★お申込み

【電話・メールでのお申込み】参加者の名前・参加人数・学年・アレルギーの有無をお知らせください。TEL:090-5648-7182(ショートメール可)、Mail:hattyakikoku@gmail.com

【用紙での申込】リンク先の用紙(pdf)をダウンロード・印刷して、下部の申込用紙に必要事項を記入して、下記住所のポストへ投函してください。

お申し込み先ポスト設置場所
西淀川区出来島2-9-7(ケアステーションキキ内)

チラシのPDFデータはこちら(578kB)

※本事業は大阪市ボランティア活動振興基金の助成をうけて実施しています

Filed under: イベント案内 | 地域づくり | 防災教育・にしよど親子防災部 — aozorafoundation 公開日 2025/09/25(木) 17:31

エコミューズ館長日記No.35

今朝は、目が覚めた時に外の空気を吸ったら少しひやっとした。長かった猛暑が終るのかもしれない。日本人はみんな環境論者になった気もする。しかし、今日は彼岸の入り。何年か前なら先祖のお墓参りと心を配る時期だったんだが、昨日も北陸方面で豪雨とか、気候の変動がいよいよ常態化するような気がする。

ところで本題。資料集というものは十分よく調査して、ある程度自信を持っていくものだが、しばらくすると重要な問題で見落とした資料が色々と出てくるものである。あおぞら財団の発行する『りべら』最新号に「西淀川再生プラン」の解説を依頼されたのであるが、これについては、よく知られた資料であってわけのないことと高を括っていた。ところが最近発行された清水万由子先生の『「公害地域再生」とは何か』において、それがNo.1~No.6まであることが紹介されていた。そのことは清水先生の本で初めて知ったことで、驚いてしまった。急いで全容を知らないとと考えたのであるが、原本が見当たらない。色々と未調査の塊を調べたところ、どうも傘木宏夫氏の資料の中にあった。これはそうした街づくりの課題に取り組むことを訴えた第一号の資料と、その後状況の変化に合わせて課題の重心をどこに置くかについての目標の変更であることに気が付いた。気が付いてみると、一安心。今までの資料集でよいのかもとも思い、しかし何か抜けているのかもという不安も心を悩ます。今後さらに調べなくっちゃと感じた次第。

これから気温も下がるので調査時かもしれないと、自らを元気づけているところである。

スタッフからのお土産です。

2025.09.19 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

立命館大学法学部石橋ゼミ フィールドワーク(9/10)

9月10日(水)に、立命館大学法学部石橋ゼミの皆さんが西淀川区でフィールドワークを行いました。

石橋ゼミは、毎年夏休みの時期に西淀川を訪れ、公害と法律のつながりについて学んでいます。研究テーマの一つである民法の「共同不法行為」は、西淀川公害裁判の重要な争点の一つでもあります。

≪フィールドワーク≫
出来島駅に集合し、まち歩きがスタート。

国道43号沿いの交通環境や、大和田川公園、初代公害医療センターであった千北診療所、「公害の石碑」があるあおぞら苑など、西淀川が公害とどのように向き合ってきたかを肌で感じながら巡りました。

国道43号線沿いの交通環境について説明しています

大和田川公園にて西淀川の公害の歴史を学んでいます

千北診療所での公害医療センターとしての働きについて説明

道中では、解説を交えながら西淀川のまちを歩くことで公害のまちと呼ばれた西淀川が現在どのように変化しているのかを目で見て感じ、学ぶことができました。

≪公害の歴史と公害語り部のお話、公害訴訟弁護団の方のお話≫
あおぞら財団に到着後は、西淀川公害の経緯についての講義を行い、西淀川区の公害がどのようなものであったかを学びました。

次に、公害患者である岡崎久女さんから、当時の体験を語っていただきました。
岡崎さんは、昭和48(1973)年に西淀川に移住し、その後昭和50(1975)年12月ごろからぜん息を発症し、長年にわたり苦しんでこられました。次男もぜん息を発症し、その当時の状況や、環境、心境について語っていただきました。

質疑応答では、学生から「当時、政府や自治体に対する憤りを感じたか」といった質問がありました。
岡崎さんは、「政府や自治体のことを考える余裕がないほど辛かった。そこまでの余裕がなかった。でもそれでは変わらない。私たちと同じような思いをする方を増やしたくないという思いから今もこの語り部の活動を続けている。」との回答をいただきました。

西淀川公害訴訟での署名活動についてもお話していただきました

また、次に西淀川公害訴訟の弁護団の一員として活躍された村松弁護士の講義が行われました。
訴訟を行う上で何を争点とするか、その争点で争う際の対応、当時の状況や、訴訟を行う上で必要なことなどを詳しく教えていたただくことができました。また、西淀川公害訴訟がその後の訴訟に与えた影響や、西淀川公害訴訟が自身に与えた影響なども語っていただきました。

質疑応答では、「長い期間での裁判で大変だと感じたこと」について、共同不法行為の責任が生じるかどうかについての確たる証拠を集めることが難しかった。この公害が確実に環境破壊や健康被害を起こしているということを推類するものを見つけることが難しかったと回答されていました。

講義の最後に、公害患者の思いが詰まった言葉として、「自分のことなら諦められる。他人(ひと)のことなら頑張れる」という言葉を紹介して締めくくりました。

講義では様々な体験について聞くことができました

≪公害資料館でさらに学びを深める≫

その後、公害資料館(エコミューズ)を見学し、公害の歴史について資料を見て西淀川の公害について学びました。
学生の皆さんは各々資料を見て、公害がどのようなものであるかの理解が深まったようです。

資料を見て真剣に学んでいます

≪振り返り:学生の感想とこれから≫

最後に振り返りを行い、感想・印象に残ったことと今後学びたい・深めたいことの2つの意見を書いてもらいました。
感想・印象に残ったことでは「身近な地域で起こった公害問題について知る事ができて良かった」「一人一人の想いと行動があって今の青空があることを知った」という声が出ました。
今後学びたい・深めたいことでは「自分たちが学んだことを自分たちの代で途絶えさせないように伝えたい」といった意見が出ました。

研修後の振り返りアンケートでは、「共同不法行為の理解が深まった」、「将来法律家を志す上で被害者の声をどう法に生かすかという視点を得られた」、「今後は公害や環境問題を、法と社会の両面から考えていきたい」といった、法学部のゼミならではの感想が寄せられました。

公害というものは終わったものではなく、今現在も続いており苦しんでおられる方がいるものです。昨今の世界の環境などを考えると西淀川公害の歴史から学べることは非常に多いのではないかと思います。今回の学びが良い形で未来に影響を与えることを願っています。

(記・あおぞら財団アルバイト K)

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